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更新日:2024年10月19日
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神奈川県における病害虫・雑草に関する気候変動の影響と適応策
気温の上昇は、害虫の分布域の拡大や年間世代数(1年間に卵から親までを繰り返す回数)及び発生量の増加、発生盛日の変化をもたらす可能性があります。また、海外から飛来する害虫の種類と数を増加させる可能性があります。
神奈川県では現在、ヤシ類に被害をもたらすヤシオオオサゾウムシや、水稲や果樹など多くの作物に被害をもたらすミナミアオカメムシなど、県内で今まで確認されていなかった生育適温が高い病害虫が発生しています。
将来も、同様に生育適温が高い病害虫の発生が予測されています。
横浜地方気象台における1月の平均気温の変化(1897~2022年)
(ミナミアオカメムシの生息域は、1月の平均気温が5℃以上の地域とされており、気温上昇によりその北限が北上しています。)
出典:気象庁過去の気象データから県適応C作成
県内で今まで確認されていなかった病害虫が発生していることから、発生予察事業における調査対象病害虫の見直しを行います。
また、温暖化環境下における主要害虫の発生消長を調査し、害虫防除の基礎資料を得ます。
出典:気候変動影響評価報告書(別ウィンドウで開きます)(2020年12月、環境省)
(例)九州南部など比較的温暖な地域を中心に発生していたイネなどの害虫であるミナミアオカメムシやスクミリンゴガイが、近年、西日本や関東の一部で発生
(例)出穂気前後の気温が高かった年にイネ紋枯病の発病株率、病斑高率が上昇
気温上昇により、水田の害虫・天敵の構成が変化
気温上昇により、水稲害虫(ミナミアオカメムシ、ニカメイガ、ツマグロヨコバイ)の発生量が増加
水稲害虫であるアカスジカスミカメの成虫発生盛日がイネの出穂期に近づくことで斑点米被害リスクが増加
夏季の気温上昇により、ミナミアオカメムシや一部のアブラムシに高温障害発生
二酸化炭素(CO2)濃度・気温の上昇によりイネ紋枯病などの発病増加
降水頻度減少・降水強度増加により、感染リスクが低下
気温上昇により定着可能域の拡大や北上(コヒメビエ、帰化アサガオ類など)
気温上昇により土壌中でのアフラトキシン産生菌の生息密度が上昇
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