更新日:2024年1月4日
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このページでは、第44回神奈川県地方税制等研究会の審議結果を掲載しています。
次の審議会等を下記のとおり開催した。
第44回神奈川県地方税制等研究会
平成21年12月28日(月曜日)10時00分~正午
神奈川県庁 新庁舎5階 新庁応接室
(座長)堀場勇夫、望月正光、青木宗明、沼尾波子、諸富徹
未定
政策局 財政部 税制企画課調査グループ
電話番号 045(210)2308
1 開会
2 委員の委嘱等
(1)委員の委嘱
(2)あいさつ
3 議事
(報告事項)
(1)県独自の炭素税の導入に係るアンケート結果等について
(2)本県の財政状況について
(議題)
(1)ワーキンググループの設置及び今後のスケジュールについて
(2)地方環境税及び自動車関係諸税をめぐる動向について
(3)地方消費税をめぐる動向について
(討議)
4 閉会
事務局 お待たせしました。委員の方1名がまだ見えておりませんが、これより第44回神奈川県地方税制等研究会を開催いたします。 本日は、傍聴者として1名の方を許可しておりますのでご了承ください。傍聴される方は、お手元の注意事項を厳守されるようお願いいたします。
それでは、次第に従いまして進めさせていただきます。まず、研究会委員及びワーキンググループ委員の委嘱を行います。
このたび、新たに望月先生と諸富先生に研究会委員をお引き受けいただき、望月先生には地方消費税に関するワーキンググループ委員長、諸富先生には地方環境税・自動車関係諸税に関するワーキンググループ委員を併せてお願いすることになりました。また、地方環境税・自動車関係諸税に関するワーキンググループ委員長を青木先生に、同ワーキンググループ委員を沼尾先生にお願いすることになりました。
事務局 それでは、委嘱状を羽田副知事より手交させていただきます。これからお名前をお呼びいたしますので、呼ばれた方はその場でお立ちください。
神奈川県地方税制等研究会委員及び地方消費税に関するワーキンググループ委員長、関東学院大学経済学部長、望月正光様。
副知事 どうぞよろしくお願いいたします。ワーキングも併せてよろしくお願いいたします。
事務局 神奈川県地方税制等研究会委員及び地方環境税・自動車関係諸税に関するワーキンググループ委員、京都大学大学院経済学研究科准教授、諸富徹様。
副知事 どうぞよろしくお願いいたします。ワーキングも併せてどうぞよろしくお願いします。
事務局 神奈川県地方税制等研究会、地方環境税・自動車関係諸税ワーキンググループ委員長、神奈川大学経営学部教授、青木宗明様。
副知事 よろしくどうぞお願いします。
事務局 神奈川県地方税制等研究会、地方環境税・自動車関係諸税に関するワーキンググループ委員、日本大学経済学部教授、沼尾波子様。
副知事 どうぞよろしくお願いいたします。
事務局 続きまして、羽田副知事からごあいさつ申し上げます。
副知事 皆さん、おはようございます。副知事の羽田でございます。本日は大変年末のお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。本来なら松沢知事が参りまして皆様方にごあいさつをするところでございますが、所用がございまして、私からごあいさつを申し上げたいと思います。
まず冒頭、皆様にお詫びを申し上げなければなりません。報道等で既にご承知のことと存じますが、県庁税務課において不正経理が行われたということが発覚をいたしました。
この事件は、事務用品の販売業者に物品を発注後、納品を差し止めたまま支払い手続きを行い、業者に金銭を預けるいわゆる「預け」が行われ、平成15年度から18年度までの間、その一部を私的に流用し、公金を詐取したというものであります。詐取した元税務課の職員3名につきましては、神奈川県警察本部に告訴をいたしました。
このたびの不祥事は、大切な税金を徴収する税務課という部署で起こった公金詐取という不祥事であり、県政や県税そのものの信頼を失わせるものであり、大変遺憾に存じております。研究会の委員の皆様にも、大変ご心配をおかけしたことを深くお詫びを申し上げる次第でございます。今後は、不祥事防止に全力で取り組み、一刻も早く信頼を回復できるよう努めてまいりますので、引き続きご理解を賜りますようお願い申し上げます。
さて、今年は研究会にとりまして、非常に不幸な出来事がございました。発足当初より研究会委員を務めていただいた金澤史男先生におかれましては、本年6月に急逝されました。余りにも突然で早過ぎるご逝去は、いまだに信じがたく誠に痛恨の極みでございます。金澤先生は、水源環境保全税の創設に多大なご尽力をいただいたほか、水源環境保全・再生かながわ県民会議の座長として、施策の評価と県民の皆様への情報提供に力を注いでいただくなど、当研究会のみならず、本県の行政運営においてかけがえのない大きな存在でございました。私どもは、地方自治と地域経済の発展に注がれた先生の熱意と志をしっかりと受けとめ、今後も研究会での検討結果を生かしながら、より良い地方税財政の構築に全力を尽くしてまいる所存でございます。
当研究会は、平成10年12月の発足以降、神野先生に座長をお願いしてまいりましたが、神野先生が国の地方財政審議会の会長に就任をされたことから、今年の3月をもって研究会を離れました。そこで、新しい座長についてでありますが、これまでの研究会における経緯やご経歴等を踏まえまして、堀場先生にお願いすることといたしました。堀場先生におかれましては、ご多忙の中大変恐縮でございますが、今後ともご尽力のほどよろしくお願いを申し上げます。
また、新しい委員といたしまして、望月先生と諸富先生にご就任をいただくことといたしました。望月先生におかれましては、財政学を専門とし、現在、関東学院大学経済学部長という要職に就かれておられ、総務省の地方消費税に関する研究会でも実績を残されております。また、諸富先生におかれましては、財政学及び環境経済学をご専門とされ、現在、東京都の税制調査会や環境省の専門委員会のメンバーとして、環境税制の構築に実績を残されております。
両先生とも本県とつながりがございまして、望月先生は税と暮らしを考える専門部会の幹事委員として、また、諸富先生は生活環境税制専門部会のメンバーとしてご尽力をいただいたところであり、今般、研究会委員の就任をご快諾されたことを大変心強く思っております。
さて、今後の研究課題についてでございますが、知事から諮問としてお願いしたいことが2点ございます。1点目は、地方環境税及び自動車関係諸税のあり方についてでございます。鳩山政権では、地球温暖化対策税などの環境税制についての議論が本格化しており、平成22年度税制改正大綱では、地球温暖化対策のための税について、暫定措置される税率の見直しを含め、平成23年度実施に向けて成案を得るべく更に検討を進めるとされております。こうした国の動向や県民アンケートの結果などを踏まえ、先の12月県議会の知事答弁で、県独自の炭素税の導入は、当面見送ることが妥当との県の方針を表明させていただきました。今後は、地球温暖化対策における地方の役割や、暫定税率の廃止に伴う地方財源の確保などの観点から、自動車関係諸税を含めた環境税制について地方の立場から検討を行っていく必要がございます。こうしたことを踏まえ、地方環境税及び自動車関係諸税のあり方についてご検討をいただきますようお願いを申し上げます。
2点目は、地方消費税についてでございます。地方自治体が担うべき行政サービスは、今後確実に増加が見込まれる医療、福祉等の社会保障や、教育、警察、消防といった住民生活に必須のものであり、これを安定的に供給していくためには、税収が安定的で、地域間の偏在性が少ない税体系を構築する必要がございます。こうしたことから、地方消費税は、地方の基幹税としてふさわしい税目であると考えており、今年の7月に行われた全国知事会においても、国に対して税率の引き上げを強く求めたところでございます。しかしながら、消費税と地方消費税の税率を引き上げた場合には、負担の逆進制等の様々な課題が生じてくるものと思われます。また、現行の地方消費税の賦課徴収システムにおきましても、都道府県間の精算基準や賦課徴収体制など様々な課題がございます。このことから、地方消費税のあり方についてもご研究、ご提言いただきますようお願いを申し上げます。
県といたしましては、研究会からのご提言を受けまして、税制の抜本改革を念頭に置きつつ、国に対して提言を行ってまいりたいと考えているところでございます。
研究会委員の皆様におかれましては、今後とも引き続きお力添えをいただきますようお願いを申し上げます。
以上でございます。よろしくどうぞお願いを申し上げます。
事務局 羽田副知事につきましては、この後公務が控えておりますので、これをもちまして退席させていただきます。
副知事 では、よろしくどうぞお願い申し上げます。
事務局 続きまして、議事に入ります。議事の進行は座長にお願いします。堀場先生、よろしくお願いします。
座長 それでは、議事進行を僕がさせていただきます。今、副知事の言葉にもありましたように、大変お忙しい年末28日に開催をすることになりまして、まずはお詫び申し上げます。
それから、神野先生が4月より地財審活動ということで、私が引き継いだ形になっておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
それから、皆様も勿論ご承知のように金澤先生の不幸がありまして、新たにお二人を加えさせていただきました。お二人には大変お忙しい状況だと思いますが、よろしくお願いいたします。
座長 さて、それでは、初めに報告事項ということで、あとは事務局のほうでお願いします。
税制企画担当課長 それでは、私のほうから、まず最初の報告事項といたしまして、今年の3月に研究会からいただきました炭素税の税制の検討結果につきまして、アンケートを実施いたしましたので、その結果につきまして概略をご説明を申し上げます。お手元の資料1と資料1-2に基づきましてご説明をさせていただきます。
詳細版につきましては、既に先生方のほうにお送りしてございますが、これはあくまでも概要版、記者発表資料でございまして、資料1は、これはアンケートを3種類やりまして、県民アンケートとe-かなネットアンケートといいまして、これは県のホームページに登録していただいた方のアンケートでございます。ウとしまして団体アンケートということで、産業団体など1,312団体を対象に行ったものでございます。
実は、このアンケートはいずれも7月から8月にかけて実施したわけですが、3月に研究会からの報告書をいただきまして、実は私どもすぐに県内の主だった経済団体を回りまして、この研究会報告書の概要をご説明をして、少しご意見を頂戴したところなんですが、ちょうどそのとき景気状況が極めて厳しい、言わばドン底の状態だったということもありましょうけれども、経済団体の皆様からは総じて厳しい意見を頂戴してございました。今回のアンケートもそうしたものがある意味反映しているのではないかという内容でございます。
アンケートの概要でございますが、資料1の1のアンケートの概要というところご覧いただきたいんですが、(1)のアンケートの区分としましては、冒頭申し上げましたアの県民アンケート、イのe-かなネットアンケート、ウの団体アンケート、それぞれ実施してございます。
アの県民アンケートにつきましては、県内在住の満20歳以上の男女3,000名を対象として実施をしましたところ、回収率が41.3%でございました。この県民アンケートにつきましては、単純集計とは別に、それぞれの年齢ですとか、世帯年収ですとか、そういったものもあわせてアンケートの結果として得ておりますので、回答とそれらのその属性をクロス分析した結果が1の(2)でございまして、これは後ほどご説明をいたします。
イがe-かなネットアンケートでございまして、これは県のホームページの中に、e-かなネットというのがございまして、ここに登録している20歳以上の男女2,268名を対象に行いました。これはネットアンケートに登録されている方ですので、どちらかと言えば一般の県民の方に比べますと、県政への関心が比較的高い方々であります。
ウの団体アンケートにつきましては、県内に所在する産業団体など1,312団体を対象に実施しまして、回収率は40.2%ということになってございます。
(2)の調査項目でございますが、これは大きく分けて2つございまして、一つはアとして地球温暖化問題への関心及び対応についてということで、地球温暖化問題に対する関心度でありますとか、あるいは一番下に記載のように、国レベルでの炭素税導入への賛否について調査を行っております。
めくっていただきまして、イとして具体的に研究会から報告された内容についてのアンケートも実施してございまして、県独自での炭素税導入への賛否でありますとか、その賛成の理由あるいは反対の理由、あるいは具体的なその案として示されました「かながわ地球環境税」への賛否等々についてアンケートを行ってございます。
2の調査結果の概要以下がこの県民アンケート、e-かなネットアンケート、団体アンケートのかいつまんだ概要でございますけれども、(1)として地球温暖化問題に対する対応への関心度ということで、これはいずれのアンケートでも「非常に関心がある」、あるいは「ある程度関心がある」の合計が9割を超えており、非常に関心が高いということが伺われます。
(2)としまして、これは国レベルで炭素税導入への賛否でありますが、若干、県民と団体では意見が分かれておりまして、国レベルで炭素税を導入することへの賛否につきましては、県民アンケートでは賛成意見と反対意見がほぼ等しいと。e-かなネットアンケートでは、賛成意見が反対意見を上回っていると。一方で、産業団体からは反対意見が賛成意見を上回っていると、こういう結果でございました。
実はこれは内閣府が、平成19年8月にやはり環境税についての世論調査をやってございまして、そのときに要はその環境税、環境省が当時その環境税の案を出しておりましたけれども、この環境税について世論調査をしたところ、賛成が40.1%、反対が32%ということで、この内閣府の世論調査では賛成が上回っておったところなんですが、私どもがやりましたところ、経済情勢等々もあろうかと思いますけれども、県民アンケートでは賛否両論と、団体アンケートでは反対意見が賛成意見を上回るという結果になってございます。
一方で(3)番の県独自での炭素税導入への賛否ということで、これは県が独自に炭素税を導入した場合、それについての賛否はいかがですかというお尋ねをしたところ、県民アンケート、団体アンケートいずれも反対意見が賛成意見を上回っていると。e-かなネットが唯一、賛成意見と反対意見の割合がほぼ等しいと、そういう状況でございました。
ここには記載がございませんが、何ゆえ反対なのかを聞きましたところ、まず県独自の炭素税導入に反対する理由としましては、まず県民アンケートで一番多かったのが、やはり炭素税は全国一律で導入すべきであり、県独自ではCO2の削減効果はそれほど期待できないというものが一番多くて、続いて家計の負担が増えるからと、続いて3番目として、税という手法ではなくて、規制や自主的な取り組みなど他の方法で取り組むべきという意見が続き、この3つが非常に多かった状況でございます。
一方で団体アンケートのほうは、やはり全国一律で導入すべきというものが1番目、2番目として他の手法で取り組むべきというのが2番目、3番目として県内企業の負担が増えて競争力が低下する、あるいは県外流出が進むというような意見が非常に多かった次第であります。
最後のページでございますが、県独自の炭素税とは別に、法人事業税の見直し案、具体的には、本県が現在やっております法人事業税の超過課税を見直すことによって、CO2の排出量を減らすことを目的とした事業税の見直し案について賛否を尋ねたところ、いずれのアンケートも賛成意見が反対意見を上回るこういう結果になっております。
続いて資料1-2でございますが、1-2は、今申し上げた県民アンケートについて、回答者の年齢や職業あるいは世帯年収などのプロフィールごとに、回答の状況をクロス分析を行った結果でございます。それでちょっとページがなくて恐縮なんですが、3枚めくっていただきますと、3枚目の見開きから参考(主な調査項目の詳細)というものがございます。
ここからクロス分析の主立ったものをピックアップして記載してございますが、1番の地球温暖化問題に対する対応への関心度ということなのですが、これは先ほど冒頭申し上げたとおり関心があるという回答が9割を超えているのですけれども、aの性別・年齢別で見てみますと、性別では大きな差はございませんけれども、年齢別では、年齢が高くなるに従って非常に関心があると、その割合が高くなる傾向にございます。bの世帯年収別でございますけれども、これもいずれの年収区分においても関心が高うございますけれども、特に年収が1,401万円以上の世帯、これは相当高額な所得者でありますけれども、非常に関心があるという割合が5割近くを占めています。
その見開きでございますが、国レベルでの炭素税導入への賛否ということで、先ほど申し上げましたとおり、県民アンケートの総集計、集計結果では、賛成と反対がほぼ同水準だったわけですが、aの性別・年齢別で見てみますと、性別で大きな差はないものの、年齢別では40歳代以下の世代で賛成意見が反対意見を下回っていると。特に40歳代で賛成意見が最も少ないと。一方で50歳を超えますと、年齢が高くなるに従って賛成意見が多くなっておりまして、70歳以上では賛成であるというのと、どちらかと言えば賛成であるを足すと約55%、54.9%ということで、過半数を占める結果になっております。
(1)の地球温暖化問題に対する関心度との比較で見てみますと、こちらは年齢が高くなるに従って関心の割合が高くなっているわけなのですが、この炭素税の導入についてどうですかという質問について言えば、年齢が高くなるに従って高くなるというよりは、20歳代から徐々に下がって40歳代が一番賛成が少なく、そこをボトムとしてだんだん高くなっているという状況にございます。恐らくは、40歳代で最も教育等々で、あるいは住宅ローン等々で、家計に中々負担が生ずるのを懸念しているところが、こういう部分に表れているのかなという気はしております。
bの職業別でございますが、家業従事ですとか、あるいはアルバイト・パート・契約社員などでは反対意見が過半数を占めておりまして、一方、学生は賛成意見が過半数を占めているという状況になってございます。
1枚めくっていただきますと、国レベルの炭素税導入についてのcの世帯年収別でございますが、これは年収が600万円以下の世帯では、収入が低くなるに従って賛成意見が次第に少なくなっていくという傾向がございます。特に年収が200万以下、この世帯では賛成意見が反対意見を大きく上回っている、約半分程度という状況であります。
以上が国レベルでの炭素税導入についての賛否についてでありますが、(3)番としまして、じゃ、一方で県独自で炭素税導入した場合への賛否ということでございますが、これは全体の集計としましては、賛成意見が反対意見を下回っている状況でありますが、aの性別・年齢別では、先ほどの国レベルの炭素税と同様に、性別では大きな差はないものの、年齢別では70歳以上で賛成意見が過半数を占めておりますけれども、それ以外の世代では、賛成意見のほうが少ない。特に先ほどと同じように、40歳代では賛成意見が反対意見を大きく下回っている状況にあるということであります。
次の職業別でありますが、これも先ほどと同じように、アルバイトやパート・契約社員などでは、賛成意見が反対意見を大きく下回っているという状況であります。
その下の世帯年収別でありますが、年収600万円から800万円の世帯では、賛成意見と反対意見がほぼ同水準でありますけれども、それ以外では賛成意見のほうが少ないと、特に先ほどと同様に200万円以下の世帯では、賛成意見が反対意見を大きく下回っているという状況でございます。
1枚めくっていただきますと、(4)番として、県独自での炭素税導入に賛成する理由ということで、これは県独自の炭素税導入に賛成した方の中からご意見を伺ったわけなんですが、この理由については、性別・年齢別のいずれの区分も、地球温暖化対策は早急に取り組むべき課題であって、まずは一地域からでも取り組みを進める必要があると、そういう回答が最も多くなっておりました。
(5)番では、その逆に、県独自の炭素税導入に反対する理由としまして、性別では男性、年齢別では40歳代以上の世代で、炭素税は全国一斉に導入すべきだという意見が最も多かった一方で、女性ですとか、あるいは30歳代以下の世代では、家計の負担が増えると、そういう意見がその反対の理由としては最も多くなっております。
以上が県独自の炭素税導入への賛否についての傾向でありまして、(6)番は、具体的に研究会報告書で示されました「かながわ地球環境税」の具体的な内容を示しまして、それについての賛否を県独自の炭素税導入に賛成した方に尋ねましたところ、賛成意見が9割程度を占めていると。
(7)番では、もし「かながわ地球環境税」が導入された場合に、灯油、ガス、電気についてその使用量を減らすかどうかということを聞いたところ、灯油については24%、ガスについては28.8%、電気については43%の方が、価格が上昇すればその分使用量を減らしますと、そういう回答をいただいております。
めくっていただきまして、その次はガス、電気の使用量、(8)番でございますが、これは「かながわ地球環境税」が導入される場合の税収の使途でありますが、これはいずれの区分でも、やはり県の地球温暖化対策事業に活用すべきという意見が最も多くなっています。
(9)番は、この「かながわ地球環境税」が導入される場合の配慮としまして、いずれの区分でも、県民や企業が納得できる負担金額であるということが最も多くて、言わば税率水準をどの程度に設定するかということについて、非常に関心が高いということでございました。
最後のページは、この県独自の炭素税とは別に示されております法人事業税の見直し案への賛否でございまして、これは全体の約6割が賛成しておりまして、職業別、世帯年収別のいずれの区分でも賛成意見が反対意見を上回っている、そういう状況でございました。
県民アンケートの詳細は以上でございまして、これにつきましては、25日に記者発表してございます。冒頭副知事のあいさつで申し上げましたけれども、県民意見あるいは団体からの意見ですとか、あるいは、後ほどご説明いたしますけれども、全国一律の環境税の導入の機運が非常に高まっているという状況がございまして、3月に研究会からいただきました県独自の炭素税の導入検討につきましては、当面見送りをさせていただきたいという旨を、先の県議会で知事が答弁させていただいたと、そういう状況でございます。
私からは以上でございます。
座長 ありがとうございました。
座長 では、引き続き、本県の財政状況について。
財政課課長代理 資料2に基づいて説明させていただきます。
1ページをお開き願います。冒頭タイトルですね、平成21年度実質的当初予算となってございます。実質的というのは、本県につきましては他県と異なりまして、臨時財政対策債、これは特別会計で整理しているものですから、ちょっと左下の全国との比較をするために、この臨時財政対策債を一般会計と合わせて整理してございます。
真ん中の大きい円グラフでございますけれども、本県の歳入予算額を款別に示したものでございまして、一番割合の大きいのが県税収入ということで62.9%県税収入となってございます。左下の全国では35.3%ということでございますので、本県は極めて高い割合となっています。ただ一方で、地方交付税につきましては、わずか本県の場合2.6%、一方左下の全国では16.7%、全国を大きく下回っていると、こういう状況にございます。
また、県債につきましては、新規発行抑制に努めてございますけれども、地方交付税にかわって措置されます、ただいま申し上げた臨財債ですね、これは発行額が人口見合いで押しつけられるということでございまして、これが21年度にあっては1,599億円もあるという状況でございまして、このため県債につきましては、全国のシェアよりも本県のほうが大きいと、こういうようになってございます。
2ページをお開き願います。このグラフは、本県の県税収入の推移でございます。一番左側のグラフを62年度以降を示してございます。バブルまでは右肩上がりということで、元年度に1兆円を初めて超えたということでございまして、平成3年度には、当時ピークの1兆930億円、数字が上に書いてございますけれども、ピークになってございます。ただ、その後バブルが崩壊いたしまして、1兆円を割り込みまして、真ん中から少し右側、平成15年度はバブル後のボトムとなる8,801億円まで低減してございます。
このように県税収入は景気の動向に大きく左右されるということでございまして、特に棒グラフで黒塗りになっているところ、これ法人県民税でその下が事業税なんですが、この黒塗りの部分以下のところが大きく増減しているということで、極めて法人関係税のシェアが高いということもありまして、不安定な税収入になっているということでございます。
右から3段目、平成19年度の柱が一番高くなってございますが、三位一体の改革に伴いまして、所得税から住民税に2,000億規模で税源移譲がございましたので、大きく増収になってございますけれども、一番右側の平成21年度に、今年は法人関係税の落ち込みがございまして、前年比で1,600億円以上落ち込んでいると、極めて厳しい状況になってございます。
下の3ページは、こういう落ち込みを補う地方交付税及び臨時財政対策債の推移ということでございまして、グラフの左側のほう、バブル期には不交付の時期もございました。ただ、右側に行くに従いましてどんどん柱が高くなっていくということでございまして、11年度には財政危機の影響で、地方交付税2,398億円まで増加しまして、12年度には過去最大となる2,571億円、交付税単体でピークになってございます。
平成15年度には、臨時財政対策債と色が変わって、臨財債が上の黒塗りで下が交付税ですが、合わせますと3,000億円を超えるというような数字になってございます。18年度以降は、臨時財政対策債が地方交付税を上回って、上の黒塗りの部分の割合が高いという状況になってございます。
平成21年度、一番右側でございますけれども、地方交付税は下のほうの帯が、薄目の帯、交付税が440億円予算計上していますが、実際には7月に交付決定がありまして510億円交付決定をいただいてございます。このように財源保障機能を有する地方交付税、税収が落ち込んだときに増加する傾向にありますけれども、13年度以降臨財債が入って拡大しているというような状況にありますので、その分交付税が結果的に圧縮されてしまうという状況もございます。
4ページをお開き願います。このグラフは、住民1人当たりの地方税・地方交付税・臨財債を都道府県ごとに整理したものでございまして、一番上の島根県ではトータルで36万6,000円と、そのうち地方交付税が21万5,000円もあるというような状況でございます。一方本県は、5ページの下から2番目になりますが、14万6,000円ということで、特に交付税はたったの5,000円ということで、塗ったところもわからない状況でございますが、順位は最下位の埼玉に次いで46番目ということで、全国平均20万5,000円との比較では、1人当たり6万円財源が下回っているという状況でございます。
下のほうには、人口の比較的多い都市部の団体が集まっています。都市部の団体では、地方税そのものは全国平均と余り変わらないという状況でございますけれども、一方で地方交付税は極めて少ないという状況なので、どうしても1人当たりの財源が全国平均を下回ってしまうと、こういう状況でございます。
6ページをお開き願います。このグラフは、県債の年度末現在高の推移を棒グラフで示しておりまして、折れ線グラフが県税収入額などを示してございます。県税収入が落ち込んだ平成4年度以降、国の景気対策に伴いまして県債を増額発行いたしまして、県債残高が年々増加いたしました。9年度に県債の新規発行額を自主財源の10%以内にしようと、こういう目標を立てて取り組んだ結果、15年度以降の現在高はほぼ横ばいになっていると。一方、臨時財政対策債、色の濃い棒グラフでございますが急激に伸びてございまして、県債残高全体を増加させるようになっているということでございます。
7ページをご覧ください。基金の年度末現在高の推移になります。平成2年度には景気拡大となりまして、県税が増収傾向で推移したことを背景としまして、ピークとなる2,141億円となってございます。しかしながらその後の税収の落込みに対応するために、県債の増額発行とともに、多額の基金の取崩しをしたということで、残高が急減しておりまして、21年度一番右側ではほとんど底をついた96億円という状況になってございます。
8ページをお開き願います。このページは平成21年度の歳出予算を、人件費などの性質別に整理したものでございます。左上の大きな円グラフ、これが本県の状況でございます。特徴としましては、人件費、介護・措置・医療関係費、公債費、こういった義務的経費が歳出総額の80.4%となってございまして、硬直的な財政構造となっております。特に人件費は全体の45.4%と、左下にございます全国のグラフ、30.6%が全国平均ですので、かなり割合が高くなっていると。この要因といたしましては、県内の教員それから警察職員、この給与につきましては、政令市分を含めて全額県が負担しているということがございます。
矢印の右側ですね、円グラフに整理してございますけれども、教員と警察職員で人件費総額の約9割を占めているという状況です。義務教育に係る教員につきましては、人事権そのものは政令市が持っており、県は給与の負担だけをしている状況でございます。右下の表中に政令市に対する負担を整理してございますが、小学校、中学校のいずれもかぎ括弧内に記載のとおり、半分以上が政令市の小・中学校に対するものと、こういうことになってございます。なお、義務教育に係る教員、警察職員につきましては、法令によって定数が定められているので、本県独自に職員を削減できないと、こういったこともございます。人口、児童・生徒数がまだ本県の場合は増加していると、こういうことでございまして、増加傾向で推移してまいりました。
一方、知事部局などの一般職員の人件費につきましては、右上の円グラフにありますけれども、わずか11.1%ということでございまして、その下の性質別予算額の表、表は下についてございますけれども、3段目に記載のとおり、全体の歳出予算の5%、一般職員は枠のかかっているすぐ上でございますけれども5%ぐらいだということでございまして、この部分は職員の削減等の動きによって年々減少をしていると、こういうことでございます。
9ページをご覧ください。62年度以降の予算額を提示したものでございます。一番右端の21年度の柱をご覧ください。一番下、黒塗りの一般職の人件費から上から3段目のその他義務的経費というところまでが義務的経費です。公債費やその他の義務的経費の中の特に介護・措置・医療関係費ですね、これが増加しておりまして全体の81.4%、先ほどご説明したとおりでございます。
折れ線グラフが県税の推移を示してございます。平成3年度までは県税収入が義務的経費を上回っていたと。ただ、4年度以降は、県税収入だけでは義務的経費すら賄えないと、こういった状況になってございまして、義務的経費の増加が本県財政の悪化の要因となっているということでございます。
10ページをお開き願います。このページの左半分に行革による人件費抑制額を整理しました。上のグラフにありますとおり、平成16年度以降、毎年200億円を超える金額を抑制した結果、一番右の21年度では累計で1,725億円の効果がありました。右半分には、職員数の削減状況をグラフで示してございます。平成9年度、一番左側の柱では、教職員や警察官を除いた全任命権者の職員数、約2万人でしたけれども、一番右が21年度では、これを2割以上下回る1万5,513人まで削減しております。この結果、下に記載のとおり、行政システム改革基本方針に掲げた人件費や職員数の削減目標を、21年度に1年前倒しで達成することができました。本県としてできる限りの努力をしているというところでございます。
下の11ページをごらんください。この表は歳入と歳出を類似県と比較できるようにしたものでございます。本県の特徴といたしましては、歳入規模が計の欄に記載のとおり大阪府を1兆円下回っております。また、地方税の割合でございますけれども、かぎ括弧内に72.1%と、他の団体や全国平均を大きく上回っておりますけれども、税額では、人口規模ほぼ見合いなんですが、大阪府を下回るという状況でございます。さらに、地方交付税は、当時不交付団体であった愛知県を除きまして、この中では最低水準ということでございます。
また歳出面では、公債費、投資的経費の割合が相対的に低くなっています。一方で、今まで申し上げてきましたとおり人件費の割合が最も高いということで、大阪府との比較でも、人口規模の同じ大阪府と1,000億円、額では下回っているということで、ここに少し行革効果があらわれているのかなというような状況でございます。
このように全国と比較しますと、本県の歳出構造はかなり硬直化が進んでいるということが見えてきていると思います。歳入・歳出規模が相対的に小さく、人件費の削減などに取り組んでいるものの、構造的な改善には結びついていないと、その要因といたしましては、1人当たりの一般財源、先ほど下から2番目ということでございますけれども、そういう財源が過少であることが原因ではないかと考えてございます。
12ページをお開き願います。このページは、22から26年度までの5カ年の中期財政見通しでございます。見出しのすぐ下の囲みにございますとおり、経済状況の見通しを踏まえて、現行制度のもとで収支がどう推移するかということを、一定の前提条件を設定した上で試算しているものでございます。
(1)推計の前提条件でございますが、一番上の県税につきましては、1つ目のポツにございますとおり、22年度は、個人所得や企業収益の動向等を踏まえ推計をしました。23年度以降につきましては、国、内閣府の作成した試算に記載された名目経済成長率を前提として見込んでいます。1つ飛んで下の県債のところでございますけれども、臨時財政対策債につきましては、本来今年までの時限ではございますけれども、22年度以降も今の制度が継続されるだろうという前提で見込んでございます。
(2)推計結果は下の13ページでございます。真ん中あたり、平成22年度でございますけれども、歳入合計で1兆6,450億円、歳出合計1兆7,700億円ということで、財源不足額A-Bという帯をごらんいただきますと、財源不足が1,250億円ございます。この1,250億円につきましては、県債のうちかぎ括弧で記載いたしました臨時財政対策債ですね、これを本年度よりもさらに400億円上回る2,050億円を見込んでもなおこの巨額な財源不足が生じるということで、並大抵の努力では解消できない極限状態というべき極めて厳しい状況にございます。
23年度以降、県税は増収に転じるというような推計をしてございます。ただ、これが増えても、反比例の関係で臨時財政対策債が減少していきますので、歳入としては、全体としては横ばいで推移してしまうのではないかということでございます。
ただ一方で、歳出でございますけれども、公債費だとか介護・措置・医療関係費、これ両方で毎年100から200億円ぐらいの範囲で増加をし続けますので、歳出のほうは着実に増加してしまうと、したがって財源不足につきましては、23年度は2,050億円となりまして、以降毎年拡大して26年度一番右側でございますけれども、2,600億円までいくと、5年のトータルでは実に1兆400億という1兆円を超える不足額に達すると見込まれております。これは臨時財政対策債の現時点で想定される地財対策を織り込んだ上での不足であるということで、繰り返し申し上げますが、極めて深刻な事態に陥っているという状況でございます。
なお、資料にはございませんけれども、先週25日に地財対策が出まして、この中では、財源不足が拡大したことへの対応といたしまして、交付税を11年ぶりに1兆円増額していただいたと、併せて臨財債につきまして2兆円増額というようなことで対策が講じられていますけれども、この影響はまだ現時点では明らかではございません。いずれにしても徹底した事業見直しをして、何とかこの巨額の財源不足を解消するよう精いっぱいの努力をしているというところでございます。
以上で、財政状況について説明を終わらせていただきます。
座長 どうもご説明ありがとうございました。
それでは、報告内容に関して何かご質問のある方。どうぞ。
よろしいですか。
座長 それでは、引き続き説明事項になりますけれども、本日の議題といいますか、課題といいますか、3件ございまして、ワーキンググループの設置及び今後のスケジュールについて、事務局よりご説明をお願いいたします。
事務局 はい。それでは、資料3をご覧ください。本日の研究会の初めに、新たに研究会委員をお願いする先生方に委嘱状を副知事からお渡しさせていただきました。本日からこの体制で研究会がスタートしました。今後、数々の議論をお願いすることになります。
設置要綱の第1条でございますけれども、こちらは研究会の設置目的を上げさせていただいております。また、第2条では、研究会の事業、つまり調査と研究内容について記載させていただいておりまして、第3条で組織について触れております。この第2項におきまして、「委員は、別表に掲げる者をもって充て、知事が委嘱する。」こととなっております。最終ページをお開きください。こちらが別表でございまして、座長に堀場先生、そして本日新たに望月先生、そして諸富先生に加わっていただいたものとなっております。こちらの設置要綱につきましては、本日をもって施行する形になっております。
大変すみませんが資料の3-2をご覧ください。こちらは研究会要綱の第6条に基づき設置します、ワーキンググループの設置要綱でございます。ワーキンググループは、研究会の事業目的を達成するために実務的な調査研究を行うこととなっております。こちらのまた最終ページをお開きいただけますでしょうか。別表に掲げておりますとおり、ワーキングを2つのテーマに分けさせていただきました。
これは冒頭研究会で地方環境税・自動車関連税制のあり方と、地方消費税のあり方について検討をお願いしたところでありますが、この2つのテーマについて、マルチ両輪で対応できるようにしたものでございます。それぞれの委員長に青木先生、そして望月先生にお願いすることとなりました。地方環境税・自動車関係諸税につきましては、青木先生以下6名の体制で、地方消費税につきましては、望月先生以下5名の体制でお願いします。
今後のスケジュールでございますが、来月から月1回または2回ぐらいのペースでワーキングでの論点整理を行っていただければと考えております。それぞれのとりまとめをもって研究会で議論を深めていただきまして、そしてご報告、ご提言いただきたいと思います。県といたしましては、その報告を踏まえ、国などに対して働きかけを行っていきたいと考えております。特に新政権になりまして国の動きが大変早いですので、まず地方環境税・自動車関係諸税のほうですね、こちらのあり方につきまして、先行してワーキングのほうを動かせていただければ幸いと思います。
議論のとりまとめでございますが、とりあえず地方環境税のほうにつきましては早々に動いていただきまして、できましたら年度内にとりまとめの方向を固めていただきまして、その報告をもって検討しまして、国へ働きかけを行っていきたいと考えております。
ワーキンググループの設置及び今後のスケジュールにつきましては以上でございます。
座長 ご報告ありがとうございました。
それでは、何かご質問ございますか。
大変、一生懸命働けと。3月までに何かその論点整理をしたものとして回答をいただきたいということですね。
政策部長 できればそのように。
委員 中身についてはもう少ししてから多分議題になるんでしょうから。
座長 地方消費税についてのワーキングの期限はどうなっていますか。
事務局 できましたら、次年度の税制改正の動きがございますので、23年度になりますね、そのときまでには固めたいと。若干タイムラグありますので、そちらのほうが時間的には少し余裕があるのかと思っています。
座長 助かりました。ありがとうございます。わかりました。
事務局 大変恐縮でございます。
座長 いえいえ。国のほうの動きを見ながらということでしょうね。
何かスケジュールあるいはその他ご意見ございますか、報告等について。
よろしいですか。
委員 どっちでやったらいいのかよくわからない、次の議題があるものですから、めぐる動向、今ご説明あるんだろうと思うんですけれども、先ほどご説明いただいたこのアンケートについても、あのときの状況とは様変わりをしておりますので、諸富先生に今回入っていただきましたので、前回の議論をどこかでちゃんとご説明しないといけないと思います。記者さんもいらっしゃいますからご理解いただけると思いますけれども、あれを出した時には金澤座長のもとで、あの当時の現状を前提とした案をつくったわけですね。
例えば排出権取引にしてもあの時入れるぞ、入れるぞと言って、どうなるのか余り最後が見えない状況であって、ただ、金澤先生の判断としては、排出権取引が入るので、これと重複するところは避けておこうという判断をしたわけです、例えば。あるいはガソリン税については当時も、この3月までにも分からないのでどうするかですが、そこのところの重複も避けておこうという判断。
ですから様々な判断のもとでやっていますから、このアンケートが改めて今分析されても、果たしてどういう意味があるのかというのが一つありますけれども、我々の関心としては、アンケートのご意向は尊重しつつも、今変化した状況の中でどういう選択肢があり得るのか。ですから、今、例えばで申し上げたように、産業部門には排出権取引なのでということで、産業部門に特化したような案は出さなかったわけですが、現在のキャップがない排出権取引で果たして有効なのか、諸富先生のご専門ですから、重々ご意見をお聞きした上で判断いたしますけれども、やはり批判は強い。
それと同時に、これはもう有名な話ですが25%をどうするのか。COP15の結果から見て国民、今メディアの書き方が書き方なものですから、国民の間でどういう意見が出ているのかもありますが、そこの現状も踏まえて考えていかなければいけませんし、色々状況が変わった面がとても大きいものですから、この辺りをどうつなげるか。
本日、去年出した答申がないのですが、あの答申をなぞれるのかなぞれないのか、あるいは最初からひっくり返すのかどうなのかというところも含めてやると、相当詰めた作業をしないとですね。あの当時の案を前提にしてそのまま出来れば短期間で、2、3回でもいけるんですが、本当にそれでよろしいのかどうなのか。新政権のほうの言っている環境税もまあまあ何となく想像がつきますけれども、どうなのか見定めながら、それと上手く、ですから競合するのか、促進材料にこちらがなるのかはわかりませんけれども、うまく折り合いをつけていかなければいけませんし、二、三カ月でやるのはしんどいと思います。
政策部長 3月末までにお願いをしているのは、国が、23年度中に結論を出すような動きの中で、国の制度改正にあたりまして、当然地方の財源の部分を十分考慮してもらわなくてはいけないと。そういう中で、地方側から積極的に提言をしていきたいと、国に対して提言をしていきたいという意味合いが非常に強いものですから、当然国の動向を睨むことになりますけれども、国が動き出す前に県から打ちだしていく形ができないかと、そんな思いで、非常に短期間で大変申しわけないとは思っているのですけれども、そういう意味で年度内に何か形にというお願いです。
ただ今、○○先生がおっしゃられるように、状況の変化が非常に大きいというのも確かで、当然その辺も考慮していかなくてはいけないので、そこで一発での提言という格好にするのか、あるいはもう少し何段階かに分けるのか、それはまたご議論の過程ということになろうかと思いますけれども、我々はとにかく国に積極的に提言をして取り入れてもらおうと、こういうような形でやっていきたいということで、非常に厳しい時間設定をさせていただいたものでございます。
委員 少しすみません。追加してよろしいですか。
今のところが出てきてしまいますと、一言申し上げておかなければいけないのは、お気持ちは重々わかりますし、地方の側で財源というお話で、国に対して先手を打って、やはり地方の財源を守るぞというのは気持ちはよくわかりますし、私もそういう立場になればそういう発言をしている人間ですから重々分かるんですが、ただ、やはり税を提案して、大事なのは財源の取り合いではなくて、やはり国民としてどう環境税を負担していくかという話ですので、そことの整合性がとれない形での財源の取り合いの話は、正直言うと余りしたくないなと思っています。
財政課の方にまた耳ざわりの悪いことなのですが、先ほどの説明もどういう説明を我々は受けたのかなという、人件費が何とかという話は別に聞きたくなかったなという気もしないでもないので、その辺りも私は文句を言っているわけではありませんが、そういうことも含めて、様々な状況はもちろん踏まえつつも、今大事なのは、特に諸富先生に入っていただいた限りは、理論的に正しい、あるいはこれから日本国民が負担すべき環境税のあり方を出していきたいと、それが出せない限りは、ひょっとしたら中間報告で、今お話をいただいたように第1弾、第2弾という形で行うという妥協はいたしますけれども、やはりその枠だけは守りたいというところです。
座長 この炭素税に関しては知事のご判断があるんですね。
政策部長 はい。県独自の炭素税という形では当面見送るということで。
税制企画担当課長 その辺につきましては、今部長が申し上げたとおりなのですが、後々、その資料でご説明いたしますけれども、今回の政府政調の議論の中で……
座長 その、ご説明していただけますか。
委員 そうですね。こっちをやってからのほうが良いですね。
税制企画担当課長 はい。ただ今のご意見を踏まえまして資料4、これはもう皆さんにご案内のことと若干事情が変わりまして、ご確認いただきますと、今回政府税調で環境税についてはかなり議論が出てきたと、その経緯については諸富先生も本当によくご存じだろうと思いますけど、資料4では、ざっと環境省が政府税調に出した地球温暖化対策税の概要でございますとか、あるいは知事会の地方環境税をまとめてございます。総務省も知事会が出した地方環境税とは別に、地方税としての環境自動車税を提案してございます。右2つは、東京都が先に11月17日に中間報告を出した温暖化対策税の概要と、一番右側に今年の3月にご提言をいただきました「かながわ地球環境税」の概要を記載してございます。
今回、こういう形で、左の3つは政府税調の中で議論された模様でありますけれども、特に知事会が出した地方環境税の案というのは、実はこれは富山県の石井知事さんのご発案でございまして、私どもは知事会の中で議論をしたときに、この全国知事会の地方環境税というものは、結果的に暫定税率の廃止によって地方全体で8,000億を超える減収になってしまうと、この8,000億を超える減収を財源を確保することがまず第一の目標でございまして、よってそのシステムとしては、軽油と揮発油だけを対象とする、他の化石燃料については課税対象としないということで、しかもそのシステムとしては、現行の軽油引取税、これは私ども都道府県が課税してございますけれども、都道府県が課税しているその軽油取引税のシステムを活用して揮発油と軽油に対して課税しましょうと。
税率についてはこの記載のとおりでございまして、税収としてはまさに暫定税率の廃止によって穴があいてしまうであろう地方税収の減収分に相当する8,000億、これをカバーするための税として提案されたということでございまして、この案はその全国知事会の案として出てはいるんですけれども、では、果たしてこれについてどうなのかということを言った場合に、先に○○先生がおっしゃったように、果たしてこれは環境税というものに値するものかどうか、CO2の排出の削減効果でありますとか、そういったものを考えた場合に、その軽油と揮発油だけを対象にして、石炭その他のガソリン類は対象としていないということでございますので、果たしてこういうものは環境税として導入した場合、どうかという面がございます。
一方で、左側の環境省が出した地球温暖化対策税につきましては、環境省は平成17年に環境税の具体案というものを出してございますけれども、このときと比べますと、税収規模もその課税のシステムも大分変わってきておりまして、具体にはその課税客体としては(1)として原油、石油製品、あるいはそのガス状の炭化水素、石炭と。(2)としてガソリンということで、およそ化石燃料全般を課税対象としつつも、平成17年当時に環境省が示した環境税の具体案と違って、システムとしては現行の石油、石炭税の納税システムを活用したりですとか、あるいは揮発油税の納税システムを活用するということで、どちらかというと現行のエネルギー課税に上乗せするような形で、その炭素税も仕組んでいくということで、従来の環境省が出した環境税のシステムとは、大分違っているということが一つございます。
またその税率も、例えばガソリンでございますと、キロリットル当たり1万7,320円ということで、これはかつて環境省が出した環境税の案でございますと、キロリットル当たり1,520円でございますので、大分税率も高くなっておりまして、その結果、税収額も総額では2兆円ということで、当初環境省が出した環境税が3,700億円でございますから約5.5倍ということで、税収規模が非常に大きくなっているというところがございます。
下のほうで使途としましては、地球温暖化に係る歳出、あるいは減税に優先的に充てるということで、特定財源にはしないというところでございます。
ただ、これはその他に書いてございますけれども、軽油については、現行、都道府県税としての軽油引取税が課税されておりますので、その軽油は除いて別途ガソリンに準じた検討が必要というように記載されております。このガソリンに準じた検討と申しますのは、やはりガソリンについては、既存の揮発油税のシステムの中で上乗せして課税していくということでありますので、軽油についても、既存の軽油引取税のシステムの中で、例えば暫定税率として課税したものを、別途炭素税として上乗せして課税していくというようなことが想定されるのかなという気がしております。
1つ飛んで、総務省が、別途環境自動車税というのを政府税調に提案しておりまして、これは民主党のマニフェストの中で、国税である自動車重量税と地方税である自動車税を一本化ということがマニフェストの中に掲げてございました。これを受けてのことだろうと思いますけれども、内容的には単に一本化するだけではなくて、一番下に矢印で環境自動車税のイメージというのがございますけれども、一つは環境損傷負担金的な性格ということで、CO2の排出量を勘案した税率設定にするということがございまして、もう一つは財産税的な性格ということで、財産的な価値を勘案した税率、この2つをあわせ持ったようなものとして、都道府県が課税する環境自動車税というものを創設することを提案しているということでございます。
ご案内のとおり、今の自動車税というのは都道府県の税金でございまして、性格としては財産課税とあわせて道路損傷負担金的な性格があるということで、排気量をベースにした税率設定がなされていると。重量税はご案内のとおり国税でございまして、自動車の重量をベースにした税率設定になっている。これらを合体して、CO2の排出量を勘案した税率を設けることによって、環境税的な意味合いを持たせて、併せてその地方の税源確保ということを狙いとして、こういうものを提案したのかなという気がいたします。
右側が、東京都が今年の11月17日に中間報告を出しまして、その中で温暖化対策税というものがございます。これは全国一律の税として提案されたものと理解しておりますけれども、課税対象としてはすべての化石燃料を対象とすると。
1つ飛んで導入の形態としては、これは既存のエネルギー関係諸税を生かしながら、それぞれ炭素比例税率を上乗せすると、いわゆるフィンランド方式を基本として、これでやってしまうためには既存のエネルギー関係諸税がベースになりますので、ある面地方税になったり国税になったりというところの分離がございますけれども、可能な限り地方税として制度設計していくことが適当であろうというようなことでございます。
併せて課税のポイントとしては、CO2の抑制効果の観点から、出来る限りその消費の段階、消費に近い段階で課税することが望ましいと。あるいは小売段階での課税というものが、税源が普遍的となることから地方税として仕組みやすいと、そういうようなこと、あるいは低所得者への配慮が容易であるというようなことも併せて指摘がされております。
具体にその税負担の水準としては、具体的な税率設定までしておりませんけれども、この温暖化対策税と既存のエネルギー関係税をあわせた税負担水準が、現行を上回るべきだというところが記載されてございます。
一番右側、本県がこの研究会においてご提言をいただきました「かながわ地球環境税」でございまして、復習として申し上げますと、客体としては、1つ目としてガソリンですとか軽油、LPガス、灯油の県内における購入に対して、その販売者を特別徴収義務者と指定して特別徴収をする。いわば川下の段階で販売のとき、購入のときに課税をすると。(2)番として電気、都市ガス、LPガスにおける県内における使用は、電気・ガス事業者を特別徴収義務者として、これを電気・ガス事業者から電気、ガスの供給を受ける段階で課税をすると。あと3つ目として、重油ですとか石炭、天然ガス、ジェット燃料、ガソリン・軽油、これは自動車燃料以外でございますけれども、これにおける使用については、一定規模以上の使用等をする事業者によって申告納付をしていただくということでございまして、税率は記載のとおりでございまして、税収規模は本県ベースで220から340億程度を想定しているという状況でございます。
こういうような状況がございまして、結果的に今回のその政府税調の大綱に置きましては、地球温暖化対策の税については、暫定税率の見直しを含めて平成23年度、まさに来年度の実施に向けて成案を得るべく更に検討を進めると。併せて、地球温暖化対策のための税を検討する場合には、地方の財源を確保する取り組みが不可欠であるということでございまして、私ども地方の立場から申し上げさせていただきますと、やはりこういう全国一律の環境税を仕組んだ場合に、果たして、恐らくは暫定税率の廃止との見合いの中で創設されるでありましょうから、その場合、暫定税率の廃止がされた場合に、地方全体として8,000億を超える減収があると、本県で申し上げますと、実質的に約200億弱の減収が生ずるものでございますので、そこは何とかその確保をしたいなということを前提にしつつ、果たしてこの地球温暖化対策税の中に、地方税としてのシステムがどういうような形で創設できるのかなと。
これは単に財源の確保ということだけではなくて、先ほど○○先生がおっしゃいましたように、環境税としてきちんとした効果が生じるようなものとして構築する場合に、どのような留意事項があるのかという点でございますとか、あるいは真っさらから環境税を導入するということではなくて、今回環境省が地球温暖化対策税を出したように、あるいは東京都がフィンランド方式を基本とするというように言っているように、既存のエネルギー関係の諸税がございますので、その諸税を前提とした上で、新たな地方にも財源がしっかり確保できるような炭素税のありようというものが、果たしてどういうものであろうかといった点を、いろいろご議論していただいた上でご研究をいただければなというふうに考えているところであります。
資料4の説明としては以上でございます。
座長 消費税のほうもご報告いただくということで、いかがでしょうか。
税制企画担当課長 それでは、資料5に基づきまして、消費税・地方消費税をめぐる最近の動向ということで、これは……
委員 先生、分けたほうが良いのではないかと思います。
座長 これ分けましょうか。
税制企画担当課長 はい、すみません。
座長 ご質問からいきましょうか。
委員 すみません。最初から少し難しい話になってしまうんですが、これは質問というよりも委員でどう捉えるかということもあるのですが、どういう前提で我々ワーキングが、あるいはこの研究会としてやっていくのかなのですが、今、幾つかオプションの選択肢を出し、東京都にしろこれ平成13年から8年間同じものを出し続けている結果なのですが、今様々なことをおっしゃって、つまり上乗せするとか何とかで様々なオプションを出していただいたのですが、更に広く言うと、実はもっと色々あるんですね。
ですから、今年の春に出したこの神奈川の答申にせよ、これ新たなオプションですから、例えば皆さん今、ガソリン税のこの上乗せのところばかり注目して、ここをどうやって取るかという話なんですが、ここを取るのか、それともこの金額が他で取れれば良いのかというオプションも当然あるわけです。
そういうオプションのどこから始めるのか、あるいはもっと言えば、これ知事の諮問が環境税になっているのかわかりませんが、これは多分段階を追っていくと、今年入らなくて来年度の答申になるかもしれないんですが、もっと例えば地域的なエリア課税をやるとか、あるいはその走行時をつかまえるとか、自動車税ですと、例えば神奈川県であれば神奈川県の保有税ですよね、基本的に言えば。そういうものでいいのか、それとももう少し8都県市ぐらいに広げて、何かここらで集中して、田舎のほうで取ってもしようがありませんから、都市部に来たときにつかまえるとか、いろんなやり方、あるいは時間帯によって変えるとか、曜日によって変えるとか、いろんなやり方ありますから、そういうものまで含めるとさまざまなオプションがあるんですが、それをどこからやったらいいのか。
税制企画担当課長 私の説明が、ちょっと偏った説明をして大変申しわけなかったんですが、今回の政府税調の流れを少し説明したところでございましたので、政府税調の中で、暫定税率を廃止した場合の、どちらかというと代替財源的な意味合いを込めた温暖化対策税の話が出てございましたので、その流れで説明しましたけれども、一切そこに限定せずに、元々私どもでは今年の3月に研究会の先生方から、かながわ地球環境税というものをいただいてございますので、当然こういうものもベースにしながら、果たして地方の財源確保も含めた環境税のあり方というものはどうなのかというところでございます。
委員 ですからそこが難しくて、あと残りが3カ月でまとめるとなりますと、この上乗せのところ、暫定税率分どうするのかというのと、その少し長期的な正しい姿、全体的なパッケージングしたような新たな税制を提案するのとは多分同じにはできない。この暫定のほうを先行してほしいというのは、財源の要請からすれば当然だし分かるのですが、これが将来のものとずれないようにできるかどうか。そこが少し心配するところです。
政策部長 ○○先生おっしゃられているように、我々の県の言っているのは、とにかく一つは財政問題が大きいわけですね。先ほど少し財政状況のご説明をさせていただいたけれども、今でも非常に財政が厳しい状況にあると、そういう中で、暫定税率で200億弱がぼんとなくなってしまうと、これは大変だということは確かなんですね。
一方では、今年3月に県の独自課税という形でご提言をいただきました。ただ、それについては国が大きく変わろうとしているから、少し見送ろうということで、とにかく国の動向を見極めた上で、また本県の独自課税はまた別途考えていく必要があるだろう、そんなスタンスなんですね。
ですので、今、この3月と申し上げたのは、とにかく国が動き出す前に、こういうことを含めてやれば良いではないかというような提言をしていきたいということなんです。ですから、単純にうちの暫定税率が減ることではなく、やはりこういう形であるべきというようなご提言ができないかという思いがあります。
ただ、時間的な部分が当然ございますので、そこはもう○○先生のおっしゃられるのは十分、分かりますが、とにかく地方財源も一つ視野に置きながらということで、そこにこだわれば当然あるべき姿とまたずれてしまう恐れもあるのは、可能性としては十分理解するところでございますが、いわゆる知事会云々みたいな形ではなくて、やはりもっと根本的な形で本県としてはどんどん提言していきたいという思いがあるんですね。ですから……
委員 富山県知事の案はちょっと極端にしても、要は暫定税率部分を国にするか、地方にするかはもうこれ散々やってきているわけです。ですから、ある意味答えは出ていますから、答えというか、まとめることは可能なんです。ただし、ここのところをフィックスしてしまって、将来のこのグランドデザインとずれが生じたら嫌だというのだけを気にしているんですが。
税務課長 ある程度、時間が限られていますので、その限られた時間の中でご提言いただく範囲といいますか、将来、ぶれないようなことも考えながらこの程度までというような決めといいますか、これはある程度仕方のない状況もあろうかと思います。その時期でやっていただくしかないのかなと思うんですけれども。余り将来的なものとずれてしまって、変になっちゃってもまずいのかと……
委員 そこだけ気にかかりますので、少し逃げを打っているだけなのですが、私としても○○先生の知見にすがるしかないので、お願いしますと言うしかありません。
税務課長 私どもも、少しわがままな要望で申しわけないんですが。
政策部長 ご無理を申し上げているのは我々も重々承知でございます。それで少しここで年明けからは色々議論をしていただく中で、そこの形については、ご相談をさせていただければと思いますけれども。
座長 ○○先生、何か。
委員 多分、環境省もまた立ち上げてくると思うんですね、新たに、温暖化対策、神野先生の専門委員会で。ベースは今年出したものになると思いますので、政府税調のほうも一応廃止するんですね、暫定税率は廃止して新税と入れかえるはずですから、その新税は臨時で環境税が入るまでの間、当分の間というものですから、恐らく今年1年で制度化は進むので、当面そこへの対応をどうするとするかということです。
軽油引取税については空にしてあるわけですから、地方の制度設計。それから、そこに石井さんの案も含めてこれでいいのかということで、逆に国の動きを睨みながら、地方環境税のあるべき姿を逆に構想するというアジェンダであれば、それはそれでわかると思います。
委員 よろしいです。言いたいことは、もう申し上げましたから。
委員 よろしいですか。
座長 どうぞ。
委員 この資料4を拝見して、非常に印象深かったのは、環境省はやはり温暖化対策のための税として、税をどういうように温暖化対策に使うかという観点から、税の仕組みを考えていると思うのですが、総務省のこの案というのは、如何にしてこの暫定税率分を地方できちんと確保するかという観点から創られていて、この間、旧道路特定財源の道路整備に関する使い道等を分析した資料を拝見したことがありましたが、結局国は、もう道路に充当する必要がないということで、国道は減っているのですが、実は地方道はある程度ずっと需要があって、その見合いの道路特定財源でとんとんでやってきたという経緯があると。それが落ちた場合に、つまり従来のその道路整備が賄えなくなる。その財源をどうするかというような財政需要というものが確実にあるんだけれども、そこの国と地方の道路に対する財政需要と、それに対するこの税源の配分の議論というのがないまま、何かその環境対策ということとセットで、自動車関連諸税の暫定税率廃止というのが進んでいるという印象を持っています。
そう考えたときに、先ほど税制企画担当課長から、やはり地方の財源として、つまり一定の財政需要があったときに、それに見合う税をどう取るかという視点が非常に重要だとおっしゃるのは、至極もっともだなというふうに思うわけですけれども、そう考えたときに、この税をどう仕込んでいくかということで、その税源がどの程度、例えば都道府県ごとの財政需要と、その税収との見合いでどのぐらい差が出るのかとか、あるいは今、神奈川県の場合200億円減だということなんだけれども、その200億円というのは、これまでどういったところに充当されてきて、それが最近例えば道路整備との見合いでどうなっているのかとか。その辺りのところの資料等を示していただけると、もう少し具体的に考えやすいと思った次第です。
なので、もちろんその温暖化対策という観点で25%という視点も大事なのですが、他方で、これからの地方の環境政策に対する財政需要ですね。あるいはその道路整備ということも含めて、それに対する需要がどのぐらいあって、そのためにこの財源としてどのぐらいやっぱり地方は確保していくことが必要なのかという観点からの議論というのを、もう一方で入れておくほうが、今の事務局のニーズには合ったような議論ができるのかなというふうに思ったんです。
そこが少し今の○○先生のご意見と、私がイメージしたものとかなり違っている点で、そこは本当に温暖化対策のあり方ということで、どうやってCO2を減らすかということから税を考えるという視点で議論するのか、もう少し地方の財政需要という観点から、今のこの環境税という仕組みをどういうように考えるのかという観点から議論するのか、そこの出発点で、全然これからの3カ月間の検討内容とか検討方法が変わってくると思うので、そこを少しある程度ここで固めておいていただけると、この後何か対応しやすいのかなと思いました。
委員 今、おっしゃったところ、現実にはとても大事な話なんですけれども、要は税を地方が取る、きつい税制があるという前提、あるいは根拠として財政需要を示す。これ環境対策だったら出しやすいんですけれども、今までもやったことあるんですが、道路とこの暫定税率廃止で全部を道路と切り離していくぞと言ったときにどうつなげられるのか。
委員 切り離すというのはどういう意味ですか。
委員 つまり多分、今年、暫定税率を廃止してガソリン課税というものを、なぜガソリンに課税するんだろう、そもそもからやり始めたときに、それが果たして自動車で今までのような説明でいいのか。運転する人が受益するから取りますよということで、説得力があるのかどうかというのがかなり心配なところですね。
座長 暫定税率の問題と環境税の問題は、まだ込み入っているというか、交錯しているので、1度ワーキングで今の議論も含めて議論していただいて。それで改めて、こういう方針で行きましょうかというのを、この部会でもやっていただく。何回必要なのか分かりませんけれども、まず、何が問題なのかを議論していただくということで。
委員 その方が良いかも分かりませんね。
座長 そのために、今、○○先生からもございましたように資料も必要ですしね。
政策部長 はい、そうですね。では、そういうことで。
座長 それでは、引き続き、地方消費税のほうですね。
税制企画担当課長 資料5に基づいて、ご説明させていただきます。
地方消費税をめぐる動向でございますけれども、これは差し迫ってということではございませんが、少し先の課題として、色々ご研究をお願いしたいなということで、左側から、これは自公政権のときに閣議決定された中期プログラムと、その右側のこの中期プログラムを受けて、平成21年の所得税法等の一部を改正する法律の中に記載された附則でございまして、ここの中で、自民政権下においては、「平成20年度を含む3年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成23年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。」ということが、まず法律の附則の中にうたわれていたと。
一番下7項でございますが、「地方税制については、地方分権の推進及び国と地方を通じた社会保障制度の安定財源の確保の観点から、地方消費税の充実を検討する。」ということで、将来的な消費税率の引き上げに含みを残しつつ、その地方消費税の充実を検討するという流れになってございました。
真ん中が民主党の方針でございますが、「現行の税率5%を維持し、税収全額相当分を年金財源に充当します。」と、そういうような方針でございまして、その右側は全国知事会が、実は今年の10月に地方税制等小委員会で取りまとめたものでございますけれども、平成22年度の税制改正等に関する提案でございまして、その下に下線部がございますが、「税収の安定的な地方消費税を引き上げる必要があり、そのための議論を行うべきである。」と、一番下でございますが、「地方消費税を含めた消費税の全額を年金等の社会保障財源に充てることは、地方として容認できるものではない。」ということが記載してございます。これはすなわち民主党政権が、現行5%を維持し、併せてその全額を年金財源に充当するということを打ち出したのに対して、知事会としては、引き上げの必要性とその使途についての社会保障だけじゃなくて、地方としてはもっと幅広な財政需要があということを主張したものでございます。
そういうような全国知事会、本県のスタンスでありますが、このときに全国知事会でも色々議論になりまして、そのときの論点としては、地方消費税の税率水準というのがどの程度であるべきかと。あるいはその税率を引き上げるとした場合の引き上げの理由ですね、特に国の引き上げの理由との差別化といいましょうか、そういった点でありますとか、あるいは具体的には、今、地方消費税につきましては、輸入貨物に対して課税する貨物割と、国内取引に対して課税する譲渡割がございますけれども、いずれも国に、その法律によって税務署あるいは税関に徴収を委託するという形になっておりますので、果たして地方独立税というところからした場合に、賦課徴収権を持たないで税だけをもらうものが、地方独立税として言えるかという議論が従前からございましたので、その税率を仮に引き上げようとした場合の賦課徴収体制のあり方、あるいは清算基準の税収配分の仕組みでございますが、これはいったん国から都道府県に来たものを、人口ですとか、従業者数ですとか、あるいは小売売上高、あるいはサービス業の収入額、こういった清算基準によって、各都道府県に分配しているわけでございますけれども、果たしてこの分配のありようというものが、どうあるべきかという点でありますとか。
あるいは今、税率の決定権は、これ一定税率でございますので、都道府県にないわけでございまして、果たして税率を引き上げていった場合に、地方の独立性として税率決定権を各地方自治体に付与することが妥当か、これは今の地方消費税というものは多段階型の付加価値税でございますので、小売売上税ではございませんので、そういった面も含めて税率の決定権をどうすべきかと、そういったところが論点になってまいりまして、その点については、まだ知事会としても具体の結論が出てございませんので、その辺も含めて研究会のほうでいろいろご議論いただければなというふうに考えております。
以上であります。○座長 ありがとうございました。
はい、これは○○先生でしょう。
委員 今、話を聞いてほっとしました。長期的な検討事項を基本的には、この一番右側ですね、資料5の説明がなかったのですが、引き上げを主張していくべきという言い分を、基本的には本県のスタンスとして持っているということで、実を言うと、現行の地方消費税というのは、幾つか現行制度として問題点を持っていますので、多分それの見直しということを知事の皆さん、全国知事会の皆さんはあまり議論していないんですが、その点の問題点というものと、それから地方消費税、つまり消費税を充実するというときに、国の消費税を含めて消費税をどういう税率にしていくのかという、その全体の税率の引き上げの議論とはまた別な議論であると思っているのです。
ただ、将来的な地方消費税の税率の引き上げの必要性を議論するということであれば、少し長期的な視点から検討をしてほしいというご議論ですから、そうするとかなり長期的な視点に立っていくことができるだろうというように思っています。
と同時に、非常に具体的な議論としては、これ、先ほどの説明の前にご説明がありましたように、所得税のあり方との関連ですね。多分所得税のみ使途にあわせて消費税をどういうように組み合わせていくかということが、多分大きな議論になるだろうというように思っております。事実、多くの議論を具現化しますと、やはり所得税できちんとしたシステムをつくっておいた上で、消費税に取りかからないとなかなか本県のスタンスというところですね、税率の引き上げの必要性というところには、なかなか国民の納得は得られないだろうと思っています。○○先生と違って、少し長期的な視点から。
委員 違っていませんよ、それは同じです。
委員 長期的な視点から少し時間的余裕をいただいたということで、実は今ほっとしているところなのですよ。
座長 恐らく来年度の税制改正のときには、議論は始まるでしょうから、それより少し前ですよね、中間報告も必要ですので。
政策部長 ええ、そこの前には何か少し提言でもできればということですね。
座長 そのころには動くでしょうしね。
税制企画担当課長 昨日のテレビ番組で今の民主党政権幹部の方が色々おっしゃっていましたけれども、現政権がどういうような消費税の議論をするか。とりあえずは引き上げはしませんよということがあるのですけれども、どういうスタンスで議論を持っていくのかというところが少し見えない部分がありますので、果たしてその来年度の税制改正の中で、どのような議論がされるのかというのも分からない部分があるのですが、当面それを見据えつつ、少しご議論していただければというところもあるのですが。
座長 議論は始まりますよね。
委員 と思いますけれどもね、財務省があれだけ力を持っていくと。必ず出てくると思いますけれども。
座長 議論が始まるでしょうから、その段階で知事会はじめ、色々な意見が出てくるでしょう。それより先ほどの話ですと、何か提言したいと思うのですが、すると来年度の秋口ですよね。
政策部長 そうですね。我々も2つの提案、つまり国への直接提言と全国知事会としての国への提言、そこへも少し反映させられるようにと両方考えています。それから、知事会へも積極的に提言していきたいと思っておりますので、そういう意味では、国のほうが動き出すタイミングというのは少し何かできればありがたいという思いはあります。
委員 せっかく今年つくったわけですから、早々に動き出していただいて、全面公開でやるわけですから、色々な議論を出していただければと思います。特に今、○○先生がおっしゃったのはとても大事なことで、多分国に任せておいたら、こういう最後におっしゃったような所得税の議論が出てこない。
総務省・知事会のほうで出てくるのは、地方税の性格をもっと強めようと、税率バラバラでもいけるのではないかとか、精算基準、精算システムを入れれば、等の話は出てくると思うんですが、そんなことよりもっと大事なのは、このまま消費税だけ上げていいのかというのは我々ずっと思っていることですから、むしろ地方税がこれだけフラットになっていて、しかも今度地方消費税で取ってくるぞって、それが成功したら本当に地方税制がどういう負担構造になるのかなというのがとても気にかかるところですから、そういう国に任せておいたら出てこないような議論は早々にやっていただいたほうが、むしろ国にとってもいいことでしょうし、民主党にとってもいいことだろうなとは思いますけれどもね、余計な老婆心ですが。
座長 それでは、早速ワーキングを動かしていただいて、ぼちぼち論点整理をやりますかね。
委員 あともう1点いいですか。今の○○先生おっしゃられた点、一つ非常に重要な点だと私も思ったんですけれども、それとはもう少し違った観点として、ここにも要するに消費税の増税分について、社会保障財源に充てることは容認できるものではないというのが知事会でも出されていると思うんですけれども、ただ、これからやはり政治的に消費税の引き上げということになると、その国民の世論の説得ということになるとやはり社会保障ですよという議論が出てくる可能性があるんですね。それで、国のレベルでは結局財務省と総務省とでこれはもう年金なんだという話と、いや、地方だって様々な対人サービスやっているじゃないかという財政需要の議論が出るんだけれども、結局OECD等の統計を見ると、地方の独自で負担している社会保障というか、福祉関係の支出が統計に入っていないんですね。
そういったところで、実は地方のほうでそういう暮らしの安心という確保するために、今の国全体での仕組みとは別に、独自にこれだけの支出をやっている、あるいはこれぐらいのものが必要なんだというような、財政需要がある程度、例えば県として示せると、それが何か一つのきっかけになってその社会保障財源の需要というところでの議論になったときに、かなり説得力がある数字が出せると、一つ材料になるのかなと思っています。ただ、本質的な議論として、○○先生がおっしゃられたのが重要なんですけれども。
座長 社会保障関係費の……
委員 ええ、必ずこの議論は出ますよね。
座長 そこはむしろ現場の県レベルの数字があれば。
政策部長 はい。それもあるとすればお示しをさせていただくということで。
座長 示す必要があります。
それでは、ワーキンググループの今後のスケジュールに関して、今日の議論を踏まえて進めたいと思います。よろしくお願いいたします。
座長 大体時間ちょうどになりましたので、事務局のほうにお戻しします。
事務局 研究会の終了に当たりまして、政策部長からごあいさつ申し上げます。
政策部長 本当にきょうは年末の大変お忙しい中、お集まりいただきまして、また大変熱心なご議論をいただきまして、本当にありがとうございます。心よりお礼申し上げます。
また、冒頭副知事からもちょっとお話をさせていただきましたけれども、私どもの税務課におきまして不正経理が行われていたと。そしてまた、元税務課の職員3人がこれを詐取をすると、こういう事件が発覚をしたわけでございます。我々この税を扱っている部分ということでは、本当に県民の皆様のまさに血税を預かっている、そういったセクションの職員がこういうことを行っていた、本当にあってはならないということで本当に申しわけなく、遺憾に思っているところでございます。当然、委員の皆様方も大変不快な思いをされているんじゃないかというふうに思っているところでございます。
今後私どもは、この事件の解明に全力を挙げるとともに、やはり県民の皆様の信頼回復に向けて、全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。委員の皆様におかれましても、こういった本質じゃございませんけれども、事件の解明ができたところでまたご報告をさせていただきたいと思いますけれども、ぜひ、今後とも引き続きのご理解を賜りますよう、ひとつよろしくお願いします。
きょう、見ていただきました平成22年度の税制改正大綱が閣議決定された中で、やはりこの地球温暖化対策に向けての税制ということで、23年度実施に向けての議論が始まっていくということでございます。先ほどご議論がありましたけれども、やはりこの地方財源というのも非常に重要な要素になってくるわけでございます。
そういう意味では、きょう2つのワーキングを設置していただいて、年明け早々からまたご議論をいただくということになるわけでございますけれども、当然国の動向も十分注視しながらということになりますけれども、やはりここでの議論、何回も繰り返して恐縮でございますけれども、やはり国に任せっ放しでいいのかという部分、非常に大いに我々感じているわけでございます。そういう意味で、国に対して積極的に提言をしていきたいと、あるいは全国知事会についても提言をしていきたいと、こういう思いでいるわけでございます。
そういう意味でこの研究会の委員の皆様方に、本当にお忙しいところ大変恐縮でございますけれども、ぜひとも、今後とも引き続きのお力添えをお願いしましてごあいさつに変えさせていただきます。きょうはどうも本当にありがとうございました。
座長 どうもありがとうございました。
事務局 これをもちまして、第44回神奈川県地方税制等研究会を閉会いたします。
どうもありがとうございました。
-以上-
このページの所管所属は総務局 財政部税制企画課です。