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更新日:2024年1月4日

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第42回神奈川県地方税制等研究会 審議結果

このページでは、第42回神奈川県地方税制等研究会の審議結果を掲載しています。

審議結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

第42回神奈川県地方税制等研究会

開催日時

平成21年2月5日(木曜日)15時00分~17時00分

開催場所

神奈川県庁 新庁舎5階 新庁応接室

出席者

(座長)神野直彦、堀場勇夫、金澤史男、中里実、高井正

次回開催予定日

21年3月18日(水曜日)13時30分~14時45分

問い合わせ先

政策局財政部税制企画課調査グループ
電話番号 045(210)2308

下欄に掲載するもの

  • 議事録全文

審議経過

(議題)

  • (1)神奈川の地球温暖化対策における炭素税等導入の検討について
  • (2)その他

1 開会

事務局 お待たせしました。ただいまより第42回神奈川地方税制等研究会を開催いたします。

本日は、△△委員より欠席の連絡をいただいております。また、ワーキンググループの△△委員、△△委員につきましても欠席の連絡をいただいております。

本日は傍聴者として、2名の方を許可しておりますのでご了承ください。傍聴される方は、お手元の注意事項を厳守されるよう、よろしくお願いします。

なお、政策部長につきましては、都合により研究会の途中からの入室となりますことをご容赦いただきたいと思います。

それでは、次第に沿いまして進めさせていただきます。議事の進行は座長にお願いいたします。

2 議事

(1)神奈川の地球温暖化対策における炭素税等導入の検討について

座長 はい。42回になりますが、神奈川県の地方税制等研究会を開催したいと思います。委員の皆様方には、ご多用のみぎりご参集いただきまして本当にありがとうございます。

本日は、研究会とワーキンググループの合同開催という形で進めさせていただきたいと思います。

お手元に議事次第が行っているかと思いますが、本日の議題は一つでございまして、「神奈川の地球温暖化対策における炭素税の導入の検討について」ということでございます。

まず、炭素税導入の検討については前回、昨年の11月19日でございますけれども、開催いたしました研究会において、各委員から頂戴いたしましたご意見を踏まえまして、ワーキンググループで論点整理をしていただきました。

今回、それを含めて報告書のたたき台を作成していただいておりますから、事務局からご説明させていただきたいと思います。○担当課長 では私から、資料をご説明いたします。お手元に資料1から4まで用意をさせていただいてございまして、資料1から3につきましては、残された論点についての整理をしたものでございますし、また資料4につきましては今までの議論を踏まえまして、ワーキンググループにおいて検討していただいて、報告書のもととなるたたき台ということで整理したものでございますので、1から4まであわせてご説明をさせていただきます。

まずは資料1でございますが、前回、具体的な炭素税等の案ということで、案1から案4まで示させていただきました。いわゆるCO2に対して課税するのは、案1、案2という形でご説明いたしましたが、基本的には同じでございます。その後、議論したものにつきまして、加えて整理したものでございます。

まず、案1、案2の一番上の名称でございますが、あくまでも仮称ですが、平仮名の「かながわ地球環境税」ということで、とりあえず置かせていただいています。この名称につきましては前回、研究会で炭素税というのは環境税とイコールですと。具体的な中身でいえば、神奈川県地方環境税という言い方が一つありますという議論がございました。また、目的からすると、二酸化炭素削減促進税と、そういう言い方もあると。見方を変えて、イギリスの例ですと、環境変動税という言い方をしていますので、地球環境変動税というような具体的な名称も前回の議論の中で出てまいりました。今回、その最後の地球環境変動税とございましたので、地球環境税と、そこを短くして、頭に神奈川をつけたという形でございます。地球環境税につきましては、昨年の国の低炭素化社会に向けての閣議決定においても、全世界で導入すべき例として、地球環境税というような表現が使われていたと思います。

次に概要でございますが、案1につきましては、すべての化石燃料に対して網羅的に新税を課税するということで、案2につきましては、既存税において税負担が大きい、自動車燃料やジェット燃料は除いたものとして課税をするということでございます。

課税客体、課税方法につきましては、最終消費段階で課税をするということを前提として整理したものでございまして、これにつきましては前回と同じでございます。

次に、税率でございます。前回、税率は具体的に記載してございませんでしたが、ワーキンググループでご議論いただいて、おおむね炭素トン当たり1,600円から2,400円ということでございまして、この上限の2,400円につきましては、環境省の環境税案が炭素トン当たり2,400円ということでございます。国において導入することが最優先という考え方で、それが導入されるまでの間ということになりますと、それを上回らないというのが一つの考え方ということで、2,400円を上限と置きまして、下の1,600円につきましては、ガソリン1リットル当たり1円がちょうどこの炭素トン当たり1,600円ということで、1リットル当たり1円未満ですと、インセンティブの点で弱くなるというようなご議論で、おおむねということでこの範囲を置いてございます。

最後の非課税、免税点等でございますが、電気、都市ガス、プロパンについては、免税点、または基礎控除制度を設けるということで、負担の逆進性等を考えて、こういったのが必要ではないかというのは前回ご議論いただいたところでございます。

また、次のポツで、3のうち鉄鋼の還元用石炭は非課税とする。前回ここまで具体的には書いてございませんが、現行の石油石炭税とか、環境省の環境税案につきましては、こういった取り扱いにしてございますので、同様にこのように整理してございます。

資料1の2枚目でございます。2枚目につきましては、表題のとおり、「地球温暖化対策を組み込んだ法人事業税の見直し案(たたき台)」ということで整理しております。前回、自動車税のグリーン化を案3、法人事業税のグリーン化を案4というように整理をしたところですが、前回の案4に当たる部分でございます。案3の部分につきましては、自動車税、自動車取得税については、国においてかなりグリーン化なり、来年度税制改正でも大きな見直しがされますので、最終的な整理の中では記載していますけれども、強く打ち出す案としては、なかなか強いものが打ち出せないということで、法人事業税の見直し案だけ整理したところでございます。

区分、内容とございまして、2段目の基本的な考え方のところでございますが、法人は事業活動を行うことに伴い、程度の差はあれ、化石燃料を起源とする二酸化炭素を排出していることがあるということと、また県が講ずる地球温暖化対策などの行政サービスも受けているということ。こうしたことから、事業活動に対して負担を求める事業税について、二酸化炭素の排出量や環境への取組みに着目した仕組みを講ずることができるのではないかということでございます。

基本的な仕組みとしては、次の段でございますが、原則すべての法人、※1で、外形標準課税に絞ったほうがいいのではないかということもございますが、この場合は資本金が1億円を超える法人に限定されてまいりますが、それにつきまして、原則、超過課税を行ったうえで、二酸化炭素の排出量が一定未満の法人、かつ一定の二酸化炭素排出の削減努力をしていることが客観的に明らかな法人については、不均一課税により軽減税率を適用するということでございます。前回、超過課税をしてかつ不均一課税をするという枠組みは同じでございます。

この中で、※2のところでございますけれども、二酸化炭素排出量一定未満の法人というのは、省エネ法の規定に準じまして、エネルギーの年度の使用量が原油換算エネルギー使用量で、1,500キロリットル未満などといったものが考えられるということで整理してございます。

また、※3でございますが、削減努力をどこで見るかというのは、なかなか難しい部分でございますが、エネルギー効率の向上とか、原油換算エネルギー使用量の減少など、具体的なものが捉えられれば、一番よいでしょう。ただ、段階的に、これは神奈川県の地球温暖化対策の進捗状況でもあるわけでございますけれども、自主的な地球温暖化対策のための計画書を作成、公表し、その実績を検証する。そういった取組みを行うことを、当面の段階的な要件とすることも検討課題としてある、ということで、ワーキンググループでは整理してございます。

あと、※4でございますが、軽減税率は超過課税によって引き上げた税率の前の税率ということではないかということで整理してございます。また、超過課税の税収の使い途につきましては、どのように使っていくかということは政策判断、別に限定はされないということですが、地球温暖化対策など、より環境に配慮した事業にシフトしていくことが有力な選択肢として考えられるということで整理したところでございます。

次に、資料2をご説明いたします。資料2につきましては、電気・ガスにつきましては、負担の逆進性の観点から、基礎控除方式なり、免税点方式を導入したほうがよいだろうという議論の中で、ではどういう具体的な設定ができるかということで、たたき台とした資料でございます。

まず上の表につきましては、総務省の家計調査の総世帯データから作成したものでございまして、年間収入の5つの刻みの中で見てございます。一番下の1の268万円までの収入の欄を太枠で囲ってございます。この268万円の収入につきましては、下から2番目の欄で平均年間収入が179万、平均世帯人員1.44というような中身になってございます。これが一つには母子家庭の生活扶助費がおおむね年間170万円ぐらいになります。所得のない母子家庭が生活保護を受ける場合、生活扶助費が170万円ぐらいということでございますので、ほぼ平均年間収入に見合っているのかなということと、あと住民税の非課税限度額と比較した場合に、次のページに表を用意させていただきましたが、表の右側の一番下の欄の太枠でくくってございますが、個人住民税の括弧が非課税限度額で、括弧の外に出ているのは課税最低限でございます。単身者ですと、非課税限度額が100万円、課税最低限が108万8,000円。夫婦のみの場合は、非課税限度額が高くなってございまして、括弧内が170万円でございます。その後、一番左の夫婦子2人の標準世帯ですと、非課税限度額が271万4,000円というような数字になってございまして、資料2を見ていただきますと、まず平均世帯人員が1.44ということですので、2名ということで見れば、夫婦のみの非課税限度額の170万がちょうどこの平均年間収入179万でほぼ見合う形になってございますし、また夫婦子2人の非課税限度額でいきますと271万4,000円ですので、その1の年間収入の268万円にほぼ見合いの数字ということですので、ざっくりとした形ですけれども、住民税が課税されない世帯が、この1の欄におおむね入っているのかなというようなことで判断いたしたところでございます。

この場合の光熱水道費が内訳にございますように、電気代、都市ガス、プロパンガス、灯油代、それぞれ記載のとおりの数字になっているということでございまして、この数字をもとに、下に矢印がございますが、電気、都市ガス、プロパン、灯油の月間の推定使用量を料金から逆算して算出したのが下の表でございます。例えば電気ですと、上の費用ですと、240kWhということになりますし、この下の負担額につきましては86円と。これは炭素税、環境税案で導入した場合、2,400円と仮定した場合の金額でございます。

このようになりまして、ではこれをどのように分析していこうかという話になるわけでございますが、電気と都市ガスは必ずセットで負担しなければいけませんので、月額86円と27円を合算して、12カ月といたしますと、1,356円になります。そうしますと、年間2,000円の環境税の負担としますと、2,000円のうち1,356円がその内訳に入るということでございますので、仮にこの全額を控除、この水準で控除しようということになりますと、700円ぐらいが平均負担額になってくるのではないかと。いや、ちょっと多いではないか、一部でも負担してもらおうかということになりますと、灯油は2分の1の軽減でという考え方がございますので、2分の1控除ということになりますと、650円あたりに控除を設定したほうがよいのかと。ワーキンググループではその付近を報告書の中で並列的に記載していけばよいのではという整理をしているところでございます。

この資料は以上でございます。

次に資料3でございますが、資料3につきましては、まず1枚目につきましては、我が国の化石燃料に対する課税の状況について整理した表でございまして、これは前回も同じような表をご提示したかと思うのですが、要するにガソリン・軽油等、自動車燃料に対してはかなり重い税がかかっている。それ以外のところに対しては、基本的には石油石炭税しか課税されていませんので、負担の水準がちょうど穴があいたように低くなっているという表でございます。先ほどの案1は、このすべてに対して課税するということで、案2につきましてはこの低い部分に対して課税をするという案になってございます。前回の議論では、案2のほうがより妥当ではないかという議論があったと思います。

2ページ以下につきましては、国際比較をしたものでございまして、2ページにつきましては、ガソリンについて国際比較をしたものでございます。我が国は非常に高いと言いつつも、まだヨーロッパに比べると低いということでございまして、この2ページは備考3にございますように、21年上半期適用の基準外国為替相場で計算してございます。1ドル105円という換算です。これは公式な数字だと思いますので、これで換算いたしますとこのイギリス、フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデン、デンマークと比較して、日本は半分よりちょっと上ぐらいという感じなのかなというところでございます。

次に3ページでございますが、3ページにつきましては、円高が進んでいますので、現在、備考3にございますように、1月30日、ほぼ直近の時点の為替相場、1ドル91円、この水準で前ページの表を置きかえたものでございます。これでいきますと円高が進んでいますので、かなり幅が縮小されているというところでして、このくらいの幅だとどうなのかという議論はあろうかと思いますが、一応、こういった表もつくってみました。

次に資料4ページ、これは同じつくりで石炭についてつくったものでございます。4ページは1ドル105円で作成したものでございまして、石炭については、スウェーデンとかデンマークという北欧においてはかなり高い税がかかっていますので、これと比較すると日本は全然かかっていないと同じような状況でございますし、また、イギリスからオランダまでと比較しても、半分から3分の1ぐらいの水準になってくるというような状況でございます。

5ページにつきましては、同じく直近の1ドル91円で作成したものでございます。

次に6ページでございます。6ページは国際比較の電気でございます。電気につきまして、今までの同じ国を対象にしたものでございまして、1ドル105円の場合はごらんのとおり我が国の場合は、ヨーロッパのどの国と比較してもかなり低い水準なのかと。前ページでフランスがあって、ここのページはフランスが抜けていますが、フランスにはこういった税が国税としてはない。原子力が8割というような状況でございますので、課税されていないというような状況があろうかと思いますが、フランスは対象から外してございます。

同じく7ページにつきましては、1ドル91円で作成したものでございます。

次に資料4でございます。報告書のイメージ、たたき台ということで、1枚目はおおむね全体の構図でございまして、1で地球温暖化対策の強化の必要性、現状と課題について整理をし、2で地球温暖化対策に貢献する税制のあり方ということで、全般的な、国税、地方税を通じた基本的な考え方、環境税導入の必要性について整理してございます。3につきましては、では神奈川県における税制をどのように構築するかという点を整理してございます。

以下、ちょっとポイントだけご説明したいと思います。1ページをお開きください。1ページにつきましては、地球温暖化対策強化の必要性でございまして、京都議定書で6%削減、さらに低炭素化社会づくりの閣議決定、2番目の○ですけれども、ここでは2050年をにらんで半減が必要で、我が国でも60%から80%削減を行うということにしてございます。現時点では単に京都議定書だけではなく、それ以降の取組みについても目標となってございますので、取組みも一段と強化していかなければならないというようなことを整理してございます。

(2)につきましては、我が国における二酸化炭素排出の現状と課題ということで、これは環境省の全国数値を整理してございます。環境省の最新のデータでございまして、ここにございますとおり、最初の○のところでは全国温室効果ガス総排出量は、基準年対比が8.7%増というところですので、6%削減目標に対してはかなり遠いということでございまして、次の○にございますように、環境省ではその6%削減達成には、9.3%の排出削減が必要と。もう環境省もこういったように明確にいっております。

2ページでございますが、神奈川におけるデータでございます。(3)のところで記載してございまして、神奈川県においても、温室効果ガスにつきましては直近のデータで基準年対比4.4%増加しているということと、神奈川県は全国の排出量の5.5%を占めているということを記載してございます。

また、二酸化炭素排出量につきましては、表もございますが、神奈川県の場合、産業部門の割合が45.6%と、非常に多いという状況と、さらにこれが8%の増となっていることがございます。また、民生・家庭部門が20.7%増とか、民生・業務部門が32.8%増と、かなり大きな伸びを示しているというところでございますので、3ページの頭で、すべての部門において排出量の削減を目指すということが必要であるということで整理してございます。

(4)の二酸化炭素削減のために必要な取組ということで、最初の○は今申しましたように、各部門で高い伸びを示しているということでございまして、2番目の○でこうした二酸化炭素削減状況を見ると、京都議定書の削減目標の達成、さらには中長期的な削減目標を達成するには、自主的手法や規制的手法はもとより、排出量取引制度や環境税など、経済的手法を可能な限り駆使していかなければその達成は難しいと、これまでの議論を整理して、このように記載いたしました。

あと、下から2番目の○でございます。国の炭素税の議論、閣議決定の中でも税制について横断的に見直すと。環境税も含めて、このように見直すとか、政府税調においても、低炭素化の促進に資する税制のあり方についてはさらに議論を深めると明確に整理してございますが、ただ、この具体的な導入の道筋というのはついていないというのが現状ではないかということで整理しておりまして、最後の○で削減目標を達成していくためには、環境税の導入など、税制を活用した地球温暖化対策を推進していくことが喫緊の課題という整理をしてございます。

4ページでございますが、特に、今まで一番この研究会で議論になったところでございまして、地球温暖化対策に貢献する税制の基本的考え方の部分でございます。最初の○につきましては、地球温暖化対策のために税制を活用する手法の部分でございまして、手法としては二つあります。一つは、二酸化炭素の排出削減そのものを目的とする税ということで、これがいわゆる環境税、炭素税ということで整理してございます。

二つ目は、各種の税制において、本来の目的達成を図りつつも二酸化炭素の排出削減抑制を、副次的な目的として組み込むという形のものでございまして、具体的にはということで、二酸化炭素を多く排出する者とか、行為等に多くの負担を求め、また少ない者や削減を抑制する行為等に対して負担を軽減する。これにつきましてはワーキンググループでも議論して、これは必ずしも両方併用するだけではなくて、片方だけもあるということですので、それを「又は」でつないでございます。

あと、3番目として、こうした手法の背景にある考え方として、2番目の○では一つには政策誘導策としての考え方がある。2番目として、さらにこの考え方に加え、公共サービスを共同化する場合に、二酸化炭素の排出が多い者には多くの税負担を求め、少ない者には少ない税負担を求める。環境に対する負荷に応じて税負担を求めるという税負担のあり方があってもよいのではないかという考え方に立つものであるということで、前回、座長もこういった新しい視点があれば、地球温暖化に貢献する税制として考え方が整理できるのではないかという議論がされたかと思います。

次に5ページでございます。5ページの環境税の導入の必要性ということで、アのところはヨーロッパの状況等について整理したものでございます。先ほどの資料3の内容を具体的に表として後で組み入れて、ここを整理していくということを考えております。

次のイの具体的な手法のところにつきましては、環境税の導入の手法として二とおりあるということで、一つは環境省の環境税の構想のように、一律に新税として網羅的に上乗せをして導入するということと、(2)につきましては、既存の税率の負担とあわせて、一定の税率水準になるように導入するということでございまして、(1)の場合は新税しか考えられませんが、(2)の場合は新税も既存税も両方考えられるということで整理をしてございます。6ページの2番目の○につきましては、道路特定財源、これは税制改正でも話題になっていますが、道路特定財源としての揮発油や軽油などの化石燃料に対する課税については、見方によって環境税としての位置づけもできますので、その税率水準を低下させるべきではないということで整理をしてございます。

7ページは神奈川独自の税制の構築という部分でございますが、(1)の神奈川県独自に炭素税を導入する意義ということで、ここはまさに前回議論をしていただいたところでございまして、アは地域の課題への対応ということで、神奈川県においても域内の二酸化炭素の排出抑制が政策課題、かつ財源の確保もあるということで、域内の課題の対応という意味でも意義があるというのがアでございます。

イにつきましては、二酸化炭素排出の削減・抑制効果の位置付けということで、特に神奈川独自で導入する場合は、流通や産業への影響がかなり懸念されるということでございますので、税率設定を低くしていかなければいけないというような議論をずっと記載してございまして、その結果、この7ページの一番下でございますが、こうした流通や産業への影響を考慮すると、税負担を抑えざるを得ないが、税負担が小さくとも、効果的な税制を構築することにより、二酸化炭素の排出削減・抑制に向けた神奈川県の姿勢をアピールするとともに、県民や企業が二酸化炭素の排出削減・抑制に向けた行為を選択するような一定のインセンティブが期待できるなど、地球温暖化防止に貢献する税制を構築することは可能ではないかと考えるということで整理してございます。

最後の○で、流通や産業への影響を抑える方法として、(1)から(4)、これも前回整理してございますが、税率を抑える等の方法について、整理してございます。

次にウの税収目的の位置付けにつきましては、単に政策手段だけではだめではないか、地方税で考えるからには税収目的もなければ、そもそもおかしいのではないかという議論が前回ございまして、それにつきましてはこの一番下の○のところで、税収目的についての考え方を整理しました。神奈川県独自の炭素税の税収目的について考えた場合、炭素税の導入により二酸化炭素の排出量が抑制、削減されたとしても、税収は必ず存在して、その税収によって財政需要を賄う役割を果たすことになる。したがってその意味において、炭素税の目的は抑制だけではなく、税収目的もあわせて存在しているという整理ができるのではないかということで、今までの意見、議論を整理してございます。

また、次につきましては、ではその財源をどのように活用するかというところでございまして、これにつきましてはワーキンググループでも議論を整理いたしまして、さまざまな選択肢があり得ますが、例えば最終消費段階に炭素税の負担を求める場合に、中間消費段階における課税も避けることができないということがございますので、それに対しては企業に対して減税を行うというような意味での選択肢もあるし、また、県民が負担した税を広く県民サービスに活用していくため、一般財源に繰り入れることも考えられますということが一つ。

また、次でございますけれども、地球温暖化対策を強化していくということをかんがみれば炭素税を目的税としないまでも、その税収を地球温暖化対策の財源に優先的に活用していくことも合理性があるというような整理をしてございます。

エのフロントランナーとしての意義は、前回の議論になったところを整理してございます。

10ページでございます。独自課税の考え方等の整理ということで、これも前回かなり議論していただいたところでございまして、このアのところは化石燃料からの二酸化炭素排出に対する課税ということで、いわゆる炭素税のところの議論でございまして、2番目の括弧の課税の段階につきましては、前回も議論ございましたように、最終消費段階で課税していくということを記載してございます。電気に対する課税も、前回議論ございましたけれども、最終消費段階、要するに電気を使用する段階で課税をしていこうということで整理してございまして、したがって製造段階につきましては、非課税としていくというようなことを整理してございます。

次の自動車燃料に対する課税につきましては、これも最終消費段階で課税していくときの考え方を整理してございます。これも前回議論あったところだと思います。

次の税率水準のところでございますが、これは先ほど別のペーパーでご説明したとおり、1リットル当たり1円以上の税率設定が必要ではないかというのが最初の○で、2番目の○は環境省が取りまとめている環境税案の税率水準を目安とすることが妥当ではないかということでございます。あと、負担の逆進性の対応ということで、負担の逆進性を解消するために、基礎控除方式とか免税点方式の導入は必要ということを整理してございます。これにつきましては先ほどのペーパーでご説明したところで、もう少し記載をしていくことが必要ではないかということで考えたところでございます。

イの既存の化石燃料に対する課税との調整のところにつきましては、最初の○でございますが、一般的に炭素税を新税として導入する場合は、既存の税率水準にかかわらず網羅的にやる場合と、一定の税率水準となるように新税を導入する場合、先ほど出てきた二とおりの考え方があるということ。あと神奈川県が独自に炭素税を設ける場合は、総務大臣の同意というハードルがありますので、そこで既存税との課税標準が同じで、かつ負担が著しく重くならないように設定しなければならないという考え方がございますので、最後の○で、既存の揮発油税、軽油引取税等の一定の水準で課税されている状況において、そこの部分を対象外とするということで、案2というような考え方が出てきた背景の考え方でございます。

ウの既存の地方税の見直しにつきましては、先ほどのいわゆる超過課税、不均一課税という既存の税制については見直しがあるというところを総論的に書いたところでございます。

13ページ。これは神奈川県で導入する場合の具体案ということで、アの神奈川県独自の炭素税案につきましては、冒頭で説明いたしました案1と案2について文章化したものでございますし、また15ページの既存税制の見直しのところにつきましては、法人事業税の超過課税と不均一課税につきまして、先ほどご説明したところを文章で整理してございます。

また、16ページ、その他の税での対応ということで、自動車税、自動車取得税、あるいは不動産取得税などが対象としては考えられるということを文章で整理してございます。

最後に17ページ、終わりのところでございますが、ここはまだワーキンググループで整理をしていないものでございますが、盛り込む方向性としてはということで数点整理してございます。まず地球温暖化対策のために、あらゆる手段を尽くすべきであると。また、税制としては国において環境税、炭素税の導入が図られるべきですと。3番目のポツとして、国において導入する環境税は、今は国税として案がつくられていますが、全国一律の地方税として導入することが望ましいのではないかということを書いておいたほうがよいのではないかということでございます。これは、いろいろ議論をしていただいた結果、最終消費段階で課税するのはやはり地方税としてやらなければ難しいということはありますし、最終消費段階で課税すれば非常に効果があるのではないかということが一つあります。

また、電気とかガスにつきましては、基礎控除という方式を今ご議論いただいていますが、国税で実施した場合はもっと根元の部分で課税しますので、基礎控除方式ということは選択できないということを考えますと、家計の負担等を考えると、最低限使わなければいけないものはどんなにしても使わなければいけないということがございますので、より細かい制度を詰める。そういったメリットがある地方税とすることが望ましいのではないかというようなことを整理しておいたほうがよいのではないかということで、こういうような記載をしてございます。

最後、神奈川県で課税自主権を活用して、こういった地球温暖化に貢献する税制を構築することは意義があるというような整理になるということで、記載してございます。

以上でございます。

座長 どうもありがとうございました。

委員から何かご説明していただけますか。

委員 前回の研究会とワーキングとの合同委員会でいろいろ指摘していただいたところを踏まえて、その後、ワーキングを2回開かせていただいて、検討させてもらったということを今日、先ほど担当課長から報告してもらいました。

繰り返しになりますが、ポイントを申し上げると、前回は地方炭素税といわれるもの2案と、法人事業税の見直し案と、それから自動車税のグリーン化と一般にいわれているものの4つが、並列に示されていたんですが、CO2排出源対策ということに絞った場合、税の性格が異なってきますので、地方炭素税といわれるものを最初の2つとしてまず別途に出して、それから法人事業税に地球温暖化対策を組み込むという話を一つ独立させて、それから自動車税関係に関しては、全国的な税制との関連とか、租税原則上の整理の仕方が、地方炭素税、それから法人事業税とまた違った組み立てをしないといけないということで、これは今回の主要なテーマとしては外させていただいくという整理をしたということです。

その上で、それぞれ前者の地方炭素税と地球温暖化対策を組み込んだ法人事業税を詰めた。地方炭素税は、税率をどう設定するかということと、それからその場合の逆進性対策をどの程度するかという税額控除の水準を詰めさせていただいたということ。それから法人事業税に関しては、超過課税をした上でCO2排出削減努力をしたものを軽課するという形で対策を組み込めないかという制度設計をしてみたということです。

法人事業税に関しては、またご質問があれば事務局等からお答えできると思いますが、一応、削減に関しての計画書をチェックするということはできるということと、それが実効性があるかどうかについても、一応チェックの態勢は整っていると、そういうこともチェックした上で、このように現実性のある案として出させていただいたということです。

それから、理論的には前回もいろいろ議論になりましたが、これで本当に地球が救われる、削減ができるのかということに関しては、フロントランナーとしての税制であるということを強調したのと、それからそうは言っても全く効果がなければ意味がないので、総務省の同意条件とか、逆進性とかに配慮しながら、かつある程度のインセンティブ課税として機能する水準というのを考えてみた。それから、これは座長から提言いただいたように、そういうことを少しずつ積み重ねていくことに、税制の中に組み込んでいくことによって、全体として神奈川県の税制をより環境に負荷を与えるものに重課し、そうでないものを軽課していくという方向に性格を切りかえていく。一挙に切りかえることはできないわけですが、そういう神奈川県らしい税制にしていく、そういう意義もあるという位置づけも付記させていただいた。4ページの上のところに書いてありますけれども、そんなところが今回のポイントだと思います。

座長 どうもありがとうございました。

それでは、ご意見をちょうだいしたいと思いますが、環境省は環境税案を昨年末出しましたか。

担当課長 明確に記者発表まではしていないのですけれども、従前から出しているのを若干手直ししたものを公開はしています。

座長 この1,600円、2,000円とか出した。というか、我々が報告書を出した後、それに基づいて具体案を出すのですか。つまりこの額で。これは前と同じ。

担当課長 前のです。

座長 前のですよね。

担当課長 税率水準も前と同じもので、全く新しいものは出ていないです。

座長 だから、我々の環境税の検討委員会で議論したことを踏まえて、新しい案はまだ環境省としては出していない。従前の案を出してみたということだけですか。

担当課長 はい。

座長 それとあと、案その1、その2はorですよね。3というか、法人事業税の話と、電気ガス税は、それぞれ分断しているのですか。独自の話なのですか。

委員 電気ガス税は案1、2に入っています。地方炭素税のほうに入っています。

座長 地方炭素税の中に、電気ガス税も……いや、だからちょっとそこはよくわからないのだけれども。

委員 入っていますよ。

座長 CO2でかけられないよね。

委員 原エネルギーの話ですか。

座長 そうそう。案1、2というのは、あくまでも炭素の含有量を基準にするのでということですよね。含有量、いろいろな目的もあるけれども、一つの目的は全体を減らすことと同時に、なるべくCO2課税標準に採用することによって、炭素含有量の少ない燃料を使ってくださいねということも考えるわけですよね。

委員 ただ、一応それはミックス、原エネルギーは。だから化石燃料が大体7割ぐらいですか、ということなので、9割化石燃料でなければ外すということも考えられるけれども、7割方化石燃料であるから、例えば原発だから大丈夫ですとか、そういうことは考えないで。

座長 だから電気ガス税については、課税標準にCが入っていないのではないですか。

委員 そうです。

座長 ということでいいですよね。こっちのほうは、例えば石炭とか……

委員 ブレンドした形で計算しているのではないですか。

担当課長 そうなのです。原発も含まれていますから。

座長 そうですよね。だから別途というか、だけれどもorなのね。orというかこの中に入ってしまっているわけ。

担当課長 要するに環境省の環境税と基本的には同じ。

座長 いや、環境省の案は地方税ではないので。

担当課長 そうですね。

座長 地方税ではないから、ちょっとそこは。

担当課長 そうですよね。

座長 電気やガスをつくっているところでやれるので、ちょっと違いますね。

委員 つまり最終消費したときには、原エネルギーはブレンドされたものとして考えるということです。

座長 だから、国の場合には上でかけるからクリアできるのだけれども、こっちはなるべく下でかけようとすると。

担当課長 ですから、課税の仕方としては昔の電気ガス税みたいな課税の仕方で、税率設定はCO2換算で税率設定をしていくということですね。

座長 地方の法人事業税の場合は、これは独立している。むしろ、法人事業税と電気ガス税は、逆にセットにすることも考えられないわけではないですよ。つまり電気ガス税というのは主として家計が負担するわけです。そうすると電気ガス税は独立していないからよいのだといえばそれまでなのですが、企業は使うけれども、その趣旨からいうと、消費でかけるという趣旨だから、それに変わる負担をしてほしいというような関連性はないのですね。

委員 だから、そこはオプションとして最初の段階であったと思いますけれども、一応その最終消費でつかむということで整理させてもらって、ただ法人の責任、努力ということに関しては、事業税でつかまえましょうということです。

座長 はい。何かご意見ちょうだいします。意見をいただければ。

委員 質問ですが、資料3の1ページ目の、これは前にお伺いしているのでしょうけれども、この合計税額の5万8,632円というのは。

担当課長 これはリッター当たり58円。

委員 リッター当たりですか。

委員 小数点第3位まで書く必要はないと私も思いますが。

委員 これとこれを足してもだめなのね。単位が違うから。例えばガソリンとLPガスを足しても意味がない数字になるわけですよね。

担当課長 そうですね。単位が違いますから。

委員 国全体のマクロの総計は出るかもしれないが、個人ごとに消費の構造が違うわけだから。

委員 それから、ちょっと当然出るだろうなという意見は、同じ2ページ以降なのですが、ヨーロッパ圏は入っているのですが、北米圏はなぜ入らないのかと。

委員 北米。アメリカ、カナダあたり。

委員 安いところは抜いていると言われるのではないかな。

座長 ガソリンの課税は、……アメリカは例外ですね。

委員 それは下を見たらだめでしょう。環境対策は。

座長 環境省の資料は入っていましたか。

担当課長 環境省の資料というと。

座長 環境省の出している資料ありますよね。各国の負担の。環境省の資料はどうなっていましたか。その環境省の資料には入っているのに、神奈川県の資料で恣意的に抜いたわけではないのでしょう。

委員 別に責めているわけではなくて。

委員 あってもいいと思いますけれども、ただ、もともとCO2の排出量、1人当たりで見ると、日本とヨーロッパはほぼ同じぐらいで、そこからどう減らすかというように考えているわけですけれども、アングロサクソン系のアメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、カナダというのは大体2倍ですよね、1人当たりCO2は。だから、そこは参考にならないのです。後退してしまうという発想だと思います。

担当課長 環境省の出している資料ですと、イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、フィンランド、デンマークというのを比較した表を出していますし、財務省なんかも同じように、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン……

座長 アメリカは出していない。

委員 ノルウェー、スウェーデン、デンマークということは、アメリカは全然出していない。

担当課長 ですから、環境省も財務省の出している公表している数字の中では、そういうのは入れていないですね。大体こういったところをターゲットにどこも資料はつくっているようでございます。

委員 理由がつけば結構です。

座長 あと、もう一点伺うのだけれども、アメリカは既に州ごとにかなりやっているでしょう。あの中に税は入っていなかったですか。州ごとにはかなり熱心にやっているのですよね。環境努力を。それに税は入っていなかったかな。かけようと思えばかけられない話ではないのですよ、州は。

委員 ガソリン税は安いと思いますが。

委員 カリフォルニアがやろうとして、ブッシュ大統領が止めたわけでしょう。

担当課長 アメリカのやっているところは把握できませんでした。コロラド州ボルダー市で導入したというのは存じております。あと、カナダでは州レベルで、ケベック州とか、ブリティッシュコロンビア州で導入していると把握しています。

委員 横並びで日本が安いですよねと言いつつ、安いところが抜いてあるのは、何か意見が出るかなというだけです。

委員 アメリカはあってもいいです。要はこれよりは進んでいるという自己認識をする意味はあると思います。

担当課長 アメリカを加える。

委員 いや、大層な話ではないので。

それから一点だけ確認。これはどういうご議論がなされたか、あるいはなされていないのかお伺いしたいのですけれども、先ほど△△委員がおっしゃった中で、努力がなされると軽減措置があるのは…

委員 法人事業税だけです。

委員 事業税だけですか。

委員 法人事業税のほうは超過課税しておいて頑張ったところに軽減税率。

委員 結構です。案1と案2にそれが入っていると、引っかかるかなと思ったので。

委員 今、温暖化と逆の現象が起こっているでしょう。平均気温下がっているはずですよ。地球の何か自然的な要因……

座長 それって、ヨーロッパの極寒の話。そうではなくて。

委員 そうではなくて。

座長 あれ、そうかな。

委員 何かどこかで見ました。それともう一つはまだ下がるだろうというのですね。もう一つは景気が悪くて、CO2の排出量が減る。それからもう一つは景気が悪くて払えない。そういう何か身もふたもない議論に対してはどうしたらいいですか。

座長 ちょっと科学的な話なので確認できていないのですが、私の知識だと温暖化になる確率というのでもなく、冷却化するという確率もあるのだけれども、それは同じ理由とされている。つまり、CO2が増えて温室効果の結果、そのようになると理解している。

委員 アイスボール仮説というのですよね。

座長 氷河期になっていく確率と、それから温暖化する確率というのは両方あるが、一旦は温室化した結果そうなる。ただ、そこが確定していないので、ネイチャー上議論していると。

問題なのは、CO2をとめないと、どっちかになる危険性があることは事実なのと、もう一つは、温暖化するということが確実ではないのに、冷却化したときの対策は何もとっていないと。人類にとって温暖化であればまだ技術的に、例えば人工地盤をつくるとかという技術はあるのだけれども、冷却化したときには、凍え死んでしまうという確率のほうがあるとか。それは確かではないので、ちょっとそれは科学的に……

委員 いや、まともな情報ですよ。ロイターだったか何かで、現実的に。

環境計画課副課長 学説は多分あると思うのですよ。ごめんなさい。何日か前の新聞でそういう記事は出ていたかなという記憶はあります。ただ、今は持ってきていないのですが、温暖化というだけではだめで、温度が今後も下がっていくということも考えられるということも投げかけられているという記事は出ていたかな。ごめんなさい、今、それが手元になくて。

座長 いずれにしても、うちの大学の教授の話によると、だから環境は不確実なので、なお手を打っていかなければならない。早目に手を打たないとだめだという話なのですが、ちょっとそれはわからない。僕の専門ではないので。

委員 不景気とそれはどうしますか。大変ですよ、今。一応のことは用意しておかないと、CO2を減らせば世の中よくなると言い続けるわけにもいかないでしょうから。そのくらい厳しい状況に今なっているはずで、一通りのことだけはやらないと。ラグがあってもっと前にやっておくべきことがずれたということなのでしょうけれども、なかなか厳しいと思います。今年、排出量は減るでしょう。去年の秋ぐらいから絶対減るに決まっていますよね。

座長 いや、これが今日本は、逆というか、CO2が増えている諸悪の根源は、発電に石炭を使ってしまっているのが大きいので、ちまちまやってもしようがないのですよ。石炭の発電は何割でしたか。すごく増えているのですよね。CO2を減らすということであれば、去年より大幅にCO2が出てしまった原因は、発電で石炭を使ってしまったので。

委員 原子力使えない。

座長 40%ぐらいでしょう。環境省のデータを見て、びっくりしました。全発電の40%ぐらいは石炭ですよね。

環境計画課副課長 そうですね。ちょっと今手元にはないですけれども。ただ、そういう話は聞いています。

委員 それで説明できれば良いわけですね。景気不景気と関係なく増えていますと。

座長 電気は余り関係ないのでは。電気とか食品というのは、景気の変動には余り左右されない。

委員 それはそうでしょうね。

委員 その話が出ると、私は国際公約の話をいつもするのですが、ヨーロッパの国々はもう50%から60%、80%削減というのを言っているわけでしょう。日本は京都議定書を批准しているのに、その目標を出さないと。今度、麻生さんは多分50%減というのを出すわけですよね。今、最初の京都議定書の第一約束期間の5年間で、2008年から始まって、2012年までにやらなければいけない。ここに書いてありますけれども、6%減というのは、もう今の時点で8%増になっているから、今言ったような理由でね。13%下げなければいけないとか、そんな話ではなくて、さらに50%というのをどうするんだというのを世界から問われているわけですよね。だからそこで何もしていなかったら、結局50%なんてもう夢のまた夢だし、国際的会議での発言力というのは全くなくなると思います。

だから、今でも本気でやっている環境NGOからすると、日本というのはもう最大の攻撃の対象になってしまっていて、そういう観点からして、ちょっとまずい状況ですね。そういうことを考えると、では神奈川ではどうしていくのだと。国が手を打たなければ神奈川からやっていくしかないということではないですかね。

委員 わかりました。それでよろしいです。

座長 案の1、案の2、どちらでもいいのですが、ガソリン・軽油、電気、ガスと3分類をして、これは課税方法の違いでやっているだけですね。では、あと課税標準というか、課税標準の定義が難しいけれども、ガソリンの場合には、まずガソリンの量でいくわけですよね、最初は。量でいって、係数を掛けて含有量を推定するということをするわけですよね。

担当課長 税率設定についてはですね。

座長 どちらでもいいのだけれども、いずれにしても中に入っている量を推定して、税率というか、何かわからないけれども、やるわけですね。そういう理解で良いですね。電気・ガスについても、みなしで推定するのですね。税率を設定するわけだね。CO2がどのくらいと。重油、石炭、天然ガス、ジェット燃料、あれは全くそういったようなことはしていないの。自動車燃料を除くだから、自動車燃料以外については、これは課税標準との関係だから同じ税率でいくということですね。その税率の多寡がそれぞれ個別に違っていると。

担当課長 そういうことになると思います。

座長 というので課税して、片一方のところは、特別徴収なんだけれども、こっちのほうは事業者に申告納税させると。

担当課長 そうですね。3のところはそうですね。

座長 大丈夫ね。

委員 既存税において、だから税負担が大きいものについては、今の座長のご指摘の懸念があるので、そこは除くということで、課税されていないところに薄くかけると。国税が課税されていないところに、全く課税されていないわけではないのですが、余り大きく課税されていないところに薄くかけるというのが基本的な考え方。

座長 石油石炭税しかかかっていないところ。

委員 そうです。

委員 どちらかが悪いということになりますかね。国がここにかけていないのが良くないという理由があれば、神奈川はこのへこんでいるところに課税して良いということになりますよね。国がこのへこんでいるところに課税していないことに、合理的な理由があるならば、それを犯そうとするのは逆におかしいことになりますよね。だから両方とも成り立つということがあるのですかね。

委員 それは前回もちょっと話題になったと思うのですが、自動車関連税という形で、課税の根拠が合意されている場合は、ここに課税する、しないの根拠があるわけでしょう。

委員 それは自動車関連のことですね。

委員 だから、自動車関連税という視点からの合理性だと思います。これを環境税、国税のほうも環境税に読みかえるという話を前回させていただいたと思うのですけれども、だとすると、CO2排出量に基づいて課税すべきであるという新しい課税の原則みたいなのが出てきて、そこで非常に低いという部分については、僭越だけれども、国がやらないなら、地方がフロントランナー的に多少ともやって、CO2排出に貢献します、ということであれば、理屈は立つのではないかと。だから、それは繰り返しになりますけれども、国税のでこぼこは自動車関連税という目的税だから、道路特定財源だからという観点からの合理性で、それを環境税に組みかえる必要があると。それは大方が合意しつつある考え方であるというように立てればどうですか。

委員 その説明しかないのではないでしょうか。そうすると、案の1が厳しくなる。案の2ですと、へこんでいるところ、これを国が本来是正すべきだけれども、是正すべき前に、こちらが先取りする。ただし、国が入れたときには廃止してくださいね。今のご説明が一番きれいですね。そうすると、案1については、ではどうやって説明するかというのはまた別途、これはこれであるのでしょうけれども。

委員 実験的に案1はやっているところもありますから、我々の気持ちとしては、フィージビリティーを考えると案の2でしょうというニュアンスが込められています。

委員 先にこの関係諸税の環境税化を国よりも先に前倒ししてやって。

委員 そうですね。理念的にそういうふうに考えて。

委員 それはきれいな説明ですよね。

委員 炭素で表をつくり直さないと、軽いとか重いとかという案の議論ができないのではないですかね。

座長 これ、一応、最終的には出したほうがいいですよね。

委員 案の2を採用して、△△委員の、あるいは△△委員の理屈でいくときに、この表で説明できますか。

委員 できるけれども、姿形はほぼ変わらないですよ。ただやる必要はあるでしょう。

座長 だから現状では石炭のような、石炭のような炭素の含有量が非常に大きい、2つのエネルギーに変わっていないと。

委員 それから、基礎控除制度等々の理屈づけですが、CO2のこの環境税の場合は、インセンティブ課税なので、所得が云々というよりも、基礎消費量というのは価格弾力性が低いので、そこに課税をしても余り効果がないという理屈づけを加えたほうが良いかもしれないですね。だから、この税を課税しても消費量が余り増減しないであろうから、この税の目的からいって、基礎控除を設けるというのをプラスアルファしたほうがいいかもしれないですね。

委員 それだけだとちょっとやっぱり反発を買うと思うので。

委員 あとこれは法人税とか、事業所得税で損金算入なり、控除できる税金になりますよね。でもそれはそっちで決めることだからこっちは言えませんね。そうすると、国の税収を地方に移すことになるのですね。効果は少しだけれども。

担当課長 地方の法定外税は、すべて基本的にそうなっています。

委員 すべてそうですよね。環境の場合に、だから効果が半減されてしまう……半減でもないか。何%減になってしまうけれども、それはそれで仕方がないということですね。他に武器がないのですからね。

委員 そういう意味では、半永久的にこれだけが世の中にあるという状況は想定していないので。

委員 そこがやっぱり一番見識を示せるところでしょうね。先に立って神奈川がやると。あと他に提言するという形が出ればきれいですよね。いろいろ問題はあるけれども、とりあえずこれをしないと始まらないだろうということですね。ここでいう問題というのは、神奈川がこの税制の問題ではなくて、全体の話、国のやり方に問題があるからという意味の問題ですね。

委員 恐らく、環境省の案が導入されたとしても、先生がおっしゃった法人税法の損金算入基準の規定がありますので、損金算入できることになります。ただし、新たに調整する規定を置かない限りはですが。

委員 多分置くでしょう。ただ地方ではどうしようもないですけれども。

座長 もう税法上引っかかるようなことがなければ。

委員 この免税点とか、基礎控除が入っていることが重要ですよね。これ担税力に考慮しているということになるので、CO2を排出しているから課税しているのだという、税ではないというような批判を多少クリアできる。人税的に、この人を例えば考慮しているという発想が入るでしょう。これが一番。

座長 人税的な発想を入れたほうがいいよね。

委員 その視点から批判する人は必ずいるよね。

委員 ええ。だから、そうしたらこれは担税力考慮していますという……では一体何かと聞かれると困るのですけれど、しかし、それはそれとして考慮していますというのが入ると良いのかな。

座長 これ、灯油もつけますよね。灯油はつけないの。灯油のほうが多分逆進性が、どうなのだろう。

担当課長 灯油は税率を半分にするということで。

委員 半分ですね。資料2の一番下の備考の2ですね。

委員 灯油は左だけでしょう。

委員 いや、右側も入りますね。

委員 ああ、入りますね。そうかそうか。

委員 前回、私が指摘した地方税としてという問題は、案2でかなり解決していると思います。若干、今出た灯油ぐらいかな。要するに、その地域選択のところで、東京に買いに行くということがあるとすればですよ。だからこの案1だと依然としてなかなか厳しいけれども、案2だと自動車燃料は除かれていますので、かなり実施の効果があるような気もする。

座長 実際にはそれほど起こらないと言われています。移動のコストがあるので。近くならばまだしも、わざわざ遠くまでは。

委員 危ないですよね。車にポリタンクを積んで遠くまで。

座長 今回はガソリンの価格がいろいろ地域で変わったでしょう。そのときも移動のコストを考えて、と説明されている。

委員 問題は東京の業者が県境を越えて売りに来た場合に、これをどうするかということですか。あり得ますね。

委員 制度がちょっと変われば、いろいろな商売が出てくるので、それがあるからやめるかという話ではないし、それからご指摘いただいたので、その話がやっぱりすっきりと説明できる部分をまず考えようということで、灯油に関しては少し税率を下げるとか、いろいろやったわけですから、そういう点ですっきり感が少し出ていると思います。

座長 いや、ガソリンその他はどこかにデータが出ていたと思うのですけれども、今回、例えば神奈川県民が、他の県が安いからといって買いにいくということは余りなかった。

委員 時間コストまで含めて考えたらそんなことまで。事故を起こすリスクとかいろいろありますし。

座長 灯油というのは両方あるけれども、近所の商店が放送しながら売っている場合は。

委員 あれは、配達代金が価格に上乗せされているので割高です。届けてくれるメリットがありますが、自分でガソリンスタンドに行けばその分安く買えます。

委員 届けにくる人が東京から来るようになるかどうか。それほどの金額ではないですな。

座長 まあそう多くはないと思うけれども。

担当課長 特別徴収ですと、県内で売るのであれば、県外の業者でも特別徴収業者に指定できます。ですから、それが甚だしければ、県外の業者を指定して税金は取るということは一応制度上可能です。

委員 でも産廃ですと、それこそ北海道から三重県とか、外国からというようなことが起こり得るから、難しいでしょうけれども、灯油ではたかが知れているから、それが余りにも極端な行動になれば、その人を処分すればいいということですね。それなら、もう全く問題ないですね。

委員 税率が低いということと、それから地方税としていかがなものかという議論は多分クリアされていると思います。

委員 これ相当考え、練れていますよ。あとは議会通るかどうかだけです。理論的にはもうすっきりではないですか。どう難くせつけようとも必ず答えが用意されていて、これはすごいですよ。なかなかこうはいかないですよね。よくできていると思います。額も妥当ですかね。このぐらいでやっておけば、そう文句が出るということはないのではないですか。

委員 これリッター幾らぐらいになるのですか。

委員 1円から1.5円です。

委員 だから年間の負担額が、家計で約2,000円。

担当課長 2,000円ですね。さっきの控除を設けると、1,300円なり650円設ければ、また平均的には低くなる。あとはこの3の企業でたくさん使っているところはたくさんになるというのは、また別にあることだとは思います。

委員 訴訟は起こしづらいでしょうね。

委員 相当全体で議論を深めている。

委員 事務局の詰めがすばらしいので。

委員 △△委員、相当これは苦労したのではないですか。

座長 いずれにしても、流通の混乱というのはカナダでも五大湖の周辺のところで、アメリカとの移動があるけれども、そう大きな移動はないのですよ、実際に言われているほど。理論的にはあり得るけれども、さっきの時間コストではないけれども、そんな遠くまで行ってどうこうというようなことはほとんどないので。

委員 一時期ありましたけれども、為替の問題でね。

座長 近くだけですよ。五大湖のオンタリオとか。アルバータまでわざわざ行くというのはないでしょう。

委員 それはマージナルにはあるでしょう。だって隣が境界の場合だってあるわけだから。

委員 国境沿いの。

委員 カナダ側の人がセントローレンス川を越えて、アメリカ側に給油にというのはありましたよね。それから逆にガソリンではないのですが、マサチューセッツの人が酒買いに、ニューハンプシャーに行くというのはありますけれども、それはそれだけ根性があるのだから仕方がないだろうと。

委員 それに、何というか高くなった分というのは捨てるわけではないですから、神奈川県の収入になるのですから。それがよりよく使われるということであればいいのではないですか。ただ単に業者がもうかるというのではなく、高い部分というのは神奈川県の収入になるわけですから。

座長 それから、みなすというよりも、今度の国会に提出している税制関連法案が通れば、ここで言っている道路関係諸税の根拠づけの中に環境が入ってしまうわけですよね。一般財源化されたから。一般財源化されたので、環境的な要素―文句は忘れてしまったけれども―「配慮し」と入ってしまいますから。

委員 いや、だからそういう位置づけ。

座長 この議論はこれで閉じてよいですか。目的税か否かのにおわせ方はトーンダウンしておいたほうがよいかもしれないですね。ここでもそんなに明確に出したわけではないのだけれども。

担当課長 先ほどご説明したとおり、目的税的な使い方もあるけれどもということで、明確にはどちらも言っていない。

座長 どうなるのかわからないので。

委員 そうですね。それもワーキングでは当初、むしろそれを打ち出すべき、財源調達型環境税としての性格もあわせ持ったほうがいいのではないかという議論もあったのですけれども、やはり、先ほどのすっきり説明できるようにという点では、もうそれはやめましょうということですね。

座長 この段階では、中立的に書いておいたほうがよいと思います。

委員 むしろ神奈川県の支出全体を環境に配慮したものにしなければいけないという、そういうことを促進するような契機ぐらいに考えたほうがよいと私は思います。

あと、ご確認いただくとすれば、たたき台の「終わりに」のところで、この辺の打ち出し方というのか、幸いにもこの研究会の提案としては、途中でぽしゃらずにやるとすれば、これだけできるぞというのは出していただけそうなので、それを踏まえてそれをどのように今後活用していくべきか、もしくはその手順をどう考えるか、そのようなところをここに書き込むということになると思いますが、また研究会で、これはワーキングの案をベースにして研究会でオーソライズしていただきますけれども、研究会として、この報告書の意義や手順、国と神奈川県の役割の問題等、その辺を何か前紙や、前文を付けるのかとか、その辺をご検討いただいて。

座長 それとあともう一つ、さっきの温暖化の議論にある程度中立的に書くのであれば、温暖化という表現を少し減らして、低炭素社会と言えば全然問題ないわけですよね。国も知事会も全部低炭素で進めると言っているのだから。

委員 どういう言い方なのですか。過二酸化炭素社会では困るとか。

座長 いや、低炭素社会というのはもう決められているし、国際公約にしているわけだから。

委員 低というとすごく少なくなると、それはそれでまた困るような感じにならないですか。

座長 低炭素?いや大丈夫よ。あれは減らないことになっている。一定量なのですよ。無限に増え続けるという予測も間違いなのですよ。

委員 いや、だから生態系の範囲にとどめればいいわけでしょう。

座長 そうそう。いずれにしても低炭素社会とか。

委員 分かりました。そういう書き方もあると。

座長 炭素を抑えると書いておけば、温暖化というのは使ってもいいのだけれども、余り温暖化ということを強調せずに、あるときには低炭素と言っておけば、それは世界的にも公約している話だし、政策的にも低炭素社会を目指すということは決めていることだから、これは問題ないです。

委員 問題は二酸化炭素の濃度が過剰に、急激に増えることが問題で、その効果として温暖化が起こるか、あるいは水にいっぱい溶けて酸性が強くなるかとか、いろいろなことに波及されるので、温暖化だけが問題ではないのでしょうね。それも一つの重要な問題でしょうけれども。

委員 みんな息苦しくなってくる。

委員 急激に何かの濃度が増えるというのはやっぱり異常ですよね。我々の知らない環境影響はあるかもしれないから、だから今のは凄くポイントではないですか。温暖化だけではないと。他にも何か我々の知らない何かが、急激な環境変化ってよくないですよね。

委員 だから、気候変動……

委員 そういうことですね。変動自体が余りよろしくないということですね。

座長 というところですかね。

委員 ありがとうございました。

座長 よいでしょうか。

3 閉会

座長 それでは、議論のほうはこれで打ち切ってよいですね。事務局でその他事項はありますか。よろしいですか。

では、これで散会して大丈夫ですか。

委員 今後の報告書のまとめ方は。

担当課長 一応、次回を3月18日で今のところ先生方に。

座長 連絡いただいたのですね。

担当課長 ええ。調整をさせていただいています。正式な通知はまた後ほど。一応それでこのテーマについての議論はそこで完結ということでございます。そこで報告書ができあがれば年度内に知事に提出していただければ、ということで。

案につきましては、事前にご議論いただいた点は中に入れ込んで、またワーキンググループで相談をして、たたいたものをまた先生方に事前にお送りしたいと考えてございます。

次回はそういうことでお願いしたいと思います。

座長 それでは、これにて散会したいと思います。

どうも、お忙しいところご参集いただきましてありがとうございました。

-以上-

 

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