(1ページ) 資料4の表紙 神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~に基づく基本計画について(報告) 令和6年3月19日 福祉部障害福祉課 (2ページ) <本日の要旨> 〇令和5年4月に県は「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」を施行しました。 〇条例では、当事者目線の障害福祉に関する取組みを、県全体で、総合的かつ計画的に推進していくため、「基本的な計画」を策定することとしています。 〇本日は、3月末に完成となる当計画の「構成」や「特徴」を踏まえ、ご報告させていただきます。 〇あわせて、障害当事者の方々からの意見を県の施策に反映するため、1月25日(木)に開催した『障害当事者部会』やパブリック・コメントでいただいた意見についても、ご紹介いたします。 【資料の内容(目次)】 〇策定のポイントは4~5ページ 〇計画の構成 ※総論、各論(Ⅰ~Ⅳ)、資料は、6~13ページ 〇計画の特徴は14~17ページ 〇県独自の目標設定等の一例は18~19ページ 〇主な新規事業は、20ページ 〇計画策定における意見聴取は21ページ 〇パブリック・コメントの結果は22ページ 〇障害当事者からの意見の反映は23ページ 〇計画策定・推進に向けた新たな取組み(障害当事者部会)は24ページ 〇障害当事者部会における計画に関する議題の一例は25ページ (3ページ) <憲章の理念が浸透した地域共生社会を目指す「条例に基づく計画」> 憲章や地域共生社会を神奈川全体で目指すイメージ図等を、本計画からピックアップして掲載しているページ。 (4ページ) <策定のポイント> 【基本理念・目標】 生涯を通じて、すべての県民一人ひとりの人生を大切にしながら、誰もが住み慣れた地域で安心して、その人らしく暮らすことができるいのち輝く地域共生社会「ともに生きる社会かながわ」の実現を目指すこと この計画では、次の(1)~(8)の8つのポイントを押さえ策定しています。 (1)いのち輝く地域共生社会の実現 誰もがその人らしく暮らすことができる、いのち輝く地域共生社会「ともに生きる社会かながわ」の実現を目指すための計画とする (2)条例の理念の具現化 個人として尊重されること 障害者が自己決定できるようにすること 障害者が希望する場所で、自分らしく暮らせること 障害者の可能性を大切にすること 障害者だけでなく、周りの人たちも幸せを感じられること すべての県民で地域共生社会を実現すること (3)当事者目線の徹底 あらゆる分野が一体となって、あらゆる分野が自分事として、当事者目線に立って施策を検討 計画策定に向け、当事者参加を推進 ・県内の当事者団体等へのヒアリング(第1弾:実施済み、第2弾:実施済み) ・計画を審議する「障害者施策審議会」(20人中、障害当事者委員6名)で議論 ・「障害者施策審議会」に「障害当事者部会」を新たに設置(※ 24ページ参照) (5ページ) (4)すべての障害とライフステージを意識 身体、視覚、聴覚、知的、発達障害、精神、医療的ケア など 障害のある子どもへの支援、切れ目のない支援の充実、介護サービスと障害サービスとの連携 など (5)一人ひとりの幸福を追求する観点の充実 一人ひとりの人生を大切にする、その人らしく暮らせる環境づくり など (6)障害者の社会参加の推進 障害者は支援される対象 ⇒ 「主体的な活動を自ら考え推進できるしくみ」を整備 (7)多様な主体と行政の連携 民間事業者やNPO、障害当事者・家族、地域住民などと行政が連携した新たな地域社会のシステムを構築 行政は、「支援機関」としての役割に加え、「地域づくりのプラットフォーム」としての役割を担う (8)当事者目線の障害福祉の具体な実践イメージを盛り込む 中井やまゆり園における改革(アクションプラン、地域連携の取組) など (6ページ) 計画の構成 ( 「総論」、「各論」、「資料」 ) 総論 「当事者目線の障害福祉に至った経緯」や、「当事者目線とは何か」、「ともに生きる社会とは何か」 など 各論 Ⅰすべての人のいのちを大切にする取組み  1.すべての人の権利を守るしくみづくり 2.ともに生きる社会を支える人づくり Ⅱ誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現する取組み 3.安心して暮らせる地域づくり 4.地域生活を支える福祉・医療体制づくり Ⅲ 障害者の社会への参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除する取組み 5.社会参加を促進するための環境づくり 6.雇用・就業、経済的自立の支援に関するしくみづくり Ⅳ 地域共生社会の実現に向けた県民総ぐるみの取組み 7.ともに生きるための意識づくり 8.ともに育つための教育の振興 9.ともに楽しむための文化・芸術及びスポーツ活動等の振興 資料 県の取組みの実績値・目標値、専門用語解説や障害福祉に関する各種マーク、計画策定の経過 など (7ページ) Ⅰすべての人のいのちを大切にする取組み ・・・大柱 1.すべての人の権利を守るしくみづくり ・・・中柱 (1)権利擁護の推進、虐待の防止 ・・・小柱 ・障害者虐待防止(精神病院含む)、身体拘束ゼロへの取組み ・障害当事者の参画による権利擁護の取組み推進 等 【主な数値目標】 ・虐待に関する弁護士による法的な助言件数 等 (2)障害を理由とする差別の解消の推進 ・障害を理由とする差別の解消 ・差別に関する紛争の解決に向けたあっせん等の調整を行う機関の設置 等 【主な数値目標】 ・県民ニーズ調査において「障がいを理由とする差別や偏見があると思う」と回答する方の割合  ・障害者差別解消支援地域協議会を設置した市町村数 等 (3)意思決定支援の推進 ・意思決定支援ガイドラインの普及、啓発 ・施設職員や成年後見人などへの意思決定支援の研修 等 【主な数値目標】 ・意思決定支援研修の累計受講者数 2.ともに生きる社会を支える人づくり (1)障害福祉を支える人材の確保・育成 ・障害福祉サービス従事者、サービス提供人材等の養成、確保 ・大学生、企業転職者、高齢者等をターゲットにした取組の推進 ・ピアサポーターの育成、ボランティア活動の推進 等 【主な数値目標】 ・グループホームの職員に対して支援技術や人権意識の向上を図る研修の修了者数 ・医療的ケア児等コーディネーター養成研修の累計修了者数 等 (2)保健・医療を支える人材の確保・育成 ・医療従事者等の養成と人材確保 ・保健所(保健センター)等の職員の育成 ・発達障害の診療・支援ができる医師の養成 等 【主な数値目標】 ・重症心身障害児者施設等の看護師を対象とした専門的研修の修了者数 ・看護学生や看護師等を対象とした福祉現場における看護に関する普及啓発研修の修了者数 等 (8ページ) Ⅱ誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現する取組み 3.安心して暮らせる地域づくり (1)相談支援体制の構築 ・身近な地域における相談支援体制の構築 ・基幹相談支援センターの設置促進 ・自立支援協議会の活性化 ・難病患者・盲ろう者等への支援体制の整備 等 【主な数値目標】 ・相談支援事業所における相談支援専門員の実人数 ・相談支援事業の累計利用者数 ・相談支援従事者研修の累計修了者数 ・ピアサポートの活動への参加人数 等     (2)地域生活移行支援等の充実 ・グループホームの整備、助言や指導 ・地域生活移行の不安解消のための取組、体験利用等の促進、地域生活移行スペシャリスト、エキスパートによる取組、民間提案事業、地域生活移行チャレンジ事業 ・精神障害者にも対応した地域包括ケアシステム  ・精神障害者の地域生活移行の支援強化 ・精神障害者を支援するピア活動の推進と普及啓発  ・県立障害者支援施設の取組 ・措置入院者の退院後支援 等 【主な数値目標】 ・地域生活移行者数 ・施設入所者数の減少数 等 (9ページ) Ⅱ 誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現する取組み 4.地域生活を支える福祉・医療体制づくり (1)障害福祉サービス等の整備・充実と質の向上 ・在宅サービスや自立訓練サービス、日常生活支援の充実 ・事業所間連携の促進や、処遇改善への取組み 等 【主な数値目標】 ・障害福祉サービス報酬の「処遇改善加算」の届出をする事業所施設の割合 ・県等が実施する指定障害福祉サービス事業者及び指定障害児通所支援事業者等に対する指導監査結果を関係自治体と共有する回数 等 (2)地域における支援体制の整備 ・障害者支援施設における地域生活支援機能の強化 ・障害者自立支援協議会の活性化 ・地域ネットワークづくり・社会福祉連携推進法人の取組 等 【主な数値目標】 ・地域生活支援拠点等を整備し、コーディネーター等の配置、支援ネットワークなどによる効果的な支援体制及び緊急時連絡体制の構築を進めるとともに、年1回以上運用状況を検証及び検討する市町村数 等 (3)保健・医療施策の推進 ・障害や疾病の早期発見と早期療育、障害者の医療、未病改善 ・在宅医療の充実、難病患者等への支援体制の構築 等 【主な数値目標】 ・精神病床における入院需要 ・難病医療協力病院の設置数 等 (4)障害のある子どもへの支援の充実 ・地域における療育支援体制の構築 ・医療的ケア児支援、過齢児の円滑なサービス移行  ・聴覚障害児の早期支援体制 等 【主な数値目標】 ・医療的ケア児在宅レスパイト支援事業を実施する市町村数 ・児童発達支援を行う事業所数 ・医療的ケア児等コーディネーター養成研修の累計修了者数 等 (5)障害当事者やその家族等への支援の充実 ・地域における切れ目ない家族支援の充実 ・ケアラーへの支援 等 【主な数値目標】 ・障害児等メディカルショートステイの利用件数 ・重症心身障害児者への一人当たりの平均支援回数 等 (6)支援者の負担軽減に向けた取組みの推進 ・ロボット技術やICT機器等の導入促進 ・生活支援ロボット等の研究開発の促進 等 【主な数値目標】 ・補助事業を活用してロボットやICTを導入した事業所等の数 等 (10ページ) Ⅲ障害者の社会参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見も排除する取組み 5.社会参加を促進するための環境づくり (1)誰もが住みやすいまちづくりの推進 ・バリアフリーまちづくりに向けた普及啓発 ・公共施設や交通機関のバリアフリー化 ・障害者の入居促進支援 等 【主な数値目標】 ・「ヘルプマーク」の認知度 ・視覚障害者用付加装置(バリアフリー対応型信号機)等の整備数 等 (2)意思疎通支援の充実 ・手話や電話リレーサービスの普及 ・ライトセンターや聴覚障害者福祉センター、  盲ろう者支援センター等における情報提供の充実 等 【主な数値目標】 ・手話講習会の累計実施事業所 ・電話リレーサービスの累計登録件数 ・ライトセンターの図書増加数 等 (3)行政情報等のアクセシビリティ(利便性)の向上 ・県窓口における合理的配慮の徹底や、県公報の利便性の向上 ・障害者の投票機会の確保、投票所のバリアフリー化 等 【主な数値目標】 ・公的機関のウェブサイトの情報アクセシビリティに関するJIS規格への準拠率 ・障害への理解についての県職員に対する研修の受講者数 等 (4)デジタル技術を活用した障害支援の充実 ・ICTを始めとする新たな技術の利活用 ・メタバース(仮想空間)を活用した繋がりの創出 等 【主な数値目標】 ・かながわ障害者IT支援ネットワークへの投稿記事数 等 (5)防災及び災害発生時の対策推進 ・防災と福祉の連携による地域防災計画等の作成 ・災害発生時の要配慮者への支援 等 【主な数値目標】 ・避難行動要支援者の個別避難計画の作成に着手した市町村数 (6)犯罪被害や消費者トラブルの防止と被害者支援の充実 ・警察職員の障害理解の促進 ・消費者教育の推進、見守りネットワークの構築 等 【主な数値目標】 ・障害者及び障害者を見守る人向けの消費者教育に関する講座等の開催数 等 (11ページ) 6.雇用・就業、経済的自立の支援に関するしくみづくり (1)就労支援の充実 ・就労から職場定着までの一貫した支援の実施 ・障害の特性に応じた職場訓練等の実施 ・介護の仕事の理解促進 等 【主な数値目標】 ・障害者の委託訓練修了者における就職率 ・障害者職業能力開発校の修了者における就職率 等 (2)障害者雇用の促進 ・一般就労及び定着支援の強化 ・法定雇用率の達成に向けた取組みの充実 ・農福連携の取組の推進 ・短期雇用体験の支援 等 【主な数値目標】 ・障害者就労施設等からの物品等の調達実績額 ・県における障害者の雇用率 等 (12ページ) Ⅳ 地域共生社会の実現に向けた県民総ぐるみの取組み 7.ともに生きるための意識づくり (1)当事者目線の障害福祉の理念の普及・啓発 ・憲章(条例)の普及啓発、障害者理解の促進 ・共生の場の創出 等 【主な数値目標】 ・ともに生きる社会かながわ憲章の認知度 ・障害者理解のための企業向け講座の累計受講者数 等 (2)障害の理解と差別解消の促進 ・地域住民への障害の理解促進 ・障害の理解の促進 等 【主な数値目標】 ・「ヘルプマーク」の認知度(再)  ・障害者理解のための企業向け講座の累計 等 (3)障害者主体の活動等の促進 ・政策立案過程における障害者参加の推進 ・ピア活動の推進 等 【主な数値目標】 ・障害者が参加している県の審議会等の会議数 等 8.ともに育つための教育振興 (1)教育環境の整備 ・すべての学校における特別支援教育の体制整備、専門性の向上 ・障害児等の実態把握、調査研究 ・入試や授業等における配慮 ・地域で子どもの成長を支える取組みの推進、生涯学習の取組 等 【主な数値目標】 ・個別の指導計画の作成を必要とする児童等のうち、実際に個別の指導計画が作成されている学校の割合 等 (2)インクルーシブ教育の推進 ・適切な指導や支援、学習機会の確保に向けた取組み ・多様な学び場のしくみづくり ・校内支援体制の構築 等 【主な数値目標】 ・高等学校において通級による指導を受けている児童、生徒数 等 (13ページ) 9.ともに楽しむための文化・芸術及びスポーツ活動等の振興 (1)文化芸術及び余暇活動等の取組みの推進 ・障害者の創作活動の支援 ・障害者等の文化芸術活動の普及 ・県立の図書館における障害者のニーズを踏まえた配慮 ・福祉バスの運行による外出の支援 等 【主な数値目標】 ・年齢や障害の程度、種別などにかかわらず、すべての人が舞台芸術に参加し楽しめる共生共創事業の参加者の満足度 等 (2)スポーツ活動等の取組みの推進 ・障害者スポーツを支える人材の養成 ・誰もが障害者スポーツに親しめる機会の提供 ・アスリートの育成強化 等 【主な数値目標】 ・神奈川県障害者スポーツサポーターの累計養成者数 等 (14ページ) <計画の特徴> (1)県の障害福祉に関する施策を網羅した唯一の計画となる これまで県の障害福祉に係る計画は、「障害者計画」と「障害福祉計画」の2つが策定されており、 内容も一部で重複していることから、県民から「わかりにくい」との声が多くあった。 これらの計画を一本化し、県が策定する障害福祉に関する唯一の計画とした。 (2)条例に基づく基本計画として、当事者目線の障害福祉を推進する計画となる。 支援者目線と当事者目線の違いの一例をイメージ図として掲載したほか、各分野ごとに「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」に該当する条文を示すなど、条例を推進する計画とした。 (3)地域共生社会の実現に向けて、みんなで考え、悩み、育てる計画となる いわゆる「福祉分野」だけでなく、「あらゆる分野」が障害を意識し、自分事として考えながら、一体となって、当事者目線による施策を検討し、計画を策定した。 これまで以上に障害当事者や障害者を支える家族、支援者等の声をこれからの施策に反映するため、障害当事者の参加(参画)を推進し、「障害当事者部会」など、障害当事者の声が届く体制をつくり、計画に様々な声を直接掲載することで、みんなで悩み、育てる計画とした。 (15ページ) <「条例に基づく新たな計画」のイメージ図> これまで県が策定していた「障害者計画」と「障害福祉計画」の2つの計画を、条例に基づいて策定する新たな計画に包含し、地域共生社会を実現するための県の障害福祉に関する施策を網羅した唯一計画となる。 (16ページ) <計画の特徴> (4)あらゆる障害に関しての施策を推進するための計画となる いわゆる3障害(知的障害、身体障害、精神障害)に対象を定めた計画としてではなく、例えば、発達障害や医療的ケアが必要な重度障害等の児童に係る障害、強度行動障害、高次脳機能障害、重複障害や一部難病など、あらゆる障害を対象として、取組みを推進する計画とした。 (5)障害福祉施策の各分野における現状と課題を整理した計画となる これまで県の障害福祉に係る計画は、障害者の地域生活を支える障害福祉サービス等の提供体制を計画的に確保するための「障害福祉計画」のみ現状と課題を整理していたが、教育や文化活動も含めた障害福祉施策の各分野における現状と課題を整理し、取組みの推進につなげる計画とした。 (6)障害福祉施策の各分野にコラムを作成し、読みやすい計画となる 一般的に計画は、法律や条例により策定することが定められており、施策を計画的に推進する役割や、法律や条例に明記された業務の円滑な実施に資する役割がある。その役割の他に、県の考え方や理念を県民に伝える役割や、県民から意見を聞き、今後の施策に生かしていく役割があると強く認識し、各分野にコラムを作成するなど、読みやすい計画とした。 (17ページ) <「コラム」一部抜粋> ※コラム3種類を計画本体から抜粋 ここでは「自立支援協議会とは」、「身近な地域の相談支援体制」、「施設と地域をつなげる取組み」 (18ページ) <県独自の目標設定等の一例> (1)地域生活移行者数において県立施設の目標を反映 国の基本指針では令和元年度末時点の施設入所者の6%が地域生活に移行するよう目標設定することが求められている。県内市町村における目標値の合計は約6%であるが、県が「当事者目線の支援」を実施し、県立施設を「通過型施設」とすること等により、各県立施設の目標値を県独自に反映させ、県全体で約10%の目標として設定した。 (2)障害福祉サービス報酬の「処遇改善加算」の届出をする事業所等の割合を目標設定 介護職員の処遇改善を目的とした介護職員処遇改善加算について、障害福祉サービス事業者等による新規取得及び上位区分への変更等、労働環境の整備に関する取組を一層促進するため、県独自に障害福祉サービス報酬の「処遇改善加算」の届出をする事業所等の割合を目標設定した。 (3)相談支援専門員による障害サービス等利用計画等作成率を目標設定 障害者が計画相談支援を利用できず、自ら「セルフプラン」を作成せざるを得ない状況が続いており、神奈川県は全国的にもセルフプラン率が高止まりしていることから、相談支援専門員を増やす施策等を推進していくため、県独自に相談支援専門員による障害サービス等利用計画等作成率を目標設定した。 (19ページ) (4)医療的ケア児在宅レスパイト支援事業を実施する市町村数を目標設定 県独自に、在宅で生活する医療的ケア児等の介護を行う家族の一時休息(レスパイト)のために、家族に代わって介助等を行う看護師等の訪問支援を実施する市町村に対し経費の一部を補助する事業を実施していることから、医療的ケア児在宅レスパイト支援事業を実施する市町村数を目標設定した。  (5)障害児等メディカルショートステイの利用件数を目標設定 県独自に、医療的ケアを必要とする在宅の重症心身障害児者等とその介護を担う家族等が、地域で安心して生活するため、県所管域の中核的な小児医療機関等の協力を得て、短期入院(メディカルショートステイ)により、対象児者の一時的な生活の場を確保する事業を実施していることから、障害児等メディカルショートステイの利用件数を目標設定した。 (6)ともに生きる社会かながわ憲章の認知度を目標設定 「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念を発信し、ともに生きる社会の実現に向け、共感を広げていく取組みを強化していることから、ともに生きる社会かながわ憲章の認知度を目標設定した。 (20ページ) <主な新規事業> 事業:ピアサポート等の拡充(計画各論2104) 多様な障害種別のピア(当事者)サポーター及びピアサポーターの活用を理解した障害福祉サービス事業所等の管理者の養成を目的とする研修を実施 事業:精神障害者を支援するピア活動の推進と普及啓発(計画各論3206) 医療保護入院した入院患者等に対して、訪問支援員が精神科病院を訪問し、入院患者の不安や気持ちを傾聴する入院患者の地域生活移行を促進するため、ピア(当事者)サポーターが病院訪問し、退院意欲喚起を行う 事業:地域間の障害福祉サービスにおける格差の均衡(計画本体4206) 重度訪問介護等の利用促進に係る市町村支援事業費の補助を行う 事業:憲章・条例の普及啓発(計画各論7101) 憲章及び条例の理念の普及を目的としたフォーラムを開催し、当事者目線の障害福祉を推進する 事業:共生の場の創出(計画本体7103) 「インクルーシブビーチクリーン(コラムあり)」など、共に活動する機会を創出し、共生社会を体感できる場を創出する 市民農園(農業体験農園)に多世代、多属性の方の交流・参加の場を作り、農福連携を通じた共生社会の意識を高める このほか、「地域生活移行スペシャリストの養成」や、「重度障害者を受け入れたグループホームへの補助」、「県立施設における福祉に関する科学的な研究」 や「医療アクセスに関する問題の検討」等に係る事業がある。 (21ページ) <計画策定における意見聴取> 広く県民のほか、障害当事者から計画に関する意見を聴取し、これを整理し、計画へ反映させることを目的として、以下4つの方法で実施した。 障害者施策審議会 開催日:第37回(令和5年6月)、第38回(令和5年9月)、第39回(令和5年11月)、第40回(令和6年2月) 構成と目的:6名の障害当事者を含めた20名の委員が、計画策定に向けて審議を行っている。 ※新たに障害当事者部会を設置 団体ヒアリング 実施期間:第1回(令和4年2月~)、第2回(令和5年11月~) 対象と目的:当事者及び家族団体へ、直接ヒアリングを実施し、計画策定に向けた意見を聴取した。 パブリック・コメント 実施期間:令和5年10月19日~11月24日   結果:概ね300件の意見が集まった。なお、詳細は次ページにて。 市町村圏域調整会議 実施期間(令和5年12月~令和6年1月) 政令中核市ほか、6圏域各々と個別に実施。県計画の全域での推進意識を共有した。 (22ページ) <パブリック・コメントの結果> 提出された意見の件数:293件 意見内容の内訳(速報値) 1.総論 「計画策定の背景や推進・評価の体制、県内の障害者を取り巻く状況等」に関する意見:37件 2.各論(分野別施策の基本的方向) 「大柱Ⅰ.すべての人のいのちを大切にする取組み」に関する意見:54件 3.各論(分野別施策の基本的方向) 「大柱Ⅱ.誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現する取組み」に関する意見:61件 4.各論(分野別施策の基本的方向) 「大柱Ⅲ.障害者の社会への参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除する取組み」に関する意見:52件 5.各論(分野別施策の基本的方向) 「大柱Ⅳ.地域共生社会の実現に向けた県民総ぐるみの取組み」に関する意見:50件 6.資料(各数値について) 県が定める数値目標、国の基本指針に基づく成果目標・活動指標、地域生活支援事業・障害福祉サービスの見込量)など:7件 7.その他 条例全般に関する意見など:32件 【主な意見】 〇困った時、気軽に相談できる窓口を増やしてほしい。 〇少しずつだが、生活しやすく、移動しやすいまちづくりが進んでいる。「地域で支え合う」という考えを基本に取組みを進めてほしい。 〇地域によって、医療や福祉の体制には大きな差がある。どこに住んでも、安心して生活が送れるように、県が 率先して取組みを進める必要があるのではないか。 〇障害の原因を「人の体にある」と考えないでほしい。社会のあり方で、多くの障害は無くしていける。そのことをしっかりと広めていくことが大切。 〇福祉業界も分析や評価が必要。アウトリーチで、生活のしづらさを早い段階でキャッチ出来ると良い。 (23ページ) <障害当事者からの意見の反映> 「現状と課題」や「取組みの方向性」に追記するほか、意見の一部を記載。 〇「障害者のために行政が作る計画ではなく、当事者が何を求めているかを反映させた計画にしてほしい」 ・ 障害者施策審議会や障害当事者団体ヒアリングにより、当事者の意見を計画に反映。 ・ 障害当事者部会を設置し、意見を聴取。 〇「当事者が活動の主体となることを進めるための項目を計画に入れてほしい」 ・「当事者主体の活動の推進」の項目を新たに追加。 〇「精神障害の施策は、他の障害に比べて遅れている。現場を知り、当事者の声をしっかりと反映させてほしい」 ・ 関係団体へのヒアリングを実施。 ・ 相談・就労、住宅確保など、様々な分野の施策を計画に位置づけ。 これらの意見、ほんの一部であるが、計画本体の各取組みに反映するとともに、各論ごとにいただいた意見をそのまま掲載した。 (24ページ) <計画策定・推進に向けた新たな取組み> 障害当事者部会 障害当事者部会は、障害者施策審議会の下に設置。検討した内容や意見は審議会に報告される。 第1回開催日:令和6年1月25日 障害当事者のみで構成された「障害当事者部会」を障害者施策審議会の下に新たに設置した。 会議の当日は、身体障害・知的障害・精神障害のほか、これらを重複している方、難病を患っている方など、様々な障害当事者15名により、県の障害者施策について積極的に意見が出された。 ※このほか、資料には委員と黒岩知事が楕円卓を囲んで話し合う場面や、首藤副知事と委員が話をする場面など、3枚の写真を掲載。 (25ページ) <障害当事者部会における計画に関する議題の一例> 【計画の指標(計画の達成度を表す数値)について】 〇現時点の計画案では、「障害のある人が身近で普通に生活しているのが当たり前と思う割合」を、指標のひとつとして設定している。ただし、これだけでは「当事者の目線」が不十分であることから、「当事者の目線、当事者の意見を踏まえた新たな指標を追加で設けたい」と考え、当事者部会で意見を伺った。 【指標についての意見】 〇「普段の生活に不自由がないと思える割合」や「生活のしづらさ」が基準になるのではないか。 〇「障害のある人が生活を送るなかで、不便を感じたり、危険を感じる割合」の指標が必要だと思う。 〇「障害者と健常者がともに参加できるイベントの数」を毎年追いかけてはどうか。 〇「市町村の自立支援協議会に参加している当事者の割合」を採用してはどうか。 引き続き「障害者施策審議会」及び「障害当事者部会」で意見を聞き、議論を進め、計画に速やかに反映(追加)していく (26ページ) <今後の予定> 〇2024(令和6)年3月末、計画が完成 〇2024(令和6)年度から2029(令和11)年度までの6年間の計画が始まる 〇2026(令和8)年度、計画の中間見直し