更新日:2024年10月19日

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陸域生態系(自然林・二次林)への影響と適応策

神奈川県における陸域生態系(自然林・二次林)に関する気候変動の影響と適応策

気候変動の影響

 気候変動による気温の上昇、自然林・二次林の生育期・非生育期における降水量の変化、積雪環境の変化等は、これらの植物の生育に影響を及ぼします。
 神奈川県では現在、ブナの衰退が見られ、将来も同様の影響が予測されています。

ブナ潜在生育域の予測(RCP2.6)ブナ潜在生育域の予測(RCP8.5)

ブナ潜在生育域の予測(2081~2100年)

(条件:気候モデルMIROC※、排出シナリオRCP2.6、RCP8.5、基準期間1981~2000年、予測期間2081~2100年)

※気候モデルMIROC
 大気や海洋などの中で起こる現象を物理法則に従って定式化し、コンピュータによって疑似的な地球を再現しようとする計算プログラムを「気候モデル」といい、MIROCは、東京大学、国立研究開発法人国立環境研究所、国立研究開発法人海洋研究開発機構の共同により開発された気候モデルの一つ。

出典:気候変動適応情報プラットフォーム(2019年12月6日利用)

 

影響に対処するための県による施策(適応策)

 水源かん養機能など公益的機能が高い森林づくりのため、水源地域において、間伐等の森林整備や、植生保護柵設置等の土壌保全対策を実施します。

現在県で取り組んでいる具体的な事例

  • 水源地域において、間伐等の森林整備や、植生保護柵設置等の土壌保全対策を実施
  • 気象観測と併せ、ブナ林の衰退等の状況をモニタリング

 

【参考】日本全国における気候変動による影響(概要)

出典:気候変動影響評価報告書(別ウィンドウで開きます)(2020年12月、環境省)

現在の状況

  • 各植生帯の南限・北限付近の樹木の現存量が変化
  • 気温上昇の影響により、落葉広葉樹が常緑広葉樹に置換
  • 早材成長の急速化

将来予測される影響

  • 冷温帯林の構成種(特にブナ)の分布適域減少
  • 暖温帯林の構成種の分布適域拡大
  • 大気中二酸化炭素(CO2)濃度の上昇による樹木の生理過程(光合成速度、気候反応など)への影響

 

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