HOME統計資料から調べる 3. 世界や日本の気候変動への取組IPCC 1.5℃特別報告書

ここから本文です。

3. 世界や日本の気候変動への取組IPCC 1.5℃特別報告書

 「1.5℃特別報告書」は、1.5℃の気温上昇に着目して、2℃の気温上昇との影響の違いや、気温上昇を1.5℃に抑えるための道筋(温室効果ガス排出経路)等について取りまとめたIPCCの特別報告書(2018年10月IPCC第48回総会にて承認・受諾)です。

 「1.5℃特別報告書」では、各国の削減目標を反映した温室効果ガスの排出量であっても、2100年までに約3℃の地球温暖化をもたらし、その後も気温の上昇が続くと予測しています。これは、更なる対策の強化がなければパリ協定の2℃目標、及び1.5℃努力目標の達成が困難であることを示しています。

 また、世界の平均気温が2017年時点で工業化以前と比較して約1℃上昇し、現在の度合いで増加し続けると2030年から2052年までの間に気温上昇が1.5℃に達する可能性が高いことや、現在と1.5℃上昇との間、及び1.5℃と2℃上昇との間には、生じる影響に有意な違いがあることが示されました。

 さらに、将来の平均気温上昇が1.5℃を大きく超えないようにするためには、2050年前後には世界の二酸化炭素排出量が正味ゼロとなっていること、これを達成するには、エネルギー、土地、都市、インフラ(交通と建物を含む。)及び産業システムにおける、急速かつ広範囲に及ぶ移行(transitions)が必要であることなどが示されています。

1850~1900年を基準とした気温上昇の変化の図表

出典・リンク