7. 影響と適応策の事例【水・生態系】貧酸素水塊
貧酸素水塊(ひんさんそすいかい)とは、水中の酸素濃度が著しく低下した水のことで、海水の表層の水温上昇により表層と底層の海水の循環が滞ることで海の底層に酸素が供給されなくなり発生します。そのため、底層に生息する生物に大きな影響を与えます。
貧酸素水塊は、夏場の東京湾で毎年発生していますが、気候変動により海水温の上昇が進むと発生規模の増大が懸念されています。
神奈川県水産技術センターでは、貧酸素水塊の動向を監視するため、漁業調査指導船「江の島丸」及び「ほうじょう」により、東京内湾域で水温、塩分及び溶存酸素量の調査を実施しています。
また、数値シミュレーションにより貧酸素水塊の発生メカニズムの解明などの研究も行っています。