第9回当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会(令和4年2月21日)                  資料5 第6〜8回検討委員会での各委員のご意見 1障害福祉施策の充実強化(論点〜大事項)<第6回> (1)いわゆる「強度行動障がい」のある人に対する支援(論点〜中事項) ○最初からの障がいではないということがあるが、曖昧な認識をされがち。やはり「強度行動障がい」とはどういうことなのか、説明の文章があった方が良い。 ○歴史的には、入所施設はお任せできて安心だという親御さんの気持ちがあった。家庭での生育と施設での対応の中で「強度行動障がい」は作られていったという面がある。障がい当事者の生活を変えていくには、やはり子どもの時からの生活を家族も一緒に考えて行動していかなければ難しい。 〇「行動に課題のある人」という表現でくくってしまうと、その人自身に何か問題がある というふうに読み込んでしまう。社会がその人に、そういう課題を与えているという側面がある、だから社会自体が変わっていかなければいけない、地域自体が変わっていかなければいけない、支援者も変わっていかなければいけないという側面から読み込まないといけない。 〇その人が抱えている困難さは、環境因子もある。一人ずつ違うその環境の中でどう支援していくかということになると、研修だけではなくて、支援の現場を、常に支援者も家族も含めて見て、改善していくという試みが常に行われ続けなければいけない。そこを明確に記載する必要がある。 〇「行動に課題のある人」や「強度行動障がい」という言葉の定義、使い方も含めて整理する必要がある。「強度行動障がい」というのは、支援者が対応できなくなったときに、そういうレッテルが貼られる。ここが客観的に評価されていない中で、支援者の力や施設の方針に左右されてしまっているという現状をまず押さえる必要がある。 〇集団生活を強いるということは、行動の課題をより重篤に変容させる可能性がある。「強度行動障がい」の人が人間関係を持てないというのは全く別。「強度行動障がい」の人は「人が刺激になる」、「言葉が刺激になる」という理由から、人との遮断が強く用いられている。そういった方法論に当てはめるのではなく、心の発達や個別性を重視する必要がある。 〇「強度行動障がい」の自閉症の人を怖がる人が結構いるが、僕は常に会話を大事にしていて、優しく接すれば、彼らも分かってくれる。「この人難しい」と言う前に、やはり、まず興味のあることを話すと良いと思う。 〇発達障がいのことを理解するために、私は一般と一緒になって勉強している。やっぱり他の障がいを知ることは大事だし、仲間同士もそういう研修もやった方が良いと思う。そのために当事者同士の研修会を作ってほしい。 〇自宅で興奮状態になってパニックが起きたときに、ショートステイや入所施設、グループホームで受け入れるというのは、場所が変わって環境が変わるということなので、行うべきではない。例外はあるが、短期入所等で受け入れて、専門家が支援するという方法ではなく、これからの方向性は、支援者が家庭などに出向き、「行動障がい」を持っている人が落ち着くまできちんと支援する、そういう専門性が必要だ。「行動障がい」でパニックになったときには24時間365日で、支援センターからアウトリーチで支援するという、そういう姿が必要なのではないか。 〇短期入所の役割に関して、一律に、アウトリーチによる支援にすべての事業所が舵を切れるかどうかという課題もあるので、今後の検討過程として議論していく必要がある。 〇アセスメントの強化に関しては、本人の持っている強みとか可能性というストレングスに着目をしたアセスメントというものが必要だと思っている。 〇「強度行動障がい」の人に対する体制づくりの課題の整理については、非常に良いものであると思うが、実際に担える人材がいるのかというと非常に少ない。現状として、担える人材が少ないということに立脚して、取組みを進める必要がある。医療との連携についても同じで、「行動障がい」を理解しているドクターは非常に少ないのではないか。 〇本当の専門性というのは、自分たちのお座敷で支援するときの専門性ではなくて、本人がいる場所に出向いて、そこで、どのように本人が頑張れるかとアプローチするときの専門性だというふうに受けとめてほしい。報酬に関しても、本人がいる本来の場所に出向く支援で成果を上げることにこそ評価を高くしていく必要がある。 〇県立施設において指導的な役割を果たしてきた職員が人事異動等により流出するという記述があるが、県が緊急財政対策を立てていく中で、県の機構なり補助金なりの体系が見直された中で、こういったことが確かにあったと感じる。 〇現在、コンサルテーションを受けながら「強度行動障がい」の人に対する支援の再構築を行っているが、こうしたコンサルテーションは、単発ではなく、併走型で長期間に関わってもらえる体制を検討してほしい。 〇現在の「強度行動障害支援者養成研修」は必要な研修ではあるが、基本的な身体の発達であるとか、心の発達という、この一番押さえなければいけないセットが抜けている。これが抜けていると、本人との約束と合意という発想に至らない。我々が対応しきれないという枠を超えていくことで、非常に豊かなつき合いというのができると思っている。やはり、もう少し個別性を重視して、研修等をやっていく必要がある。 〇建前的な話になるが、事業者と利用者が原則契約に基づいている中で、本人が事業所等を利用する際に、本人との「約束と合意」を前提とするということについては、慎重に議論をすべきではないか。さらに、これを運営規程に盛り込むとなると大きな議論になるのではないか。 ○「強度行動障害支援者養成研修」の基礎研修を実施したところ、一定の効果があるなという実感を受けている。加算対象の研修ということであるが、できれば広く支援者に受講してもらえる研修になれば良い。 〇事業所側から見ると研修の機会というのはさらに多く増やしてほしい。おそらく受講希望に対して実際に受講できる人の数というのは、充足をされていないのではないかと感じている。 〇適切なアセスメントとモニタリングについて、サービス管理責任者の研修が基礎、実践、更新というふうに体系化されており、アセスメント等の重要性ということを伝えているので、この研修もうまく活用しながら、「行動に課題」のある人の支援について伝えていくということも必要だと感じた。 〇事業者の運営責任者である法人役員や管理者を対象とした研修という記述があるが、これは虐待防止の研修も管理者向けの研修があり、こういった階層への研修というのは、必要だと感じた。 〇「強度行動障がい」の人に対する支援の実践研修については、現在、既に自閉症療育者のためのトレーニングセミナーがあるので、こうした既存のものを生かした研修体系を整理していく必要がある。 〇一人ひとりの可能性をしっかりと周囲が感じていくことが、地域での生活を継続させていくことにつながっていくと思っている。一人ひとりの可能性が無限にあるのだという、その状況を作っていくことがいかに大切であるか、それが専門性になると思っている。 〇障がいがあると分かってから、周りの大人たちが「こんなこと危ないから、危険だからやっちゃ駄目よ」と、一時期、ずっと止められていた。何でそこで自分の力が縮まされたんだろうと後悔している。そのまま子どもから大人にどんどんステップアップしていれば、「こんな支援が必要」と言えた。まずは自分で聞こう、私に対しても聞いてもらって、私はこういう人ですって。そういうことが小さいときに分かっていれば、もっともっと違うんだろうなと思う。 〇「強度行動障がい」の人はもう大人になっているので、子どもの時からのいろいろな経過を家族も含めて皆が、それを遡って確認して、その中で一つひとつ、本人がそれを克服していく、こだわりをなくしていくということをやっていくことが大事。現状にのみ対処していくというのは、なかなか最終的な解決にならないのではないか。 〇「強度行動障がい」といわれる人が、非常におかしなことをするけれども、それは本人の意思だというふうに理解をすることが重要。何でそういうことをやっているのかというと、それは自己主張なんだと思う。自己主張なんだということが理解できるかどうかは、もう支援者の力量の問題になる。果たして、神奈川県内の色々な事業所の支援職員が力量として持てるかどうか、神奈川県だけの問題ではないと思うが、まさにいま、県に問われているのだと思う。 (2)障がい者の高齢化に伴う支援のあり方(論点〜中事項) ○身体が元気なうちは何歳になっても働きたいと思う。何歳になっても、好きなところで暮らしたい。 ○僕には身寄りがいない。仕事を辞めてしまったら、仲間との関わりが減っていく。その時に相談できる相手が減ってしまうのが心配。 ○施設の中での高齢化対応の話を聞くと悲しくなる。障がいがあっても地域で老いていくことは可能。私の仲間たちは、仲間の職員たちと、グループホームで人生の最期を迎えている。葬儀も仲間たちに見守られて行う。人生の最期の瞬間まで一緒に生きてきた仲間と一緒にいたい。県立施設で亡くなっている人は、たくさんの仲間に見守られているのだろうか。 ○知的障がいの人に対する介護技術の不足というのは否めない。高齢福祉サービスから、その障がいのある人に対する介護技術のアドバイスを得られる仕組み、逆に、知的に障がいの人を、共生型の高齢施設で受ける場合には、障害福祉サービス事業所が高齢施設に出向き、そのノウハウを共有するという、双方が巡回できる仕組みを考えていただきたい。 ○知的障がいの仲間も高齢になると、グループホームに住めないことも増えてくる。グループホームは階段がきつかったり、エレベーターが無かったり、バリアフリーになってない。設備がいいグループホームに入ると家賃が上がるけど、老人ホームだったら安いよねって。なので、障がい者が高齢者になったら、逆に障がい者も一般と同じ老人ホームを選べるという選択肢を作ってほしい。 ○住まいの整備に関して、是非暮らしの場としてのハード面の整備の充実について、検討してほしい。 ○当事者の希望としては、やはり生涯現役でいたいとの思いが強い。しかし、加齢に伴ってフルタイムでB型を使うことが難しくなったり、働くこと自体が難しい人たちが、従前の福祉サービスを使いながら、介護保険のサービスを組み合わせて使えるような柔軟な対応、仕組みが必要ではないか。 ○介護保険と障がい福祉サービスの制度間の課題として、利用者負担の問題があったり、いわゆる介護保険優先の原則の解釈が市町村によってだいぶ異なるということがある。65歳になれば機械的に介護保険に移行するような市町も散見され、神奈川県下の実情を把握する必要があるのではないか。 ○高齢者施設の職員を長くやって感じることだが、認知症も自閉症もパターンが似ているので、年を取って一緒に暮らしてもいいのではと思うことがある。障がい者が一般の人と住むのは大変よねって思うが、工夫だと思うし、障がい者福祉と老人福祉が合同で研修をやってほしい。それを神奈川県の職員がつなげてもらうともっといいと思う。 ○高齢になって、補聴器や眼鏡が必要となっても、本人がその気がないとつけてくれない。それをどうやって仲間たち同士で発言できるか。補聴器など福祉器具って結構値段が高いので、知的障がいの仲間は、買っても高くて使わない。入れ歯もそう。最近私の仲間同士も入れ歯をつけている仲間が増えている。入れ歯、補聴器、福祉器具も、障がい者制度と同時に使えて、補聴器などが安くレンタルできると良いと思う。最近仲間でよく言うのは、本人活動の仲間も高齢化になると会議ができなくなる。耳が遠くて「はっ?」「はっ?」ってなっちゃう。知的障がいがあると年を取るのが早くなる気がしており、本人たちの高齢化の問題を是非議論してほしい。 ○これから先、生活保護や障害年金のお金が減らされることを心配している仲間がいる。介護保険では十分なサポートを受けられないのが不安。 (3)障害者支援施設からの地域生活への移行を進める方策(論点〜中事項) 〇グループホームだけでは地域の中で障がい当事者の支援はできない。日中活動を含め、個別に対応した支援チームの構築というのは非常に重要な視点だ。相談支援や行政関係も含め、個別のオーダーメイドの支援が改めて必要だと感じた。 ○一度、暮らすと、なかなか住む場所を変えられない現状がある。気楽に引っ越しをしたい。引っ越しはできます。職員は諦めないでほしい。何もかもが駄目、は言っちゃいけないこと。 ○施設城下町みたいな形でグループホームの整備が進んでいる現状は、おそらくグループホーム学会が念頭に置いていた地域移行とは違うのだろうと思っている。先進地と言われていた神奈川で、なぜそれができなかったのか。地域生活への移行は、グループホームに移行したらそれでいいという議論があるが、実態をよく見ていくことが必要だ。 ○「行動に課題がある」と言われる人達たちが、実際には人間関係を作ることができている。そういう中で、それぞれ個々が本当に人間として回復していく。そして地域にまた戻っていくことができるというプロセスが非常に大切で、その理解を是非お願いしたい。 ○入所施設の利用者の地域生活移行については、特に、集まる、集まるをしなきゃいけないというのがお願いだ。例えば、どうもうまく今の生活を続けられなくて、入所施設に入所されたという人の場合には、まず最初、入所施設に行くのだが、そのときにもう、すぐに関わる人たちが皆、本来の生活に戻れるようにするために2か月後に集まりましょう、という約束をしなきゃいけない。入所施設と地域生活移行に関わる人たちが、今後の段取りをしっかりと考えて、キャッチボールしながら、入所施設の方ではこんな段取りをしてきますということを、繰り返すっていうことがとても大事。 ○本人が入所施設に入ると、皆さん、どこかでほっとしたって思う。そうして2日、3日経つと、喉元過ぎてしまう。それがいつの間にか将棋倒しのように今日明日明後日って続いていってしまう。そうするとまた違った課題にぶつかるようになってしまって、いつの間にか、短期からミドル、ロングとなってしまう。とにかく、入所施設に入ったその日にすぐ、その支援会議を続けられるようにすることが大事。 ○長い間、入所施設に入っている人たちこそ、モニタリングを増やさなきゃいけない。というのも通常だと相談支援のモニタリングは入所施設に入っている人たちは、1年に1回ぐらいの目安とされている。しかし大切なのは、今の暮らしを続けたいという希望を基に、今の暮らしを続けるという支援目標を作ってしまうと、サービスは、生活介護施設入所者一体型の一行で終わってしまう。この一行で終わるサービス等利用計画を2か月後に見直しましょうとはならない。気が付くと、1年後、そろそろモニタリングとなる頃には、その当時のサービス管理責任者が変わっていたり、行政の担当者が異動になっていたりして、またリセットになってしまう。  大切なのは、今の暮らしは大切だが、向こう2か月の間に、もっと違った暮らしの場はないか見てみたい、あるいは、日中に過ごしている活動も嫌ではないが、もっと違った活動の場面がないか、いろいろ見学してみたい、というプランが入った時に、ようやく、さあどうなるかということで、2か月後集まりましょうとなる。なので、モニタリングを行うためには、必ず、本人たちに、違った方を見てもらうとか経験してもらうとか、そういうようなものを入れ込むプランにする必要がある。  その中で本人たちがここいいなあとか、ここで気持ちがちょっとスイッチ入るようだとかというところがつかめるっていうのが自分の経験。入所されている人にこそ、新しい、この手がかりをみんなで考えながら、本人の様子をよーく見ながら、モニタリングを続けるということが大切だ。 ○以前、入所した途端に周りの関係者がすっと引いてしまうという話をしたが、入所施設からグループホームに移ったところでもさっと引いてしまうという話があった。常にその周りに、関係者の連携協力体制っていうのが必要なんだと感じた。 ○相談支援専門員の数が不足しているという記述があるが、私自身の相談支援の経験から、確かに、1人で何百件も計画相談を抱えていたりというような現状にあるいう実感がある。 ○地域生活を担う促進担当職員を配置したり、広域支援マネージャーの配置、グループホームを促進するグループホーム等支援ワーカーというような、そういう人たちがいてくれれば、地域生活移行が進むのではと思う一方で、現場の職員の不足がある中で、実際に担うことができる人材を確保することができるのか、しっかり議論していく必要がある。 ○西駒郷の今後のあり方の検討会の結果で、地域移行生活が幾らかは進んだけれども、まだこう残っている人がいるという報告があった。どうして残っているのか、要因は一つではないと思うが、今後、神奈川県が進めていく上で、押さえておいた方がいいのではないか。 ○障がい児の入所施設から地域生活等への移行の問題である「過齢児問題」は、神奈川でも大きい課題である。相談支援専門員、民間の相談支援専門員がその相談を受けて、一人で動き回っても200%困難だ。行政機関も含めて、しっかり協力体制というものを構築して支援チームを作っていくことが重要だ。 ○これは国も含めてなのだが、今後、地域移行支援の実績の低い理由を検証する必要がある。 ○地域生活移行を進めるためには、入所施設の利用者に対して、社会体験の機会を増やすとともに、入所施設自らもサテライト型として地域に小規模化・分散させて居住の場を設置するような取組みを進めていけるよう、制度の見直しが必要。今後、新たな居住支援の場を検討してく際に、議論していただきたい。 ○入所施設の利用者向けのグループホームを作っていくのだが、本人から、やはり誰と暮らしたいのかという提案を受けて作っていく。そんな形を作っているが、何かパズルに当てはめるようなことだと、地域移行の概念とは大きく異なるのだろうなと感じている。 ○入所施設から地域に出たとき、関わっていく人が減っていく可能性が多くある。しっかりとした、地域で関われる人が増えて、過ごせる場所が増えていくという仕組みを作らないといけない。地域に移ったからおしまいとなると、やはり人生苦しくなっていく。人生がその場所で広がっていくんだという実感が持てるような暮らしを作っていくということが、非常に大切だと思う。そういった観点を持って進めていただきたい。 ○専門性は出向くことであるという意見について、やはり私もそう思う。入所施設で対応するというのは、仕組みの中ではやるのだが、やはり自分たちが出向いていくことが大切だ。特別支援学校から、暴れちゃって授業に参加できない生徒がいて、授業にもっと参加してもらいたいが、このままだと入所になるから見てくれ、ということで、よく依頼を受ける。一人ひとりの可能性をしっかりと周囲が感じていくことが、地域での生活を継続させていくことだと思っているので、一緒に授業に出て、いろいろなことが体験できたりとか、本当に一人ひとりの可能性が無限にあるのだという、その状況を作っていくようにしている。 ○入所施設からの地域生活移行だけではなく、在宅からグループホームに行きたいという希望者は、皆さんご存知だと思いますけど、非常にたくさんいる。入所施設からの地域生活への移行の取組みが優先されているので、在宅から移行を希望する人たちのグループホームの受け皿が足りなくなることを心配している。そういう人たちは表に出てこない。大きな声は出ていないので、結局、在宅でいる場合は地域にいるというふうに整理されてしまうと、本人の自立という意味では、後回しになってしまうのかなと思う。在宅で家族と一緒に生活してる障がい当事者も含めての自立の生活の一つの方法、方向としてグループホームもあるという視点も忘れないでほしい。 ○グループホームで知らない仲間と暮らして、すごく人間関係で悩むことがある。施設も同じ。でも学校の仲間はずっと一緒だよねって。それで私はよく養護学校の仲間全員で一緒に住むと、どうなっちゃうんだろうねっていう議論をいつもしていた時に、仲間って大事だけど、でも、知らない仲間と暮らすストレスはどのぐらいあるんだろうなっていうのを皆さんにも考えてほしい。 ○施設で暮らしている人の暮らしを、多くの人に知ってもらう必要がある。施設のみが暮らしの選択肢ではないことを、施設の仲間にも知ってもらいたい。そのことを、行政や施設の人たちには、本気に取り組んでもらいたい。 ○入所した途端に、相談支援や行政の人たちがさっと引いてしまうところがあるので、やはり入口のところで、入所の目的をきちんと整理をして、地域に戻るための支援体制を作っていく。それには相談支援の役割はとても大きいと感じている。 ○一般的な相談支援というのも当然、地域の中で大事だが、それと併せて、施設入所者に対する相談支援という切り口できちっと整理をしていく。そのときに、先ほど出たように外部の人がどう関わっていくか、あるいはそもそも地域に、循環型を目指しているのであれば、地域に帰るところをちゃんとイメージした相談支援体制をどうするのかが大きな論点になる。 ○入所施設ほど、本人に見てもらったり、体験してもらったり、見学に行くという機会を作りながら、本人の表情や振る舞いからモニタリングしたがっているっていうふうな仕組みに変えていかないと駄目だ。そういう意味でいけば、本当は入所の方こそモニタリングを増やさなきゃいけない。 ○制度創設当初は入所施設のモニタリングは、年に1回で良いとされていた。途中から年2回になってきたが、むしろ生活が全く変わらず、変化をつくり出していくということが、不本意ながらできていけない人たちに対してこそ、本当は、振り返るためのモニタリングが重要。モニタリングするためには、何かを見てもらったり経験してもらわないと、心が動いてこない。そういう現場、現場の営みを始めてほしい。 ○相談支援を通しての地域生活移行ということが、長野県の事例も含めて、そういう力であったわけだが、結局、その力が働いてこなかった。相談支援が働かないんだから、地域生活への移行を進める上で、本人の説得とともに家族の説得、あるいは地域のサービスのことも含めて、覚悟を持ってきちんと用意しなきゃならない。やはり、セルフプランの策定の割合が大きいことも含めて、神奈川では相談支援自身がやっぱり停滞しているのではないかというふうに感じる。 (4)日中活動のあり方(論点〜中事項) ○住むところと、日中活動の場所は分けた方が良い。 〇職住分離とか、そういった活動になってくるのだけれども、その参加の仕方だとか、活動っていうのは、本当に多様性があっていいと思っている。 〇昼間は施設から出て活動することが大切。多くの仲間たちと関わることが大切です。いろんな活動があった方が良い。もっと気楽にいろんな場所で活動を選べるようにしてほしい。 〇中井やまゆり園で暮らしている仲間は、もっと活躍できると思う。何もできない人たちは、支援に問題がある。一人ひとりがどういう暮らしを望むのか、しっかりと話し合って決めたい。 〇母のときにやっていたヘルパーさんが引き継いで僕のヘルパーさんをやってくれた。そこでいろいろ調理とかを覚えたのだが、自分で一番うれしいことは、褒めてもらえることだった。素質があるじゃないかと言われた。今、自分ではもう不思議で、調理するのが楽しくなってきた。 〇日中活動の場で、「行動障がい」の人、自閉症の人には、常に笑顔を忘れないで話かけている。そういうのが、自分にとってすごく嬉しくて、励みになる。家の中にいるよりは、1週間に3回ぐらいは日中活動に出て、僕はすごく今、勉強になっている。 〇いろいろなことを体験してもらい、一人ひとりの可能性をしっかりと周囲が感じていくことが、地域での生活を継続させていくことにつながる。可能性が無限にあるのだという状況を作っていくこと大切であり、それが専門性である。 〇昼間は、夜暮らす場と違うところに行くんだよというような、その場所をどうやって作っていくか。福祉関係者だけでなく、地域の、例えば温泉の人たちにも手伝ってもらって日中活動を考えていくというようなことを、長期展望というよりも中期展望として是非神奈川県で考えていってほしい。 〇入所施設から見た場合の日中活動の場というのは、地域のいろんな資源を組み合わせて用意するということが重要な視点だと思う。 (5)居住支援のあり方(論点〜中事項) 〇住宅セーフティネット法に基づく居住支援協議会等々については、是非県が主導して各市町村にも設置を進め、民間の賃貸住宅が借りやすくなるような仕組みを作っていただきたい。やはり県と市町村の連携が必要な施策が多くあるので、是非そうした体制作りにの充実もお願いしたい。 〇市町村の住宅政策はあまり聞かない。市町村の住宅行政で、公営住宅を持っているところは公営住宅の管理という形でやっているが、一般的に住む場所をどう確保するかというのは市町村ではちょっと薄いということが一般的に言われているので、住宅政策に絡めた居住支援というのは、県のリーダーシップが大事なところだと思う。 〇グループホームを設置するに当たって、何か先にグループホームができて、そこに事業者が利用される方を集めているような流れが非常に強くなっていると思う。本来的には誰と暮らしたいのかという提案を受けて作っていく。入所施設から地域に出たとき、関わっていく人が減っていく可能性が結構ある。地域での関わる人がきちんと増やせるような、関われる人が増えていく、過ごせる場所が増えていくという仕組みを作ることが大切。地域に移ったからおしまいとなると、やはり人生苦しくなっていく。 ○グループホームで知らない仲間と暮らして、すごく人間関係で悩む。施設も同じ。知らない仲間と暮らすストレスはどのぐらいあるんだろうなっていうのを、皆さんにも考えてほしいなと思った。 〇在宅からグループホームに移行する人も非常にたくさんいる。入所施設から地域生活移行を進めていくととが優先されていることから、全体としてグループホームの数に不足が生じ、在宅で生活している人たちのグループホームへの移行は難しくなるだろう。自立生活の一つの方法、方向としてグループホームがあるということを忘れないでやってほしい。 〇入所施設で暮らしている人の暮らしについて、多くの人に知ってもらう必要がある。入所施設のみが暮らしの選択肢ではないことを、施設の仲間にも知ってもらいたいです。そのことを、行政や施設の人たちには、本気に取り組んでもらいたいです。 2地域の福祉資源の充実(論点〜大事項)<第7回> (1)関連分野との連携(論点〜中事項) 〇小学校時代に、療育相談に通っていたが、そこの支援者が学校に来てくれて、学校と相談、情報交換する時間を作ってくれた。学校も前向きであったので、支援者がそういう実践をしてくれたことが良かった。 〇教育と福祉の連携がなかなか難しいと思う。生活保護や児童養護施設の後の行き先のこともそうだが、現状では相談支援事業者が一生懸命やってくれるが、縦割り行政の壁があり、交渉するけど、相手側がシャットアウトすると。当事者の立場に立った支援になっていないという現状がある。そういう視点での政策的な方向に、今後進んでいったら良いと思う。 ○子どもは、障がいがあっても、やはり周りの同じような生活の中で育っていく、少しずつ育っていくんだというのを経験した。教育分野のところで、高校でのインクルーシブ教育については書いてあるが、幼稚園、保育園から小中学校でのインクルーシブな教育というのも、是非位置付けていただきたい。子どもの権利条約、障がい者の権利条約を起点に、学校の職員、また私たち家族も、根本を共有するというところから、みんなで考えなければいけないのではないかと思っている。 ○障がい者雇用の面接を受けた際、人間性を見てもらえるような気がしなかった。面接では、ピープルファーストの活動をしてきたこと話したが、相手には何も関心を持ってもらえなかったと感じた。自分の身の回りにもそうだが、採用側にも理解者がいないと不安になる。 ○施設の仲間が、救急対応が必要なときに、障がいを持っていることを理由に病院から 断れることがある。仲間の命を守るためには誰もが安心して医療を受けられるように体制を作ってほしい。 ○自立支援協議会では、市町村の代表や団体の代表が参加すると報告事項が多くなって、本来のニーズを拾う場としては形骸化している傾向にあると思う。県の自立支援協議会に、将来展望についての検討の部会を設け、実効性のあるものに仕立てると良いのではないか。 〇自立支援協議会で取り上げる問題とか、そういうことを、やはり根本的なところでもう 一度、見直してほしい。今、やはり事業者の情報交換の場になっているような印象がある。 ○自立支援協議会は当事者が誰もいないので、障がい種別それぞれの障がい者と地域の民生委員にも入ってもらうと良いのではないか。本当に私たち障がいの人たちが住みやすい街を、ちゃんと行政がこの街に合ったものを考えて作ってほしい。ちゃんと当事者の声を拾ってほしい。 〇20年というスパンの将来展望を考えると、バリアフリーな設備が必要になってくるというところにも対応してかなければならないのではないか。 ○関連領域の連携については、「ごちゃまぜ」でいくという方向性で我々も考えていくべきだろうと思う。夜間は暮らしてるけれど昼間は違うところに行く、その場所を作っていくことを福祉関係者だけで考える必要はないわけで、例えば地域の温泉の人達にも手伝ってもらって、日中活動を考えていくというようなことを、是非、中期展望として、神奈川県で考えていってほしい。 ○現在、地域生活支援事業の市町村事業となっている事業というのは、地域生活の中でとても大切な事業だが、市町村間で温度差、格差がすごくあって、移動支援などのサービスの利用が難しい状態にある。この市町村事業については、もっと多くの人が使えて採算もとれて皆が喜ぶように、地域生活の実現に向けた見直しを是非行ってほしい。 (2)福祉人材の確保、育成(論点〜中事項) ○「強度行動障害支援者養成研修」の受講の機会をできるだけ増やすという記述があるが、受講生の感想として、この研修を受けて、利用者との関わり方を見直すきっかけになったとか、今までは、支援者目線で支援をしていたが、利用者目線で支援していくようにしたいと思ったというような感想もあり、一定の効果があるという実感がある。これは報酬上の加算要件を得るための研修という側面があるが、できるだけ広く支援者に受講してほしい。 ○「強度行動障害支援者養成研修」の「基礎研修」の後に「実践」というものがある。事務局案ではより高度で実践的な研修の機会を設けるという記述があるが、現在神奈川県の自閉症協会が主催をしている、「自閉症療育者のためのトレーニングセミナー」があるので、新しく作っていくというよりも、既存のものを生かした研修体系を整理していく必要があるのではないか。 ○アセスメントやモニタリングの重要性についての記述があるが、現状では、サービス管理責任者の研修も、基礎、実践、更新というふうに体系化されていて、アセスメントの重要性についてもしっかりと取り上げられている。このため、サービス管理責任者の研修をうまく活用しながら、「行動に課題のある人」の支援に関連させて研修等を実施していくことが必要ではないか。 ○人材育成を施設のあり方と関連させて考えた場合、利用者の障がいの状態像に対応して、どのような研修に参加をしていくのか、適切なカリキュラムが用意された研修を受講できる環境があるのか、そういったこを前提にして、職員の量が必要なのか、質が求められるのかということが大きく変わってくる。そこを切り離して考えることはできない。 ○発達特性とか発達障がいのある子どもたちが、年長の頃には加配保育士がいなくても、クラスの中で過ごしていける力を育てるというのが一番の目的。その時に、本人たちは何もマンツーだとか、いつも人がそばについていなければというのではなくて、周りを見ながら自分でどう動いたらいいかということをずっと学習し続けながら、苦手なところについて相談するという力をつけてもらえると、やっていける。結果として、保育園の段階で、年長になったら加配の保育士さんがフェイドアウトしても、しのいでいけるような、本当に必要なところだけ必要な支援を受けるというような形を作っていくことが大事で、つまり、改めて、ここでもう1回「手厚い」ということについて、マンツーでひっきりなしについているということなのかについて、おそらく違った知見を持っているはずだ。 ○環境とか、マンツーで誰かがいつも側についていなくても、しのげる力とか、むしろその時間で本人が心動くこととか頑張れるものを見つけるとか、それはワークシステム的な取組みなのか分からないが、改めて、「手厚い」ということについて、財源、人というふうな一直線のつながり方ってことについて、1回振り返ってほしいと思う。 ○「手厚い」というのは、人の問題ではないと思っている。よく身体拘束が行われているような施設に行くと、人手が足りなくて、拘束せざるを得ないような話が出るのだが、他の入所施設も人手の数は一緒だ。むしろ県立施設の方が手厚い配置になっている。人手の問題とか予算の問題ではなくて、暮らし方の問題なのだと思う。 ○暮らし方というのは、当然いろんな要因がある。環境要因であったり個人の要因であるとか、そうした複合的な要素が組み合わさって、一人でできたりとか、意欲的になれたりとか、逆になれなかったりとか、そういうものがある。関係発達の問題も含めて、しっかりと捉えていかないと、ただただ構造化していくような、人手がないから構造化するんだ、という話に陥っていく危機感を常に強く持っている。とにかく暮らし方の問題であって、人手の問題ではないということを伝えていきたい。 ○人材を集める意味で、神奈川でこういうことをすると働きやすいよ、というところを県が主導して、今、いろんな配信ツールがあるので、是非、知事に音頭を取っていただいて、神奈川のこういった福祉の職場、人材の魅力だけでなく、神奈川のすばらしい自然環境や住環境についてアピールをしていただけるといいかな、と感じました。 ○共生社会を推進していくには、小学生や中学生、若い年齢へのアプローチというのはとても大事だと考えている。20年後を考えるには、その小学生たちももう社会人になっているわけなので、そこに関心を持ってもらうきっかけ、仕組み作りが大事なのかなと思っている。 ○夏休みに高校生の福祉体験の学習というのがあるが、福祉でも保育、高齢、障がいとあって、高校生が自由に選べる。圧倒的に人気があるのはやっぱり保育。そのあとが高齢、障がいが最後で、大体割合的には7対2対1。ただ、体験をしてもらうと、100%の人が良かったと必ず言ってくれる。いかに関心を持ってもらうかが大事。 ○現在、グループホームに住んでいるが、優しくて精神的に強くて、お金を預けても信用できる職員が良い。職員は壁にならないで、みんなを支える柱になってもらいたい。私の職場の、強度の激しい行動障がいがある人と言われる人が、周囲や自分を傷つける行動をしたときに、なんでそうなってるのかな、集中力が切れてきたのかな、それを知らせるためにアピールをしているのかなと、何かを言おうとしているのかな、と私は考える。なぜかというと、いつも職員と仲間は一緒に失敗したり謝ったり、喜んだり悲しんだりして、お互い考えているからだ。仲間と一緒に成長しあえる職員が良い。諦めず、いろんなことをチャレンジしてくれる職員が必要。職員は夢を持ってもらいたい。その夢を自分にも、語ってもらいたい。 3障害者支援施設のあり方(論点〜大事項)<第7回> ○県立施設の役割を考えるときには、県立施設だけを見ていても、どうしようもないというところがあって、県立施設が現在置かれている状況というのは、神奈川県の地域社会全体を反映しているわけなので、例えば日中活動を外に出ていくんだといったって出ていく場所がなければどうしようもない。 ○夜間暮らしてるんだけど昼間は違うとこ行くんだよっていう、その場所をどうやって作っていくかという、それができる法人あるいは団体と、そうじゃないというところがあると思う。別に福祉関係者だけが、それになる必要はさらさらないと思う。温泉の人たちも手伝ってもらってみたいなことを考えて、日中活動を考えていくというようなことを、長期展望というよりも中期展望で、是非神奈川県で考えていってほしい。それが県立施設の役割を変えて、決めていくときに、短期入所が主流になると思うが、そういう時の県立施設の役割ってなんだっていうことを考えたときには、地域を見ていく、これが重要だと思っている。 ○県立施設が制度の問題ではなくて、暮らし方の問題なんだというところで捉えなければ、県立施設ほど人員がたくさんいる場所はない。民間の方が圧倒的に少ない人員でやっている。人の問題やお金の問題ではない、暮らしの問題なんだというところを是非捉えてほしいと思っている。 ○施設が縮小するなら、施設で暮らしている仲間たちの夢を持てるような行き場所を作ってほしい。誰とどんなところで暮らしたいのか、聞いてもらいたい。いろんな暮らし方を教えてもらいたい。 ○神奈川県の県立施設の利用者の相談支援をどうするかということが今課題になっている。相談支援をやる事業所があるんだけれども、実は利用者には全然手が届いていないという課題。外部の目が入っていないということなので、これをまず充実しないといけない。実際にそこで暮らしている当事者の生活を見るという、それも外部から見るという人が殆どいない状態に今、神奈川の県立施設はなっている。これが一番の問題だと思う。だから、神奈川の県立施設が孤立した状態、社会から孤立しているっていう状態を改革しないといけないと。これが今の課題だと思っている。 ○今県立施設で行われている支援について、外部かあるいは内部か分からないが、その相談支援、計画相談というものがどういうふうに立てられているのかということを、まず見直すべき。 ○施設が必要な状態の時があると思う。施設が必要な状態の時は、心も体も傷ついている。ただ入所させて管理するのではなく、傷を癒せる環境が必要。そんな環境がない施設なら、ないほうが良い。できればプライバシーが守られた施設が良い。 ○障害者支援施設については、利害関係者というかステークホルダーとかいろいろ立場によって、いろいろ見解が異なるので、これが本当に20年後上手くいくかなということをちょっと危惧するところがある。 ○まだ支援費制度の時、ある県の知事が「施設解体」という言葉を強く打ち出した。しかし、知事が変わり、その「施設解体」宣言が出されたコロニーは、新たな施設に建て替えら、また同じものが作られたというふうに聞いている。施設と地域というのは、ある意味で対立させた方がいいと思っている。施設ではなくて地域なんだということ。地域生活を阻むものが施設だというふうに考えないと、入所施設の利用者数は減少せずに地域移行も進んでいかないということがずっと続くというふうに考えている。これがまさに20年後の姿かなあと思ってしまう。 ○障害者支援施設の必要性を含めたあり方について、今後の方向性ということも含めて、私はこの線でいいのではないか。20年後は役割の縮小と転換ということ、こういう方向だと思っているが、入所施設に頼るような障がい福祉からの脱却ということも含めて、少し強めの言葉でもいいのではないかなと思っている。 〇障害者支援施設の必要性のあり方をどう考えるかで一番下のところに、神奈川全体の施設の状況とあって、平成22年度の実績が、入所者数は、少しずつ減っているということだとは思うが、依然として、神奈川の場合については、1000人ぐらい増えている。これはどういうことかちょっと確認したい。国全体としては14万人から12万8000ということで、だんだん少なくはなっているが、神奈川はどういう状況なのか。(事務局確認中) ○国も障害者自立支援法によって、施設から地域への移行、グループホームほとんど多く増えているが、入所者数を減らしていこうということでやってきた。最初の方はいくらか入所定員減ったが最近はちょっとそれが鈍ってきている。当然だが、重度の方であるとかあるいは高齢の方がいるということで、そうなってきたというふうには思っている。鈍ってはきているが、まだ12万人の人が入所しているということも含めて、0にすることはなかなか困難だし、100年かかる。 ○施設と地域は対立しない、二者択一ではない、このことばは正しい。最初の頃は、対立をしないで地域のサービスをだんだん増やしていけば、施設入所の人たちの数も減るのではないかという想定のもとで期待していたが、結局は。在宅のサービスが3倍ぐらいに増えているが、施設入所の数はそれほど減少していないというのはまさに、これを物語っているのではないか。そういうことを含めていけば、考えれば、20年後もなかなか減らないどころか増えているのではないかと。神奈川県も増えているのではないかというふうに考える。非常に悲しいことだが。 4当事者目線の徹底と権利擁護の推進(論点〜大事項)<第7回>  (1)本人活動の充実(論点〜中事項) ○他の障がいを知ることは大事だし、他の障がいのことで私は差別をしていることも多い。だからやはり、仲間同士もそういう研修をやった方が良いと思う。そのために、当事者同士の研修会を作ってほしい。 ○今回の報酬改定で、ピアサポーターの養成研修の充実というのが求めらることになった。意思決定支援の支援チームの中に、ピアサポーターの参加の奨励というふうに記述があるが、この中に入れるのではなく、障がいを持った人が障がいを持った人たちをサポートするという仕組みとして、20年後の障がい福祉を考えたときに重要な視点だと思うので、このピアサポーターの拡大というところは別立てで議論、意見として挙げた方が良いのではないか。 ○障害者自立支援協議会の委員に関しては非常に興味がある。神奈川では、委員会の全てには当事者は出ていないんじゃないかと思う。鎌倉市とか藤沢市とか、横浜市はほとんど当事者委員がいない。自立支援協議会委員には当事者は誰もいなくて、専門家が多かった。 ○自立支援協議会は見えてないところがあって、バリアフリーのマップ作りましたとかいうけど、私たちの望みは、そういうものではなく、本当に私たち障がいの人たちが住みやすい街って何か、ちゃんと行政がここの街に合ったものを作ってほしいと思っている。発達障がいがいたり、内部障がいがいたり、中途障がいがいたり、全部の障がいの人たちと議論をして、ちゃんと当事者の声を拾ってほしいなと思う。 ○自立支援協議会で取り上げる問題をやはりもう一度、根本的なところで見直してほしい。私の印象では、やはり事業者の情報交換の場になっている感じがある。当事者の意見を聞くということも本当に必要だ。 ○ピープルファースト横浜の活動を通して、自分に自信が持てた。自分の思っている話をしても大丈夫だと知った。自分のことを話せるようになり、仲間が増えた。仲間はたくさんの場所と友達が必要。施設の仲間も同じ。施設で暮らす仲間とピープルファースト横浜の交流をしたい。 ○本当に今、神奈川の本人活動って、私自体も分からないことだらけ。というのは、横浜にピープルファーストができたっていうのも全然知らない人たちだった。私から知事にお願いしたい。まずは、私たち神奈川の当事者活動が何個あるのかを是非一緒になって、協力してもらって作りたいなと思う。そのために、是非お金をください。私たちの活動のため、というのは、私達当事者は、いろんな当事者団体があっても、活動資金がまずない。素直に本当に支援者の交通費も出せない。私がやっている「にじいろでGO!」も交通費がいつも出せていないので、そういう意味では、皆さんに当事者活動をよく知ってもらいたいので、是非この時間を使う前に、できたら2月か3月に1回、私や冨田さん、小西さんの本人活動を10分ぐらい時間をもらって活動紹介をしたいので、協力をお願いしたい。 ○是非、神奈川の知的障がいって何だろうと言われたときに、まず神奈川には、いろんな本人がいるよっていうのを交流させてほしいし、是非そこで知事にもいろんな意見も求めたいと思う、というのをお願いしたい。それで今回、私はこの本人ネットワークを作るためには、まず障がい当事者団体の数は何個あるんだろうとか、あとどんなところで、何に困っているんだっていう当事者なりに発信をして、アンケートを作って、そこを神奈川県の全部の、いろんな皆さん、ここの業界の方にもお願いをして、うちにもこういうアンケートがほしいですとなれば、書いてもらって、それを集めて、1年に4回ぐらい仲間を集めて、そこで議論したいなと思っている。まずは地域で自分たちが活動することで、施設の仲間がどういうふうに、この先、仲間を投入していいのかっていう連絡場所にもなると思う。それをまず作る部隊を作りたいなと思って、今回お願いしようと思った。 ○今まで、身体障がい者にはいろんな団体があるが、知的障がいは、そういう団体がなかった。神奈川県の育成会とピープルファーストは仲が悪い。今も。そこが本音。だからそこで、ともに一緒に歩まないといけないと思うので、まずはここからスタートだと私は思っている。それは、神奈川に住んでいる人間なので、是非一緒に何かやりたいなと思っています。それに対して情報交換の場所も作らないといけないと思うので、まずはお互いのことを知ろうよって。そのためにはお互い、いろんな情報を頂きたい。よろしくお願いしたい。 ○今回、本人ネットワークを作る課題として、今ちょっとお願いをして、いろんな私たちの当事者が福祉新聞等を、情報の新聞をちょっと作りたいなと思っている。いろんな新聞記者の方にもご協力してもらって、一緒に記事を書いて、もともと私は全日本育成会で委員をやったときに、「ステージ」という新聞が昔あった。分かりやすい情報をと言って、新聞記者の毎日新聞の方と一緒に本人向けでいろいろ記事を書いて、1年間で3回、3か月ごとに出してて、それは事件とか、今回私は事件もそうだし、神奈川の住んでいる町の情報も載せたいと思っている。例えば、神奈川大学に新しい国際交流があるみたいだよ、あそこの食事はフレンチがおいしいよ、でもいいと思うので、そういう情報誌に載せるといいのかなって。いっぱいいろんな情報を載せる新聞があると当事者のみんなが見て、そこで、是非私がお願いをしたいのは、「知事マスコミまみちゃん」っていうのを載せて、知事に私が直接行って、知事のお昼ご飯は何を食べていますかっていう記事とか、知事のプライベートをのぞいて、ちょっと取材をしたいなと思っている。よろしくお願いしたい。 ○大声を出す人がいたから、もうしつこいからって言って、「やだ、やだ」なんて、本人がいる前で言っちゃうからね。それは、僕はちょっとびっくりした。彼女に聞いたんです。よっぽど嫌なのねっていうふうに言ったら、そういうふうに言っていた。彼のことよっぽど苦手、嫌なのねっていうから、「ちょっとつらかったね」って僕言ったんです。そういうふうに言ってあげると、分かると思うんですよ。何でそんなことするのなんて言っちゃいけないと思うんですよ。だから、もう常に、自分も優しく冷静にならないと、それは難しいと思う。本人活動をやるにはね。 ○神奈川では、かつて身体障がい当事者の方が「青い芝の会」を結成し、バリアフリーであるとか障がい福祉の向上に努めたという歴史がある。神奈川県の協会でも、当事者の声を盛り込んだ「あおぞらプラン」を作っており、当事者活動というものが神奈川の歴史的にもいろいろな形で行われてきた。是非ピアサポーターを含めた当事者活動の活性化というのは、将来に向けてやっていただきたい。 ○当事者の方たちの力をこれから強めていくということはとても大切なことだ。多分、当事者の人たちが障がい者福祉、あるいは現場を変えていくという力を持っていると思う。虐待防止あるいは意思決定支援も含めて広い意味での障がい者の権利擁護に、当事者の人たちに是非関わっていただきたい。 ○精神障がいの分野では、ピアサポーターという制度があり、また、研修のシステムもあって、専門的な観点からピアサポートする人を養成していくという仕組みができてている。かなり時間が経って効果を上げていると思う。是非、知的障がいや発達障がいの人についてもピアサポーターとしての力を発揮するような、そういう勉強の機会が必要だと思っている。 ○本人と現場あるいは本人を支える人、本人をエンパワーメントして、本人たちがもっともっと力を出せるような支援者、媒介者というのは、支援費制度のときに市町村生活支援事業の中に、本人を支える、当事者運動を支えるための支援者を養成してくださいという、確かに事業を作った覚えがあるが、まさに私のイメージだと媒介者であるとか、そういう方がいて初めて、本人たちが力を発揮できると思う。そういう仕組み、システム、それと、きちんとした予算が未だないので、神奈川県からまず作っていけば、すごい最初の機会だと、是非協力したい。研修のシステムであるとか、支援者のシステムそのものを作ることが必要だと思っている。 ○ピアカウンセリングを行うというのは、これからやった方がいいと思う。ピアカウンセリングはやっぱり、これからどんどんいろんな方がいますし、そういうのが必要。仲間のことを聞くってことですよね。僕ももう実際毎日やっているけれども、施設の方で。職員の次に、自分のところに来てくれる。毎朝、もうそれが日課になっている。僕にとっても。人数を数えきれないほど来ます。十数名以上ですかね、施設の中で、1日に話す人が。もう1人、この前、彼が言ってました。冨田さんと話したいから納品に行くんだよとか、それは職員によく頼んでます、最近。それでいいと思うんですよ。やっぱりピアカウンセリングっていうのは必要だと思います、これから。僕もあったら研修したいですね。ピアカウンセリングのを。 ○相談というのはすごく難しいテーマだと思う。というのは私たち知的障がいの仲間って一部の仲間は、相談事業所にちゃんと福祉サービスとして受けてる仲間も多いけど、中には私みたいに受けてない仲間もいる。というのは私たちは支援者がいるからそっちにみんな、流れちゃう仲間も多い。それを皆さんに考えてもらいたいなって思う。 ○いろんな全国の施設をお邪魔をすると、やっぱり相談ってすごく下手だなあと思いながら見ている。本当に施設の人って風がない。私たちが入ってもお邪魔しますって、堂々と施設には入れない。わざわざ何の理由です、こんなことで話を聞かせてくださいってわざわざ職員に通して、本人に聞くから、そんな悪いけど直接本人に聞きたいから、本人に直接会わせてって私は、毎回お邪魔するとそういうふうにすると、何かすごく職員の目がすごいなんか、ピカピカって光ってるように、何か目つきが悪いなと思いながらいつも行くんです。 ○まずは本当に、施設に私達当事者がどんどん入れるペースで、本人の声を聞いて、本人同士のピアカンが大事だと私は思うんですけど。なんか周りの職員の配慮もしてほしいなっていうのがお願いしたいです。 (2)虐待ゼロの実現に向けた取組み(論点〜中事項) ○権利擁護の部分のところで、ヒヤリハットの事例を素早く把握という記述がある。当然ながらヒヤリハットは大事な取組みだが、今回、アセスメントのスキルを上げるという観点から「にこりほっと報告」を紹介したい。これは日本知的協会の方のサポート誌に書いたQ&Aだが、アセスメント力を上げる意味で、利用者との関わりの中で、ニコッとしたこととかホッとしたことについても、事例として積み上げていくことが大事だ。 ○入所施設等での虐待報道には不安しか覚えない。多くの仲間は、いつ自分が虐待を受けるか分からないという不安を抱えながら暮らしている。不安が高まって、暴れてしまった時には、また施設に入れられたらどうしよう、また虐待されたらどうしようとさらに不安が高まる。虐待という言葉は多くの仲間に不安を与えていることを知ってもらいたい。 〇実際に県立施設を見学させてもらった。そこで暮らしたいとは思わない。県立施設から僕の職場に移ってきた人たちがいるが、県立施設で暮らしていた時は表情も暗く、何もできない人とされていた。身体拘束や鍵もかけていた。社会でうまく暮らせないと鍵の中での暮らしにされてしまうことが不安だ。 〇僕の人生で何度か不安が強い時があった。でも良い仲間に出会って、何度も立ち上がれた。今、僕の職場では、職員と仲間が一緒に作業や遊びなどを通して、背中を押したり、時に引いたりしている。かかわり合いがあるということです。信頼を積み重ねる努力もしている。信頼を積み重ねるために、お互いの夢や望む暮らしを語りあっている。もしうまくいかない時には、語り合いながら、最後はお互いに謝っている。分かり合える瞬間でもあります。そのような信頼関係の積み重ねがあることで、みんなが笑顔でバーベキューに行ったり、いろんな活動が出来る。失敗しても許される環境があるからです。 ○虐待のことだが、まずは障がいの仲間が虐待されたことに気が付いてもらってほしい。結構周りの仲間って、虐待なのか、セクハラなのか、いじめなのかが、区別ができない。 ○厚生労働省の委員をやったときも、すごくいじめと差別と虐待は見えないから、余計分かりにくい。それで私たち仲間同士だって、いじめやった時だって虐待になっちゃう可能性もあるよねってよく思う。 ○私たち当事者だって、この障がい者に対して虐待しちゃう可能性もある。でもそういうものが何もない。日本全国。例えば、こういうことが虐待ですよ、こんなことがいじめですよ、こんなことが差別ですよっていう、見えてない言葉って多いと思う。例えば鍵を閉めましょうって言ったって、私たまに自分の家で閉じ込められちゃうことがある。それは朝、鍵を自分で忘れて、ピンポンしても、うちの家は反応しない家なので、「やばい。私、鍵忘れた。どうしよう、どうしよう」って焦るくらい、それって虐待なのか差別なのかって言われちゃうと、そこもミソだと思うので、是非本当に、本人さん用の行政研修も必要だと思うので、是非お願いしたい。 ○当事者の人たちの力をこれから強めていくということはとても大切だと思っている。多分、当事者の人たちが障がい者福祉、あるいは現場を変えていくと、そういう力を持っていると思う。虐待防止あるいは意思決定支援も含めて広い意味での障がい者の権利擁護に当事者の人に是非関わっていただきたい。 〇虐待防止法に基づく委員会設置などが義務になってくかと思うが、おそらく障がいを持った当事者にとって、合法的に拘束が許されるような形になる場合が出てくるのではないかと危惧している。福祉事業を営む者にとってのコンプライアンスは、制度に対してではなくて、やはり障がいを持った人の幸せに対してコンプライアンスを考えていくという、そういった考え方が重要になってくるのではないか思う。 〇コンプライアンスとは英語で、いろんな基準とか法律のこと。そういうものを守っているかどうかという意味合いだ。虐待という言葉は、英語で言うと「アビューズ」なのだが、アビューズって「乱用」のことだ。だから、その人が持っている権限とか役割とかそういうものを乱用している。それがコンプライアンスじゃないよ、という話です。だから本来あるべき姿あるいは責任というものを果たしていないという、それが虐待だという、そういう話になってくるということ。 ○身体拘束も含めて、あるいは次の地域生活に向けて、いろんな可能性が出てきて良い結果を生むということであれば、やっぱり意思決定支援は大切なのだから、これを全県に広げていくという方針をとっていただきたい。是非、全県あげてやっていただきたい。 ○中井やまゆり園の不適切な支援について、各市町村に通報というか情報提供したが、その情報提供を受けた各市町村の中で、施設を見に来た市町村が1か所しかないということだった。見にも来ないし調査もしない。要するに県立施設がどういうような状態になっているかというと、もう孤立しているということだ。孤立する中で相談支援なんか何もない。誰が相談を聞くのか、誰が計画を立てるのか。 ○法定の設備であるので、法律上の書類は整えてあると思うが、実際にそこで暮らしている当事者の生活を見るという、それも外部から見るという人ほとんどいない状態に、今の神奈川の県立施設はなっているということが一番の問題だと思う。だから、神奈川の県立施設が孤立した状態、社会から孤立しているっていう状態を改革しないといけない。 ○中井やまゆり園の不適切な支援についての情報提供に関しては、県立施設であるからには、県庁も情報提供して終わるのではなくて、どういう事態が起きているのかということをしっかりと見守ってもらいたい。でないと入所施設が孤立してしまう。入所施設単独では改善できない問題がたくさんある。そういったことを今まで議論し、もう実践する時だと思っている。是非、県立施設などで身体拘束をされている人たちの暮らしについて、しっかりと皆で見てもらえるような体制を作ってもらいたい。 〇身体拘束をされ、一生自由を奪われていく環境があることを知った。自分の気持ちをを伝えて、分かり合えない結果、身体拘束になると大きな不安を持っている。自分や仲間たちは望む暮らしや、目指したことに向かっていく努力ができると思う。望む暮らしや、目指したいことを上手に言えないときもたくさんある。自分や仲間たちは悩みもがきながら暮らしているときもある。そんな時しっかりと話を聞いてくれず、一緒に悩みもがいてくれる存在が大切である。仲間が一方的に暴れているんではなく、分かり合える時間があるということを理解してほしい。  ○やはり県立施設は課題が大きい。今県立施設で入所系の場所が7か所あるわけだが、その中で、1日10時間以上身体拘束されているとか、2時間拘束されているとか、居室施錠を受けているという人が何人かいるという状態の中で、それを計画相談の人が入っていて、それでいいんですというふうに言っているのかっていう話だ。そんな相談だったら、やらない方がいいというふうに私は思う。県立施設がそういう状態だったとすると、県立以外のところで何が起きているのかっていうところに広がっていくわけだが、まずは、今県立施設の中で起きていることを、その相談という観点から、もう一度見直してみる。そういうことが必要だ。 ○関係者は、必要であれば集まる必要がある。その時に、当事者抜きで集まっているのではないかというのが、今中井やまゆり園を見ていて感じていることだ。  ○サービス等利用計画が、身体拘束の情報提供があるにもかかわらず変えられず、支給決定が続いているということ。そうすると、やはり入所している当事者は、もう救いようがなくなってしまう。相談員にも市町村のケースワーカーにも見放されているという形なので、是非、こういったケースは、サービス等利用計画を書き換えた上で、市町村にもそのことについて、支給決定をどうするのかを含めて考えてもらいたい。 (3)意思決定支援の推進(論点〜中事項) ○今まで意思決定を十分に試みたことがない人たちへの試みなので、半年や1年で済むという話ではなくて、時間が必要というご意見があったと思う。私も同じように感じた。意思決定支援の丁寧な試みが必要で、大事だということを意見させていたいたが、だからといって、安易に先延ばしにしたり、できない探しを始めると、きりがない。私も、地域の人たちとともに、この当事者目線の支援を推進していくために、今、何ができるか、実践、実行していきたいというふうに思っている。 ○神奈川県においては、今回の事件を通して、権利擁護に関する研修及び人材の育成、意思決定支援というものがだんだん根づいてきたと思う。すべての個別支援計画について意思決定支援の観点からどうなってるかをチェックしていくこともできる可能性があると思っている。 ○支援の可視化であるとか、神奈川版意思決定支援ガイドライン試行版を作成するという記述がある。また福島県の協会の例が書いてあるが、日本知的障害者福祉施設協会で、「現場で活かせる意思決定支援」という本を書いたときに、福島の古川さんから、こういった書きぶりがあったというところで、言葉の意味もちょっと整理をするという点を含めて、今日資料提示をさせていただいた。  やはり育ちの中での経験、体験というのはとても大事であって、そういった経験と体験ということがやっぱり意思を表出していくことになるだろうという、これは一つの整理である。ただ、今この委員会でも課題として話題になっているが、意思決定支援という言葉が独り歩きをしてるところが正直言ってあって、なかなか浸透しきれてない。現場でも計画にどう反映したいのかというところが分からないという意見がある。  そういう部分でこのガイドラインなり可視化のところでの提案だが、一つは、なぜ今、意思決定支援が必要なのかというところに立ち返って、このガイドラインを作るというところが、現場の支援員にとっても大事な視点じゃないか、それから、意思決定支援を行えば、これは全ての方が分かっていると思うが、全てがOKじゃないということ。意思決定支援を行うに当たっては、まずこうだろうという仮説からスタートして、仮説を実証していくというプロセスが大事だといったところ。是非検討いただきたい。  何か会議を開いて、一つのことを決まれば、全てが終わりではなくて、こうだろうというところから始まって、積み上げて、何度も何度も積み上げて議論をしていくということが、意思決定支援の中で大事だろうと思っている。 ○意思決定支援会議の進め方について、たくさんの支援者の中で話をすると説明を受けました。想像すると、緊張してしまい、頭が真っ白になるのではないかなと感じた。僕は、その意思決定支援会議という会議の中で作られた紙一枚で自分の人生を決められたくない。僕の思いは変わります。変わった時に話を聞いてもらえるのでしょうか?それとも一度言ってしまったら、それが全て自己責任になるのでしょうか?とても不安だ。 ○意思決定支援という言葉は支援する側の強い言葉に聞こえてしまう。 ○意思決定については、最後どこがゴールなんだろうって、私はすごい疑問がある。というのは、神奈川県がやっている意思決定が資料にも何にもないし、津久井やまゆり園の本人たちにどんな調査をしているのかも全然見えてないので、是非いつかこの会議の議論で一度、県の職員の人に津久井やまゆり園の仲間に何をやっているのか、実際モデルでやってほしいなと一つお願いしたい。  それともう1点、意思決定は、いつも私は、にじいろでGO!という活動を通して、最後は自分ひとりでサービスプランができるといいよねって、それが意思決定につながるといいよねって考えている。自分で計画サービスを作り、自分の意思で決めたサービスが毎月できるといいのかなあというのを、来年度のにじいろでGO!の目標にするよう、私はみんなにお願いをしようかなあと思っている。  ゴールが見えない意思決定支援なら、それはいらないものだと私は思う。自分で決めました。でも実際に証拠も何もない。でも、「自分の意思でサービスを変えました」と自分でサービスを変えられると良いのかなと思って、それを来年度、にじいろでGO!の課題にしようと思っている。 ○意思決定支援という言葉が独り歩きしているというような発言があったが、私もそのとおりだと思う。意味がよく分かんない。意思って何だろう、決定って何だろう、支援って何だろう、みんな意味がよく分からなくて、分かんないことが三つも並んでいると、全くさっぱり分かんなくなるという、そういう状態になっている。  ただ、今我々が意思決定支援、意思決定支援と言っていることの一番の大きなポイントは、今までご本人の思いというものを全く無視をしていたという、そういう支援環境を変えるんだという、そういうことが全国的に問われているし、動きとして大きなうねりになっているということなんですね。 ○ゴールが見えないという意見、また、自分で決定したら自己責任が問われるのかとのご発言、それらについては、何度かこの委員会の前の検討部会で発言したかと思うが、人間は悩むんです、ということなんですね。決定はもちろんした方が良いのだろうが、決定した後も迷いますということ。失敗する人もいるだろうし、判断を間違える人もいるんだけれども、この領域の決定は自己責任を追及しない決定。  まずかったねって言ったら、次も続ければいい。だからゴールはないので、ずっと支援し続けるんですと。そういうことなんです。それが意思決定支援というものの本質だというふうに思っているし、そういうふうに考えている人は、世の中、日本社会の中にはたくさんいる。間違ってもいい。失敗してもいい。またやり直せばいいんですと、そういうこと。 ○意思決定支援の津久井やまゆりのゴールは何だったのか。これは全く私見であって、間違っているかもしれないが、意思決定支援のゴールは地域生活ではないか。そういう意味では、なかなか地域生活の実現というのが困難だというのは、意思決定支援の検証という観点からいくと、うまくいかなかったんだというふうに捉えている。私もいろいろ講師も担当して責任を感じている。  誰一人として、本人の意思で施設に入っていなかったわけなので、もう一度聞き直して、地域での生活をどのように考えていただくかという機会、これがゴールだと考える。これしかない。それなのに、本人が言わなかった、分からなかった、できなかったということで、私としてはあんまりうまくいかなかったんだと。これからどうするかということが重要だと思っている。 ○入所が一個しかない事業所ほど本当はモニタリングってもっと回数を多くしなきゃいけなくて、その時に、なんでモニタリングする必要ないかっていうとサービスが変わらないからだ。何か本人の心が動くような、こういうところを経験してみたいなとかこういうところに行ってみたいと思うような、何かそういう経験の中で本人がいいなと思ってくれなければモニタリングって必要なくなっちゃう。  入所施設ほど、本人に見てもらったり、体験してもらったり、見学に行くっていう機会を作りながら、本人の表情や振る舞いからモニタリングしたがっているっていうふうな仕組みに変えていかないと駄目だ。  入所の人こそモニタリングふやさなきゃいけない。制度当初は年に1回でとされていて、途中から年2回になっていたが、むしろ生活が全く変わらず、変化をつくり出してくってことが、不本意ながらできていけない方たちに対してこそ、振り返るためのモニタリングが大切。モニタリングするためには、何かを見てもらったり経験してもらわないと、心が動いてこないわけでしょ。何かそういうような、現場、現場の営みを始めてってほしいと思う。  そういう知見っていうのは、てらん広場などの先駆的なところがたくさん持っていると思うので、そういうところと法人間の連携が生まれていけば自然にそれは法人間自立支援協議会になっていくはず。そういう行動に繋がってほしい。 ○意思決定支援という言葉は、意思がない、決定ができないという考えから生まれた言葉と感じた。 ○自分の思いは揺れています。この思いが揺れた時に話を聞いてもらいたいです。思いが上手に出せない仲間たちの声を真剣に引き出そうとしてくれる職員や、継続して関わってくれる職員が必要です。意思決定支援という言葉が良いとか悪いとかでなく、人が人を思うということを真剣に考えたときに、意思決定支援という言葉が必要なくなるんだと思います。 ○意思決定支援のチームが、「強度行動障がい」と言われる人たちが、子どもの時からの今まで大人になるまでの経過で、なぜそうなってしまったのかということを考えて、その状況を把握するためのやり方、具体的な方策ということをやっているのか、ちょっと不安というか、分からないところがある。  私はやはり、「強度行動障がい」の人は、もう大人になっているので、子どもの時からのいろいろな経過を、家族も含めて皆でそれを遡って確認して、その中で一つひとつ、本人がそれを克服していくというか、こだわりとかをなくしていくということをやっていくことが大切で、今の現象に対処することだけやっていくというのは、なかなか最終的に解決にならないのではないかと思っている。そういう考えを盛り込むべきではないか。 ○日本語で「意思決定支援」って言うが、外国にはあまりない言葉で、これは要するに、自己決定の支援のこと。自己決定の支援と言ったときに、本人がお決めになるということは当然前提なのだが、他の人に関わりのない決定を本人が行うんだったら、それは自己決定というふうに言っても言わなくても、どうでも良い。勝手に決めればいいので。  本人のことを本人が決めるんだけれども、そのことによって、周りの支援者が影響を受けるという、そういう状態のときに、本人の意思をどこまで尊重するかと、こういう問題になる。  だから、非常に微妙なのだが、周りの人間が関わるので、一人っきりの決定ではない。自己決定というのは、必ず周りで影響を受ける人がいる。だから、その周りで影響を受ける人たちが、その本人の決定をどこまで尊重できるか。あるいはどこまでそれを支援するか。あるいはどこまで誘導するかという、そういう問題に常に関わってくる。そういうものが、意思決定支援の問題だと。したがって、支援者のセンスが、ものすごく重要となる。 ○変な人だから、もうどうしようもないのでというふうに言ってしまうと、もう何の支援もできない。閉じ込めるしかないと。そんなことは支援にならない。本人の意思があって、本人が自分のことを自分で決めるのだが、自己主張もしていて、でもそれは変だよねっていったときに、どういう支援をするのか。それが今、意思決定支援という名のもとに問われている問題だ。 ○意思決定支援という取組みは地域移行とセットだと思っているので、どれだけ本人の願いが叶えられたか、あるいはどれだけ実現できたか、という効果とセットだと思っている。そういう意味では、意思決定支援は、本人の望む生活などがどこまで実現したかということをきちんと評価していく必要があると思っている。至らないなら至らないなりに、それは補いながら、次に続けていくということをやらないと発展しないのでと思っている。 ○津久井やまゆり園での身体拘束がなくなったという説明があったが、地域移行は別にして、意思決定支援の取組みにより、身体拘束がなくなったということであれば、私は、これは外向けに出しても良いのかなと思っています。ただ、他の施設では未だ身体拘束が続いていて、これから意思決定支援も含めて支援の改善が始まるということであれば、何か他のところがまだ身体拘束をしていながら、本県の意思決定はこうですと、津久井やまゆり園に限ってならいいのかもしれないが、何かそこはちょっと違うかなと。  まだ実現していないようなことについて、大々的に報告するべきではないと心配するところで、やはり、ここまでできたという成果を示しながら、謙虚にやっていくことが必要だと思っている。ただ、津久井やまゆり園で、もし身体拘束も含めて、あるいは次の地域生活に向けて、いろんな可能性が出てきて良い結果を生むということであれば、やはり意思決定支援は大切なのだから、これを全県に広げていくという方針をとっていただきたい。是非、全県あげてやっていただきたいと思っている。 5地域共生社会の実現(論点〜大事項)<第8回> (1)地域包括ケアシステムの対象拡大(論点〜中事項) ○私は地域のことをすごく大事にしている。何回も言うことになるかもしれないが、まず常に僕が大事にしていることはあいさつだ。あいさつをするとその人と、話しやすくなる。だんだんと。自分はあいさつから始まって、今は調理ができるようになったと思う。 ○日常的に、山下公園を障がい者がワーッと走り回っているみたいな風景が神奈川でできてくると、神奈川の地域づくりが進んだということになるのかな、というふうに思っている。 ○一緒に外出したり、おいしいものを食べたり、話をしたい。施設で暮らす仲間と居場所づくりや友達作りにつなげてほしい。時には、地域の人とも話したり、叱られたり、認められたりする時間も必要。施設で暮らす仲間たちの命が輝ける暮らしは、施設で暮らす仲間たちだけでは実現できません。 ○障がいのある人の暮らしという観点で「共生」ということを議論しているが、その一方で、地域共生社会づくりという流れがあるので、その二つがうまく合うようなことで、これからの意見等を参考にしながら進めていきたい。地域包括支援センターをベースに取り組んでいる自治体の事例を紹介していただいたが、地域包括ケアシステムを広げていくためには、地域の人たちに、障がいとか子どもとか、いろいろなことを分かってもらわないといけない、そういう観点で取り組んでいく必要がある。 ○システムづくりもいいと思うが、利用できなければ意味がない。地域の中に様々なサービスを利用ができる場所があっても、家の人と一緒にサービスを利用できる人もいれば、人に話すことが苦手だと、思うように伝わらない、自信が持てず、利用ができない人もいる。そういう人たちが利用できるようにするためには、必要なときにサービスに結びつけてくれたり、相談に乗ってくれる人が必要。 ○昔はケースワーカーがよく来てくれて話をしてくれた。最近はそういう機会も減った。きちんと関わってくれないと、仲間たちが孤立してしまう。一緒に考えたり、悩んだりしてくれて、自分のことを理解してくれる存在が必要。 ○医療では施設の仲間が、救急対応が必要になったときに、障がいを持っていることを理由に病院から断られていることがある。繰り返しになるが、仲間たちの命を守るためにも、誰もが安心して医療を受けられるようにしてほしい。 ○やはりもちろんシステムも大事だが、最終的にはちゃんとサービスにつながるということが大事だということ。 ○包括的な支援となると、多職種連携とか超職種連携とか様々な分野の協議会がさらに連携し合っていくという話になるが、長野でも平成27年から29年度まで、地域生活支援拠点をベースにした障がい者分野の包括体制を作ろうというので、3年間取り組んだ経過がある。それぞれの分野で、包括連携の実態的な風景を作っていなければ、さらなる包括ケアシステムを作っても、結果的には問題は先送りになっていくだけだという実感がある。 ○おそらく生活困窮、高齢、精神、あるいは様々な分野で包括、包括っていうのはあるが、包括っていうカテゴリーが広がる中で、そこに溶かし込んでいけばいいんだっていう話ではなくて、それぞれの分野がちゃんとそれぞれの分野で包括的な支援体制づくりで頑張ったのかっていう、ある意味でのその成果がないと、さらなる包括を作っても、実態的には、やっぱり形骸化する。 ○長野ではやっぱり一人ひとりの相談をもう1回振り返りながら、リスクの高い人、厳 しい人、今から予防的な支援をしていかなければ今後厳しくなる人、そういった人たちに対してのそのリスクプランとか、あるいは予防プランみたいなものを1個1個作りながら、一人ひとりに重層的、多職種連携的な取組みをするということが、過去3年間の取組みだった。とりあえず長野はそれが障がい者分野の包括的支援だという思いで、今度生活困窮とか他領域の包括の方に一緒に入っていこうという、志である。 ○そういう意味では早く、もう分かっていることは早く、地域生活拠点にとっての実態的な包括をどうやっていくんだ、もう集めることが必要だ、と思うんだったら、もう来月でも集めたい、というような行動があったらいいなあと、ずっとこの会議を通じて思っている。 (2)相談支援体制の充実(論点〜中事項) 〇相談員の数って随分少ないんですね。計画相談の方って。ちょっとびっくりした。兼任してる方もいらっしゃるって聞いたので。自分としては、きちんと計画相談の方がいるので安心しています。でも少ないのは困りますよね。 ○計画相談支援等の報酬単価の設定が低過ぎて、事業をすればするほど食えなくなるという、そういう状態ではなかなかやる人は少ないだろう。報酬に関しては、国に指摘をしていく必要があるということと、併せて、そうした中でどういう取組みが県レベルでできるかという、二つに分けて、整理していく必要があると思う。 ○同一法人の中にある相談支援事業所が入所者の計画相談をやっている状況が多く見られる。違う法人で何かサービス提供できるかというと、なかなかできない状態があって、法人の中でなんとか支えようということになる。つまり、地域の中の社会資源が余りにも少ないという、あるいは連携が少ないという、そういう状況がある中で、計画なんて立てられないですよねという、そういう状況がある。これをひっくり返すには、やっぱり地域連携ではないか。社会福祉法人それぞれの連携が取れないと、計画なんてなかなかできないという話になる。 〇連絡会議をやるとか、あるいは自立支援協議会が中心となった各県域とのつながりという、ゼロ予算でやれることは、いいと思ったら、もう今月にでも始めてほしい。 〇主任相談支援専門員とか、各圏域で形骸化しない自立支援協議会を運営しているところというのは、必ずその地域には誰かいる。何とか神奈川県全体の相談支援体制を強化したいと思うのであれば、どうしたら事業者が増えるんだ、報酬だけの問題じゃないだろう、地域生活拠点が実態的な地域包括をどうやっていくんだと、そういうことを、年度内に1回はやるくらいの覚悟でやるはず。 〇自分や家族全体のことを心配してくれる、気にかけてくれる支援者がいればつらい思いをせずに済むと思われる。まずは困っている人がいたら、会いに行ってください。お互い安心しあったり、不安に思ったり、心配したり、我慢したりすることもある。諦めずに関わり続けることが大切。 〇神奈川県の県立施設の利用者の相談支援をどうするかということが、今、課題になっていて、相談支援事業所と契約してはいるものの、なかなか施設に入所してしまうと、外部の目が入っているとはいえない状況がある。これをまず改善する必要がある。 〇中井やまゆり園については、非常におかしなことが行われてということを、各市町村に通報というか情報提供したのだが、各市町村の中で、施設を見に来た市町村が1か所しかない。要するに県立施設がもう孤立している。孤立する中で相談支援なんか何もない。この状態を改革しないといけないというのが今の課題だと思っている。 〇入所施設において、形式的には相談支援事業があるかもしれないけれど、実質的な意味でいうと、なかなかそこまでできていないという指摘だった。県立施設としても大事な話だが、もしかすると一般の入所施設でも同じようなことがあるかもしれない。そういう意味では、実質的な相談支援を施設の利用者にどうやるか、こういう問題としてきちんと考えていく、共有していくことではないか。 〇中井やまゆり園を見ていて、当事者抜きで集まっているのではないかと感じている。例えば、市町村が、身体拘束の情報提供を受けても、本人に会いに来ないとか、また、サービス等利用計画が、拘束が無くなっていくための暮らしへと書き換えられてない状況でもう10か月が経っているなど。こういうことは、仕組みの問題ではなくて、「困っている人がいたら、まずそこに行くんだ」という思いがないということだ。やはり我々は、必要な人のために、必要な人がいるのであれば、そこに集まっていくということがないと形骸化していく。 〇市町村のケースワーカーも、自分たちの仕事ではないと言い切るのではなくて、虐待の恐れがある、非常に深刻なケースについて、セーフティーネットとして、ご本人に会ってもらいたい。 〇12月に中井やまゆり園の方の話し合いをさせてもらったが、本来は、中井やまゆり園が主導して、しっかりと進めてもらいたい。また、県立施設なので、県庁も情報提供だけでなく、どういう状況が起きているのかということを見てもらいたい。入所施設単独では改善できない問題がたくさんあって、そういったものを今まで議論してきていると思うので、もう実践する時だと思っている。是非、身体拘束をされている人たちの暮らしについて、しっかりとみんなで見ていただきたい。また中井やまゆり園も見てもらえるような体制を作ってもらいたい。 〇入所施設からしたら、やはり地域に戻っていくためには地域の人間とやりとりをしていくしかない。地域では暮らすことができないと諦めてしまっていたけれども、本当は可能性がある、頑張れるんだと地域が知ったときに、地域は変わっていく。そういった意味で、地域にしっかりと相談支援専門員がいなければならない。 〇中井やまゆり園では、サービス等利用計画が、身体拘束の情報提供があるにもかかわらず変えられず、支給決定が続けられている。そうすると入所している当事者は、もう救いがなくなってしまう。相談員にも市町村のケースワーカーにも見放されているという形なので。是非、こういったケースは、サービス等利用計画を書き換えた上で、市町村の方もしっかりとそのことについて、支給決定をどうするのかを含めて考えてもらいたい。 〇相談というのは、元来、すべての支援者の本来業務であって、利用者がどうも何か、本意じゃないみたいなんだよなあというときに、相談に乗ってくれないかとか、向いていると思われるところを体験してみるとか、そういうところから、小さな事業所のサビ管同士のつながりが広がっていく。  しかし、入所施設が1つしかない事業所ほど、自分の座っている座布団を自分で持ち上げられない苦しさというのがあって、サービスが変わらないという現状がある。だからこそ、入所施設は、入所が一個しかない事業所ほど、本当はモニタリングの回数を多くしなければならないのだが、本人の心が動くような、何かそういう経験の中で本人がいいなと思ってくれることがなければ、モニタリングの必要がなくなってしまう。  だから、本人に体験してもらったり、見学に行くという機会を作りながら、本人の表情や振る舞いからモニタリングしたがっているというふうな仕組みに変えていかないと駄目。そういう意味でいけば、本当は入所の方こそ、モニタリングを増やさなければいけない。何か、そのような現場の営みを始めていってほしい。 〇相談支援を受けることについて、自分たちの権利として使うというところから、スタートしていないのではないか。親同士の情報が聞けない人が本当に多くって、自分たちがそれを使えるんだという認識が、まだまだ進んでいないということをすごく感じている。 〇小さな地域で小さな事業所と関わっていると、相談事業所も本当に孤立しているというのを現実の問題として感じる。一生懸命やっているんだけれども、情報が十分に得られず、どうやっていいのかわからないということで、事業所間連携というのが本当に必要だと思っている。 〇自分の思いを真剣に叶えようとしている人と一緒に考えて悩んだり、しっかりと話 し合って自分の暮らしを決めたい。自分や仲間たちは望む暮らしや、目指したことに向かっていく努力ができることと思う。望む暮らしや、目指したいことを上手に言えないときや、悩みもがきながら暮らしてる時に、しっかりと話を聞いてくれ、一緒に悩みもがいてくれる存在が大切だ。 〇相談支援計画のところでは、セルフプランが多い。本人自身の計画相談といっても、市町村のチェックということも含めて、わくわくどきどきするような、インパクトのある将来に向かってどうしようなんていう計画は殆どないのではないかと見ます。それとともに、そういう状況の中においては、相談を通しての地域移行というのも働かないのでは。地域移行するということでは本人の説得とともに家族の説得、あるいは地域のサービスのことも含めてきちんと用意しなければならないが、そこまでの覚悟を持ってやるんだというところでは、セルフプランのことも含めて相談支援自身がやはり停滞しているのではないかというふうに感じる。 ○入所した途端に、相談支援や行政の人たちがさっと引いてしまうところがあるので、やはり入口のところで、入所の目的をきちんと整理をして、地域に戻るための支援体制を作っていく。それには相談支援の役割はとても大きいと感じている。 〇高校を卒業した途端に、生活の場も、日中の活動の場もがらっと変わってしまう。サポート体制というのが一気に変わってしまう可能性もある中で、家族や本人から、とても不安という意見をいただく。不安にならないように、例えば、児童相談所が関わっているうちから相談支援が一緒に関わるなど、切れ目のない支援が必要となると考えている。 ○てらん広場の利用者の相談支援専門員は、てらん広場以外の地域の人にやってもらっている。それはやはり地域に戻っていくためには地域の人間とやりとりをしていくしかない。その支援者が施設の暮らしを見ながら、一人ひとりの可能性であるとか、本当は地域で暮らすことができないと諦めてしまったけれど、でも本当はもっと可能性があるんだと、こんなに頑張っているんだ、頑張れるんだと知ったときに、地域は変わっていく。 ○小さな地域で小さな事業所と関わっていると、相談事業所も本当に一人ひとりがやっていて、本当に孤立しているっていうのをすごく感じる。自分たち一生懸命やろうとしているけれども、情報が十分得られず、本当にどうやっていいのか分からないっていうことで、連携というのは本当に必要だ。私たちも今度、周辺の事業所の人たちが懇談会みたいなものを地元でまずスタートさせるという話を聞いて、それじゃ私たち親も一緒に勉強して情報交換をしたいと思っている。現実の問題として急いでやらなきゃいけない課題だ。 (3)福祉関係施策の理念(論点〜中事項) ○疑問が一つあって、3ページの知事の宣言なのか、@とAが何か私、同じ中身だと思った。個人として尊重されること、A心の耳に傾けて、互いにいのちの輝きっていうのが、多分一番と二番が何か説明がよく分からないので、是非それを書いた、これは多分知事かなあと、黒岩知事が書いた熱さのメッセージかなと思うので是非その辺をちょっと。もし一緒なら、逆にこことここを何か一本化にしてもらうと。なんかあんまりなんか似たり寄ったり文だったら、こんなに要らないのかなあと思ったので是非教えてほしいなと思った。 ○自分の思いを真剣に叶えようとしている人が、一緒に考えて悩んだり、しっかりと話し合って自分の暮らしを決めたい。自分の思いは日々揺れている。仲間の思いも、日々揺れている。仲間たちの思いを知るためには、たくさんの選択肢とたくさんの経験が必要。そのためには、社会参加をするために、仲間を丸ごと受入れることが必要。 ○人権とか自由、生きることという話が議題に出るが、職員が危ないとか、難しいとか問題があるとか、できない理由ばかり言って否定します。その環境では、自分の思いは実現しない。こういう時が自分と職員と分かり合えない時間だと思う。分かり合えない時には、自分の人生がどうなってしまうのか不安だ。この不安がなくなるまで話し合ってもらうことがありません。職員が答えを、一方的に出す。納得できない暮らしの中での苛立ちが、不安に膨らみました。何よりも独りぼっちになった気持ち。津久井やまゆり園事件の起きたときの仲間たちの暮らしは、知れば知るほど一つの不安を覚えた。それは納得ができない暮らしの中で暴言を吐いてしまい、混乱をしてしまったとき、問題等という理由で一方的に、入所、入院にさせられること。入所の中では、身体拘束をされ、一生自由を奪われていく環境があることを知った 。 ○自分の気持ちを伝えて、分かり合えない結果、身体拘束になると大きな不安を持っている。自分や仲間たちは望む暮らしや、目指したことに向かっていく努力ができることと思う。望む暮らしや、目指したいことを上手に言えないときもたくさんある。自分や仲間たちは悩みもがきながら暮らしてる時もある。そんな時しっかりと話を聞いてくれて、一緒に悩みもがいてくれる存在が大切です。仲間が一方的に暴れているのではなく、分かり合える時間があるということを理解してください。 6先駆的な施策の積極的な取込み(論点〜大事項)<第8回> (1)多様な価値観の取込み(論点〜中事項) 〇本人の障がいの状態があるとは思うが、それに対してどのような参加をしていくのか。環境があるのか。活動というのは、本当に多様性があっていいと思っている。制度の問題ではなくて、暮らし方の問題である。 〇野球を観に行った時とか、ショップのお姉さんとか、店員さんとかいますけれど、その時に、障がいの結構重たい方が店に入って来たのに対して、すごい冷たい言い方をしたので、僕はびっくりした。今から7、8年前の、名古屋に行ったときだ。支援者がいたら支援者が言ってもいいと思いますよ。地域で暮らすには、買い物のとき、「この人は障がいを持ってるのでよろしくお願いします」とか一言、言った方がいいと思う。 〇自分の将来に対して大きな不安があった。就職を紹介してくれる人がいたけれど、自分の人生は、相談に乗ってくれる人はいなかった。そんな不安の中で就職合同面接会を受けたことがある。面接では、ピープルファーストの活動に力を入れてることを話した。でも、何も関心を持ってもらえなかったと感じた。障がい者雇用の面接では、人間性を見てもらえるような気がしない。ピープルファーストを通して、津久井やまゆり園事件がなぜ起きたのか、一生懸命考える毎日だった。その時、「行動障がい」と呼ばれる仲間たちや、たくさんの職員と関わる中で自分を取り戻した。 ○障がい者ゆえの能力なんて書いてあるけれど、人それぞれ違うんですよ。大体、能力自体書くってのはちょっとおかしいんじゃないですか。それぞれ皆さん違うので、人それぞれ違いますので、できたら書かないほうがいいと思う。こういう能力とかっていうのは、ちょっと皆さんそれぞれ違うので。 ○多様な価値観を入れるというのは大変結構なことだと思うし、障がい者にもいろいろな能力があるんだよと。委員から「能力」といいう言葉を気にされていたが、障がい者にもいろいろなことができるんだよということを引き出していくということは、これは必要なことだと思う。ただ、今の冨田委員の意見のポイントにあるのは、何かこういうことを言い出すと、障がい者って能力がなきゃいけないんだよねみたいな話がどうも根底にあって、かつ、極めてこう立派な人たちでなきゃいけないみたいな、こういう想定がスススッと入ってくる。障がい者だってふしだらな人はいっぱいいるし、酒ばっかり飲んでいる人もいるし、どうしようもない人もいっぱいいる。これは普通の人と同じなので、そんなに障がい者だから立派な人だというふうに思われると、障がい者の人も辛いということも、やっぱり多様な価値観ですから、根底に置いておかなきゃいけないのかなあというふうに思っている。 ○私が勤めていた老人施設の施設長が、ロボットマニアっていうぐらいいろんなロボットをリースで借りて、人間よりロボットの方が機能するのかっていう実験を支えた。現場職員たちは、ロボットは心は読めないが使い方によってはやりやすいって言うんです。でも私たち知的障がいってあんまりロボットと接点がないので、この先知的障がいの現場で何を必要なのかなってよく考えて発信してほしい。 ○ロボットが必要なところとして、案内地図がほしい。今日、会議室がここですっていう看板にロボットがいたら癒されるかなあ、人間より良いと思う。その場面、場面でロボットの必要性を感じるが、海外の友達との話で、私たちに音声記録のロボットがあったらいいねって。一回の発言を繰り返してくれる。さらにロボットが音声でわかりやすく説明できれば、もっといいのかなって。そういう機能があると、多分、私たちが知的障がいの会議は支援者がいらなくなるかなあと思った。 ○それぞれ障がいのいろんな特性に応じたこのロボットという意味が大事なことで、今、確かに誰かが発言したことを、解説までできないにしても、ボタンを押したら繰り返し再生してくれるだけでも相当な意味があるような気がした。それぞれの状態に応じたものをちゃんと提供するといったことがすごく大事。 ○障がいの文化芸術活動は法律も含めて、少しずつ整備されてきてり、これからまさに多様性というか、いろいろな人たちの、能力という言葉良くないんですよね、力を発揮してもらうと。それぞれが持っている力を発揮してもらおうというところで、注目されるべきところだと思っている。 ○文化芸術活動推進法ができて、国は基本計画を作ることになった。地方公共団体も計画を作るのだが、努力義務とされている。令和2年の10月で全都道府県の23.4%、四分の一近くが、独自のこんなふうに文化芸術活動、障がいのある方の文化芸術活動をやっていくという方針を立てていて、それぞれに特色がある。神奈川県はどのような状況かわからないが、文化芸術活動というものを進めていくために、充実した計画を作っていく必要がある。 ○その中においても肝となるのが、障がい者の芸術文化活動支援センターだ。神奈川県ではNPO法人に委託して事業をやっていただいているようだが、相談窓口の設置であるとか人材育成のための研修、それから展示会、講演会の開催、あるいはネットワークづくりと、まさに地域の文化芸術活動を推進していくための拠点となるところだと思っているので、ここに少しお金を出して、エキストラでもいいので、文化芸術活動が全県に及ぶようにしていったらどうだろう。 ○ピープルファーストの横浜の活動での中では、集まるときには、お花見やバーベキュ      ー、交流会など楽しいイベントをしてきた。イベントは大変だが、やって良かったと達成感を感じられた。ただ、活動はいいことばかりではない。話す内容が、虐待や差別のことばかりで落ち込んでしまったり、信頼する職員が突然辞めてしまい困ってしまって、話がうまく進みません。思うように分かりあえず、イライラしてしまったり、これまで失敗も多くあったし、何度も止めたいと考えた。でも辛く苦しいともがきながら、そばにいる職員と一緒に乗り越えてきた。一緒に乗り越える思いがあれば、きずなが深まる。何も思えなければそこは何も生まれない。 ○当事者も支援者もお互い努力して、もがき続けることが大切。苦しい時も、つらい経験をしながら自分は学んできた。ピープルファーストに入ったばっかりの頃は自分に自信が持てなかった。こういったピープルファーストの活動の経験をとおして、自分に自信が持てるようになった。施設で暮らす仲間たちにも、そういう経験ができる機会があると良いです。 ○自分の思いは日々揺れている。仲間の思いも、日々揺れている。仲間たちの思いを知るためには、たくさんの選択肢をたくさんの経験が必要。そのためには、社会参加をするために、仲間を丸ごと受入れることが必要だ。 (2)制度・施策の持続可能性(論点〜中事項) ○ 保育園の段階から、誰かがついていなければ、持ちこたえられないというか、いつも誰かがついていなければっていうような支え方が、ある意味で「手厚い」というふうに現場で思われている。本当は乳幼児期からの支援のあり方として、人がいつも複数とかマンツーマンだというのが「手厚い」というようなのが、良い支援だと、何となく、意識的じゃないにしても、「手厚い」が「人が必要」「誰かがいつもそばにいないと難しい」というような流れできているのではないか。 ○ この検討会でも「手厚い支援」って何だろうかという議論が一度あったときに、自分はちょっとスルーしたが、それは皆さんの言う「手厚い」というのが、そのマンツーマンでなければならないとか、いつも誰かがついてなければという、そういう「手厚さ」と、そういう支援の中で本人が頑張れる、人がついていなくてもここは頑張れる、やっていけるという力を、小さい頃から育てていくという、そういう方向から必要な方に必要な財源支給というのが出てくるんだろうなと、ちょっと思っていた。 ○ 保育園の段階で、年長になったら加配の保育士さんがフェイドアウトしても、しのいでいけるような、本当に必要なところだけ必要な支援を受けるというような形を作っていくことが大事。 ○ 環境とか、マンツーマンで誰かがいつも側についていなくても、しのげる力とか、むしろその時間で本人が心動くこととか頑張れるものを見つけるとか、それはワークシステム的な取組みなのか分からないが、改めて、「手厚い」ということについて、財源、人というふうな一直線のつながり方について、一度振り返ってほしいなと思う。 ○ 手厚いというのは、人の問題ではないと思っている。よく拘束されているような施設に行くと、人手が足りなくて、拘束せざるを得ないような話が出るが、てらん広場も、他の入所施設も人手の数は一緒だ。むしろ県立施設の方が手厚い配置になっている。人手の問題とか予算の問題ではなくて、暮らし方の問題だ。 ○ 暮らし方というのは、当然いろんな要因がある。環境要因であったり個人の要因であるとか、そういった複合的な要素が組み合って、一人でできたりとか、意欲的になれたりとか、逆になれなかったりとか、そういうものがある。関係発達の問題も含めて、しっかりと捉えていかないと、ただただ構造化していくような、人手がないから構造化するんだ、みたいな話に陥っていくような危機感を常に強く持っている。とにかく暮らし方の問題なんだと、人手の問題ではないということを伝えたい。 ○ この話はどこかに解決があるとは思いますが、深堀りしないといけないと思います。お金の話はこの委員会でする話ではないと思います。お金がかかるとか、障害者が増えるとか聞くと自分は利用者が責められているように感じてしまいます。                   1