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更新日:2024年12月27日
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かながわ障害者雇用優良企業である日本理化学工業株式会社の障害者雇用取り組み事例です。
6S活動の掲示板でチームの目標も明確化
総務、経理、営業、商品企画以外の仕事(製造、出荷、出荷補助、梱包・PC操作等)を全て知的障害者の方が行っています。製品の検品についても、どういうものが不良なのかを誰にでも分かるように具体例を写真で示したり、検査冶具を改良する等の様々な工夫をして、大半を障害者の方にお願いしています。
整理整頓がされた工場の作業風景 不良品をわかりやすく写真で説明
障害者だから「何もできないだろう」という先入観で仕事を割り振るのではなく、その人が「どうしたらできるか」を考えて仕事をできるようにするのが会社の役割だと思います。
そのためには、「これをやってください」と伝えるだけではなく、それを相手にちゃんと伝わるようにするのが大切です。
当社は、健常者より障害者が多い会社です。健常者同士だとわかっているからあえて言葉に出して伝えない場合が多いですが、当社の場合は文章にしても必ずルビを振ろうとか、みんながわかりやすいように絵で説明しようなどと考えます。
また、仕事に集中してもらうためには、集中できる職場環境を作ることも大切です。周りがザワザワしていたら集中できませんよね。周りが集中していたら、みんなも集中して仕事ができます。仕事中は仕事以外のことを話さないことを決まりとして社員全員に伝えています。
その人にあった仕事を見つけてあげるということがとても大切です。職場実習の際に、その人をよく見る、その人が製造業にあっているかどうかを見極めます。
例えばライン作業なら時間内に決められた作業ができることが必須ですし、販売なら人とのやりとりを楽しめるという特長があれば適性があるといえます。 実習の際にその人の特長をつかんで担当部署の仕事ができるかをある程度判断します。もちろん、本人の興味がある仕事についても実習や面接の際に聞いていますし、万一その仕事がその人に合わなければ違う仕事に変えるなど柔軟に対応しています。
18歳や19歳の学校を出たばかりの若者にこれから30年、40年、定年まで働いてもらうというイメージはわきにくいと思いますが、会社としては、定年まで働いてもらいたいという意識をもって採用しているので、本人のやる気と適性をとても大切にしています。
法定雇用率が上がったからという目的だけでその人の適性や特長、仕事へのやる気を考えないでやみくもに採用しても長くは続かないと思います。会社としてどういう人を採用したいのかを明確にする、また、その人には何ができるのかをきちんと見極めるようにすることが長く働いてもらえる秘訣だと思います。
(総務部 佐藤さん)
日本理化学工業株式会社では57名もの知的障害者の方が勤務しています。工場を見学させていただくと、みなさん気持ちよく「こんにちは」とあいさつをしてくれました。社員の方たちが互いに声を掛け合い、仲間を思いやって仕事をしていることがしっかりと伝わってきました。
また採用に際しても、2週間の職場実習後に家族を交えて反省会を行い、不採用の場合でもその人の出来なかったことをきちんと伝える他、家族に「この2週間で変わったことは何かありましたか」と尋ね、家族もきちんと障害者のことを見ているかどうかを確認しているとのことでした。会社・障害者・家族の密なコミュニケーションを大事にしている会社だという印象を受けました。
(平成25年6月24日取材)
このページの所管所属は産業労働局 労働部雇用労政課です。