障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会 報告書(骨子案) はじめに T利用者目線の支援とは ○利用者目線の支援について、「『利用者のためにはこれが良い』という支援者側の目線ではなく、どんなに重い障がいがあっても、利用者本人には必ず意思があるという理解に立ち、本人を中心に、本人の望みや願いを第一に考え、支援すること」と定義する。 (定義の背景となる考え方) ○「利用者目線の支援」と同様の考え方として、障がい者の相談支援などで言及される「本人中心支援計画」があるのではないか。 ○これは「障がい者本人を中心として、本人の望みや願いに基づき、その実現に向けて、どのような支援が必要か、本人とともに立案する支援計画」である。 ○「本人中心支援計画」とも関わる「意思決定支援」の考え方の背景には、障害者権利条約の成立に象徴される、判断能力に困難を抱える人に対する理解の、世界的なパラダイム転換があるが、「利用者目線の支援」の前提として、重要ではないか。 ○こうした人に対する、旧来からの理解は、「判断能力が不十分であるので、他者が本人に代わって適切な判断をしてあげなければならない」というもの(能力不存在推定)であるが、パラダイム転換後の理解は、「どんなに重い障がいがあっても、本人には必ず意思があり、支援を受ければ、意思決定ができる。」というもの(能力存在推定)である。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 ・どんなに重い障がいがある方であっても、その人なりの判断、思いというものはある。問題はその思いというものをどうやって汲み取るかということが問題なのだと。これを私は能力存在推定と呼んでいます。こういう対人理解に転換をしないと、実は意思決定支援というものが成り立たない。ご本人に能力がないのに意思決定支援をするというのは語源無視になりますから、どんなに重い人であっても言葉のない人であっても能力がある、何らかの思いがある。そういう前提でないと、意思決定支援というのは成り立たない。(第3回 P.10、佐藤委員) ・利用者目線ということの前提としては、ご本人には必ず能力はあるという思いに立つことと、できるだけ左側に支援のあり方を変えていく、こういうことが必要なのではないか。(第3回 P.10、佐藤委員) ・ものを言えない利用者側に誰が立ってきたのかということが問われなければならないと思うわけです。冨田さんは立派に主張されるので、非常に良いと思っているのですけれども、やっぱり身体拘束や虐待をされている多くの方はものを言えない立場だと思います。やっぱり彼らの側に立って我々は考えなければいけないと思っています。本当に強度行動障がい者について、地域で暮らせるようにしないといけないと思います。(第1回 P.17、野澤委員) ・意思決定支援というのは、私はそういうふうには捉えていなくて、私達の仕事は何かという、法律の書きぶりということではなく、指導訓練みたいのがあって、やはりそこで、私達が私達の仕事は何かっていう、そこをやはりしっかりとした基本にしていこうということで、意思決定支援というのがあると思っていますので、私達の仕事そのものは常に意思決定支援、同じように意思がある、それをいかに大事にしていくのかということ、そこだろうというふうに思いますし、だから、そういう認識が広まっていないのであれば、やはり、今回改めて、そのことにしっかりと取組むということが大事なのかなと(第1回 P.16、中島委員) ・本人中心ということは、まさに本人を真ん中において本人のニーズに基づいてどんな支援が必要かということを行うことです。(第3回 P.8、大塚委員) ・利用者目線の支援を考えるということは、反対に言うと今までは支援者目線の支援であったり、あるいは家族目線の支援で、そういうものはたくさんあったんですけれども、そういうものではない、新しい目線を考えるということだと思っています。ある意味では支援者目線の変革ということかもしれません。言い換えれば利用者の立場に立つということですけれども、なかなかこの利用者の立場に立つということは困難だと思います。また家族や支援者と異なる姿勢、目線にもなるわけですので、こういうことにおいては多分、権利擁護を代弁するということが重要になってくると思います。(第3回 P.6、大塚委員) ・「全ての障がいのある人たちは、自らが望む生活を保障される権利を持っている」。これは、障害者権利条約でも言っている、障害者基本法でも、全ての障がい者は尊厳が尊重される。総合支援法の基本理念でも言っている。それから、計画相談の相談支援専門員のやるべき態度というのは、利用者の立場に立つこと。全てその線に則って、権利条約から縦に法的な守られるべき障がい者の権利というものを守っていってくれれば、それでいいのだと思う。あとは、どういう方法でそのことを実現するかということ。ですから、虐待とか身体拘束というのは、そこの線から外れる行為なので、そういうことをしないで支援していくことを考えなければならない。そこが、この部会に課せられているところです。(第3回 P.18、小川部会長) ・障がいの見方の転換があります。強度行動障がいの方が地域で生活できない、だから施設が必要だということがあるのかもしれません。ただ、そのような生活の必要性、障がいが重いからあるいは行動障がいがあるからということを理由にしてきたわけですけれども、今の障がいの考え方は反対に、その人に適した環境を作っていない、こなかった支援者である行政の怠慢とされるようになってきました。さらに、それらの生活は差別的環境ということで、そのあとに権利条約の文言も載せましたけれども、権利条約違反ということも含めて、今の入所施設型の支援はそういうふうになっているということです。(第3回 P.7、大塚委員) ・利用者目線という言葉は簡単ですけれども、やはり非常に難しいことで、我々がそこに徹しなければ、利用者目線なんてできやしないというふうに思っています。(第1回 P.18、野澤委員) ・利用者目線の支援というのは、常にキャッチボールじゃないですか。私もよく言葉のキャッチボールをしています。仲間がよくしてくるから。それも大事だと思うんです。(第3回 P19、冨田委員) U検証 1県立障害者支援施設について ・これまでの県立施設の変遷、施設の概要(特色、所在地、規模等) 2検証の方法 ○実施施設 県立障害者支援施設(6施設) 県直営施設 :中井やまゆり園、さがみ緑風園 指定管理施設:津久井やまゆり園、愛名やまゆり園、厚木精華園、三浦しらとり園 ○実施方法(書面、ヒアリング)等   3検証結果 (1)津久井やまゆり園 ア検証委員会中間報告書及びそれに対するヒアリング結果 イヒアリングで初めて確認された事実 (ア)利用者支援について (イ)ガバナンス(管理者)について  (ウ)県の運営指導等について ウ意見 (ア)利用者支援について (イ)ガバナンス(管理者)について (ウ)県の運営指導等について (2)県立直営施設 ア確認された事実 (ア)利用者支援について (イ)ガバナンス(管理者)について (ウ)県の運営指導等について イ意見 (ア)利用者支援について (イ)ガバナンス(管理者)について (ウ)県の運営指導等について (3)指定管理施設 ア確認された事実 (ア)利用者支援について (イ)ガバナンス(管理者)について  (ウ)県の運営指導等について イ意見 (ア)利用者支援について (イ)ガバナンス(管理者)について (ウ)県の運営指導等について (4)県の関与に関する調査 4全体考察 V利用者目線の支援の実践に向けて 1利用者目線の支援の実践に必要な取組 (1)検証結果を受けて ○検証結果からは、身体拘束は原則禁止の認識が低く、身体拘束ありきの支援を行っている事例や、障がい特性と環境要因の両面からのアセスメントなど、行動障がいのある利用者に不可欠な「エビデンスに基づく支援」が十分行われていない事例が見られるなど、利用者目線の支援にはなっていない状況が確認された。 ○また、一方で、検証の中では、津久井やまゆり園において、意思決定支援の取組などにより、利用者が変わることで、職員の意識が変化し、より良い支援に改善されてきている状況も確認された。 ○これらを踏まえ、本人を中心に、本人の望みや願いを第一に考え、支援する、利用者目線の支援を進めるためには、さらなる取組が必要な状況であるが、次のような視点が必要ではないか。 ・虐待ゼロの実現 ・行動障がいを軽減するための支援(身体拘束によらない支援) ・意思決定支援 ・支援を支えるための取組み 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 ・特に県立施設はそういう傾向があると思いますけれども、もともと組み立てられた時に、建物の構造や支援のあり方も、この人たちには能力がないという前提でやっています。代行決定でやりますと。今の時代ですから、ご本人の思いを全く無視するということはないのでしょうけれども、周りの都合、行政の都合、保護者さんの都合、あるいは職員のマンパワーの問題等々を全部勘案して、できる支援というのはこういう支援なのだよという形で支援を組み立ててしまう。(第3回 P.10、佐藤委員) ・身体拘束、虐待を受ける人に障がいや問題があるとの見方から脱却するということも必要なのではないか(中略)ご本人の中に問題ということで処理をしていくんではない。人的、物理的環境の中で様々な工夫をしていくということが利用者目線の方につながっていくのではないかなと考えています。(第2回 P.2、小川部会長) ・これは先ほどの障がいの考え方も含めて、障がいの人のせいにするのはよそうよと。今までは障がいの人が持っている行動だということだと、自分のこととは関係ないことだから、そこに断絶があって責任は取らなかったのです。でも、私との関係の中で生じているということになれば、やっぱり私もこの行動障がいを作っているのだと。それは大変だったからみんな障がいの方のせいにしてきたのです。こういうことはもうやめようというようのが、まさに、今の利用者目線の支援かなと思っています。(第3回 P.7、野澤委員) ・個別支援計画の策定は、その人その人の生活のことを、目標設定して作っていくというイメージです。「全ての障がいのある人たちは、自らが望む生活を保障される権利を持っている」。これは、障害者権利条約でも言っている、障害者基本法でも、全ての障がい者は尊厳が尊重される。総合支援法の基本理念でも言っている。(第3回 P.18、小川部会長) ・お一人お一人に提供するプログラムの目的というものは、まさにその人の生活への関与を高めること、大げさに言えばその人の人生への関与を高めることだと思います。小さなことからやはり始めていくわけですけれども、食べること、飲むこと、着衣のことであるとか、様々なことをいろいろな方法でご本人の意思を確認しながら、ご本人の意思に基づいて、それを提供し、それを繰り返す中でいろんな選択枝の幅が広がっていく。結果としてご本人の生活への関与だとかご自分自身の人生への関与というものが高まっていく。そのことをやはり我々支援者としては、不断にこれでよいのかということを含めて、見直しながら前に進んでいくことがすごく大事ではないかなと思っています。(第3回 P.12、中島委員) ・つまり意思決定支援というのは今まで私たちがやってこなかった支援を根本的に変革し得る、そういう本人中心の、あるいは本人目線の支援だというふうに考えています。(第3回 P.8、大塚委員) ・利用者の方を一人の存在として、社会的に認められて、ご自分の願いや御自身の特性や個性、それからご本人のペース、リズムに合わせて支援の提供を受けること、これをやはり望んでいるのではないかなというふうに思います。そして、その支援を提供するために、やはり私たちはお一人お一人がどのような方なのかと、そういうことをしっかり捉えることが必要なのではないか(第3回 P.12、中島委員) ・決して新しいものでもないし、でも古いものでもないと、我々が今取り組もうとしているのを、県議会議員の皆さんのご尽力でできました「かながわ憲章」に見られる権利擁護という視点で、より一層強化して、利用者支援を取り組むという発信をすれば、利用者目線という行為は既にやっているよと言う声が、神奈川は、かながわ憲章を生かした新たな利用者目線を発信するのだというようなことになれば、少し受け止め方が違ってくるのではないか(第1回 P.19、伊部委員) ・利用者はやはり地域の中で社会的存在として生きることを望んでいるはずではないかと、そのように思います。そして、それを実現するためにこそ我々支援者の存在はある、そのことをしっかりと明確にとらえることが必要なのではないかなと考えております。(第3回 P.12、中島委員) (2)虐待ゼロの実現について ア身体拘束の考え方の改善 ○身体拘束は、本人の尊厳を侵害する行為である。「正当な理由なく障がい者の身体を拘束すること」は身体的虐待に該当する行為であり、重大な人権侵害であることを認識する。 ○身体拘束ありきで支援を考えない。身体拘束を行わずに支援する全ての方法の可能性を検討する。 ○本人の生活の質の向上に向けた支援計画を策定された上で、支援上、緊急やむを得ず行うものであり、3要件について十分に検討すること、身体拘束の廃止に向けた取組も検討することが必要である。 イ虐待通報の徹底 ○不適切な支援を早く発見して、それがエスカレートしないように、虐待通報を避けるのではなくて、むしろ積極的にしていくことによって、自分たちの組織を変えていく、あるいは支援を変えていく、そういう機会にすべきではないか。 ○「通報がもたらす本質的なことは、利用者、職員、施設、法人の全てを救う(障害者福祉施設等における障害者虐待の防止と対応の手引き 令和2年10月 厚労省)」という認識を浸透させるべきである。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 ・大変な中で一生懸命やろうとすると不適切な支援というのがどうしても出てきます。これはもう私は100%なくすことは無理だと思っておりますけれども、職員の方はいろいろなことをやってくださいます。その時にきちっと、なんで不適切なことをやってしまったのかということがチェックできないと、職員が視野狭窄を起こすのです。(第3回 P.9、佐藤委員) ・通報は障がいに関わらず全ての人を救っていく、つまり本人だけではなく、支援者であり関係者であり法人全体。小さいところの様々な不適切な支援というものを早く発見して、それがエスカレートしないように、みんなでどのように考えていくかということで、決して通報を憎むものではなくて、むしろ通報をどんどんしていくことによって、自分たちの組織を変えていく、あるいは支援を変えていく、そういう機会にすべき(第3回 P.3、大塚委員) ウ組織的な対応 〇障害者虐待防止法の意義、通報の趣旨を理解し、組織としての姿勢、対応を明確に示す必要があるのではないか。 ○組織として、通報した者が誰であっても、そのことで不利益が生じないようにするとともに、小さな出来事から虐待の芽を摘むことが重要であることを認識し、自らの支援を常に見直し、検証していく体制の構築が必要でないか。   【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 ・施設の仕組みが、虐待を作っていたり、行動障がいを起こさせている場合があるのだということで、施設の仕組みというところ、システムといいますか、そういうものも明確にしていかなければいけない。(第2回 P.3、大塚委員) ・大変な中で一生懸命やろうとすると不適切な支援というのがどうしても出てきます。これはもう私は100%なくすことは無理だと思っておりますけれども、そこに書いてありますけれども、職員の方はいろいろなことをやってくださいます。その時にきちっと、なんで不適切なことをやってしまったのかということがチェックできないと、職員が視野狭窄を起こすのです。(第3回 P.9、佐藤委員) ・例えば本人の安全とか他者の安全ということで居室に施錠をする。そうするとその人との関係をもう持たないということなのですね。そうすると、私たちにとっては、支援者にとっては非常にある意味で楽なのです。例えば夜勤1人で、24人を支援していて、興奮する方がいる、他の人も支援しなければならない。そういう理由において居室に施錠をかける。だけれども、それによって本人との関係は絶たれて、本人の興奮を直接抑制して、一晩中戦い続けるということはないわけだから、支援者にとっては非常に楽な道なのですね。ただそれは、利用者さんにとっては尊厳を害して、居室施錠から出てきてまた同じことを繰り返す、さらにエスカレートする。そうすると何回も対応するでしょうし、長時間にわたっていく。こういうのはもう当然のようになってくる。私は、システムとしてそういったものが生じる可能性があると思っております。(第3回 P.7、大塚委員) (3)行動障がいを軽減するための支援(身体拘束によらない支援)について ○行動障がいとは、環境要因により、何をすればよいか分からず不安になったり、伝えたいことが伝わらないという経験が積み重なり、他害や自傷といった行動に及ぶことである。 ○行動障がいの支援には障がい特性の理解や専門性の高いアセスメントが必要である。 ○行動障がいを障がい者本人の問題として、解決を求めるのではなく、障がい者が置かれた環境によって生み出されたとの理解のもとで、解決を図ることが必要であり、障がい特性を理解して、本人が自信をもってできることを増やし、過ごしやすい環境を提供することが必要である。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 ・行動障がいがなぜ起きるのか。生まれてすぐに行動障がいを起こす人はいないわけで、いろいろな環境とか支援のまずさが行動障がいを引き起こして、それに対して職員がきちんと対処できないから力で抑え込んで、ますますストレスが高じて、ますます暴れるという悪循環がすごく多いんですね。大変な目に合っているその場面だけを切り取って、こんなに大変ですよと言われるのは、明らかに本人さん達に失礼だと思いますし、不当だと思う。本人が言えないからこそ、そういうことが成り立っていると思います。そういうことを我々が踏まえて、考えていかなければならない。(第1回 P.13、野澤委員) ・強度行動障がいに対する考え方も変わってきました。まさに支援が適切に行われないとき、あるいは支援が不十分なとき、あるいは支援が悪い、そういう支援者側に原因がある、利用者の支援に対する不十分さに対する抗議活動だと。こんなに自分は大変なのだと、自分のニーズを満たされないということがまさに行動障がいとして表れている。支援の質の低下を意味していると、そういう考え方で、これは先ほどの障がいの考え方も含めて、障がいの人のせいにするのはよそうよと。今までは障がいの人が持っている行動だということだと、自分のこととは関係ないことだから、そこに断絶があって責任は取らなかったのです。でも、私との関係の中で生じているということになれば、やっぱり私もこの行動障がいを作っているのだ(第3回 P.7、野澤委員) ・皆さん御存知のように、行動障がいのある人たちは、障害者虐待防止法が施行されてからも、被虐待者のうち3割くらいが強度行動障がいのある人という現状が続いている。それに対して、強度行動障害支援者養成研修という国の標準的な研修の仕組みができましたが、まだまだ、特に自閉症の障がい特性の理解が進んでいない現状がある(第2回 P.9、松上理事長) ・問題、課題というのは、アセスメントが弱いんですね。一人ひとりの障がい特性、強みをちゃんとアセスメントする、それも本人と環境との関係で。やっぱり、障がいは、障がいの特性と環境との相互関係を踏まえる、そういう視点でアセスメントする力が非常にまだまだ弱い。だから、いろんな利用者の行動的課題が解決されないのではないか(第2回 P.12、松上理事長) ・県立施設という入所施設の中でどのようにするかというのは、多分これはもう限界があると思う。これだけ良くしても、仕組みそのものが不十分であって、それだったら地域で十分、強度行動障がいも改善されている人たちの話を聞いて、じゃあ県立施設はどうするのだとやった方がいいと思う。今の状況の中での県立施設、それは仕組みの中で限界がある。(第1回 P.13、大塚委員) ・施設というのは、非常に重い責任を取りまして、強度行動障がいの方を集めて集団生活をしていただくということなのですね。構造的にそもそも無理があった。行動障がいの方というのは人と同じ行動がとれないから行動障がいだというわけですから、その人たちに集団生活をしてもらうというのは、やはりどこかに無理が出てくる(第3回 P.9、佐藤委員) ・本人を中心とした支援計画に基づく地域生活支援、こういうところでの生活に早く移るということが一番の解決策であって、今の仕組みの中で、まさに行動障がいの方をたくさん集めて、そこでどうにかしようというこの仕組み自体が非常に本人にとっても困難だし、支援者にとっても困難な状況になっている(第3回 P.8、大塚委員) ・今あちこちで、街中のグループホームでかなりの行動障がいの方を見事にそこで支えて改善しているという事実が、あちこち出てきている。明らかにそういうものが現実でスタンダードになっているのに、かつてのトップランナーが周回遅れしていて、その古い価値観に基づいて物事を判断されているような気がしている(第1回 P.5、野澤委員) ・地域で暮らしていくということ、特に想定としては、これから学校を卒業して様々な取組みにチャレンジしていくという方が、行動障がいがあるためになかなかそういうものが制限されてしまうことがあると思います。そういう意味では有期間で、どれくらいの期間がいいかということは分からないですけれども、やはり短いスパンで、集中的に、行動障がいが軽減されるような取組みをして、よりご本人の可能性というものを広げるというような支援がやはり必要ではないか(第3回 P.13、中島委員) ・砂川厚生福祉センターも頑張ってやっているのですけれども、要は医療モデルなんですよ。行動障がいの方を集めて行動改善をどうするか。そうじゃなくて、今、暮らしている環境の中でどのように豊かに暮らせるかという社会モデルの視点で支援しないと、やっぱりうまくいかない。地域移行ができない。(第2回 P.19、松上理事長) ・障がい者にとって優しい環境はどうか、ということだと思っています。知的障がいが重くて、自閉症スペクトラム障がいがある方については、一般的に感覚過敏がある。感覚過敏の人にとって大勢で「ワーワーワーワー」言って騒いでいる、そういう音に対する過敏さというのは、行動障がいを生じさせる原因です。あるいはにおいに対する過敏さ、それからスケジュールの変化です、毎日変わる日課、毎日変わる職員の変化。こういうものに対して、自閉症スペクトラム障がいの方は対応がなかなか困難です。そういう困難を抱えている場合にとって、障害者支援施設というのはまさに過酷な環境ということになると思っています。このような環境においては、行動障がいが増幅される可能性が十分ある(第3回 P.7、大塚委員) ・職員にとってもこのような環境においての支援は、どんなに利用者目線の支援を行いたい、自分は福祉に燃えてここに来たんだ、やりたいんだ、ということであったとしても、システム、仕組みがそういうことを許さないわけです。どうしても、本人の制限の生活だとか居室施錠ということになりますので、支援者にとってもそれは非常に不幸なこと(第3回 P.8、大塚委員) (4)意思決定支援について ア意思決定支援について (ア)意思決定支援について ○意思決定支援とは、すべての人には、それぞれに尊重されるべき意思があることを前提に、本人が理解できるように説明を尽くし、本人の判断や決定を汲み取っていく、基本的な権利擁護の取組のひとつである。 ○こうした意思決定支援の考え方は、支援者として常に大切にすべきものであり、もし、この認識が広く共有されていないとすれば、支援者全体で改めて確認し、これまでの支援を本人中心の支援に変えていくことが必要ではないか。 ○津久井やまゆり園では、この原点に立ち、意思決定支援に丁寧に取り組むことにより、支援者中心の支援から本人中心の支援に変わるきっかけになったことが、ヒアリングから明らかになった。 ○こうした経過を踏まえると、全県に本人中心の支援理念を浸透させることは可能であり、時間をかけてでも取り組むことが必要ではないか。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 〔(ア)意思決定支援について〕 ・僕の考える意思決定支援というのは、やっぱり、その人の意思を尊重してあげて、それにどういう支援をしてあげたらいいかということじゃないですかね。そこだとやはり決めるのは本人なので。(第1回 P.16、冨田委員) ・どんなに重い障がいがある方であっても、その人なりの判断、思いというものはある。問題はその思いというものをどうやって汲み取るかということが問題なのだと。これを私は能力存在推定と呼んでいます。こういう対人理解に転換をしないと、実は意思決定支援というものが成り立たない。ご本人に能力がないのに意思決定支援をするというのは語源無視になりますから、どんなに重い人であっても言葉のない人であっても能力がある、何らかの思いがある。そういう前提でないと、意思決定支援というのは成り立たない。(第3回 P.9、佐藤委員) ・意思決定支援の基本は権利擁護だろうと。特に、分かりやすい情報を受ける権利とか自己決定とか自己選択を受ける権利とか、こういうことが特に重要だなというふうに思っていますし、私たち北摂杉の子会は、「利用者支援のコア・バリュー」を示していて、これに基づいて支援をしています。(第2回 P.14、松上理事長) ・特に本人中心ということは、まさに本人を真ん中において本人のニーズに基づいてどんな支援が必要かということを行うことです。意思決定支援の仕組みづくり、これにも関わりましたけども、神奈川県さんにおいて、まさに意思決定支援というものがうまくいっているということ、そして先ほどの現場担当者の声も含めて聞くと、つまり意思決定支援というのは今まで私たちがやってこなかった支援を根本的に変革し得る、そういう本人中心の、あるいは本人目線の支援だというふうに考えています。やってこなかったから、初めてこれだけの結果が出て、素晴らしい、やってみようと。まさに私が考えた、考えたというかそういうことを目指したということでありますので、私たちの支援をもう一度原点に帰させる支援として始まったということ(第3回 P.6、大塚委員) ・意思決定支援というのは、私はそういうふうには捉えていなくて、私達の仕事は何かという、法律の書きぶりということではなく、指導訓練みたいのがあって、やはりそこで、私達が私達の仕事は何かっていう、そこをやはりしっかりとした基本にしていこうということで、意思決定支援というのがあると思っていますので、私達の仕事そのものは常に意思決定支援、同じように意思がある、それをいかに大事にしていくのかということ、そこだろうというふうに思いますし、だから、そういう認識が広まっていないのであれば、やはり、今回改めて、そのことにしっかりと取組むということが大事(第1回 P.16、中島委員) ・ここでの意思決定支援というのは、もっと広い意味でのその方の自己決定、これが好きあれをしたいというようなことが、積極的に出していけるようなことが趣旨(第3回 P.5、小川部会長) (イ)支援者として留意すべきこと ○意思決定支援は、「支援する」「支援される」という一方的なものではなく、本人を中心に、家族を含む支援に関与する人たちとの相互作用の中で行われるもの。 ○そこでなされる決定に至るプロセスには、濃淡の差こそあれ、全て、支援者が関与することになる。 ○この、本人との共同作業の中で、支援者は常に「本人の主体性を尊重する」ことを意識しなければ、支援者自身がこの決定を大きく左右してしまうことに、十分留意し続けることが必要ではないか。 ○以下、この本人の主体性を尊重する意思決定支援を推進していくために必要な取組を、支援現場及び支援現場を支える社会的なしくみ、さらにそれぞれをつなぐサポートの、各領域で整理してはどうか。       【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 〔(イ)支援者として留意すべきこと〕 ・意思決定支援の前提は、その相互作用を、一方的ではなくて、自分もその方から影響を受けながらキャッチボールしていく。その中で生まれてくる支援の手法というものがある(第3回 P.18、小川部会長) ・意思決定支援の前提:利用者を中心にした、家族を含む支援に関わる人たちとの相互作用の中で行われる。(第3回 資料、小川部会長) ・支援は、情報(経験、見聞、理解しやすい伝達など)、比較(単一の乏しい体験ではなく、可能な限り幅広い経験をもつことによって可能となる)、選択・決定の判断(情報を得て、それらを振り返りながら自分の好みなどを選択する)、表現(自分の望むこと、好むことをなんらかの手段で示す)、これらのことを支援員は、答えの誘導ではなく障害ある本人自身の立場に立って理解すること、あるいは本人自身が表出することを援助する。(第3回 資料、小川部会長) ・「自分で決める」(自己決定)と「他者が決める」(他者決定)の間にある「一緒に決める」(共同意思決定)はグラデーション。そうなると「周囲の人」の「質」がとても重要。鍵になる。とくに「支援者=支援を業としている者」の質をどう創るか、どう高めるか、どう維持するか。このことを、ミクロ=個人、メゾ=組織、マクロ=政策 の次元で考えていかないと!(第3回 資料、堀越副部会長) ・特に意思決定というものの持っている危うさ、本人中心と言いながら、職員が意思決定している部分がないわけではなくて、そういったものをできるだけ、危うさを見つめながら、本人の主体性というものを尊重していくという、そういうことを議論する値打ちはあると思います。ただ、それはとても難しい議論です。(第1回 P.16、佐藤委員) イ意思決定支援を推進するために必要なこと (ア)本人への支援の視点 ○本人を、尊厳のある一人のかけがえのない存在として捉えた上で、関係性を深めようとする場合、まずは相手がどのような方なのかを、しっかりと興味を持って理解し続けようとする姿勢が必要ではないか。 ○その上で、あらゆる情報について、本人が理解できるよう、丁寧に伝えていくことが大切ではないか。 ○特に、施設入所者を対象とする場合には、本人の意思や「願い」が実現する経験や、社会参加の機会が、極端に少ない場合があることに十分に配慮することが必要ではないか。 ○例えば、支援者が一日の予定を本人にわかりやすく伝えるだけでなく、本人が自分自身で生活を組み立て、社会参加をしていく、といった視点が非常に大切ではないか。 〇このように、本人主体の原則を踏まえ、本人が自己肯定感、自己有用感を持てるよう、支援を行っていくことが重要ではないか。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 〔(ア)本人への支援の視点〕 ・利用者目線において、意思決定支援以上に重要な意思形成支援願い、願望を具体化(現実化)する支援社会参加の場を開拓する支援情報支援(情報収集、活用、意思表出)支援者の役割 本人主体の原則を踏まえるこれらの過程を通じて、アイデンティティの確立や、自己肯定感、更には自己有用感を築くことが必要。このことは「かながわ憲章」の理念を生かした神奈川県としての施策展開につながる。全国レベルで言えば、地域共生社会の実現が現在求められている施策と合致。(第3回 資料、伊部委員) ・どんなに障害の重い人でも社会参加できる支援が必要。(第3回 資料、伊部委員) ・意思決定支援は重要で、特にコミュニケーション、表現性コミュニケーションの支援が重要(第2回 P.14、松上理事長) ・スケジュールを自分で決めるんですね。こうならないといけないですね。それから、休憩時間、何をして過ごすかも自分で選ぶんですね。こういうことが意思決定支援です。そういう環境を、経験を、日常の支援の中にどれだけ落とし込んでいくかという、ここが、大事ですね。社会参加していくということも非常に大事です。(第2回 P.14、松上理事長) ・意思決定支援以上に意思形成支援が大切(中略)自分で選ぶといいながら、情報がちゃんと入ってこない、またどう選んだらいいのかいうことが非常に難しい(中略)意思決定支援もプロセスの中では、先ほど御説明があった中にも当然意思形成支援も入っているというふうに認識しておりますが、やはり利用者目線ということをあらゆる施設においてというふうにお考えになる場合には、この意思形成支援ということも一つ大きな軸に入れていく必要がある(中略)意思を表出する支援ということも必要(第3回 P.13、伊部委員) (イ) チーム支援 ○意思決定支援を進めていくためには、特定の個人にその責任を負わせるのではなく、本人や家族も含めたチームで、本人の意思決定を丁寧に支援していくという理念の共有が不可欠ではないか。 ○中でも、意思決定支援を進める上で特に重要なのは、意思決定支援会議に外部の方を入れることで、透明性を高め、本人を中心に、支援のあり方を根本的かつ客観的にもう一度考え直す機会とすることではないか。 ○津久井やまゆり園の取組では、この役割を担う意思決定支援専門アドバイザーが配置され、有効に機能していたが、アドバイザーを配置できなくても、チームで意思決定を支援していくことは、有効な手立ての一つではないか。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 〔(イ)チーム支援〕 ・何もないところに行くということは分からないですから。ただ、その方の好みとか住居とか、家族のそばとか、いろいろな要件でそのことを推測していく。その方その方の意思決定の仕方というもの、表出の仕方というものから読み取っていくようなことが起きるのではないかなと想定しますけれども、その辺のことも考えながら皆さんがチームで動いてくださるということが大事(第3回 P.5、小川部会長) ・津久井については意思決定支援チームが入って、ずいぶん支援が改善していると聞いていますが、他の施設では意思決定支援チームは入っていない(中略)。こういう作業をやったらこれだけの成果がでるんですよというような話が、他の施設でもできるのかできないのかということを検討していかなければいけない(第1回 P.10、佐藤委員) ・意思決定支援の肝は、関係したものとして仕組みづくりは、左の隅の意思決定支援会議です。意思決定支援会議では、今までの本人を真ん中において、親や支援者やあるいは関係者、利害関係者が、今までどおりにいろいろなことを議論して地域移行を考えていても、これは全く進まないのです。先ほどの話だと、ここに外部の方を入れることによって透明性を持ち、違う流れ、風を入れることによって、本人にとって一番よい支援は何かということを根本的にもう一度考える機会を作る、その意味での意思決定支援会議であるわけです。これが外部の方を呼ぶということの、それによって多くの方を変えていく、多くのことが解決すると思っています。(第3回 P.6、大塚委員) ・今回外部の方が入って、なおかつきちんと地域の相談支援専門員、サービス管理責任者、支援員等、県からも入ってチームで、ご本人、御家族が入っているわけですから、これは最も意思決定が難しい方に対していろいろな角度から見ていく一つの手立てです。しっかりと専門職を置けない場合でも、ここの中に意見が出ているように、関係する人、機関と連携することで視野を広めていくことはできる(第3回 P.5、小川部会長) (ウ)支援の手法 ○一人ひとりを丁寧にアセスメントし、それに基づいて個別の支援プログラムを立て、支援を行い、定期的にその結果を評価する、いわゆる「ケアマネジメントプロセス」をしっかりと継続することが重要ではないか。 ○こうしたケアマネジメントプロセスを、チームで統一的に進めていくことが重要ではないか。 ○構造的、管理的になりがちな入所施設であっても、津久井やまゆり園では、この意思決定支援をきっかけに、それまでの支援を見直し始めることができている。このことから、一連の支援の枠組みについては、全ての支援者が改めて学び直す機会を確保するなど、本人主体の取組を全県下に広め、意思決定支援を当然のものとしていくことが必要ではないか。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 〔(ウ)支援の手法〕 ・現在県主導ですすめられている意思決定支援の仕組みをどのようにしたら一般化できるかを早急に検討すべきと考える。また、単発的に研修会を行うだけでなく、効果的な普及、定着のための方法についての研究も必要でと考える(第3回 資料、安藤委員) ・利用者一人ひとりがどのような方なのかを丁寧に評価・分析(アセスメント)し、その結果に基づいて個別の支援プログラムを提供することが重要である。その内容については不断に見直すとともに、チーム内での情報の共有化を図り、統一的対応につなげることが重要である。例えば、これまでどのような経験をされてきたか、得意な活動や不得意な活動、余暇活動、対人関係、食事の好み、特定の過敏さの有無等々ご家族ご本人から得た情報と、フォーマル&インフォーマルなアセスメントに基づき仮説を立ててプログラムを作成し支援にあたる。プログラムの目的は「生活(人生)への関与を高めること」である。支援を提供した結果、利用者のQOLがどのくらい向上したのか、またはしなかったのか、定期的に振り返り支援内容をチェックする必要がある。(第3回 資料、中島委員) ・職員がもっと勉強した方がいいと思います。意思決定支援から全部のことを。そうしないと、なかなか良くならないと思います。(第4回 P.18、冨田委員) ・結局、忘れられていたのは利用者さん、障がいのある方自身だということ。ただ、これも先ほどからのお話の中で、少し救いの芽があると。あるいはこれからの方向性の中で救いの芽があるとすれば、津久井やまゆりは意思決定支援が入って少しずつ改善が成されてきていると。これは私も評価すべきことだというふうに思っています。ただ、他の施設は入っていないので、これはどうするべきかということもあるのですけれど、意思決定支援は今までの支援を変革していくものとして位置付けられるものではないかと。そういう評価と共に、これをどのようにこれから充実させていくかということがあると思います。(第4回 P.2、大塚委員) ウ支援現場を支える社会的なしくみ (ア)意思決定支援の全県展開の必要性 ○施設入所者を対象とした意思決定支援を進めていく場合でも、障害者支援施設の努力だけでなく、地域における事業所や市町村等、本人に関わるあらゆる関係者・関係機関の協力が不可欠であることは、津久井やまゆり園利用者の取組から明らか。 ○この事実を踏まえると、再生基本構想策定時にも確認してきたとおり、神奈川県全体のこととして、県民総ぐるみで取り組む姿勢を示すことが必要ではないか。 ○その上で、本人中心の支援を着実に実行するためのアドバイザー派遣や事業所間の連携など、民間事業所も含め、全県下で意思決定支援に取り組むためのスキームを考えることが必要ではないか。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 〔(ア)意思決定支援の全県展開の必要性〕 ・施設以外の場所を使おうとしたら、地域基盤のサービスがどうなっているのかというのが、当然意思決定支援のところでも話題になる(第1回 P.3、小川部会長) ・グループホームへの移行も含めてということになりますと、実は施設だけで意思決定支援をするということはなかなか難しいわけで、いろんなお試し等も含めて、神奈川県全体で意思決定支援に取り組んでいくんだという姿勢が見えないと、なかなか難しいのだろうと思います。(第3回 P.4、佐藤委員) ・津久井やまゆり園の再生基本構想のときにこの意思決定支援について議論をしましたけれども、これは津久井やまゆり園の利用者だけではなくて、将来的には神奈川県の利用者に広げていこうという確認があった(中略)津久井やまゆり園の利用者に対する意思決定支援を行うと同時に、それをどういうふうに一般化できるかというような取組を並行して行っていく必要があるのではないか(第3回 P.4、安藤委員) ・利用者主体というか、意思決定支援の取組みというものをもっともっときっちりと進めて、それを全県下に生めていくという、そういう施策をどういうふうに作っていくか、それは県の取組みでもあると思うのですが、その辺について言及したい(第1回 P.15、安藤委員) ・意思決定支援の取組みをしているところは(他にも)ある。(第1回 P.16、中島委員) ・意思決定支援の普及定着については先ほどもありました。できれば、民間施設でも使えるような、また取り組めるようなスキームをみんなで考えていきたい(第3回 P.10、安藤委員) ・アドバイザーの派遣とか連携とかいう、連携型意思決定支援の支援ができるように、今取り組まれていることを進めるようなプロジェクトを設置する必要があるのではないか。そこに、大型施設もあれば、指定管理施設や県立施設もあれば、それから、多くの場合30人程度の施設を持つことがたくさんあると思うのですけれども、そういうところで同じように、本人中心の計画を立てる、実行していくことが大事(第3回 P.18、小川部会長) (イ)支援現場を支えるしくみ ○意思決定支援の一番のメリットは、外部の目が施設に入ることにあるが、単に外部の目が入るだけでなく、特に、個別の支援を客観的に見て、具体的に、一緒に取り組んでくれる“仲間”の存在が重要ではないか。 ○一般論として、研修会などで理念や知識を伝えるだけでは行動変容は起きない。津久井やまゆり園の現場職員の意識が変わったのは、単に外部の目が入ったためだけでなく、個別ケースについて、外部の人が一緒に検証して考える共同作業があったからではないか。 ○津久井やまゆり園利用者の意思決定支援は、こうした取組の成功事例のひとつといえるが、一方で、あまりにも大がかりすぎて、必ずしも持続可能とはいえないのではないか。 ○そこで、例えば、意思決定支援会議のような外部の会議に、相互に参加する機会を、官民一体となって業界全体で確保することで、福祉人材を育てるという視点も重要ではないか。 ○こうした枠組みを続けていけば、必ず民間に波及するし、将来を担う人材も増えてくるのではないか。 ○その他、民間事業所も含め、全県下で意思決定支援に取組むためには、●●が必要ではないか。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 〔(イ)支援現場を支えるしくみ〕 ・アドバイザーの派遣とか連携とかいう、連携型意思決定支援の支援ができるように、今取り組まれていることを進めるようなプロジェクトを設置する必要があるのではないか。そこに、大型施設もあれば、指定管理施設や県立施設もあれば、それから、多くの場合30人程度の施設を持つことがたくさんあると思うのですけれども、そういうところで同じように、本人中心の計画を立てる、実行していくことが大事(第3回 P.18、小川部会長) ・特別な仕立てとしてやられていて、広く今の大型施設に対して、こういった施設が入り込むという体制がこのままでは続かないと思うので、特段のチームを形成しなければならないということで、それについてもかなり議論しなければいけない(第4回 P.8、小川部会長) ・松上理事長が言っていたコンサルテーション。すなわちここで言えばアドバイザーなのですよね。言葉は違うけれども、今委員さんがおっしゃったように外から客観的に見る方を、その人の支援計画の中で一緒にやっていく、これはものすごく大事で、だからこそ一般化して他の施設の方でも同様のことをしていけるような人たちを養成することも必要でしょうし、配置することも必要でしょうけれども、まず重要なのはコンサルテーション、アドバイザー、どういう言葉を使ってもいいのですけれども、そういうポジションをきちんと置くということ(第3回 P.5、小川部会長) ・意思決定支援会議のような外部の会議に参加する機会も当然少なくなってきます。そういう意味ではしっかりと人を育て、そして人を確保するという取組みが必要で、私は障害者施策審議会でもお話をしていますけれども、官民一体となってそういう福祉人材を育てる、そういう取組みを、またどうしたらよいかということを話し合うだけでもよいから取り組んでいただきたい(第3回 P.10、安藤委員) ・津久井やまゆり園の現場の支援者の方たちの意識が変わったのは、意思決定支援ということを一緒になって、一つひとつの事例について、現場で働く別の所のプロが来て、一緒に検証してくれて、それで考えていくという協働作業というか、プロセスがすごく重要だったのではないかと思います。研修会を開いて、これはこうですよという理念的なことを頭で分かるという知識の伝授をするということは、なかなか行動変容につながらないです。利用者さんに一番近い最前線の人たちが変わるということが、まず現場で行ってくれば、それが利用者さんに一番近いと思いますので、私たちの専門で言うと、いわゆる「現場のスーパービジョン」と言うのですが、一緒に支援を別の立場の人が、第三者的な立場の人が、客観性を持って一緒に考えていくという、その取組が完全に欠如しているのだと思います。中井やまゆり園は特にそうだと思います。県が率先してそれをやっていけば、必ず民間に広がっていくと思います。そうなれば、やりがいのある仕事なんだというふうに、これから障がい福祉を担う人材も思ってくれるかもしれないし。それが、組織の優先順位を変えていくことがとても重要なのではないかと思います。(第4回 P.17、堀越副部会長) (ウ)社会の側、家族の姿勢 ○これまで、社会の側が、障害のある本人を一人の意思ある存在として認めてこなかったとすれば、本人が意思を問われても答えられないのは仕方がない。 ○今後、支援者は改善に向けた努力をしていくことになるが、それだけでは不十分で、社会全体が変わっていくことが必要ではないか。 ○本人にとって身近な家族も同様に、本人は親の従属物ではなく、意思ある存在として、その尊厳を認めていくことが必要ではないか。 ○その上で、支援者に任せきりにするのではなく、家族も身近な支援者のひとりとして、積極的にチームに関与していく姿勢が重要ではないか。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 〔(ウ)社会の側、家族の姿勢〕 ・結局大人になって意思決定支援だとかそういうことをしていますが、本人が今まで培われた、今までの育ち、あるいは環境の中で、今までの方がおっしゃったことでも出ているのですけれども、今まで本人が一つの意思がある人間としてあまり認められずにずっと育ってきたから、今になってあなたの意思はと言われてもなかなかできないという現実があります。今までに、意思を出せるような育ちもないし、周りからもそういう支援をされなかった。これからの方たちには、そういうことはもうないんだ、一人ひとり認められて、地域の中で育って行ってほしい。そうでなければ、入所施設にまた入らなきゃいけないことになってしまう(第3回 P.16、野口委員) ・家族の立場として見ますと、それが本当にあったのか、それがないから、今、障がい者の方が意思決定支援というのを、自分の思っていることを言えない、いくら重度の方でも、生まれたときからそういう存在だということで受け止められていれば、今のこういう状況はないのではないかって思います。それは、家族としての反省も込めてです(第1回 P.19、野口委員) ・これから虐待をなくしていくのに、施設の職員ですとかそういう方たちが努力する、施設が変わっていくというのが必要ですけれども、社会全体が変わっていかなければいけないことだと思うので、それは家族を含めて、本当に一般の方達を含めて、当事者の方を一人の人間として認めるということを進めていきたい(第1回 P.19、野口委員) ・まず、本人の人間としての尊厳を認める。親の従属物でもない。そして家族と支援者の連携が必要だと思う。家族は、事業者に任せがちだが、本人の支援者としての関わりは重要だと思う。(第3回 資料、野口委員) エ個別支援と社会のしくみをつなぐサポート ○津久井やまゆり園利用者に対するこれまでの取組をみると、チームによる意思決定支援を進めたことで支援現場の意識や行動を変えることはできたが、管理職の意識や行動の変化までは確認することができていない。 ○そのため、●●が必要ではないか。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 〔エ個別支援と社会のしくみをつなぐサポート〕 ・津久井の意思決定支援チームが入っていることで変わったことの例は、たくさん職員からいろいろな話をしていただいたので、それは意味があったなということで、ただ上の方の人までなかなか動かせていないという状況がある。(第4回 P.8、小川部会長) (5)支援を支えるための取組みについて ア支援人材の育成 ○支援者の質を考えるときに、個人、組織、政策の3つのレベルで考える必要があり、特に組織のレベルで考える必要がある。なぜならば、力量のある支援者がいても、組織としてその人を生かせるシステムが整備できていなければ組織が その人を潰してしまうこともあるからである。 ○個人レベルで考えると、利用者と向き合う中で、学びの場に伴走しながらスーパーバイズできる人材の育成が必要ではないか。 ○専門職を養成する上では、支援員をエンパワメントする視点が重要であり、支援のスキルだけでなく、支援を振り返り、語り紡ぎ合うことも必要ではないか。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 ・それから、もう一つは、強度行動障がいをお持ちの、行動的な障がいの課題が大きい人のグループホームの職員さんの離職率が低いというのは、最近、私も、難病の重い障がいを持っていらっしゃる病棟のナースの方が離職率は高いのかと思ったら、ある病院で逆だということがあるということを聞いたところで、何故だろうと考えていました。その大変な障がいを持っている人だから、もう見られない、だから公立施設にお願いするしかないという感じの今まで論理だったとすると、預けられた公立の施設だとか、預けられた施設というのは、大変な人を抱えざるを得ない、最初からストレスベースでスタートする、それがきっと人材育成のところの仕組みとか、組織をあげての職員を支える仕組みだとか、やっぱり虐待はシステムで起きるけれども、逆にその虐待がなくなることですごくシステムが進むと思うので、ストレスがチャレンジになっていく、そのきっかけというか転換点というか、それをどう作るかということなのかなというふうにお話を伺って思っていて、だから、新しい神奈川モデルというスローガンはいいけれども、具体的に何なのかと言ったらそこかというふうに、人材育成のところは避けて通れないなというふうに思いました。(第2回 P.22、堀越副部会長) ・現在施設の職員に対して行われている研修というのは、知識とか技術とか課題解決に関するものがすごく多いです。でもやはり利用者と向き合う中で支援員はいろいろなことを考えたり感じたり、いろいろな思いを抱いていくわけです。そういう自分の心の中に湧き上がるいろいろな思いの中から学んでいくということがありますので、そこを大切に、一緒に考えてあげる、一緒に取り組んでいくような伴奏者が必要なのではないかなと考えています。そういう意味では利用者目線に立てる支援者を育てるための人材をどのように養成していくかということが必要になってくるのではないかと思います。私はここにスーパーバイズができる人材を育成すると書きましたけれども、本当に支援員のいろいろな思いをしっかり受け止めながら、時に支援員の障がい者観について指摘をしたり、また共感をしたり、そういうような人材が必要ではないか、そういう人材をしっかりと養成をして、各事業所が活用するという体制を執っていくことが必要(第3回 P.10、安藤委員) ・エンパワーメントという言葉を使わせていただきましたけれども、支援者が前を向いて支援に臨んでもらいたいという、そういう意味でこの言葉を使っております。最近県の施設団体連合会が民間の障害者支援施設を対象として、どういう課題があるかアンケートを取ったのですね。高齢の問題が一番あったのですが、質問の中に身体拘束の解除に向けた取組みについても質問がありました。その回答を読みますと、本当にいろいろな施設で、なんとか解除したいという方向でいろいろなこと取り組んで、また頑張って、悩んでいるなということが伝わってくるのですが、私はやはりそういう取組みをしっかりと評価して、それを支援者間で共有をするということが必要なのではないかなと思っています。実際、平成25年に、川崎市障害福祉施設事業協会が、日常支援の改善事例と虐待の防止という報告書を取りまとめています。大変読み応えのあるもので参考になるのではないかなと思っております。また神奈川県では、県立施設で強度行動障がい児者に対する支援の事例集を作成しています。ただ、これがあまり活用されていないので、できればそういうものも、もっと内容を深めて効果的に活用するような方法を検討していったらどうかなと思います。また施設団体連合会が行っている、実践報告会やあおぞらプランの活動も積極的に推し進めていく、そういうことも必要(第3回 P.11、安藤委員) ・障がい児者のニーズは拡大し多様化はしていますけれども、なかなか人が集まらない、支援者になろうという人が少ない、そういう現状の中で、各施設は余裕のある支援体制を執れない、そういう状況になっています。当然ローテーション勤務の支援員は研修機会が少なくなっていきますし、先ほどの意思決定支援会議のような外部の会議に参加する機会も当然少なくなってきます。そういう意味ではしっかりと人を育て、そして人を確保するという取組みが必要で、官民一体となってそういう福祉人材を育てる、そういう取組みを、またどうしたらよいかということを話し合うだけでもよいから取り組んでいただきたい(第3回 P.11 安藤委員) ・支援者の役割としては、やはりソーシャルワークの視点というのが今まで以上に求められている時代ではないのか(第3回 P.14、伊部委員) ・質というのを考えるときに、往々にして個人の質が語られることが多かったのですね。スーパービジョンというのも支援者1人を励ましたり、支えたり、教えたりということだったのです。私は「支援者個人の次元」と、「組織の次元」と、「政策の次元」と3つの次元で考えていく必要があるのではないかと思っています。特に今一番重要だと思っているのは「組織の次元」です。いくら個人の力量がある支援者がいても、組織がその人を生かしきって良くしていくというシステムで回していけていないのであれば、その人はつぶれてしまうのですね。なので、いい支援もシステムの中で行われますけれども、悪い支援もシステムの中で生まれます。先ほど大塚委員も、本当に仕組みが問題なのだとおっしゃいましたけれども、病院でもそうですし、高齢者の施設でもそうです。そこを考えていく必要がある(第3回 P.15、堀越副部会長) ・人材育成が大事だ、組織運営が大事だ、ガバナンスの問題だと言われるときに、具体性がすごく必要だと思っていて、それは募集の時から始まるんです。経験も、初心者歓迎という募集広告をいっぱい、高齢者施設でも障害者施設でも見ますけれど、そういう人たちを雇い入れて、一体どういうふうにそこの仕事を説明しているのか、どうやって育成しているのか、そこから見ていかなければいけない。それから必要な業務がどう作られているのか、必要というときに、科学性を持ってきちっとやられているのか、利用者目線の必要に立っているのか。あるいは適材適所ということがどう行われているのか。OJT、OFF JTがどんなふうに行われているのか、モニタリングと振り返り、評価、これがすごく大事になってくると思います。それと組織内のコミュニケーション機能が、ヘルシーなのか建設的なのか、オープンなのか同調圧力は低減されているのか、外に開かれているか、抑圧的ではないか、この辺はすごく大事なことだと思います。そして職員みんなに、利用者さんの擁護者としての自覚があるのかどうか。地域に開かれた施設となっているのかどうか、これは第三者機関の招き入れ、モニタリングの受入も含めてということだと思います。このように具体的に、個人の力量形成と同時に組織の力量形成というのを協力して考えていく必要があるし、もし知的障がいを持ってらっしゃる、施設について、神奈川県が取り組めば、認知症や精神障がいといったところにも広がっていく(第3回 P.16、堀越副部会長) ・前提として利用者目線、利用者の立場に立った支援という言葉をあえて使うのは、その立場が分かっているのは本人だけだからでございます。そうすると本人にいかに近づくか、本人が何を望んでいて、何が嫌でどうしたいと思っているかを分からなくてはいけないのは周囲の人達です。特に支援者という、支援を業にしている、要は支援で飯を食っている人達はその責任があるわけですね。その資質をどう作っていくかということは本当に大事(第3回 P.15、堀越副部会長) ・佐藤委員は(提供資料の中で)「ケア・エンパワー」という言葉を使っていましたけれども、その中に「社会参加」と「語りを紡ぐ」という言葉がありました。「語りを紡ぐ」というのはすごく重要で、それは野口委員が言われた、親や支援者が納得したり共感したりということにつながっていくし、安藤委員が言われたスーパーバイズできる人材育成と支援者のエンパワーメントというところで、スキルだけではないということをおっしゃっていたんですけれど、それは「語りを紡ぐ」という言葉が非常に包括的で理解が難しいのだけれども、多分スキルではない、その人の人生を聞き取りながら、また、自分の人生を振り返りながら支援者が動いていくことが重要で、そういった振り返りのできる専門職の養成、人材育成が必要なのだと私は理解しました。(第3回 P23、小川部会長) イガバナンスのあり方  ○組織として、どのように取り組むかという姿勢が重要であり、明確な理念を持って、常に職員をそのベクトルにあわせて養成していく仕組みをつくる必要がある。 〇どんなに重度の障がいがある方でも地域の中で生き生きと生活できるよう、その実現のために組織的に対応できる体制を整える必要があるのではないか。 ○施設長は、利用者支援の目標を明確に打ち出すことが必要である。また、その目標達成のためには、単なる管理者ではなく、リーダーシップを発揮して、職員を先導していく必要がある。 ○部長や課長といった中間管理職が、施設長の発信を現場で有効に作用させるよう、支援員に助言、指導をするという役割を遂行する必要があるのではないか。 ○組織体制として、トップダウンのみならず、ボトムアップの体制も重要であり、日頃の支援について、幹部職員と現場の支援員がそれぞれ発信できるような相互作用が成立する風通しのよい体制が必要ではないか。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 ・組織としてどのように取り組むかというところがすごく重要で、やっぱり明確な理念を持って、ミッションを持って、常に職員をそのベクトルに合わせて、養成していくというようなそういう仕組みを作らないと。やっぱり組織として取り組むという、で現場を支えるということ。人が育つ、人の成長が組織の成長につながるのですから、そういう視点を組織として持たないとなかなか難しい(第2回 P.19、松上理事長) ・利用者、人はそもそもどこで生きるべき存在なのか、それを考えた場合に、利用者はやはり地域の中で社会的存在として生きることを望んでいるはずではないかと、そのように思います。そして、それを実現するためにこそ我々支援者の存在はある、そのことをしっかりと明確にとらえることが必要なのではないかなと考えております。そして、こういった考え方を法人や組織の中の隅々まで浸透させる、いかに重度の障がいがある方も地域の中で生き生きと生活できるよう、その支援体制を整えて、その実現のために組織的に対応することが重要であると、そうした認識に立つことが何よりも大事(第3回 P.12、中島委員) ウ他機関・多職種・有識者との積極的な連携 ○利用者目線に立って支援をするためには、これまで障がい者本人に関わってきた相談機関や、本人をよく知る関係者から様々な情報を収集し、アセスメントを行う必要があるのではないか。 ○利用者の高齢化、障害の重度化への対応が求められており、福祉現場だけの対応では限界があるため、有識者らによるコンサルテーションを受けることや、多職種で連携することが必要ではないか。 ○地域の事業所や相談機関など、社会資源となる機関と積極的に連携をとることが本人の望む生活を実現することにつながるのではないか。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 ・コンサルテーションのアプローチというのがすごく有効(第2回 P.18、松上理事長) ・一番のメリットは、外部の目が施設に入るという、そこにあるのではないか(第3回 P.4、佐藤委員) ・外から客観的に見る方を、その人の支援計画の中で一緒にやっていく、これはものすごく大事で、だからこそ般化して他の施設の方でも同様のことをしていけるような人たちを養成することも必要でしょうし、配置することも必要でしょうけれども、まず重要なのはコンサルテーション、アドバイザー、どういう言葉を使ってもいいのですけれども、そういうポジションをきちんと置くということ(第3回 P.5、小川部会長) ・外部の方が入って、なおかつきちんと地域の相談支援専門員、サービス管理責任者、支援員等、県からも入ってチームで、ご本人、御家族が入っているわけですから、これは最も意思決定が難しい方に対していろいろな角度から見ていく一つの手立て(第3回 P.6、小川部会長) ・何度でも地域生活にチャレンジすることができる、それを支えるということはいわゆる施設の役割として明記する必要があるのではないかなと思います。もちろん、施設に戻るということだけではなくて、再チャレンジということでは行先自体が最初に想定したものと結果として違うようであれば、また別の選択枝を提示すると、そういうことをしながら支えていくという取組みが大事ではないか(第3回 P.13、中島委員) ・職員みんなに、利用者さんの擁護者としての自覚があるのかどうか。地域に開かれた施設となっているのかどうか、これは第三者機関の招き入れ、モニタリングの受入も含めてということだと思います。(第3回 P.16、大塚委員) (6)県の取組みについて ア施設への運営指導等のあり方 ※県の関与」の検証調査報告を踏まえ、記載予定 W今後に向けて(さらなる検討の方向性) 1県におけるこれまでの障がい福祉行政の振り返り ○県立施設の支援の停滞や利用者目線の支援に転換できなかった原因について、検証していく必要があるのではないか。 ○これまでの障がい福祉行政を振り返り、同じことを繰り返すことなく、変化していく時代の波に対応していけるような組織体制をつくる必要がある。 2今後の障害者支援施設のあり方を踏まえた県立施設の役割について ○県立施設の役割として、民間施設で受け入れ困難な重度の障がい者を受け入れてきたが、大規模施設に集約して支援することは限界である。 ○今後の障害者支援施設のあり方について、民間施設や事業者を含めて県全体で議論する必要があるのではないか。 3地域共生社会の実現に向けて ○本県では、「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念の普及が進められているが、今後、意思決定支援や地域生活移行支援などに取り組む中では、地域共生社会の考え方が、より重要となっていくのではないか。 ○地域共生社会の実現に向け、市町村では、多様で複合的な支援ニーズに対応するため、障がい福祉などの分野を超えた、包括的な支援体制の整備を進めようとしており、こうした状況も視野に入れる必要がある。 【これまでの検討部会における委員発言(抜粋)】※報告書では削除する。 ・神奈川県は平成26年に県立障害者支援施設等のあり方検討会を立ち上げて報告書を取りまとめています。そこで検討された内容や示された方向性に基づいて、指定管理に移行した施設や完全民営化になっている施設もあります。今どういう状況になっているのか、改めて検証する必要がでてきているのではないか(第3回 P.11、安藤委員) ・施設というのは、非常に重い責任を取りまして、強度行動障がいの方を集めて集団生活をしていただくということなのですね。構造的にそもそも無理があった。行動障がいの方というのは人と同じ行動がとれないから行動障がいだというわけですから、その人たちに集団生活をしてもらうというのは、やはりどこかに無理が出てくるのですね。職員の方も大変だということになります。大変な中で一生懸命やろうとすると不適切な支援というのがどうしても出てきます。(第3回 P.9、佐藤委員) ・大型施設がやはり大型すぎる状態があるので、多機能化して、できるだけ地域の方に入っていけるといい(第3回 P.19、小川部会長) ・本人の望む暮らしを実現する神奈川方式の給付・実現プロジェクトの設置。これは今の国の制度、政策が本人ニーズに基づいているのではなく、区分で分類して切っているわけですよ。行動援護は、その区分とそれから何項目に当たらないといけない、重度訪問については、どの項目も全部、一部介助以上ではないといけないと排除する仕組みになっている。あとは何時間しか使えないということがあります。重度訪問、行動援護、それから自立生活援助、これは新しくできたのだけど、これも週1回とかどのくらいの期間とか。自立生活アシスタントは横浜市の支援ですが、これは側面的には使えるかなと。あと、グループホーム等々があるわけですが、こういうものが、実際問題、御家族の中にも入っていって、ご本人の援助をするというところから始めるような支援と言いますか。御家族がとことん対応して、次にグループホームだ、施設だ、あるいは今時々、テレビや映画にもなっています重度訪問を使っての生活というところに急に飛んでいくことはできないので、そういうものを使えるような、区分とかいろいろな段階を制度的に切ってしまう。そうではない、本人のニーズに基づいた支援施策というものを国はやらなければならないが、それができていないのであれば、神奈川県は神奈川県の方式で、地域基盤の福祉サービスが受けられるように体制を作ると。これについては、相当越えなければならない山はあるかと思うのですが、神奈川方式の給付・実現プロジェクトみたいなものを設置して、変革をしていく(第3回 P.19 、小川部会長) ・何度でも地域生活にチャレンジすることができる、それを支えるということはいわゆる施設の役割として明記する必要があるのではないかなと思います。もちろん、施設に戻るということだけではなくて、再チャレンジということでは行先自体が最初に想定したものと結果として違うようであれば、また別の選択枝を提示すると、そういうことをしながら支えていくという取組みが大事ではないか(第3回 P.13、中島委員) ・実は施設入所支援の検討というのは、地域基盤があって、あるいは地域医療があって様々なそういった連携があって生活がなされていく。それが施設という基盤におくか、地域という基盤におくかというところは、それぞれの人のいろいろな状況に応じて決まってくるものでしょうけれども、少なくとも地域基盤というものが整っているということが非常に大事なことになっているので、そこは整理していかなければいけない。ここで行う作業というのは、与えられたテーマ、プラスこの地域生活基盤というものも頭に置いていくこと、このことは実はかながわ憲章の指針に基づく、新たな神奈川県の福祉サービスの検討に当たるのではないか(第2回 P.3、小川部会長) ・地域のつながりというのは必ず必要で、地域とのつながりを作っていくためには、制度的にも施設を利用している方も広く、地域の社会資源が使えるということが必要(第3回 P.18、小川部会長) ・私がすごく重要だと思っているのは、家族支援で、家族の方が支えて、支えて、支えて、最後に施設入所しかないというようなところに追い込んでしまっている。非常に、家族支援がどれだけきちんと行われているかによって、ずいぶんと違ってくると思います。家族の方が、小さいお子さんの頃からケアをされていく中で、いろいろな負担が起きてくるわけですよね。そのことについて、幼児期からのライフステージに沿った支援がきちんと行われるということが必要なのですが、それが十分に行われていない。したがって、家族、これは兄弟も影響しますので、それも含めての支援のアセスメントとサービス提供というものを、新たに考える仕組みを作らなければならない(第3回 P.18、小川部会長) ・職員の頑張りがあってやる気があって、一生懸命福祉に燃えていると。やっぱり、そうだと思いますし、仕組みが虐待などを作っているという要素が非常に多いわけで、そういう中で、先ほどの野澤委員の話に戻りますけれども、やはり県立施設という入所施設の中でどのようにするかというのは、多分これはもう限界があると思う。これだけ良くしても、仕組みそのものが不十分であって、それだったら地域で十分、強度行動障がいも改善されている人たちの話を聞いて、じゃあ県立施設はどうするのだとやった方がいいと思う。今の状況の中での県立施設、それは仕組みの中で限界がある。(第1回 P.13、大塚委員) ・虐待のハイリスクである強度行動障がいの方が地域で生活できる仕組み、人材、そして予算というものをきちんと付けていく。そしてその方向の中において、本人の意思を尊重しながら、その方向性の中で、当面、県立施設やあるいは他の公的な施設は何をするのか、そこに向かっていくのはもう明確なわけですので、自らはそこに、県立はどのような役割を担っていくか。ある意味でもう県立の役割はないということかもしれない。早く県の方から考えていった方がいい、正しくできないということも含めて、その方向性で考えていっていただきたい(第1回 P.17、大塚委員) ・県立施設はただ孤立しているわけではなく、全県の中で機能していたわけですので、その中において、その他の施設も含めて関係があるわけですので、あまり広げると検証ができなくなってきてしまうので、県立施設というのはいいのですけれども、考え方としては、県立施設の支援を検証することによって、今後よき県立施設、さらには神奈川県全体の障がい福祉、障害者支援施設がよくなるということをきちんと目標に見ながらやっていくことが重要(第1回 P.3、大塚委員) ・県立施設に重度の方が多いというのが本当なのかどうなのかをまず確認しないといけない。これは野澤委員がおっしゃられたとおりだと思います。仮にそうだとしたら、なぜそうなのか。その問題を扱うと、これは県立施設の問題ではなくて、神奈川県全体の民間事業者も含めた施設のあり方の問題になってくるわけで、どんどん議論が広がります。(第1回 P.14、佐藤委員) ・出口というものは多様に存在するべき必要があると考えています。出口はグループホームだけだということではなくて、やはり働くこと一つとってみても、様々な働き方、一般的な就労もあれば福祉的な就労、何かやりたいことが就労とは結び付かないかもしれないけれども、もっとこういうことがやりたいとか、そういうことがあるかと思います。そういうことを進めていくことも大事(第3回 P.13、中島委員) ・利用者目線の支援を本気になって推進するということであれば、県立施設の規模とか、設置環境とか、事業の内容とか、やはりきっちり議論をして、もし再編が必要であれば、再編の方向性を取りまとめたり、予算化をするくらいの気持ちで取り組む必要がある(第3回 P.12、安藤委員) ・インクルーシブ教育の啓発推進のことです。地域の学校に、もっと小さな本当にしゃべれないころから、当たり前の人間として一緒に育っていくということを是非やらないと、いつまで経っても地域に障がいの人が生きていることを皆が知らない。皆が知らないから、今回の事件のことでもなかなか分かってもらえない。非常に印象的だったのは、やまゆり園の事件の利用者の家族の方が、社会の理解がないから、社会が変わってほしいとおっしゃったのを報道で見ましたけれど、社会が変わってほしいというのはやはり、社会に居場所がないということ。(第3回 P17、野口委員)