様式３
審議（会議）結果
審議会等名称　第１回神奈川県障害者施策審議会障害当事者部会
開催日時　令和６年１月25日（木曜日）10時00分から12時00分まで
開催場所　神奈川県庁新庁舎５階　第５会議室（オンライン参加有り）
出席者　【部会長】内藤委員、（以下名簿順）宇都木委員、尾山委員、小西委員、小山委員、猿渡委員、下条委員、関委員、高野委員、高橋委員、多賀谷委員、冨田委員、奈良﨑委員（※）、榛澤委員、弓矢委員（計15人）
（※）当日は欠席ですが、別途意見提出あり。
次回開催予定日	未定
所属名、担当者名、問合せ先　障害福祉課企画グループ　渡邊、加藤
電話（045）285‐0528  ファクシミリ（045）201‐2051
掲載形式　議事録
審議経過　以下のとおり

≪議　　題≫
(1) 神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例～ともに生きる社会を目指して～に基づく基本計画について
(2) 障害の「害（がい）」の字の記載について
(3) 障害福祉に係る政策立案過程への障がい者の参加について
(4) 当事者部会で今後取り組んでいきたいことについて
(5) 将来、社会でどのように活躍していきたいか

≪配布資料≫
資料１：神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例～ともに生きる社会を目指して～に基づく基本計画について
資料２：障害の「害」の字の記載について
資料３：政策立案過程への障がい当事者の参加について
※その他、尾山委員から当日提出された意見一覧を配布（別添参照）

【事務局による進行】
・　知事挨拶
・　元国連障害者権利委員会副委員長　ヨナス・ラスカス氏メッセージ読み上げ
・　会議運営に関する事務連絡
・　委員紹介
・　部会長選出（全会一致で内藤委員を部会長に選出）

【内藤部会長による進行】
（内藤部会長）
推薦していただきました、内藤でございます。こんな大任が務まるかと思って、今、心臓がどきどきしております。以前、当事者のワーキンググループをさせていただきましたのですけど、できるだけ皆さんの御意見をいただいて、少しでも神奈川県障害者施策審議会に我々の意見が通るような形で、御意見を求めたいと思っております。皆さんの活発な意見をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは議事に入りたいと思います。よろしくお願いします。最初に、議事の進め方につきまして、皆様と共有したいと思います。本日は、次第にありますとおり、議題が５つとなっております。
議題(1)が「当事者目線の障害福祉推進条例に基づく基本計画について」ということでございます。説明と意見交換、あわせて15分ほど行った後に、休憩を５分から10分ほど挟みたいと思っております。
そして、議題(2)「障害の害（がい）の字の記載について」と議題(3)「障害福祉に係る政策立案過程への障がい当事者の参加について」、説明と意見交換を合わせて、それぞれ15分程度行いたいと思っております。そして11時30分頃から、議題(4)と(5)は重なる部分もあるかと思いますものですから、二つ併せて意見交換を行いたいと思います。
時間に限りがありますが、委員の皆様の御協力のもと、円滑にかつ活発な議論ができるようにお願いしたいと思います。御協力をよろしくお願いいたします。
それでは、議題(1)につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

（事務局）
資料１に基づいて説明

（内藤部会長）
ありがとうございました。ただいま議題(1)につきまして、御説明をいただきました。各委員から、御意見御質問等がありましたらお願いいたします。はい、高橋委員、どうぞ。

（高橋委員）
ゆりの会の高橋和代と申します。今お話をいただきまして、どうもありがとうございました。絵（支援者目線と当事者目線の違いの一例（以下、「当事者目線のイメージ図」という。））につきまして、説明を受けました。私の場合はろうベースの盲ろう者です。前は色が見えていました。いろいろなことは分かっているのです。
それで、お店に行きますよね。同じように、洋服を選ぶときに自分で好きな色を言う必要がありますよね。白杖を持っているので、分からないと思って私に聞かないということもあるのです。きちんと私と顔を向き合って私に言ってくだされば、私もきちんと答えることができます。
ただ、生まれつき盲ろうである方、または盲ベースの方は色が分からないですね。それは当然ではありますけれども、色について習って知識を持っておりますので、支援者の方に聞くのではなく、お店の方は私の方に、何色が好きかというようなこと、自分で色を選べるといいと思いました。以上です。

（内藤部会長）
ありがとうございます。猿渡委員、よろしくお願いします。

（猿渡委員）
猿渡です。当事者目線というところで、黒岩知事と最初にお話をさせていただいて、すごく知事からいろいろ質問されました。条例の「わかりやすい版」を作成したワーキンググループにも入っていたり、社会保障審議会の部会にも昔入っていたりしたので、そういう点で考えますと、「わかりやすい版」の方でもすごく議論がありましたが、言葉を分かりやすくするということも大事ですし、そこにルビを振ると音声認識がＳＰコードで読めないということもあったりするのですよね。そういうところの情報保障ということも含めてですけれども、どんな表記がいいのかということは、これからみんなで分かりやすい方法を考えていけばいいと思います。
地域共生社会の実現に向けた計画のイメージ図（以下、「地域共生社会のイメージ図」という。）に関しては、私は４月から総合計画の審議会に入りますが、マグネットプランとかの絡みというのはあると思うのですけれども、「県民はどこまでか」という話も結構ありましたし、いろいろ議題が出てすごくすったもんだしました。その中で、その人らしく生きるということがどんなことなのか、自由に生きる、自分で生きる責任を持つということがどんなことなのか、みたいな部分もすごく大事だと思います。あと考えているのが、附帯決議というのがあるかどうか、その見直しがあるのかということです。
指標について、例えば障がい当事者団体の人達、それぞれの団体さんの中で地域生活、グループホームとかも含めてですけど、いろいろな住み方をされていて、そういう方がどれぐらいいるのかという部分でやってもらうのがいいと思いました。
また、当事者目線のイメージ図について、本人不在で話されるというのはどの障がいにおいてもそうなのですね。介助者の方がいる場合は「本人に聞いてください」と言いますけれども、慣れないとそちらに向かない。その顔の見える関係というのを、この会議の中では作っていかなければいけないのではないかと思います。
地域共生社会の図も、例えば相談支援専門員とか、支援をやっている方だとこの図で分かると思うのですけど、初めて見た人たちは「これはどういう図か」という話になると思うのです。図で書かれると難しいと思いますので、それをもっと分かりやすく、どんなふうなところでこれが成り立っているのかという部分を、もうちょっと深く議論して、分かりやすく作っていきたいと思います。以上です。

（内藤部会長）
ありがとうございます。関委員、お願いします。

（関委員）
関です。よろしくお願いします。
指標については、障がいのある人が生活するにおいて不便を感じたり、危険を感じる割合を少なくすれば良好といえる。グループホームなど施設を建てるにあたり、住民からの反対に遭い、住みにくい、生活しにくい割合が少ないほど良好。そのような指標が追加できればいいと思いました。
また、９ページの図ですけれども、良い制度があったとしても使えなかったら意味がないと思うので、引きこもりの問題や自分で声を上げられない人を、まずどう支援していくかを考えていったらどうかと思っています。あと、制度の狭間に入るようなグレーゾーンで支援が受けられない人とかの救済措置的なことも考えていってほしいと思っています。以上です。

（内藤部会長）
ありがとうございました。はい、小山委員。

（小山委員）
横須賀本人会の小山登です。
私たちは職場で健常者の人たちと会う機会があるので、学歴のある人たち等と一緒に働くと、教えていた人がいきなり上司になることもある。給料も、時給が上がってやっと人権が認められたと思ったら「その分働きなさいよ」となり、年金をもらったりすると「それは税金をもらった」みたいな感じになることがあります。
あと、地方に住んでいると出稼ぎみたいな感じで、横須賀から、例えば横浜・川崎の方に出稼ぎに行きます。何か困ったことがあって、横浜市とか川崎市の役所に「ちょっと困ったのですけど」と言ったら「あなたの住まいはどこですか」と言われ、「横須賀です」と言うと「横須賀の役所に行ってください」と言われますが、横須賀まで戻れる時間がないのですよね。どこに相談に行っていいのかという現実問題がある。
もっと学校で、健常者の学校でもっと障がい者のことを勉強してほしいと思うのですよね、小学校から。障がい者のことをあまり知らないというか、例えば私はてんかんで、てんかんはすぐ発作を起こして倒れるとよく言われたり、あと何の障がいか見た目だと分からないのですよね、私の場合。障がい者の仲間からもそうだし、健常者の仲間からもそうだけど、「あなたの障がいは何ですか」と聞かれても説明が難しい部分もあるのです。だから、地域のこの枠組みをどうするのか、これから。お互い助け合うみたいな感じは今まで自立支援協議会はなかったです。ここはずっと福祉が進んでいる、こっちは全然進んでないという情報のやりとりが全然ない。これからは地域同士のやりとりというのが必要だと思っています。

（内藤部会長）
はい、下条委員、よろしくお願いします。

（下条委員）
下条です。まず意見とかを言う前に、今回検討するポイントが二つ、別々に分かれているのですよね。指標についてとイメージ図について分かれているのに、今話をしている状態だと両方混じってしまっていて、内容がこのままではぐだぐだになって決まらないような気がしますので、まず指標についての検討をした後、イメージ図についての検討をするという感じで切り分けないと、これ以上話が進まないと思うのですがどうでしょうか。

（内藤部会長）
指標とイメージ図を分けて議論するという御意見なのですけど、皆さん、どうでございますか。「そうでなくても分かります」ということでしたら分けなくてもいいですし、「分からないから別にしてください」ということでしたらそうしましょう。

（冨田委員）
意味が分からない、指標の意味が。

（内藤部会長）
指標そのものの意味ですね。事務局、説明をお願いします。

（事務局）
資料の７ページを見ていただくと、右上に米印で『「指標」＝計画の達成度を表す数値のこと。』と記載をさせていただいています。計画に基づいた取組が進んでいく中で、その結果が現れてくる数値を「指標」といいますので、計画に位置付けているそれぞれの事業だったり、取組そのものの結果の実績の数値ではなくて、計画が進んでいく中で反映されてくる数値というような形になります。
ですので、一つはここに四角囲みしております「障害のある人が身近で普通に生活しているのが当たり前と思う割合」というのを載せさせていただいていますが、今回御意見をいただきたいのは、これは障がいがない方からの視点なのではないか、ここは当事者の皆様からみた計画の達成度を表す指標がいいのではないかというところで御意見いただきたい、そんなところでございます。説明不十分かもしれませんが、以上でございます。

（下条委員）
今の説明が、私が考えていることと合っているかどうか擦り合わせたいのですが、これは目に見える数値に表すことで、計画が達成できているかどうかが分かるようにするという意味での数値で、指標という意味なのですよね。

（事務局）
はい、おっしゃるとおりです。

（下条委員）
そうですよね。ということは、これが例えば今の時点が50％で、それよりも上に行くようだったらいいけれども、そこから下がってしまったり、同じであれば達成できてないという、そういうことで合っていますよね。そして、この指標というのが、今は一般の方が考える中での「障害のある人が身近に、普通に生活しているのが当たり前と思う割合」という、一般の方向けの指針みたいな基準ですよね。はい、分かりました。
意見としてなのですが、これは当事者の目線から考えると、「普段の生活で不自由がないと思える割合」というのが基準になるのではないかと思うのです。「障がいがあっても普通に生活していて、不自由がないと思える割合」というのを、私は指標に入れるべきと思っております。以上です。

（内藤部会長）
はい、関委員、どうぞ。

（関委員）
さっき私が言ったこととほぼ似ているかなと思ったのですけど、発言が少し前だったので、皆、意味を分かってくれたかなと思って心配になったのでもう一度お話しします。指標の話で私がさっき言ったのは、「障がいのある人が生活するにおいて不便を感じたり、危険を感じる割合」があったらいいと思います。それで、それが少なければいいということです。
グループホームの施設を建てたりするときに、住民に反対にあったりとかするじゃないですか。それで住みにくかったり、生活しにくかったりする割合が指標になっていて、それが少なければ良好、みたいなことです。私の意見は以上です。

（内藤部会長）
いろいろ御意見いただきましたけど、オンラインの方で高野委員から手が挙がっております。高野委員、御発言をお願いします。

（高野委員）
高野です。今回の障がい計画立案の方針については、特に違和感はありません。血が通ったというか、地に足のついた具体的な計画にしていくためには、この場にいる皆さんが何を目指して何をやっているかという実践が良い事例になると思います。一方で、行政の障がい者の地域移行という大方針に反して、障がい者グループホーム設立の反対運動が起きているのが現実です。
もう少し具体的な数値目標ということなので、例えば、障がい者と健常者が混ざりあうイベントを県に登録できるようにして、その数を毎年トレースするのはいかがでしょうか。県が告知に協力することで、ポジティブなメッセージになると思いますし、表彰を組み込めば登録のモチベーションにもなると考えます。
もう一つ、グループホームなどの障がい者施設の数をトレースして毎年公表するのも、社会的なウェルビーイングの指標として意義があると考えます。地域移行を進めるなら、これからグループホームは増えていくはずですよね。余談ですが、我々神経難病患者のためのホスピスが増えています。これも広義のグループホームに数えられるかもしれません。
イメージ図については分かりやすくていいと思います。特にコメントはありません。以上です。

（内藤部会長）
ありがとうございました。はい、小西委員。

（小西委員）
小西です。これはオール神奈川ではやらないのですか。今は横浜と川崎、相模原だけで動いているので、小山さんが言っている中核市の横須賀市や、大和市だってまだ入っていないのだよね、確か。その辺りの中途の市とか町とかまだ、全体的に神奈川県が一気にやっていないので、そこの壁がある限り、絵空事というのかな、こういうことを言うのですよね。
それで、３ページの「地域共生社会のイメージ図」の中の４項目にある『障害者の社会参加を妨げる壁・偏見・差別を排除する』、それはどうなのでしょうか。そこの数値もほしいです。排除される人の数字も欲しい。さっき下条さんが言ったように、多分数字は下がると思います。また、『誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会の実現』、それは現実にはないです、本当に。中井やまゆり園に行っても、あまりそういう意見が全然ないので。『憲章の実現に向けて、県民総ぐるみで取り組む』、これもまた中途半端です。そこを何とかしてくれないと、小山委員みたいに横浜でできないことを横須賀に行けというのもきついです。

（内藤部会長）
先ほど下条さんの方から意見が出ましたが、指標とイメージ図とあって、とりあえず指標に関して、こういう指標を設けたいということをとりあえず決めて、それで次にイメージ図に関してお話をしていただけたらと思うのですけど、どうでございますか。先ほど言われました指標に関して、この状態でいいかどうかということで議論をしていきたいと思いますけど。小山委員、どうぞ。

（小山委員）
指標は、結局県の人が決めていて私たちが決めるわけではないし、５点とか４点とか３点とか点数が実際に出ているのだけど、「本当にこれは５点なのか」と思っている部分もある。でも、なかなかそう言ったのに対してスルーされてしまうのですよね。計画が終わったから総まとめで点数つけて終わりで、「じゃあ次の計画に移りましょう」という感じで終わるのですよね。もっと深く、どうしてこの点数になったかという話し合いはないです。例えば「計画が終わりました」「点数を有識者の人が決めました」と言われて、それで皆納得して「そうなんだ」となって、私たちが会議に出ても「有識者の人が言う意見が重要なのかな、私たちは重要ではないのかな」なんて思ったりする。
点数は誰がつけるのかというのが重要なのですね。点数をつける本人が納得しているならそれでいいと思うのですが、その点数をつけた理由ですとか、次の計画に対してそれを反映するわけではない。次に反映した覚えはないですね。それをもう私は20年近くやっています、同じことを。私もちょっと不思議に思っているのです。

（内藤部会長）
はい、尾山委員、よろしくお願いします。

（尾山委員）
精神障がいピアサポーターの尾山です。こちらの指標につきましての提案ですけれども、各市町村にあります自立支援協議会が、その設置について国から伝えられてからもう17年ほど経っているわけですけども、各市町村の自立支援協議会に参画している障がい者の割合を加えるべきだと考えております。

（内藤部会長）
それを指標に加えるということですか。

（尾山委員）
そうですね。障がい者のことは、例えば支援をされている皆さんが「障がい者のことは私たちが分かっていますから、障がい者の方がいなくても大丈夫でしょう」と言わせてはいけないし、あと御家族の方が入っていることを「当事者が入っている」と主張されていることも許してはいけないということで、具体的には「県及び市町村の自立支援協議会（部会、ワーキンググループを含む）に参画している当事者の割合（障がい別で算定し、家族は当事者として算定しない）」を追加するということを提案させていただきます。以上です。

（内藤部会長）
今のは、先に尾山委員が案として出されたところを読んでいただいたということですね。ということで、指標についてこれを入れていただきたいという御提案でございます。

（冨田委員）
冨田です。この指標について、もうちょっと分かりやすく書いてほしかったと思います。これでは何が何だか分からないです。いきなり指標と言われても、文章自体が難しいです。分かりやすく書いてほしいと思いました。以上です。

（内藤部会長）
はい、ありがとうございます。より具体的な御意見として尾山委員が出されました、自立支援協議会について、プラスしてこの指標を入れてほしいということでございますけど、どうでございますか、各委員。
よろしゅうございますか。ではこれを入れて、指標を作成していただきたいということで、この指標に関してはこれでよろしいですか。はい、猿渡委員、どうぞ。

（猿渡委員）
はい、猿渡です。尾山さんが言われたことは非常に大切なことだと思います。それと親に関してなのですけど、親は本人の代弁だと言っていますが、全然意見が違うのですよね。僕も精神障がいを持っていますけれども、当事者の中でも全然皆さん違うのです。
地域の中で生きているイコール自立なのか。例えば、障がいを持っている方が地域のイベントに出られているか、地域との触れ合いがあるかどうかということ、例えば県でやっているバリアフリーフェスタや介護フェアに参加しているかどうかということも、県の取組としてあるわけなので、そういう地域でやっているイベントに当事者が参加できているかどうかということを指標のところに書く。あとは地域社会、例えば自治会の中に当事者がいるのかもすごく大事ですよね。消火訓練や防災訓練のときに、肢体不自由の方はなかなか行けないとか、聴覚障がいや視覚障がいの方は行けるけれども盲ろうの方はなかなか行けないとか、そういうこともいろいろあると思うので、地域の中での自分の役割みたいなことも含めて、指標の中に入れてもらえると分かりやすいと思います。
僕も中井やまゆり園と津久井やまゆり園に行きましたけれども、やっぱり施設にいると、なかなか地域に出たいと言えないのですよ。知的障がいの方とか発達障がいの方も含めてですけれども、「地域に行きたいよね」と言われたら、皆「うん」と言うしかないです。選択肢自体がいろいろあるわけではない。施設の中にしかいなかった方に関しては選択肢自体がないです。なので、いろいろな選択肢の中から選べているかどうかということも含めて、指標の中に入れてほしいと思います。以上です。

（内藤部会長）
ありがとうございました。今の御意見は将来的な展望としてお話されたと思います。とりあえずは、今、尾山委員が出されたこの指標を一つ追加していただくということでよろしいですか。

（小山委員）
指標を決めているのは県とか有識者の方なのですよね。「計画をやりました」「計画が終わりました」「それを１点から５点までつけます」と点数をつけますが、点数をつけるのは有識者や県の人で、障がい者がつけるわけではないのです。ずっとそれが続いてしまっているので、これからは障がい者の人たちからの意見をもっと計画に反映していってほしい。点数をつけるのも、障がい者自身が点数をつける。いろいろな障がい者から「この計画はどうだったか」「これは何点ぐらいだと思うか」と、いろいろな団体に聞いて点数をつけてほしい。
私も何年もやっているから見ていて分かるのだけど、必ず言われるのは、有識者とか県の人が「こう点数をつけたので、こういう話の内容になります」ということ。「じゃあ次の計画に反映してくれるのですか」と言うと、全然反映しないでそのままスルーして次の計画に行くという感じで、結局それを決めるのは私たちではない。これからは障がい者が決めてほしい。計画について「あなたはどれくらい知っていますか」「あなたの団体はどれくらい知っていましたか」「計画をこれからこうします」と各団体に送ってほしい。有識者とか県の人が今までそれをやっていたからややこしい話になるので、これからは私たちがそれをやりたい。各団体に計画に関することを全部持ってきてもらって、全部配ってもらって、作業所とか今まで配ってないところに、計画を知らない人にどんどん配ってほしい。結局、有識者や県の人が決めて、次の計画にそれが反映されないというのが現実なのですね。

（事務局）
計画の指標について、御意見をたくさんいただきまして本当にありがとうございます。何を指標に盛り込むのか、ここで決めるというよりも、それぞれ受けとめさせていただいて、いくつか指標に盛り込まなければいけないかもしれませんので、事務局の方で受けとめさせていただいて、計画の指標について検討させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

（内藤部会長）
よろしいですか。５分間だけ休憩させていただいてよろしゅうございますか。それで、次にイメージ図につきまして聞きたいと思います。かなり時間が延びておりますから、５分間だけ休憩で、11時25分に始めたいと思います。よろしくお願いいたします。

　～５分間の休憩～

（内藤部会長）
時間になりましたので、皆さん、席におつきくださいませ。
先ほどは非常に活発な意見をいただきまして、ありがとうございます。次に、イメージ図につきまして、皆さんの御意見をいただきたいと思います。
はい、下条委員、よろしくお願いします。

（下条委員）
イメージ図についてなんですが、まず１枚目の当事者目線のイメージ図、白杖を持っていらっしゃる方というのが白黒の図だと分かりづらいのですね。実際にホームページで見ると多分カラーなのだと思うのですけれども、白黒の状態だとそもそも白杖を持っているかどうかの見分けがしづらい。あと、支援者とかお店の店員さんとかの位置付けが分からなくて、私はこれが見づらいなと思いました。もしやるのであれば、この図の他に説明書きをしてもらった方が、図だけで分かる人と言葉で分かる人が別々にいるので、そちらの方が楽かと思います。
もう一つ、９ページの方の地域共生社会のイメージ図なのですが、これも白黒で出されて何が書いてあるのか全然分からなかったです。それと「醸成」って何ですか。そもそもこの「醸成」とか「認め合う」、「声を掛け合う」、「理解し合う」、「支え合う」とかあるのですけれども、それって主語がないと成り立たない言葉なのです。「何をやるのですか」という感じで、この図をぱっと見ただけでは中身が全然分からないと私は感じました。あと、障害者支援施設のところが枠から外れて書いてあるのですけれども、そちらの『循環』というところもぱっと見、障害者支援施設とグループホーム等と何を循環させるのかというのが私には分かりづらくて、ここの言葉の書き方とか意味とかから書き換えないと、ちょっと見ただけでは分からないなと思いました。以上です。

（内藤部会長）
はい、猿渡委員、よろしくお願いします。

(猿渡委員)
猿渡です。条例の「わかりやすい版」の６ページとか７ページの時もいろいろ議論したのですけれども、「お店の人」とか「支援者のＡさん」とか、そういう書き方をしてほしいと思いました。あと、例えば「総論」って分かりづらいというのがあって、みんなで一緒に考えた「みんなで読める版（条例の「わかりやすい版」）」のように、「26条は何々」というように私たちが分かりやすいように変えたのですよね。なので、できれば同じように統一してほしいというのがあります。
地域共生社会のイメージ図ですけど、そもそも「共生社会」ということも分かりづらいのではないかと思うのです。例えば「インクルーシブ教育」と言っているけれども、日本は「インクルーシブ教育システム」だったりするし、そもそも国連から脱施設とかインクルーシブ教育のところとか精神障がいのところは叩かれているわけです。なので、そういうところも含めて、イメージ図の中でどうすればいろいろな障害のある方が分かりやすいのか。図だけではなくて分かりやすい言葉で、かつ、一発で分かるような、例えば「あらゆる県民」のところで、ここに車椅子とか杖とかいろいろ書いてありますけど、白黒だけでは分からない。点字ディスプレイを使っている視覚障がいの方とかいろいろ皆さんいるので、ＳＰコードとかで読めるような形がどういうものであるのかといったことも考えて作られるといいのではないかと思いました。

（内藤部会長）
ありがとうございました。多賀谷委員、どうぞ。

（多賀谷委員）
９ページの当事者目線のイメージ図のところです。それを見ると、視覚障がい者のことだけのように見えます。聴覚障がい者も含めてほしい、聴覚障がい者もここに入っているのだということが分かるようにしてほしいです。聴覚障がい者に関する言葉、例えば行政が設置する手話通訳がいたり、手話の講習会も行われています。行政で行われていることなので、そういうものもぜひここに載せて、分かりやすくしてもらうような方法を提案したいと思います。

（内藤部会長）
ありがとうございます。はい、高橋委員、どうぞ。

（高橋委員）
ゆりの会、高橋です。当事者目線のイメージ図を見て、私は見えないので分かりにくいのですが、通訳介助員に絵を見てもらいました。その白杖というのも、白黒で分かりにくいのですかね。「見えない」ということでは書いてありますけれども、「盲ろう者」ということも文章できちっと載せていただきたいと思いますがいかがでしょうか。

（内藤部会長）
ありがとうございます。いろいろ御意見をいただきましたのですけど、時間もございますものですから、今後何かあれば、事務局の方へ説明していただけたらありがたいと思います。それで今出ました三点四点に関して、事務局の方で再度このイメージ図を訂正といいますか、直していただくということでよろしいですか。

（冨田委員）
すみません、一つだけいいですか。

（内藤部会長）
はい、どうぞ。

（冨田委員）
冨田です。８ページなのですけど、当事者目線の障害福祉の一例について書いてありますが、視覚障がいしか書いていないのですよね。だから他の障がいも書いてほしかったと思います。やっぱりカラーで。
それと一例をお話しますと、支援者目線と当事者目線の違いなのですけど、支援者目線というのは自分も経験したのです。支援者目線というのは、すぐ「グループホームとかいい」とよく言うのです。それで、僕は困りました。一人の職員だけは「冨田さん、グループホームでなくて大丈夫よ」と言った職員がいましたけれども。なので、それが支援者目線ですね。当事者目線というのは、「自分はどうしてもひとり立ちしたい、だからお願いします」というのが、これが当事者目線ではないでしょうか。それを実現しました、自分は。以上です。

（内藤部会長）
ありがとうございます。このイメージ図に関しましてですけど、障がい当事者というのは全体を含んで話しておりますから、今、高橋さんが言われましたように、いろいろな障がいがあるわけなのですけど、これは障がい全体と考えていただけたら、もう少し皆さん御理解いただきたいと思います。視覚障がいや聴覚障がいもありますけどね、それはそれぞれの障がいの違いでございますから。それを、これは障がい全体を表しておりますということで、事務局の方で考えていただいて、もう少し分かりやすくしていただけるということでお願いしたいと思います。ありがとうございました。
時間の関係もございますので、申し訳ございません、話を切らせていただいて、次に議題(2)の「障害の害の字の記載について」、事務局の方から説明していただきますでしょうか。よろしくお願いいたします。

（事務局）
資料２に基づいて説明

（内藤部会長）
御説明いただきました、この「害（がい）」の字に関しまして、御意見ありましたらお願いします。はい、猿渡委員。

（猿渡委員）
猿渡です。「みんなで読める版（条例の「わかりやすい版」）」を作成する時も、この「害（がい）」の字の問題はやりました。10回にわたって、その中でも結構やったのですけれども、障がい当事者の中でも一部の団体は石偏の「碍」を使います。これは、今「社会モデル」と言われていますけれども、「社会モデル」ってほとんど知られていないのですよね。今でも権利条約では「社会モデル」と使っているけど、実際は「医学モデル」の方が多い。という中で、一部の団体の人たちはもともとインクルーシブということを考えて、障がいという隔たりがなくなればバリアフリーとかインクルージョンというふうになるという考え方でいる。他の当事者、僕らが入っている当事者団体の中でも同様で、私の団体はもともと石偏の「碍」を使っていました。でも、障がいを持っている方が増えたので「がい」を害虫の「害」にしました。
でも実際問題、ひらがなであれ、石偏であれ、害虫の「害」であれ、社会の側と当事者の側が地域の中でともにインクルーシブ教育というか、小さい頃からともに生きていかなければ、社会的に直っていかないと思うのです。なので、「害虫の「害」でもいいかな」「ひらがなでもいいかな」というのは、社会の側が変わるべき。「障がい」とひらがなで書くと、柔らかそうに聞こえるのですけれども、そうではない。外に出るといろいろな偏見、差別を受けて生活していることが私たちは多いので、そこを議論の一点にしてほしいと思います。以上です。

（内藤部会長）
はい、どうぞ、小山委員。

（小山委員）
主に障害者手帳を使うとき、例えば水族館とか動物園とかいろいろなところに出かけて、そういったところで混み合っている場合、「障害者」と堂々と書いてあるから手帳を使うことについて「どうしようか」と思うことがある。「障がい者の方」なんて言われると、周りが振り向くときもあったりする。皆に定着してしまっているのです。「障がい」というのが定着してしまっているから今更、という話になってきてしまって。でも今は、我々の仲間でも名前を呼んだり、「本人さん」とか「当事者」とか呼んでいるので、特にあまり気にはしていないけど、大勢の混んでいるときに言われると、手帳を使いづらいという部分はある。
それだったら、カード化してほしいと前から言っているのです。番号で書いてあって、カードに名前で。カード化が一番良いのではないかと思う。「障がい者」を英語文字にしてもらって。身体障がいとか精神障がいとか、みんな英語文字にしてもらえればいいのではないかと思います。もう世の中に浸透してしまっているものだから、今更直せないということだから、だったらそれをカード化にして、英語表記にすればいいのではないかと思います。

（内藤部会長）
分かりました。はい、関委員。

（関委員）
関です。この二つを見て私が思ったことを話させていただきます。ひらがなの「がい」と、公害の「害」の字は、使うシーンでそれぞれいろいろあって、同一に扱うことができていないと思うので、それがばらばらで分かりづらいと思っています。どっちかに統一した方が良いと私は思います。なので、いっそ新しい石偏の「碍」の字に、リニューアルという意味も込めて統一したらどうかと思いました。

（内藤部会長）
はい、下条委員。

（下条委員）
下条です。まず私自身が感じているのが、障がいの「がい」の字、普段多く使われている方の「害」の字にこだわっているのが、当事者よりも、どちらかというと一般の方の方が多いように感じています。それで、そのことについて指摘するのも結構一般の方が多いと、ＳＮＳとかでもそうですが、感じています。それで、私自身は３種類の表記がすごくやりづらいので統一してほしいという意見です。
まず、障がいの「害（がい）」の字を石偏の「碍」に、という話もあったのですけど、「碍」って常用漢字ではないのですよね。それで、常用漢字ではないものを使うのはどうかというのがいろいろなところで議論されているようなのですけれども、わざわざそれを常用漢字に追加するという話も出ているらしいのです。でも、それってそこまでやることなのか。普段から使われている方の「害」の字のイメージが悪いとよく言われるのですけど、そもそもそのイメージを悪くしているのは、「障害」とか「障害者」という言葉に対して、その言葉自体に対して悪いイメージを持っていたからではないかという感じがしていて、だったらその字を変えるよりかは、言葉自体のイメージアップに努めていった方がむしろ建設的でいいのではないかと私は感じています。なので、普段の今までの「害」の字を漢字で使った方がいいのではないかと思います。以上です。

（内藤部会長）
はい、ありがとうございます。いろいろな御意見ございますけど、それぞれの団体でまだ決まってない、それぞれの団体が決められないという状態だと思うのです。御意見はいろいろ出ましたけど。それでは多賀谷委員、よろしくお願いいたします。

(多賀谷委員)
神奈川県聴覚障害者協会からきました、多賀谷と申します。
まず一つ目の昔から使われている「害」という字、「害する」の「害」という字、二つ目の石偏を使った「碍」という字、三つ目がひらがなを使っている３種類表記があると思うのですけれども、実際には伊勢原市の方で、“がい”を表記するときにはひらがなを使っています。例えば、「障がい福祉課」ですとか「障がい福祉」と表記する時には、伊勢原市ではひらがなを使っています。また、「聴覚障害者」という場合は、昔から使われている一つ目の漢字の表記になります。また、ひらがなで表記することもあるのですけれども、というふうにいろいろ混在しているのですね。
個人的には私の考えですけれども、ひらがなの表記の方が好みというか、私はこれがいいと思っております。一つ目の害するという漢字は、やはりイメージが悪いというのがもう昔からのものだと思います。ひらがなの方が私は良いのではないかと思っております。以上です。

（内藤部会長）
ありがとうございました。はい、高橋委員。

(高橋委員)
高橋です。「害（がい）」の字ですね。いろいろ調べました。江戸時代からのものだと。

（内藤部会長）
申し訳ございません、その話は置いておいて、どちらがいいかということで話していただけますでしょうか。

(高橋委員)
そうですね、はい。ですので、今説明できませんでしたけれども、個人的には、ひらがなですね、「がい」が良いと思っています。以上です。

（内藤部会長）
ありがとうございました。事務局、よろしいでしょうか。いろいろな意見があるということだけで。

（事務局）
はい、御意見を様々いただきましてありがとうございます。今日、統一するというわけではないですし、それぞれ皆さん意見がおありで、また御意見もそれぞれ異なる部分もあるかと思いますので、まず今日は御意見を受けとめさせていただいて、次どうしていこうかと、また考えさせていただきます。以上でございます。

（内藤部会長）
ありがとうございました。かなり時間も差し迫ってきましたけれども、議題(3)「政策立案過程への障がい者当事者の参加について」、事務局の方から説明をお願いいたします。

（事務局）
資料３に基づいて説明。なお、事前に奈良﨑委員からいただいた意見を事務局から紹介。
＜奈良崎委員の意見＞
○　専門的な会議で、議論の対象が健常者でも障がい者でもない会議については、障がい者が委員としてずっと会議に参加する必要はない。
○　例えば、No.26神奈川県再犯防止推進会議の当事者は、犯罪から立ち直ろうとしている方で、高齢者も障がい者も犯罪を犯す人はいるけど、それも含めた、その当事者の再犯防止を考える会議だから、障がい者とか関係なくそこに詳しい専門家が入るのが普通。障がい者の参加については、障がい者の当事者の話があるときに意見を聞けばいい。ほかの会議もそういう見方で考えるべき。
○　また、No.29神奈川県医療対策協議会については、議題が医師の確保やキャリア形成という内容であれば、障がい者の視点で述べることはないのではないか。障がい者で医師を雇っている人がいれば、委員で入って意見を言えるでしょう。
○　No.20県立県民ホール及び音楽堂指定管理業務実績評価委員会について、管理業務のモニタリングの実施は政策立案に係るものかは疑問、ただし議論の際は、障がい者の意見をちゃんと聞くべきである。

（内藤部会長）
ありがとうございました。皆さんから御意見をいただきたいと思うのですけど、今日、会場の都合もございますものですから、今日は説明のみとさせていただきまして、御意見は次回の会議のときにお伺いしたいと思います。
本日は、これで会議は終了とさせていただきたいと思いますけど、いかがでございましょうか。どうもありがとうございます。では事務局、よろしくお願いいたします。

（事務局）
内藤部会長、委員の皆様、ありがとうございました。本日は時間が足りなくなってしまいまして、大変申し訳ございません。そうした中でいただいた皆様のたくさんの貴重な御意見、事務局でも検討・整理して、また御相談させていただきたいと思います。
第１回目ということで、事務局としても至らない部分が多々ありまして、資料の分かりやすさ、説明の分かりやすさ、そういったことを皆さんの御意見を伺いながら、この当事者部会を一緒に育てていけたらと思っておりますので、よろしくお願いします。
次回につきましては、積み残しもございますので今年度もう１回できないかということで考えております。もしくは、個別に御意見を伺うか、皆様と調整しながら決めていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
それから報道関係者の皆様、会議終了後の取材を希望される場合は事務局までお声掛けください。
それでは皆様、本当に第１回目ということでいろいろありましたけれども、本当にありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。これで、第１回神奈川県障害者施策審議会障害当事者部会を終了いたします。本日は、誠にありがとうございました。

以上