更新日:2024年4月19日

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ナイトハイク

神奈川県青少年指導者養成協議会 自然体験活動 虎の巻

夜の自然の中を歩くことは、昼間とは違った自然に触れて自然の素晴らしさを味わう貴重な機会です。視界が閉ざされることで他の感覚が鋭くなり、昼間には気づかなかった音に気づいたり、土のにおいを感じたりします。昼間には感じなかった自然の新しい一面を感じることができるでしょう。運が良ければ夜行性の動物にも出会えるかもしれません。夜の自然の中をわずかな月明かりを頼りに歩くだけでも、子どもにとっては大冒険です。自然をより身近に感じ、自然への感性が高まるプログラムです。

夏の夜といえば「きもだめし」?

宿泊行事の夜の定番プログラムのひとつに「きもだめし」があります。
子どもも盛り上がるし、暑~い夏の夜にぴったり…?
でもちょっと待ってください。夜の大自然を五感で感じることができる貴重な機会。
せっかくなら、夜の自然に「怯える」体験ではなく、夜の自然に「感動する」体験を届けたいとは思いませんか?

ここではいわゆる「きもだめし」には焦点は当てず、自然体験活動としてのナイトハイクについて説明したいと思います。

キャンプ全体の「ねらい」、指導者の「ねがい」、参加者の「おもい」に合わせたプログラムを設定してください。

ナイトハイクの実施方法

大きく分けて二つの方法があります。

  1. 集団活動として、全員で夜の自然を感じながら歩く。
    指導者が最低2人いれば実施できます。昼間なら何も感じない道も、夜に歩くと違った表情を見せてくれます。
  2. 班活動として、チェックポイントを経由しながら決められたコースを歩き、ゴールを目指す。
    スタート地点、ゴール地点(同じ場合もある)の他に、チェックポイントや見回りの指導者を配置する必要があります。
    班の仲間だけで暗闇を歩く楽しさや緊張感を味わいながら、仲間がいることの心強さを再認識し、達成感を味わえます。

ナイトハイクに必要な道具、服装

指導者が用意するもの:懐中電灯、救急キット、指導者間で連絡を取るための無線機や携帯電話
※夜の動物を驚かせることがないように、懐中電灯に赤いセロファンを貼っておくと良いです。

参加者の服装、持ち物:長袖長ズボン(怪我や虫刺され防止)、帽子、履きなれた運動靴、飲み物

班活動としてコースを回る場合は、各班にコース図、懐中電灯、笛等緊急時用の連絡手段を渡します。

また、夏場は虫よけ、冬場は防寒対策を忘れず行ってください。

事前準備

指導者は必ず事前に実地踏査をしておきます。ルートの確認だけでなく危険箇所の確認もして、ヤマウルシ等の植物が生えていればその場所を把握しておきます。夜になるとどのような動物が出るのか等の情報は、施設の職員にも確認しておきましょう。参加者が班ごとに行動する場合は、コースの分岐点やチェックポイントを確認しておき、指導者を配置します。何分間隔でスタートさせるのか、各チェックポイントで何をするのかを決めておきます。

活動当日

出発前に夜の自然についての話や、「こんな鳴き声が聞こえるかもよ」といった話をすることで、参加者の興味を引き出します。指導者自身が静かに、ゆったりと話すことで雰囲気づくりをしましょう。昼間にプログラムの中で同じコースを歩いておき、夜に歩いた後に感じた違いを聞いてみても面白いかもしれません。

集団活動として全員で歩く場合は、先頭と最後尾に必ず指導者を配置します。人員に余裕があれば参加者の間にも配置しましょう。先頭の指導者はゆっくりと歩き、危険箇所があれば参加者に知らせます。参加者は前の人との間隔をあまり空けずに、地面の凹凸に注意しながら歩きます。参加者は、歩いている最中にはできるだけライトを使わないほうが、目が慣れてより自然を感じることができるでしょう。途中、立ち止まって自然の音を聴く時間や空を見上げる時間を取るのも良いです。

班活動として参加者だけで移動する場合は、出発前にヘビやイノシシなどの危険動物に出会った際の対処方法や、緊急事態が発生した場合には笛を鳴らして近くの指導者に知らせることを伝えておきます。チェックポイントでは必ず人数確認をしましょう。各チェックポイントで「3分間耳を澄まして、何種類の音が聞こえるかな?」「ブルーシートの上に寝転がって星空を眺めてみよう」等、五感を使ったアクティビティに取り組んでもらうというゲーム性を取り入れることもできます。

活動後

人数確認を行い、ふりかえりをします。夜の自然を歩いてみて感じたことを個人でふりかえったり、仲間と共有したりしましょう。

 

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