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8. 影響と適応策の事例【健康、産業・経済、都市】熱中症

熱中症の救急搬送者数の変化

 近年の猛暑により、熱中症による救急搬送者数は増加の傾向があります。今後、気候変動による気温の上昇により、搬送者数や死亡者数(超過死亡)がさらに増加することが予測されています。

 例えば、「温暖化影響評価・適応政策に関する総合的研究」(環境省環境研究総合推進費S-8(2010~2014年))によると、有効な気候変動対策がとられなかった場合、21世紀末(2081~2100年)には、熱中症救急搬送者数が基準期間(1981~2000年)のおよそ2~8倍に増加する予測が示されています。

神奈川県内の熱中症救急搬送者数の推移の図表

出典・リンク

暑さ指数の活用

 熱中症のリスクは、気温だけでは評価できないため、湿度や日差しの違いも考慮した「暑さ指数」が熱中症予防指標として有効です。

 環境省・気象庁では、暑さへの「気づき」を呼びかけ熱中症予防行動を効果的に促すため、高温注意情報に代わる新たな情報発信として、熱中症警戒アラートを運用しています(令和2年度から関東甲信地方にて試行)。

 熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高くなる暑さ指数が33℃を超えると予測される際に発表され、熱中症予防対策の普段以上の徹底を呼び掛けます。

 神奈川県では、2020年8月に17回の熱中症警戒アラートの発表があり、発表があった日には、救急搬送される方が多く熱中症リスクが高かったことが分かります。

令和2年8月の暑さ指数と熱中症搬送者数の図表

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