渉外関係主要都道県知事連絡協議会(渉外知事会) 平成20年度「基地対策に関する要望書」で求めた 重点要望に対する国からの説明(回答) ○防衛省 1 基地の整理、縮小及び早期返還の促進 米軍基地の存在により、地元の皆様方は多くの負担を抱えており、その負担軽減は重要な課題と認識している。 このような認識の下、当省としては、従来から米軍の運用上の所要及び地元の御要望等を踏まえつつ、施設・区域の整理、縮小、返還に向け、鋭意努力してきたところである。 具体的には、沖縄県において、平成18年度、いわゆる23事案の一つである嘉手納かでな弾薬庫地区の一部(約58ha)が返還され、SACO最終報告に基づく事案として、読谷よみたん補助飛行場(約191ha)、瀬名波せなは通信施設(約61ha)及び楚そ辺べ通信所(約53ha)の3施設が全面返還されたところである。 また本土においては、神奈川県における上瀬谷通信施設等6施設・区域の返還等に関する方針が日米間で合意され、平成17年度、小柴貯油施設の陸地部分全域が返還されたところである。 他方、今般の在日米軍再編においては、在日米軍の抑止力の維持と地元負担軽減の観点から、平成18年5月に取りまとめられた「再編実施のための日米のロードマップ」に、普天間飛行場の早期移設・返還、嘉手納飛行場以南の人口が密集している地域の相当規模の返還、キャンプ座間及び相模総合補給廠の一部返還が示されており、現在、その実現に向け努力しているところである。 なお、相模総合補給廠の一部返還(約17ha)については、本年6月、日米間で合意され、返還地にある米側施設の移設工事等を実施し、早期に返還が実現できるよう努力しているところである。 いずれにしても、当省としては、引き続き、米軍の運用上の所要を踏まえつつ、地元の御要望等を尊重の上、施設・区域の整理、縮小及び早期返還について最大限努力してまいりたいと考えている。 2 日米地位協定の見直し @ 環境法令等国内法の遵守及び環境対策の徹底 (環境部分) 在日米軍に対する国内法令の適用については、日米地位協定に関する事項であり、 - 2 - 基本的には外務省の所管であるが、在日米軍施設・区域については、日米地位協定第3条に基づき、在日米軍が管理・運営を行っており、施設・区域の使用に際しては、環境の保全を含め、公共の安全に妥当な考慮を払うこととされている。 さらに、在日米軍は、日米の関連法令のうち、より厳しい基準を選択するとの基本的考えの下で作成した日本環境管理基準(JEGS)に従って、環境保護及び安全への取組を実施しているものと承知している。 当省としては、具体的な環境問題が発生した場合には、日米合同委員会の枠組み等を通じて、関係省庁と協議しながら、対処してまいりたいと考えている。 (NLP部分) 御指摘のような航空機による騒音等が周辺住民の皆様方に多大なご迷惑をおかけし、深刻な問題であることは十分承知しており、例えば、艦載機夜間着陸訓練(NLP)については、可能な限り多くのNLPが硫黄島で行われるよう米側に働きかけるなど飛行場周辺における騒音の軽減が図られるよう努めてきているところである。 当省として、今後とも米側に対し、訓練を行うにあたっては、周辺住民の生活環境にできる限り配慮するよう申し入れてまいりたい。 A 事件・事故に係る安全対策等の確立 当省としては、米軍による事件・事故等について、平素から、米側に対し、隊員の教育や綱紀粛正の徹底を図る等、様々なレベルから申入れを行っており、米軍による事件・事故等が発生した場合には、日米間で合意された「通報手続」等に従い、関係地方自治体等に速やかに通報するとともに、米側に対し、原因究明、再発防止及び安全管理の徹底等について強く申入れを行っている。 一方、米軍基地周辺においても国の他の機関、米軍、関係地方自治体等と協力し、事件・事故防止のための様々な方策が講じられるよう努めているところである。 なお、本年2月10日の沖縄県における暴行被疑事件を含む最近の在日米軍人等が関与する事件を受けて、政府として、本年2月22日に再発防止のための当面の措置を取りまとめ、また、米側においても「性的犯罪防止タスクフォース」を設置して、5月16日に再発防止策を取りまとめたところである。 当省としても、米軍関係者による事件・事故の再発防止のためには、継続的な取組が必要であると考えており、関係省庁や米側とともに再発防止策について真剣かつ着実に取り組んでまいりたい。 また、日米地位協定及びその運用の見直しについては、外務省の所管であるが、政府としては、日米地位協定については、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるとの考えの下、運用の改善に努力している。 B 地元意向を尊重する制度の構築 これまで、渉外知事会から、累次の機会に「地域特別委員会」の設置について要 - 3 - 望をいただいており、防衛省としても、米軍の活動をめぐる様々な問題について、地元自治体の意見を聞くことは重要であると考えている。 現在、日米両政府は、「在日米軍施設・区域に係る日米両政府の代表及び渉外知事会による連絡会議」について、鋭意、調整しているところであり、防衛省としても、今後とも、外務省と連携しつつ、できるだけ早期に開催できるよう努力してまいりたいと考えているところである。 3 国による財政的措置等の新設・拡充 @ 基地交付金の等の増額等 (基地交付金部分) 基地交付金及び調整交付金については、総務省の所管であり、基地交付金等の増額等について、防衛省としてお答えする立場にないが、御要望の趣旨は、所管省庁である総務省に伝える所存である。 (予算措置部分) 平成21年度の概算要求は、本年7月29日に閣議了解された「平成21年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」(いわゆるシーリング)において、平成21年度予算は、「経済財政改革の基本方針2008」を踏まえ、引き続き「基本方針2006」及び「基本方針2007」に則った最大限の削減を行う旨決定されたところである。 このような厳しい財政事情ではあるが、平成21年度の基地周辺対策経費の概算要求額については、歳出ベースで対前年度比2.6%、約31億円増の約1,204億円(契約ベース対前年度比0.4%、約5億円増の約1,196億円)を計上したところである。 現在、正に平成21年度予算獲得のため、財政当局と折衝を行っているところであるが、財政当局は、我が国の財政事情は、昨年度以上に厳しい状況であるとして、基地周辺対策経費も厳しく査定するとしている状況である。 当省としては、基地周辺対策経費は、防衛施設から生ずる障害を防止・軽減し、基地周辺住民の生活の安定と福祉の向上に必要不可欠な経費である旨引き続き財政当局に対し粘り強く説明し、所要額の確保に向けて最大限の努力をしてまいる考えである。 A 地域振興策の新設・拡充 地域振興策に係るご要望については、国、地方とも大変厳しい財政状況にあり、また、「骨太の方針2006」(平成18年7月7日閣議決定)において歳出・歳入一体改革に向けた取組として、防衛関係費の中で従来以上に厳しい削減に取り組む項目の一つとして盛り込まれた「基地周辺対策の抜本見直し」により基地周辺対策を取り巻く環境は一層厳しい状況にあることを踏まえると、難しい問題ではあるものの、関係省庁とも相談しながら、勉強してまいりたいと考えている。 - 4 - B 基地跡地の返還に係る支援 基地跡地の返還に係る支援については、返還後の国有地の利用に関し、当省が協力できることには限界があるものの、今後とも皆様方の御要望を関係機関にお伝えするなど、当省として行い得ることについて最大限努力してまいりたい。 C 駐留軍等労働者対策及び離職者対策の拡充・強化 駐留軍等労働者が雇用面において不安なく勤務できる状態を確保していくことは、雇用主としての日本政府の立場上当然のことであり、駐留する米軍の任務を円滑に行う面からも重要なことである。 駐留軍等労働者の労働条件等については、米側と調整しながら、逐次その改善を図ってきているところである。 貴県が実施していた駐留軍等労働者の労務管理等事務は、機関委任事務制度の廃止を受けて、平成14年度以降、国及び独立行政法人が引き継いでいるところであり、駐留軍等労働者の離職者対策については、駐留軍関係離職者等臨時措置法に基づき、関係省と協力し各種援護措置を実施しており、当省としては、従前の機関委任事務と同様、離職前職業訓練の実施及び特別給付金を支給しているところであるが、今後とも、離職後の生活の安定確保に最大限努力する所存である。 なお、同法の有効期限は、本年4月18日に公布、施行された一部改正法により、平成25年5月16日まで延長されたところである。 現時点においては、米軍再編に伴う駐留軍等労働者の雇用にかかる詳細が明らかになっていないことから、駐留軍等労働者の雇用への影響について、確たることは申し上げられない。 米軍再編に伴う駐留軍等労働者の雇用の安定確保等については、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法(平成19年法律第67号)に基づき、駐留軍等労働者の雇用の継続に資するよう、技能教育訓練その他の適切な措置を講ずることとされており、当省としては、労働者の雇用の継続について努めてまいりたい。 ○外務省 1 基地の整理、縮小及び早期返還の促進 現在、米軍再編を進めているが、大きなメッセージは二つある。その一つは、抑止力を維持することであり、我が国を巡る安全保障環境を考えると、抑止力を犠牲にするわけにはいかない。もう一つは、抑止力を犠牲にしないという前提のもとで、地元の負担軽減を図ることである。この二つは、政府全体として米軍再編に取り組む際の最も重要な柱であり、今後ともその考え方に則って進めてまいりたい。 基地の整理・縮小・早期返還について、SACO合意や在日米軍再編のロードマップに書かれていないことは一切しないということではない。ただ、基地の整理・縮小・早期返還を効率的に進めていくためには、合意されたロードマップに沿った - 5 - 基地の整理・縮小・早期返還を優先的に進めていくことが合理的である。例えば、SACO合意では、5年から7年で約2割強の沖縄の土地を返還することが目されていた。今回のロードマップにおいても、2014年までに普天間の代替施設が完成し、グアムに相当の海兵隊が移転したあとは、嘉手納以南の相当規模の施設・区域が返還されるものと理解している。まずは、これをしっかりやっていくことが日本全体としての基地の整理・縮小・早期返還に資するものと考えており、地元の皆さんの理解を得ながら進めていきたい。 2 日米地位協定の見直し 日米地位協定について、政府の立場は、そのときどきの運用の改善により対応していくことが合理的であるという考えである。日本政府としては、さまざまな運用の改善を図っており、平成20年3月の横須賀における強盗殺人事件の際には、迅速かつ円滑に起訴前の身柄引渡が実現している。これは、日米地位協定の運用改善の一つである平成7年の日米合同委員会合意に基づくものであり、適切に運用されたものと考えている。 脱走兵の通報についても、先般、合同委員会での合意がなされたことを受け、脱走米兵に関する情報提供があった際には、渉外知事会を通じ関係自治体へ速やかにその情報を提供する仕組みを作っている。 さらには、平成19年4月、日米合同委員会において、災害準備及び災害対応のための在日米軍施設・区域への立入について合意した。本件合意は、災害時において、救助・医療サービスを実施するため、また、防災訓練を実施するために、在日米軍施設・区域を使用する手続きを定めたものである。今後ともこうした運用の改善を一歩一歩積み上げるべく最大限の努力をしてまいりたい。 先般、沖縄県名護市において、米軍嘉手納飛行クラブの航空機が緊急着陸し、サトウキビ畑等に大きな被害を与えるという大変遺憾な事故があった。この事故については、外交ルートも含め、非常に高いレベルから米側に極めて強い遺憾の意を表すとともに、再発防止及び捜査協力をしっかり求めている。2004年の普天間ヘリ事故の教訓を生かし、その後できた日米合同委員会合意にしたがって内周規制、外周規制等の協力がなされた。捜査協力の要請は頻繁に実施しており、パイロットへの事情聴取も複数回実現している。米側も極めて協力的で、この点においても運用の改善が図られている。 なぜ日米地位協定の改正をしないのかという話があるが、米国は70カ国以上と地位協定を結んでおり、客観的に見て、日米地位協定とボン補足協定がもっとも進んだ協定である。日米地位協定の改正は、70カ国以上との地位協定に影響を与えることになることから、米側は極めて慎重な対応をしていると思う。 日本政府は、世界で一番進んだ地位協定をもとに、これまで多くの運用改善を実施している。先般の沖縄におけるセスナ機の事故においても、捜査協力等、米側はこまかく協力してくれた。これらをルール化して日米地位協定に一々書こうとすると、米側の判断の敷居を上げてしまい、運用の改善でできていたものもできなくなってしまう。政府としては、引き続き、運用の改善により対応していくことが最善 - 6 - と考えている。 以上総論的にお話ししたが、環境法令、事件・事故に対する安全対策についても、要請をいただいている。 @ 環境法令等国内法の遵守及び環境対策の徹底 ご案内のとおり、国際法上、駐留軍は接受国の法令を尊重すべき義務を負っている。したがって、在日米軍が、環境法令を含め我が国の法令を尊重すべきことは当然であって、米軍もそれは理解している。また、地位協定上、施設・区域の運用にあたっては、公共の安全等に妥当な考慮を払うということになっており、日米地位協定上の米国の義務である。 その上で、環境への対応については、在日米軍は、米国国防総省の策定した基準に沿って、我が国の国内法の基準と米国の基準のうち、より厳格なものを適用するという基本的な考え方のもと、米軍自身の環境管理基準を作成しており、これに基づいて厳格な環境管理行動をとっていると承知している。日米合同委員会の下に環境分科委員会も設置されており、政府としては、今後もそうした枠組みを使ってしっかりと取り組んでまいりたい。 また、NLPについては、極力硫黄島で行うということについて米側と合意がある。騒音対策等については、自治体の方々から見ると不十分というご批判を受けるかもしれないが、米軍が利用している各飛行場等において、それぞれの騒音協定、ないしは別途の取組みがなされている。仮に、米側がそのような趣旨を踏まえない活動をしているということがあれば、しっかりと米側に申し入れていきたい。 A 事件・事故に係る安全対策等の確立 事件・事故については、私どもとしても極めて遺憾に思っている。随時、米側に対して、綱紀の粛正及び再発防止の徹底を申し入れている。また、外務省としても、日本での正しい振る舞いを米軍人に対して教育するための予算を付けており、こういう取組を強化していきたい。事件・事故が発生した場合の連絡については、平成9年3月に「在日米軍に係る事件・事故発生時における通報手続」が日米合同委員会で合意されており、これに基づき迅速な通報が行われるよう努めてまいりたい。 我が国が第一次裁判権を有する場合の身柄の移転については、平成7年の合同委員会合意により、米国は殺人、強姦といった特定の凶悪な犯罪の場合に、我が国が行う起訴前の身柄移転の要請に対し、好意的な配慮を払うことになっており、この合意に基づき、これまで6度の要請のうち5度、起訴前の身柄移転が行われている。こうした起訴前の身柄の移転が行われるのは、日米地位協定のみである。先ほど申し上げたように、平成20年3月の事案でも速やかに身柄移転が行われた。政府としては、今後も米軍人等の事件・事故防止のために、しっかりと地元の関係者とともに知恵を絞って緊密に協力しながら対応をしていきたい。 B 地元意向を尊重する制度の構築 地元意向を尊重する制度の構築ということについては、二つの次元があると思う。 - 7 - 一つは、外務省ないし関係省庁と、基地を抱えている自治体との意思疎通であり、この点に関しては、私どもにできることはなんでもやる。地位協定室長をしていると、毎日のように自治体の方とお会いしており、色々なご意見、お知恵、あるいはご批判をいただいている。今後とも一所懸命やっていきたい。 もう一つは、自治体と米軍との関係であり、米側からは、米軍は自治体と良い関係をつくるべく努力していると聞いている。そうした取組みは、是非進めていって欲しい。 しかし、政府と自治体と米側の三者が交渉するということは、効果的ではなく、日米両政府もそういった交渉はあまり適切ではないと考えており、非常に難しいと思っている。 ただ、この件については、渉外知事会の会長県である神奈川県の非常に大きなイニシアティブもあり、日米両政府は、渉外知事会との対話の場を近々設けるべく調整を進めている。 3 国による財政的措置等の新設・拡充 国による財政的措置等の新設・拡充については、外務省にはそういった予算がないので、お答えできる立場にない。しかし、米軍再編や米軍の安定駐留は、外務省にとって大きな課題であり、かつ、国益であると考えており、米軍再編に協力的に取り組んでいる自治体から、外務省からも後押しして欲しいというお話があれば、これからも是非関係省庁に働きかけていきたい。 ○環境省 2 日米地位協定の見直し @ 環境法令等国内法の遵守及び環境対策の徹底 ご要望の件は日米地位協定に関する事項であり、外務省が所管しているものと承知している。なお、在日米軍は日米地位協定により我が国の環境法令を尊重し、使用している施設及び区域における作業について、公共の安全に妥当な配慮を払うべき義務を負っているものと承知している。 在日米軍は、活動に伴って環境に著しい影響を及ぼすことのないよう十分に配慮を行うこととしており、このため日本環境管理基準(JEGS)を作成し、これに則した厳格な環境管理行動をとっているものと承知している。 また、在日米軍に係る環境問題が発生した場合には、日米合同委員会の下に設置されている環境分科委員会などの枠組みを活用し、関係省庁と協議しながら対処してまいりたいと考えている。 3 国による財政的措置等の新設・拡充 @ 基地交付金の等の増額等 - 8 - ご要望の件は、防衛省及び総務省が所管しており、当省が回答する立場にないことはご了承願いたい。 ○内閣府 2 日米地位協定の見直し A 事件・事故に係る安全対策等の確立 原子力発電所等の原子力施設で災害が発生した場合には、災害対策基本法の特別法である原子力災害対策特別措置法が適用されるが、原子力艦で災害が発生した場合には同法は適用されず、災害対策基本法が適用されることになる。このため平成14年4月に防災基本計画を修正し、原子力艦の原子力災害発生時における関係省庁の役割を明確化しており、関係地方公共団体の対応についても、地域防災計画に記載されているところである。 原子力艦の原子力災害発生時、国は、状況に応じ非常災害対策本部及び現地対策本部を設置するとともに、県との現地対策合同会議を開催するなど、国と地方公共団体の連携強化を図ることとしている。内閣府としては、関係省庁、地方自治体等との連携を深め、本件にかかる防災対策に努めて行きたいと考えている。 また、地方公共団体が実施する原子力艦の防災訓練についても、可能な限り協力したいと考えている。 ○総務省 3 国による財政的措置等の新設・拡充 @ 基地交付金等の増額等 基地交付金及び調整交付金(以下「基地交付金等」という。)については、基地交付金等の対象資産価格に対する予算額が少ない状況を考慮し、平成元年から3年毎、固定資産税の評価替えの翌年度に合わせて10億円の増額を図っている。 平成21年度の概算要求については、極めて厳しい財政状況の中ではあるが、基地所在市町村の置かれている実情等にかんがみ、対前年度同額の325億4千万円を要求しているところである。 平成21年度予算については、今後要求額の満額確保に全力で努めていきたいと考えている。 - 9 - ○文部科学省 2 日米地位協定の見直し A 事件・事故に係る安全対策等の確立 文部科学省では、原子力艦に係る放射能調査を行うことにより、原子力艦の原子力事故対策の対応を行ってきた。 今後とも原子力艦に係る放射能調査に関して、関係省庁、地方自治体等と連携し、一層体制が確保されるよう努力していきたい。 ○厚生労働省 3 国による財政的措置等の新設・拡充 C 駐留軍等労働者対策及び離職者対策の拡充・強化 駐留軍関係離職者対策については、駐留軍関係離職者等臨時措置法に基づき関係省庁が諸施策を講じているところであるが、厚生労働省としては、当該離職者に対して全額国の負担により就職促進手当等の職業転換給付金を支給しながら、積極的な職業指導、職業紹介及び職業訓練を実施するとともに、これらの者(45歳以上)を雇用する事業主に対して特定求職者雇用開発助成金を支給するなどの援護措置を講じ、再就職の促進を図っている。 また、駐留軍法に基づき設置されている中央駐留軍関係離職者等対策協議会が決定した「駐留軍関係離職者対策の大綱(昭和49年4月)」に基づき、関係省庁が各種の離職者対策を実施することとされており、厚生労働省としては、@離職者の再就職に関する希望の早期把握、Aケースワーク方式によるきめ細かい職業指導・職業紹介、B職業訓練等の充実強化、などの施策を積極的に講じている。 今後とも、離職者が生じた場合には、関係省庁と連携しながら当該離職者の早期就職の促進に万全を期してまいりたい。 なお、地方駐留軍関係離職者対策協議会については、各地域における現状を踏まえた対策が可能となるよう、都道府県または市町村において、地域の関係行政機関相互の連絡調整を図るために設置することが可能となっているものであり、既存の制度については、その必要性を十分に検討のうえ制度化されたものである。 ○国土交通省 2 日米地位協定の見直し - 10 - A 事件・事故に係る安全対策等の確立 米軍による管制業務は、我が国と同様、国際民間航空条約に準拠しており、民間航空の安全な運航の確保について問題はないと考えておりますが、民間航空交通の効率性の向上を図り、今後の民間航空交通の増大に対処するために、日本側が一元的に管制を行うことが適切との観点から、岩国も含め、日米合同委員会民間航空分科委員会において要請しており、今後も、軍民の運用実態を踏まえ、管制権の返還が実現するよう引き続き要望していきます。 なお、横田空域については、平成18年10月の日米間の合意に基づき平成20年9月25日より大幅に削減され、削減された空域の管制権が日本側に返還されました。 また、嘉手納ラプコン返還については、平成16年12月より、航空局管制官が嘉手納ラプコンで訓練を開始しており、平成20年1月に開催された日米合同委員会において、平成21年度末までに移管を完了すること、日米当局は運用所要が満たされることを前提にできるだけ早期の移管に向けて努力を継続することとされました。これを受けて日米当局は移管に向けて努力を行っているところです。