当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会第4回(令和3年9月22日)参考資料2 令和3年第3回県議会定例会柳下剛議員(会派:自民党)9月13日代表質問 【質問】(要旨) 1県政課題に対する知事の基本姿勢について (4)当事者目線の障がい福祉について 「再生基本構想」に基づく新たな津久井やまゆり園が完成し、8月には利用者の生活が始まり、12月には芹が谷やまゆり園も完成する。県が目指す当事者目線の新しい障がい福祉のために、「当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会」での検討結果の実現に向けて、具体的な施策をつくりあげる必要がある。 また、将来を見据えて今できる取組として、県は、令和5年度に始まる4つの県立障害者支援施設の指定管理者の選定に向けて、委員会の検討結果をしっかりと反映させるべきである。 そこで、令和5年度からの県立障害者支援施設の指定管理者の選定に向け、「当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会」でまとめあげていく長期的なビジョンの考え方をどのように反映しようとしているのか、また、長期的なビジョンの実現に向けて、どのように取り組んでいくのか、併せて見解を伺う。 【知事答弁】 次に、当事者目線の障がい福祉についてです。 今年度、設置した「当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会」では、20年後の障がい者支援の姿といった、長期的なビジョンづくりに取り組んでいます。 その中で、県立障害者支援施設についても、必要性を含め、果たすべき役割などの議論を行っています。 議論では、当面の施設のあり方として、大規模で入所期間が長期化し、終の棲家となっている現状から、障がい者の地域での生活を支える拠点に変わるべき、と指摘されています。 こうした御意見を、令和5年4月からの新たな指定管理を予定している、津久井やまゆり園、芹が谷やまゆり園、さがみ緑風園、三浦しらとり園の選定基準などに反映していくことを考えています。 具体的には、4つの施設について、意思決定支援など、当事者目線の支援により入所者の地域生活移行を進めます。併せて、地域生活が困難となった障がい者を一時的に受け入れ、また地域に帰れるようにする、いわゆる「通過型施設」となることを明確に位置付けます。 さらに、定員100名を超える大規模施設である、さがみ緑風園と三浦しらとり園は、その課題解消に向けて、定員規模を見直していきます。見直しに当たっては、入所者やその御家族に不安を与えないよう配慮しながら、進めていきます。 次に、長期的なビジョンの実現についてです。 将来展望検討委員会の委員からは、策定するビジョンの実効性を担保する仕組みが求められています。さらに、「県が本気で取り組まないと実現はできない。」とも指摘されています。 また、障がい当事者の委員からは、「『ともに生きる社会かながわ憲章』が分かりにくい。自分たちの意見も聞いて新しいルールを作ってほしい。」といった御意見もいただいています。 私は、こうした御意見を真摯に受け止め、また、長期的なビジョンを真に実現するには、ビジョンに基づいた施策を確実に実施するための普遍的な仕組みづくりが必要だと考えています。 この仕組みづくりに当たっては、県議会の皆様や、より多くの障がい当事者の方々の御意見を伺いながら、練り上げていきます。 津久井やまゆり園事件という大変痛ましい事件を経験した本県が、これを乗り越え、「新しい障がい福祉は神奈川から始まった」、「神奈川が変えたんだ」と後の世から言われるように、全力で取り組んでまいります。 【要望】(要旨) 県立障害者支援施設については、将来展望検討委員会の議論を踏まえて、地域で暮らす障がい当事者の方を支援する施設を目指していくと、理解した。 ここで、新たな津久井やまゆり園が完成して、12月には芹が谷やまゆり園もスタートする。他の県立施設には、開設当初から相当に年数が経過した施設もあるとのことである。 地域に根差した施設を目指すというのであれば、こういった老朽化した施設への対応についても、しっかりと検討することを要望する。 また、長期的なビジョンの実現に向けては、我々県議会や障がい当事者の皆さんと意見交換をしながら、普遍的な仕組みを考えていきたいとのことであったが、所管常任委員会とも、しっかりと議論を重ねていただき、よりよいものを作り上げてもらえるよう要望する。