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更新日:2024年4月19日
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神奈川県青少年指導者養成協議会 自然体験活動 虎の巻
ここでは、自然体験活動を企画する際に押さえたいポイントを紹介します。
以下の9つの項目の頭文字、「6W2H1S」を踏まえて企画を立てます。
1 | Why | なぜ | 目的 | 目的を明確にする。実現したい目的、 そのためのテーマ(主題)は? |
2 | What | 何を | 内容 | 何をやるのか? |
3 | How | どのように | 手段 | どのように、どんな手段で? |
4 | Who | 誰が | 主体 | 誰が、主体は誰なのか? |
5 | Whom | 誰に | 客体 | 誰に、客体(対象)は誰なのか? |
6 | When | いつ | 時間 | いつ、開催日、スケジュールは? |
7 | Where | どこで | 空間、場所 | どこで、会場やフィールドは? |
8 | How much | いくらで | 予算 | いくらで、全体予算や参加費は? |
9 | Safety | 安全か | 安全管理 | どのように安全対策をするのか? |
例)市町村が小学4~6年生を募集して実施する行事で、自然体験活動を企画するという想定で考えてみましょう。
自然体験活動にはキャンプ中のいろいろな活動や登山、カヌー等のアウトドアスポーツ、ウォークラリー、自然素材クラフトなどのアクティビティ(活動)があります。目的に合わせて、これらのアクティビティを選ぶ、あるいは組み合わせて実施します。
それではどのような目的が考えられるかを見てみましょう。以下に整理してみます。
1.社会性を育てる⇒人間関係力を高める
2.感性を育てる⇒自然体験で育つ力
目的を明確にしたところで、どんなアクティビティあるいはプログラムを実施するのか考えます。
例1)子どもたちの社会性を育てたい
キャンプは、自然体験活動の中でも総合的な要素を持ったプログラムです。みんなで協力して大きなテントを張り、火を起こして美味しい食事を作るだけでも、いろいろな要素が含まれています。1人ではできないことも仲間と力を合わせてやることで、協調性やコミュニケーション能力、問題解決能力等が身につきます。しかし、キャンプでは自主的に動かないとご飯を食べることさえできません。またプログラムの中に登山があれば、最後まで諦めずに頂上を目指さなければなりませんが、みんなと一緒にたどり着いたときにやり抜く力も身につきます。そして登山途中では自然と触れ合う機会があり、花が咲いていたり鳥がさえずったりしていることでしょう。
このように、キャンプを通して、未経験だったことをやり遂げることは、自信につながります。
例2)子どもたちの感性を育てたい、特に「自然への親しみ・理解」、「創造力」を身につけさせたい
ここでは自然素材クラフトを選ぶとよいでしょう。例えばリース作りがあります。自然素材として蔓(つる)性の植物の採集を子どもたちと一緒に行い、どういうところにどのような蔓が生えているのかを知り、それぞれの特徴を理解します。そして実際にリースを作ることで創造力を磨きます。
市町村の広報誌を通じて参加者を募集し、青少年指導員連絡協議会(以下協議会)に委託をして実施することが多いでしょう。
実施主体は協議会ですが、ジュニア・リーダー(以下JL)や若いリーダーのボランティアの協力は欠かせないでしょう。ジュニア・リーダーズ・クラブ(以下JLC)がある市町村では、協議会がJLCを育成しているところが多く、育成部会等の名称で役割を担う青少年指導員(以下指導員)がいて、行事の実施主体となります。
育成部会の指導員とJLがスタッフとなり、役割分担を決めて企画し、実施します。スタッフの意思の疎通ができていないことや、それぞれが役割を理解していないことは事故につながりますので、打合せでは自由に意見を出しやすい雰囲気づくりが大切です。
下見に全員で行くことはできませんが、指導員、JLで担当を決めて下見をし、同行しなかったスタッフと情報を共有します。
今回は市町村内の小学4~6年生が対象となります。年齢によって、適した活動や安全面への配慮など、様々なことが異なるので、対象をしっかりとイメージすることが大切です。また、広報物を作成する際にも、例えば子どもに伝わりやすいチラシにするのか、または保護者に向けたものにするのか等、その対象を意識する必要があります。
アクティビティまたはプログラムの内容によって時期は変わります。
ウォークラリーは1年を通して実施可能ですが、夏は熱中症による危険があり、冬は寒さ対策が気になるため、春秋がお勧めです。水に入るようなアクティビティは夏がベストです。キャンプ(デイキャンプも含む)は春から秋にかけて可能です。
「目的は何か」を明確にしてから内容を決定し、実施するための最適な時期を選びます。
キャンプであれば、実施したいプログラムが可能なキャンプ場や宿泊施設になります。そのプログラムが可能かどうかを、事前に連絡を取って調べておく必要があります。予約は余裕を持って早めにするとよいでしょう。特に夏休みの時期であれば、混み合うので抽選になることも多いです。先着順であれば、その施設の予約開始と同時にすることになるでしょう。
市町村内に自前の施設を持っていれば、学校利用や一般利用との兼ね合いはありますが、ある程度優先で予約できるかもしれません。
市町村内の公園を利用するような場合は、公園管理者と事前に連絡を取り、利用制限や大きなイベントとぶつかっていないかなどを確認します。
宿泊を伴うような行事であれば、キャンプ場や宿泊施設の施設利用料金、交通費(バスの借り上げ代等)、食費、保険料等になりますが、さらにカヌー等を実施する場合の利用料金や講師謝金も含まれます。実施する内容によって異なりますが、5,000円から10,000円程度が妥当でしょう。どこまで公費で持つかによって、参加者の負担は変わってきます。
利用する施設の選択の段階で、実施する内容に合っているかどうかの下見が必要になります。施設職員から十分な情報を得られるようにします。そして1ヶ月~2週間前に事前の下見をして、施設職員などと打合せを行い、危険箇所の把握等に努めることで、安全管理をします。さらに可能であれば1~2週間前に直前の下見をして、実施する時期に近い自然環境の状態を把握します。
事前、直前の下見の際には、以下の「下見チェックリスト(例)」を参考に下見をして、実施上の危険をできるだけ少なくします。登山やウォークラリーのアクティビティがある場合には、施設の下見とは別に実地踏査をして、危険箇所がないかの確認をします。例えば実地踏査をして、コース上にスズメバチの巣があればコースを変更し、またはコースが変更できない場合は別のアクティビティを代替として考えます。また、周辺樹木等によっては、夏と冬では歩きながら見える景色が異なる場合もあるので、このようなアクティビティでは直前の下見は重要です。
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