(1ページ目、表紙) 資料1 「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例〜ともに生きる社会を目指して〜」に基づく基本計画について 令和6年1月25日 福祉部障害福祉課 (2ページ目) 1.計画策定の経緯と、計画が目指すところ 「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例〜ともに生きる社会を目指して〜」(令和4年10月に制定、令和5年4月に施行) ↓ 県全体で取組みを推進するため、「条例に基づく新たな計画」を策定 《 条例の目的 ⇒ 地域共生社会の実現 》 当事者目線の障害福祉の推進を図ることで実現する社会とは… ・障害者が差別や虐待を受けることなく、自らの望む暮らしを実現できる社会 ・障害者だけではなく誰もが喜びを実感できる社会 (3ページ目) 2.地域共生社会の実現に向けた計画のイメージ図 20年後の神奈川県〜いのち輝く地域共生社会〜=憲章の理念(※)が浸透し、本人の意思決定を踏まえた、その人らしい生活が送れる「地域共生社会」の実現 (※)憲章の理念とは、あたたかい心ですべての人の命を大切にする、誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会の実現、障害者の社会参加を妨げる壁・偏見・差別を排除する、憲章の実現に向けて県民総ぐるみで取り組む、の4つ 当事者目線の障害福祉推進条例に基づく基本計画では、この地域共生社会の実現に向けて、多様な主体が参加・連携し、あらゆる分野が一体となって「いのち輝く地域共生社会」を目指します。 (4ページ目) 3.計画の構成(「総論」、「各論」、「資料」) 総論「当事者目線の障害福祉に至った経緯」や、「当事者目線とは何か」、「ともに生きる社会とは何か」など 各論 T すべての人のいのちを大切にする取組み 1. すべての人の権利を守るしくみづくり 2. ともに生きる社会を支える人づくり (例 虐待防止、意思決定支援など) U 誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現する取組み 3. 安心して暮らせる地域づくり 4. 地域生活を支える福祉・医療体制づくり (例 地域生活支援、地域における拠点整備など) V 障害者の社会への参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除する取組み 5. 社会参加を促進するための環境づくり 6. 雇用・就業、経済的自立の支援に関するしくみづくり (例 ともいきめたバース、インクルーシブ遊具など) W 地域共生社会の実現に向けた県民総ぐるみの取組み 7. ともに生きるための意識づくり 8. ともに育つための教育の振興 9. ともに楽しむための文化・芸術及びスポーツ活動等の振興 (例 障害の理解促進、インクルーシブ教育など) 資料 県の取組みの実績値・目標値、専門用語解説や障害福祉に関する各種マーク、計画策定の経過など (5ページ目) 4.新たな計画のポイント (1)県の障害福祉に関する施策を網羅した唯一の計画となる これまで県の障害福祉に係る計画は、「障害者計画」と「障害福祉計画」の2つが策定されており、内容も一部で重複していることから、県民から「わかりにくい」との声が多くあった。これらの計画を一本化し、県が策定する障害福祉に関する唯一の計画とした。 (2)あらゆる障害に関しての施策を推進するための計画となる いわゆる3障害(知的障害、身体障害、精神障害)に対象を定めた計画としてではなく、例えば、発達障害や医療的ケアが必要な重度障害等の児童に係る障害、強度行動障害、高次脳機能障害、重複障害や一部難病など、あらゆる障害を対象として、取組みを推進する計画とした。 (3)地域共生社会の実現に向けて、みんなで考え、悩み、育てる計画となる いわゆる「福祉分野」だけでなく、「あらゆる分野」が障害を意識し、自分事として考えながら、一体となって、当事者目線による施策を検討していく体制をつくり、計画を策定した。 これまで以上に障害当事者や障害者を支える家族、支援者等の声をこれからの施策に反映するため、障害当事者の参加(参画)を推進し、障害当事者の声が届く体制をつくり、計画を策定した。 (6ページ目) 5.障害当事者の声(意見)の反映の一例 意見自体を計画にも掲載 例:「障害者のために行政が作る計画ではなく、当事者が何を求めているかを反映させた計画にしてほしい」 →障害者施策審議会や障害当事者団体ヒアリングにより、当事者の意見を計画に反映。 →障害当事者部会を設置し、意見を聴取。 例:「当事者が活動の主体となることを進めるための項目を計画に入れてほしい」 →「当事者主体の活動の推進」の項目を新たに追加。 例:「精神障害の施策は他の障害に比べて遅れている。現場を知り、当事者の声をしっかりと反映させてほしい」 →関係団体へのヒアリングを実施。 →相談・就労、住宅確保など、様々な分野の施策を計画に位置づけ。 (7ページ目) 6.ご意見いただきたいポイント(2つ) @指標について ※「指標」=計画の達成度を表す数値のこと。 現在の指標案:障害のある人が身近で普通に生活しているのが当たり前と思う割合(ただし、これだけでは「当事者の目線」が不十分と考えている )→当事者の目線、当事者の意見を踏まえた新たな指標を追加で設けたい Aイメージ図について 「当事者目線の障害福祉」の一例と、県民総ぐるみで作る「地域共生社会」のイメージ図をご確認いただきたい。 (8ページ目) 7.「当事者目線の障害福祉」の一例 総論「当事者目線とは」のページに、支援者目線と当事者目線の違いをイメージ図で掲載する。洋服屋に視覚障害の女性と支援者の男性が来店した場面を例に説明する。 ○「本人のため…」と、当事者が不在になる「支援者目線」 例:店員が、支援者に向かって「彼女は何色の服がお好きですか?」と尋ね、支援者が「彼女は○○色が好きです」と答えています。店員は、「視覚障害の方は、色は分からないのか、聞かれても困るのか、嫌な思いをさせない方が本人のためか」と考えていますが、視覚障害の女性は「色は見えないけど自分で選びたい」と思っています。この場面では、当事者の目線が不在といえます。 ○当事者本人が中心となる「当事者目線」 例:店員が視覚障害の女性に向かって「何色の服がお好きですか」と尋ね、女性が「私は○○色が好きです」と答えています。この場面では、店員は「障害があってもまずは本人に聞いてみよう。本人の気持ちが大切」と考え、支援者の男性は「まず本人の思いが大切。難しそうなら手伝おう。」と見守っています。 (9ページ目) 8.県民総ぐるみで作る 「地域共生社会」のイメージ図 総論「当事者目線とは」のページに、当事者目線の障害福祉に基づく“地域づくり”の推進についてイメージ図で掲載する。 互いに認め合い、支え合い、理解し合い、声を掛け合うなど、同じ社会に住む隣人として共に生きる上で、これらの当たり前の意識を、地域全体で高め、広めていくイメージです。 以下、イメージ図の説明です。 あらゆる県民(障害当事者、高齢者、こども等)の周りに県民を支える機関があり、さらにその周りを県民の生活を豊かにする要素が囲んでいます。 県民を支える機関は、行政機関、交通機関、企業・商店、障害者支援施設・事業者(福祉サービス)、医療機関、教育機関等です。 県民の生活を豊かにする要素は、公園、観光、文化・芸術、スポーツ、農業・水産業等、相談、防災・防犯、住まい等です。 あらゆる県民が、認め合う、声を掛け合う、支え合う、理解し合うことを当たり前の意識として、地域全体で意識を高めていく必要があります。 また、県民を支える機関のうち障害者支援施設は、自宅やグループホーム等で生活上の不安や困難を感じ、地域での暮らしが難しくなった場合に一次的に入所する通過型施設としての役割を持ち、利用者の希望に沿った地域生活移行を目指します。障害の程度や状態にかかわらず、地域において「ともに生活を送る意識」の醸成レベルと、社会資源の整備状況がポイントとなります。 以上