2. 気候変動の影響と将来予測海洋酸性化
海洋酸性化(世界)
世界の表面海水中の水素イオン濃度指数(pH)は、10年あたり0.018低下しており、1990年以降、すでに約0.05低下しています。太平洋、大西洋、インド洋ともに、広い海域で表面海水中の水素イオン濃度指数(pH)が低下しています。
海水の水素イオン濃度指数(pH)が長期間にわたり低下する傾向を「海洋酸性化」といい、おもに海水が大気中の二酸化炭素を吸収することによって起きています。現在の海水は弱アルカリ性(海面においてはpH約8.1)を示しています。
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海洋酸性化(日本近海)
北西太平洋の日本近海(東経137度、北緯30度の地点)でも、表面海水中の水素イオン濃度指数(pH)は低下しており、海洋酸性化が進行しています。1985年から2019年までの約30年間では、10年あたり平均0.018 の割合で水素イオン濃度指数(pH)が低下しています。
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海洋酸性化の将来変化(世界)
世界の海面における平均水素イオン濃度指数(pH)は、有効な気候変動対策がとられない場合(RCP8.5)では、21世紀末までに0.30~0.32下がると予測されています。
一方、厳しい気候変動対策がとられた場合(RCP2.6)でも、0.06~0.07下がると予測されています。
海洋酸性化が進行すると、プランクトンやサンゴなどの海洋生物の成長に影響を及ぼすため、水産業や観光業などへの影響が懸念されています。