二ノ倉開発採石場増設事業
事業者:株式会社二ノ倉開発
所在地:足柄上郡山北町谷ヶ1259番 代表者:代表取締役社長 小嶋大介
土石の採取
既存採石場が終掘に近づいていることから、その隣接地に採石場を増設し、骨材の安定供給を図ることにより、地域経済に貢献する。
実施区域の選定に当たっては、周辺の環境に配慮して、次の用件を設定しその要件を満足する地域として既存採石場の隣接地を選定した。
足柄上郡山北町谷ヶ1258番ほか
実施区域は山北町の南端の足柄山地に属する地域であり、実施区域周辺の土地利用の状況は、針葉樹や広葉樹などの傾斜地山林が大部分を占め、実施区域に最も近い民家は北約1キロメートルに位置している。実施区域周辺は起伏の激しい山地が広がり、植生としては大半がスギ・ヒノキ・サワラ植林で占められ、実施区域についても同様で、尾根筋と斜面下部にアカシデ−イヌシデ群落が分布する。
また、実施区域は畑沢の流域に含まれ、酒匂川に流入している。
岩石採取量 (千立方メートル) | 原石 | 表土 | 合計 |
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第1期 | 2,133 | 1,252 | 3,385 |
第2期 | 2,550 | 95 | 2,645 |
第3期 | 2,572 | 318 | 2,890 |
総量 | 7,255 | 1,665 | 8,920 |
利用区分 | 面積(平方メートル) | 割合(パーセント) | |
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実施区域 | 採取区域 | 165,000 | 61.8 |
残置森林 | 102,000 | 38.2 | |
合計 | 267,000 | 100.0 | |
関連区域 | 骨材プラント、堆積場、場内道路、事務所 | 131,400 | 22.6 |
採取区域 | 38,400 | 6.7 | |
産業廃棄物中間処分場 | 1,300 | 0.2 | |
その他 | 41,1300 | 70.6 | |
合計 | 582,400 | 100.0 |
経年土地利用計画 (平方メートル) | 着手10年後 | 着手20年後 | 着手30年後 |
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採取区域面積(累積) | 115,000 | 135,000 | 165,000 |
(注)経年土地利用計画における採取区域面積は、実施区域内のみの値。
評価項目 | 評価細目 | 予測評価結果の概要 |
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大気汚染 | 粉じん | 本事業の実施により、裸地が増加し、その位置も直近民家位置から約1キロメートルに近づくものの、段階的な掘削や順次緑化を行うなど裸地部の存在期間をできる限り短くするよう努めること、粉じん発生箇所については集じん装置等を設置すること、乾燥時等には適宜散水を実施することなどにより周辺地域の生活環境に著しい影響を及ぼすことはないと評価した。 |
水質汚濁 | 外観 | 現地調査の結果、平常時は畑沢(川)に濁りが生じることはないものの、降雨時には濁りが生じる。本事業の実施により裸地が増加するが、採石法等に定められた基準以上の調整池(沈砂池)を設けるほか、段階的な掘削や順次緑化を行うなど裸地部の存在期間をできる限り短くするよう努めること、適宜浚渫を実施することなどにより、現況を悪化させることはなく、畑沢の外観に著しい変化を及ぼすことはないと評価した。 |
騒音・低周波空気振動 | 騒音 | 本事業の実施により、重機稼働箇所や発破箇所が直近民家位置から約1キロメートルに近づくが、重機や骨材プラント及び発破による騒音は現地調査結果と概ね同程度となり、評価基準を満足する。また、ダンプトラック運行による騒音は評価基準を超過するがその程度はわずかであり、運転手に対して規制速度の遵守や民家付近を走行する際には走行速度などに配慮を講じることなどを周知徹底する。以上のことから、実施区域周辺の生活環境に及ぼす影響は少ないと評価した。 |
低周波空気振動 | 本事業の実施により、発破箇所が直近民家位置から約1キロメートルに近づくが、作業はできる限り重機を使用し、発破回数低減に努めること、薬量も現況と同程度とすることから、発破による低周波空気振動が実施区域周辺の生活環境に及ぼす影響は少ないと評価した。 | |
振動 | − | 本事業の実施により、重機稼働箇所や発破箇所が直近民家位置から約1キロメートルに近づくが、重機や骨材プラント及び発破による振動は評価基準を満足する。また、ダンプトラック運行による振動も、評価基準を満足する。以上のことから、実施区域周辺の生活環境に及ぼす影響は少ないと評価した。 |
水象 | 河川 | 本事業の実施により、裸地が増加するが、森林法に定められた基準以上の調整池容量を確保するほか、適宜浚渫を行うことなどにより、洪水時の雨水流出量に変化はなく、周辺地域の居住環境に著しい影響を及ぼすことはないと評価した。 |
地象 | 傾斜地の崩壊 | 掘削は、採石法に定める基準を遵守し実施する計画であり、同様の方法で掘削を行ってきた既存採石場においても崩壊等は生じていない。また、掘削後の最終残壁には順次緑化を行うなど崩壊防止措置を講じることにより傾斜地の崩壊の恐れは少なく実施区域周辺の地象に著しい影響を及ぼすことはないと評価した。 |
植物・動物・生態系 | − | 本事業の実施により、一部の生物種は減少するが、残置森林の確保や段階的な掘削、掘削後の最終残壁には順次緑化を行うことにより、徐々に森林に近い環境が形成され、昆虫類・鳥類など移動能力の高いものから定着が始まるため、緑化した樹木の生育に伴い、徐々に森林性の生物相へ近づくと考えられる。また、事業終了後の平坦地にも緑化を行い、森林の形成を図ることにより、地域本来の生物相の定着が進むことが予測され、生物と生息環境の関わり、生物相互の関わり及び生物多様性に著しい影響を及ぼすことはないと評価した。 |
景観 | − | 本事業の実施により、裸地部が増加することやスカイラインが低下することが考えられるが、主要な眺望地点に面して残置森林を配置し、裸地部をできる限り遮へいする事業計画の採用や、掘削後の最終残壁には順次緑化を行うことにより周辺の山肌との質感の調和を図るため、主要な眺望地点からの景観に著しい影響を及ぼすことはないと評価した。 |
安全 | 交通 | 本事業の実施により、ダンプトラックの増加による混雑が生じることはなく、運転手に対して搬出入路の走行速度時速30キロメートル以下の遵守など安全運転の実施を徹底することや看板等の設置などにより周辺地域の交通安全に影響を及ぼすことはないと評価した。 |
土壌汚染、地盤沈下、悪臭、廃棄物・発生土、電波障害、日照阻害、気象、文化財、レクリエーション資源、地域分断
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