資料3−1 津久井やまゆり園に関連する意思決定支援の取組状況 1 経緯 県立の障害者支援施設である津久井やまゆり園において、平成28年7月26日、利用者19人の命が奪われ、27人が負傷する、大変痛ましい事件が発生した。 平成29年10月、県は、津久井やまゆり園再生基本構想を策定し、この中で、事件によって心身に傷を負った利用者の尊厳の回復とともに、「利用者一人ひとりには、それぞれに尊重されるべき意思がある。」という理念のもと、「利用者の方々が望む暮らしや支援については、より丁寧に時間をかけ、適切な手続きにより、意思決定を支援する」こととした。 2 取組状況 (1)事前説明、関係機関との調整 意思決定支援の趣旨や取組等について理解いただくため、利用者、家族会、関係市町村、相談支援事業所等への説明会を開催したほか、施設の指定管理者の法人本部及び施設職員等との事前調整を行った。 (2)意思決定支援チームの設置 意思決定支援の対象となる利用者119名(※)について、利用者ごとに、相談支援専門員、サービス管理責任者、支援担当職員、市町村及び県職員等で構成する「意思決定支援チーム」(以下「支援チーム」)を設置した。 ※津久井やまゆり園芹が谷園舎以外の施設等で生活する利用者も含めた人数 (3)意思決定支援専門アドバイザーの配置 第三者の立場、専門家の立場から、個々の支援チームや全体の取組の進捗や方向性等について助言を行う「意思決定支援専門アドバイザー」(以下「アドバイザー」)を6名(現在は7名)配置した。 (4)各支援チームでの担当者会議の実施 各支援チームでは相談支援専門員がチーム責任者となって定期的に担当者会議を行い、対象利用者の支援状況の確認や、サービス等利用計画等の見直し検討を集中的に行っている。 (5)日中活動の充実、体験・見学等の実施 施設での日中活動の充実等に取り組むとともに、地域での生活を体感いただくためにグループホーム等の体験・見学を実施している。これらを記録し集約しつつ、利用者の意思表示や好み等について支援チームで丁寧にアセスメントを進めることで、本人の意思や望む暮らしのあり方を明らかにするとともに、生活の場の方向性を検討している。 (6)意思決定支援検討会議の開催 個々の利用者それぞれについて、意思決定支援の進捗状況に応じ、利用者本人、家族、支援チーム、アドバイザーが参加する「意思決定支援検討会議」を開催し、利用者が望む暮らしや生活の場の方向性を検討している。 (表1)津久井やまゆり園利用者の意思決定支援の取組状況(令和2年8月31日現在) 意思決定支援の対象利用者(全利用者)119人 左から項目、実人数、延数 担当者会議を開催した利用者、123人※、645回 体験・見学を実施した利用者、81人、274人 意思決定支援検討会議を開催した利用者、57人、64回 地域生活に移行された利用者、10名程度 ※意思決定支援の対象者は、現在119名であるが、実人数、延数については、取組開始後に亡くなられた方等も含まれている。 3 今後の取組 今後も、利用者一人ひとりの意思が反映された生活の実現を目指し、意思決定支援の取組みを継続していくが、津久井やまゆり園の再整備により、令和3年度に新園舎(津久井やまゆり園、芹が谷やまゆり園)の完成が見込まれていることから、まずは令和3年度に予定されている、現在の仮入所先から新園舎への移転等に向け、各利用者の新たな生活の場の方向性を取りまとめていく。 津久井やまゆり園意思決定支援対象者(※)の状況令和2年8月31日現在 ※平成28年7月26日時点で、津久井やまゆり園に入所されていた利用者 1性別(人) 左から、項目、対象者、割合 男、75、63.0% 女、44、37.0% 計、119 2−1年齢 左から、項目、最年少、最高齢、平均 男、22、79、50.0 女、33、79、54.1 計、22、79、51.5 2−2年齢の分布 左から、項目、10代、20代、30代、40代、50代、60代、70代、計 男、0、6、11、25、16、9、8、75 女、0、0、6、12、12、9、5、44 合計、0、6、17、37、28、18、13、119 割合、0.0%、5.0%、14.3%、、31.1%、23.5%、15.1%、10.9%、100.0% 3障害支援区分 左から、項目、1、2、3、4、5、6、計 男、0、0、0、2、12、61、75 女、0、0、0、2、6、38、44 計、0、0、0、2、18、99、119 割合、0.0%、0.0%、0.0%、1.7%、15.1%、83.2%、100.0% 4療育手帳(人) 左から、項目、A1、A2、B1、B2、計 男、55、18、2、0、75 女、23、16、3、2、44 計、78、34、5、2、119 割合、65.5%、28.6%、4.2%、1.7%、100.0% 5−1在籍者数(芹が谷園舎) 左から、項目、対象者、割合 男、63、64.3% 女、35、35.7% 計、98 5−2入所年数(※)(芹が谷園舎) ※津久井やまゆり園に最初に入所した時から現在までの期間 左から、項目、最短、最長、平均 男、4年2ヶ月、52年0ヶ月、20年7ヶ月 女、6年5ヶ月、47年8ヶ月、21年5か月  、4年2ヶ月、52年3ヶ月、20年10ヶ月 5−3入所年数の分布(芹が谷園舎) 左から、項目、〜5年、〜10年、〜15年、〜20年、〜25年、〜30年、〜35年、〜40年、〜45年、〜50年、〜55年、計 男、5、11、9、8、19、0、2、5、1、2、1、63 女、0、7、8、3、8、0、3、3、2、1、0、35 計、5、18、17、11、27、0、5、8、3、3、1、98 割合、5.1%、18.4%、17.3%、11.2%、27.6%、0.0%、5.1%、8.2%、3.1%、3.1%、1.0%、100.0%