審議速報
次の審議会等を下記のとおり開催した。
審議会等名称
第37回神奈川県地方税制等研究会
開催日時
平成19年5月28日(月曜日)10時00分~12時00分
開催場所
都道府県会館9階 神奈川県東京事務所「会議室」
(役職名)出席者
(座長)神野直彦、堀場勇夫、金澤史男、中里実、青木宗明、沼尾波子
次回開催予定日
未定
問い合わせ先
政策局財政部税制企画課 調査グループ
電話番号 045-210-1111 内線2310
ファックス番号 045-210-8806
フォームメール(以下をクリックすると、問い合わせフォームがご利用いただけます。)
会議の議題及び結果
【会議の議題】
- 地方法人課税の論点整理について
- 神奈川県地方税制等研究会・ワーキンググループ報告書(案)について
- 最近における税制論議について
- その他
【会議の概要】
- 地方法人課税の論点整理について、ワーキンググループの議論を踏まえて討議を行った。
- 神奈川県地方税制等研究会・ワーキンググループ報告書(案)について検討した。
- 最近における税制論議について、「ふるさと納税制度」を中心に、討議を行った。
【討議の概要】
地方法人課税の論点整理について
資料2の表4の法人負担の国際比較では、対GDPに占める税の割合が減っているように見受けられる。
日本はGDPに占める利潤の割合が高い。GDPに占める税の割合を分析するには、GDPに占める利潤の割合と利潤に占める税の割合を見なくてはならない。
法人負担を比較する上で、アメリカの民間医療保険に係る企業負担の割合の高さを見落としてはならない。また、イタリア、フランス及びドイツでは地方の個人事業所得が含まれているかどうかも注意が必要である。
地方法人課税を議論する上で、国際競争力という言葉が使われるが何をもって国際競争力なのか分かりづらい。
ドイツの法人税制改革は営業税と統合する形で進められている。その際、ドイツの連邦政府も今日の日本のように国際競争力を問題にするが、これに対しては地方の反感が強く、日本のように、あからさまに、地方法人課税への批判や国から一方的な税源交換論は起きていない。
フランスの税負担論議では、移動の多いヨーロッパでありながらも、公共サービスや環境問題は取り上げられるが、日本のように企業誘致のための課税は聞いたことがない。また、国は自治体の財源変動を伴うようなことはしない。フランスの職業税の税率は、所得の付加価値の一定割合(3.5%上限)とされ、不動産税としての性格が失われている。
神奈川県地方税制等研究会・ワーキンググループ報告書(案)について
基本的に事務局からの報告のとおりで構わないが、アピールは付けるのか。
アピール文はないが、報告書の意味合いについては、最初の部分でまとめる。
最近における税制論議について
まずは、地方の自主財源を増やすべきである。地域間格差及び地域内格差が拡大している中では、財政調整制度の見直しにより対応すべきである。
「ふるさと納税制度」の議論では、課税力ばかり取り上げ、財政需要を全く考慮していない。
「ふるさと納税制度」のように、単に水平的財政調整の議論に転化し、地方間で解決しろというのは筋違いである。
「ふるさと納税制度」は、まず、課税権がだれになるかが問題。課税技術上、故郷の自治体に個人住民税の1割を持っていく構想は不可能である。寄付金の税額控除においても、課税権の所在が問題になる。
「ふるさと納税制度」は水平的財政調整の問題である。日本では、垂直的財政調整に水平的財政調整を加味することが原則である。また、水平的財政調整を団体間で行うことはあり得ても、個人の選択で行うことはあり得ない。
分権改革の要は自主財源、格差是正は、まず、交付税制度で行うべき。
技術論の問題から、納税者が納税先を選べる制度は成立し得ない。
現行の地方税法では、ふるさと納税の納税先に賦課徴収権が及び得るものではない。
分権社会の安定的な財源についてどう考えるか。税収予測ができない。
「ふるさと納税制度」により、大都市から地方へ税金が行くというのは幻想である。結局のところ、政策力やメニューが豊富な自治体に税金が流れ、さらなる格差拡大の恐れがある。
議事録の全文又は要約を掲載した「審議結果」の公開予定時期
未定
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