【資料10】10 今後の県立障害者支援施設のあり方について 令和5年12月に策定した「県立障害者支援施設の方向性ビジョン」(以下「方向性ビジョン」という。) の中で示した各県立障害者支援施設(以下「県立施設」という。)の方向性について、 現在の取組状況を報告する。 (方向性ビジョンでの位置付け)  (1)県立施設として継続   地方独立行政法人による運営に移行する   中井やまゆり園   (2)民間法人へ移譲  移譲に向けて、利用者や家族、現指定管理者(指定管理施設のみ)の意向も踏まえながら、  移譲の時期、相手先や条件の検討を進め、調整がついた施設から順次、移譲していく。  さがみ緑風園 厚木精華園 三浦しらとり園  (3)引き続き方向性を検討  指定管理や施設の再整備の状況を踏まえて、引き続き検討していく。  芹が谷やまゆり園 津久井やまゆり園 愛名やまゆり園 (1) 県立施設として継続する施設  ア 中井やまゆり園     令和8年4月に新たな地方独立行政法人(以下「法人」という。)を設立し、同時に中井やまゆり園を     同法人による運営に移行することを目指している。   (ア) 検討状況    a 法人制度     ・ 法人組織の基本となる定款(法人の名称、目的、業務の範囲等)の検討を進めている。    b 組織体制     ・ 法人が障害者の地域での暮らしを支えるため事業者や住民と連携して、地域づくりに取り組むとともに、      当事者目線の支援による利用者の行動変化などを現場職員自ら研究し、その成果を実践する組織体制の検討を進めている。    c 人事・給与制度     ・ 法人の人事・給与制度及びプロパー職員の採用計画、県職員の派遣体制等の検討を進めている。    d 財務・会計制度     ・ 法人の財務・会計制度、法人に出資する財産の整理等の検討を進めている。    e 情報システム     ・ 情報システム基本構想・計画、ネットワーク環境等の検討を進めている。    f 福祉科学研究・人材育成     ・ 有識者が構成員となる福祉科学検討会を令和6年6月6日に開催し、研究テーマや体制、人材育成の内容等の検討を進めている。     ・ 研究に必要な外部資金等(国・民間企業等)の活用の検討を進めている。     ・ 虐待事案の検討等をテーマとした福祉倫理の議論を、県立施設の人材育成の取組として進めていく予定である。   (イ) 推進体制     ・ 遅滞なく法人設立準備を進めるため、検討内容ごとの推進体制を福祉子どもみらい局内に設置し推進している。     ・ 法人設立準備に専門的知識及び経験を有する事業者に、助言や情報提供などの支援業務を委託している。   (ウ) 今後のスケジュール      令和6年12月 第3回県議会定例会厚生常任委員会に定款素案を報告      令和7年2月 第1回県議会定例会に定款案を提出      令和7年度中 県議会に中期目標案等を提出             総務大臣による法人設立認可      令和8年4月 法人の設立 (2) 民間法人への移譲を検討する施設  ア さがみ緑風園    (ア) 現状     ・ 平成14年の開設時は定員160名の大規模施設であったが、入所者の減少が続き、現在の入所者数は35名(定員50名)である。     ・ このため、2階建ての建物のうち居住フロアとして使用しているのは、2階の一部だけとなっている。     ・ 最重度の身体障害者用の施設として、民間施設に比べて広く、ゆとりを持ったつくりの建物であり、維持・管理費がかかる。    (イ) 検討状況     ・ 築21年が経過し、老朽化により修繕が必要な箇所も生じているため、民間移譲後の運営コストを試算している。     ・ 建物の使用していない1階(事務室を除く)部分と2階の一部の活用方法について、関係者から意見を伺いながら検討を進める。  イ 厚木精華園    (ア) 現状     ・ 市街地から離れた立地であり、園外での日中活動の機会や地域との交流の場が少ない状況である。また、高齢の知的障害者支援のモデル施設であったことから高齢者が多く、地域生活移行が進んでいない。     ・ 隣接地は土砂災害特別警戒区域に指定されている。     ・ 建物は築29年が経過し、定員112名の大規模施設で、2人部屋が中心の多床室となっている。     ・ 指定管理は令和7年度までであり、今年中に、令和8年度以降の運営方針を示す必要がある。    (イ) 検討状況      利用者一人ひとりの希望に応じた暮らしのあり方や、安全性の観点から、民間移譲に向けた課題への対応について、利用者や家族、関係者などから意見を伺いながら検討を進める。  ウ 三浦しらとり園    (ア) 現状     ・ 知的障害児と知的障害者の複合施設である。     ・ 建物は築41年が経過し、児者あわせて定員152名の大規模施設で、多床室が中心となっており、老朽化が進んでいることから、再整備が必要となっている。    (イ) 検討状況      再整備にあたっては、移譲条件を含め、将来的にどのような施設のあり方がふさわしいか、検討を進める。 (3)  引き続き方向性を検討する施設  ア 芹が谷やまゆり園及び津久井やまゆり園    (ア) 現状     ・ 両園ともに建物は小規模ユニット施設として整備されている。     ・ 園外に日中活動の拠点を設置し、又は設置する計画があるなど、積極的に地域生活移行に取り組もうとしている。    (イ) 検討状況      両園とも指定期間が令和9年度までであり、利用者や家族、関係者などからしっかりと意見を伺いながら、遅くとも令和8年中には方向性を示せるよう検討を進める。  イ 愛名やまゆり園    (ア) 現状     ・ 県全域からアクセスがしやすく、障害福祉サービス事業所をはじめ、地域資源が豊富な県央地域に立地している。     ・ 建物は築38年が経過し、定員120名の大規模施設で、4人部屋が中心の多床室となっており、老朽化が進んでいることから、再整備が必要となっている。     ・ 指定管理は令和7年度までであり、今年中に、令和8年度以降の運営方針を示す必要がある。    (イ) 検討状況     ・ 県立施設として存続し、中井やまゆり園とともに、地方独立行政法人が一体的に運営することを視野に入れて、今後、利用者や家族、関係者などに意見を伺いながら、検討を進める。     ・ 現在の大規模施設を再整備するにあたっては、将来的に、利用者の方々が地域に溶け込んで暮らせるようにするためには、どのようなあり方がふさわしいか、外部有識者等の意見を伺いながら、検討を進める。 (参考:県立施設の概要)  施設名(所在地)   管理方法  主な対象   定員   築年数(部屋) 中井やまゆり園(中井町)  直営   知的障害者  140人  築24年(個室・多床室) さがみ緑風園(相模原市南区)直営  身体障害者  50人  築21年(個室中心) 芹が谷やまゆり園(横浜市港南区) 指定管理  知的障害者  66人  築2年(個室) 津久井やまゆり園(相模原市緑区) 指定管理  指定管理 知的障害者  66人 築2年(個室) 愛名やまゆり園(厚木市)  指定管理 知的障害者 120人  築38年(多床室中心) 厚木精華園(厚木市)  指定管理 知的障害者 112人  築29年(多床室中心) 三浦しらとり園(横須賀市) 指定管理  知的障害児 40人 知的障害者 112人  築41年(多床室中心) 令和6年7月29日 記者発表資料 (県政・小田原記者クラブ同時発表) 中井やまゆり園元利用者の死亡事案に係る検証について 県立中井やまゆり園の短期入所等を利用していた男性が、令和6年7月4日に転居先の千葉県長生村で死亡した事案について、県内の支援機関とともに検証を行います。 1 検証の概要 支援機関とともに、転居前の生活や支援状況を振り返り、地域での生活を支えるために必要な支援について、第三者からご意見もいただきながら、検証を行います。 2 協力いただく支援機関 中井やまゆり園のほか、男性利用者と関わりがあった支給決定自治体、相談支援事業所、短期入所事業所、障害者支援施設などの支援機関 3 主な検証内容 地域での生活を支えるために必要な支援を十分に行えていたか、次の視点から検証します。 ・知的障害のある方及びそのご家族を地域で支える支援のあり方 ・障害者支援施設における支援のあり方 4 スケジュール(案) 令和6年8月・9月 支援機関による振り返りと検証結果素案のまとめ 9月  第三者への検証結果素案の意見聴取 10月 検証結果の公表 本件に関連して、ご家族への取材はご遠慮くださるようお願いします。 ※県立中井やまゆり園について  【施設の概要】主として、知的障害のある方に対する支援を行う障害者支援施設  【所在地】足柄上郡中井町境218番地 【定員】入所140名(うち短期入所18名) 問合せ先 神奈川県福祉子どもみらい局福祉部 独立行政法人化担当課長 吉田 電話045-285-0214 障害サービス課運営指導グループ 岸岡 電話045‐210‐4705 以上