更新日:2024年1月4日
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このページでは、第47回神奈川県地方税制等研究会の審議速報を掲載しています。
次の審議会等を下記のとおり開催した。
平成24年5月2日(水曜日)午後3時00分~午後5時20分
神奈川県庁新庁舎 第5会議室
(座長)堀場勇夫、望月正光、中里実、青木宗明、沼尾波子、諸富徹
未定
政策局財政部税制企画課 調査グループ 木野、中村
電話番号 045-210-1111 内線2310
ファックス番号 045-210-8806
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再生可能エネルギー促進のための税制措置(中間報告)案について
議題について事務局より資料に基づき説明を行った後、討議を行った。
国では、7月に導入が予定されている固定価格買取制度について、買取価格の検討が行われている。
神奈川県では、かながわスマートエネルギー構想を提示し、「創エネ」「省エネ」「蓄エネ」を組み合わせて、県内の電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合を、2020年度に20%以上の水準まで高めることを目標にしている。
エネルギー供給の安定化や地球温暖化防止、電力の安定供給のため、再生可能エネルギーを促進することは、公益を増進すると認められ、その公益実現の手段として税制措置を検討することは十分意義がある。
税の政策目的実現機能と資金調達機能とを踏まえ、税の軽減措置(政策税制)と財源確保のための税制措置を検討する。
税制措置の検討範囲は、施策に関しては太陽光発電などの創エネに加え、省エネ、蓄エネも含め、税に関しては国税及び地方税を対象とする。
施策の優先順位と政策効果について検討を行い、当面実施すべき施策として、住宅分野では太陽光発電設備等の導入や省エネ対策、事業分野では主にメガソーラーなどの導入促進に絞込みを行った。
再生可能エネルギー導入促進のための政策税制については、平成24年度の税制改正において、認定省エネ住宅の特例やグリーン投資減税の拡充が図られたところであり、実現可能性や政策効果を勘案し、現行の優遇措置をベースに、(1)軽減税率の引下げや非課税限度額の引上げ、(2)優遇措置が講じられていない税目に対する新たな軽減措置、(3)現行の特例措置の見直しなどの方法について検討する。
具体的な制度設計に当たっては、税の公平原則や財政影響に配慮するとともに、所得課税や目的税などにおける税の性格にも留意する必要がある。
これらを踏まえ、当面、税制措置を講じるべき施策として、(1)既築住宅への太陽光発電設備の導入や省エネ改修の促進、(2)太陽光発電設備や高い省エネ性能を有する新築住宅の取得促進、(3)事業用再生可能エネルギー設備の導入促進の3つの施策を抽出し、以下の税制措置(案)を提案している。
(1)既築住宅については、導入時に生じる経済的負担を軽減するため、現行のリフォーム減税を拡大し、贈与税、個人住民税、固定資産税において軽減を行う。
(2)新築住宅については、既築住宅のリフォームと比較して投資額が大きいため、取得に係る経済的負担を軽減するため、現行の認定省エネ住宅の特例の対象家屋について、贈与税、不動産取得税、固定資産税における新築住宅の特例を見直した上で、一般住宅よりも大きなインセンティブを与える。
(3)事業用については、太陽光、風力など大面積の用地を要する発電について、用地取得に対する経済的負担を軽減するため、グリーン投資減税の対象となる再生可能エネルギー設備の用地に対し、法人税、所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税の軽減を行う。
平成24年度当初予算においては、国では新エネルギーや省エネルギーに資する技術開発や地方の再生可能エネルギー施策への支援などが盛り込まれており、また、地方でも太陽光発電への補助や再生可能エネルギーの導入など全ての都道府県で関連予算が計上されている。
また、中長期的にも、配電網における電圧上昇対策や電力系統の更新に係る財政需要が生じるものと考えられる。
地方の取組は、電力の安定供給に向けた分散型・地域密着型のエネルギーシステムの構築に寄与するものであり、地方が担う役割の重要性を踏まえると、地方が取り組む施策の財源を確保する仕組みが必要である。
財源の負担については、直接的な利益を受ける者に求めるのが適当であり、電力需給の逼迫が続いている状況を踏まえると、当面は、再生可能エネルギー設備やガスコージェネレーションシステムの導入によってもたらされる電力の安定供給という受益に着目すべきである。
今後、様々な負担増が見込まれる中、まずは既存税の使途を組み替えて対応し、その上で、新たに税負担を求める場合は、なるべく税負担の水準を低く抑えるなど納税者の理解が得られるような制度設計が必要である。
既存税制の組替えとしては、(1)電源開発促進税の税収を今後新たに必要となる原発立地地域をはじめとする地方の再生可能エネルギー施策の財源に組替えるほか、(2)地方の再生可能エネルギー促進を目的として、地球温暖化対策のための税の一部を譲与税化することが考えられる。
地方が自由に使える財源を確保する観点から、受益者負担の考え方に基づき、地方税としての新税を検討する場合は、過去の仕組みを活用して、電気やガスに対する課税が考えられる。
国の動向を踏まえて見直しを行うとともに、課税自主権を活用した神奈川県独自の税制措置についても引き続き検討を行う。
再エネ事業への投資に対する税の軽減について、その前の部分の記載と整合性を図るべき。
政策税制の効果と減収影響がどのくらいなのか、ざっくりでも出てこないと全くイメージできない。そこを今後検討していくという記述があってもよい。
税の性格をどのように考えるのか。受益者負担のみでやってよいのか。再生可能エネルギーが日本全体の課題であれば、所得税や法人税などの財源で増税してもおかしくないのではないか。
消費税に複数税率を採用することも考えられるが、特定のものだけ税率を高くすると混乱が生じるので、別にやった方がいい。
消費税との差別化については、目的税ということをもっと明確に打ち出すべきである。電気税・ガス税はいったん廃止された経緯があるので、これを復活する場合は、再エネの公益性・目的をはっきり説明することが必要である。
電気やガスも、揮発油や軽油などの個別間接税と同じような財政物資に位置付けることができるのであれば、説明は可能ではないか。
電気料金の値上げにも、良いものと悪いものがあって、再生可能エネルギーで料金が上がることについては、比較的消費者の理解が得られているのではないか。増税で何をしようかと訴えることは非常に大事である。
このことは家庭には当てはまるが、企業は違う。消費税で仕組めば仕入税額控除できるが、電気やガスに対する課税ではこの控除が出来ないため、企業を説得する理屈を考える必要がある。
受益者負担のところで、再生可能エネルギー、つまり長期にわたって安心・安全である電力を安定供給するということを打ち出すことが必要である。
地域の実態に応じた新たな再生可能エネルギーの開発や普及促進という言い方で、地方税としての性格を明確に打ち出してもいい。
新税と税軽減の実施時期をずらすとあるが、同時に打ち出した方が政策パッケージとしては整合性があるのではないか。
政策も税制も、県と市町村の役割分担が不明確である。県がどういう形で関与していけるのか。
市町村がやりたいことを県が推進し、そのための財源を考えているという姿勢があればよいのではないか。
市町村との関係や協議について、丁寧に説明した方がよい。
これまでの検討は、中間報告として取りまとめて公表する。
この中間報告案をベースに、本日の意見を踏まえワーキングで検討し、再度研究会へ報告を求める。
未定
このページの所管所属は総務局 財政部税制企画課です。