ホーム > 教育・文化・スポーツ > 教育 > 教育制度・教育統計 > 神奈川県まなびや基金への寄附のお願い > 神奈川県まなびや基金(事業提案型)への寄附のお願い > 金沢文庫:金沢文庫より散逸した旧蔵資料(「往生講私記 一巻(巻子装)」)の購入
初期公開日:2023年5月18日更新日:2024年5月28日
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ご厚情ありがとうございました。いただいたご寄附は金沢文庫における文化財の購入等に活用させていただきます。
神奈川県立金沢文庫は、鎌倉時代に造られた現存最古の武家文庫である金沢文庫に起源をもつ博物館で、2030年に100周年を迎えます。
本プロジェクトでは、この歴史的に由緒のある金沢文庫に旧蔵され、その後外部に流出してしまった『往生講私記』(巻子装一巻)の購入を目指しています。
金沢文庫印(鎌倉時代に金沢文庫で所蔵したことを示す蔵書印)が捺された書物は、漢籍や和書が中心であり、仏書は大変貴重です。仏書に捺された例は、これまでわずかに八例のみとされてきましたが、この度『往生講私記』が九例目として新たに確認されました。
本プロジェクトによって『往生講私記』を購入し、流出してしまった金沢文庫旧蔵資料を取り戻すことを目指し、達成の暁には、本資料を含む金沢文庫旧蔵資料を一堂に会する「お里帰り展」(仮)を開催し、皆様に御覧いただきたいと思います。
金沢文庫ゆかりの文化財をつぎの100年、さらにその先の未来へ守り伝えていくために、みなさまの御支援、御協力をお願い申し上げます。
写真は、往生講私記(『思文閣古書資料目録』〈2004年〉より転載)
いま日本では、文化財の国外流出・散逸が問題となっています。金沢文庫ゆかりの文化財も例外ではありません。
鎌倉幕府が滅亡し、金沢北条氏も運命を共にしたのち、近代に至るまでの間に、収蔵されていた文化財の一部は、歴史的経緯から流出・散逸していきました。その結果、現在では国内外に金沢文庫ゆかりの文化財が存在しています。
今回購入を希望している『往生講私記』は、そうした文化財のひとつです。
『往生講私記』は、鎌倉時代に極楽浄土に往生することを願って開催された法会の次第・法則・講説の内容を記した仏教の書物ですが、金沢文庫で所蔵されていたことを示す「金沢文庫」印が捺されている典籍のなかで、仏書はきわめて希少性が高いものです。
金沢文庫に伝来した資料の保存・調査・研究・展示が神奈川県立金沢文庫の創設の目的のひとつであり、金沢文庫から流出した資料も含めて、金沢文庫伝来資料を研究していくことが求められています。
金沢文庫ゆかりの文化財は、歴史的由緒の正しさから、国内外で高く評価されています。さまざまな経緯を経て現在まで伝来してきた貴重な文化財を、着実に未来へ伝えていくために、できるかぎり早期に神奈川県立金沢文庫で購入したいと思います。
なお、目標金額以上の寄附が集まった場合は、金沢文庫ゆかりの文化財の購入資金の一部に充てさせていただきます。
写真は、重要文化財 たまきはる の金沢文庫印部分
(県立金沢文庫保管)
神奈川県にある国宝全17件のうち、3件は神奈川県立金沢文庫で保管しています。平安時代に書写された文選の注釈書である「文選集注」(19点)、金沢北条氏歴代の肖像画である四将像(5幅、附を含む)、そして鎌倉時代の政治・歴史・仏教文化を伝える称名寺聖教・金沢文庫文書(16,692点、4,149通)です。点数としては他の追随を許さない、突出した分量を誇ります。
現在流出してしまった金沢文庫ゆかりの文化財も、本来はこうした資料群とともに伝わってきたはずのものです。県立金沢文庫では歴史的に由緒のある金沢文庫旧蔵資料を購入することで、神奈川が世界に誇る国宝クラスの貴重な文化財を着実に未来へ継承していくことを目指しています。
「お里帰り展」(仮)では、他機関に伝来する金沢文庫旧蔵資料を集めて一堂に会することで、在りし日の金沢文庫の復元を試みます。買い戻せた暁には『往生講私記』もこの展覧会に展示し、長い時を超えて、かつてともにあった資料との邂逅を果たしたいと考えています。
写真は、国宝 金沢貞顕像(四将像のうち)
鎌倉時代 称名寺蔵(県立金沢文庫保管)
『往生講私記』(巻子装一巻)の購入費用に活用させていただきます。
ご注意:目標金額以上の寄附が集まった場合は、金沢文庫ゆかりの文化財の購入資金の一部に充てさせていただきます。
ご注意:目標金額を達成せず、購入できなかった場合は、金沢文庫における文化財の購入、修理等に活用させていただきます。
神奈川県立金沢文庫 文庫長 湯山賢一
史跡金沢文庫は、鎌倉時代中頃に、北条実時が邸宅内に造った文庫に淵源をもつ、現存最古の武家文庫です。実時にはじまる歴代金沢北条氏は、和漢の貴重な典籍を蒐集してこの文庫に収め、日本が世界に誇る一大コレクションを形成しました。ところが鎌倉幕府滅亡後、現在に至るまでの間に、この典籍群の一部は国内外に散逸・流転してしまいます。そうした資料のひとつが、今回購入を希望している『往生講私記』です。
神奈川県立金沢文庫は、中世の金沢文庫の‘すがた’を復元することを使命として設立され、運営してまいりました。在りし日の金沢文庫の蔵書体系を復元することは、日本中世の歴史・社会・文化の探求に大切な営みです。
2030年に、弊館は100周年を迎えます。記念事業の一環として、『往生講私記』を含めた「お里帰り展」(仮)を、みなさまにお目にかけたいと思います。金沢文庫ゆかりの文化財を次世代へ着実に継承していくために、弊館の活動への御支援、御協力をお願い申し上げます。
神奈川県立金沢文庫 副文庫長 大野勝己
私は、この6月から県立金沢文庫の副文庫長を務めております。
県立金沢文庫は、史跡金沢文庫および称名寺に伝来した、鎌倉時代の諸相を今日に伝える貴重な文化財を有する中世歴史博物館として、地域に根ざし、広く県民の期待に応えるため、調査研究・保存・展示・普及といった活動に取り組んでいます。
国宝等の重要な文化財も多数保管しており、我々もこれらを後世にしっかりと引き継いでいかなければいけない、という重責を日々感じているところです。
一方で、歴史的経緯の中で、金沢文庫ゆかりの文化財が、一部流出・散逸していることは誠に残念という思いです。
何とか少しずつでも、文庫に帰ってきてほしい、その一つとして、今回「往生講私記」の里帰りのプロジェクトを始めました。
この取組を成功させ、県立金沢文庫100周年記念事業として、「お里帰り展」(仮)を開催することは、県立金沢文庫のファンの方々だけでなく、幅広い方々に歴史、文化財への興味、関心を持っていただける大きなチャンスと考えており、その実現まで、あと一歩のところまで来ています。
どうぞ、皆様の御支援を心よりお願い申し上げます。
神奈川県立金沢文庫は、鎌倉時代の政治・文化・宗教を知るうえで大変重要な、金沢文庫・称名寺ゆかりの資料を保管しています。一方で、一部の資料は、鎌倉幕府滅亡から近代に至るまでの間に、国内外に流出し、散逸の危機に瀕しているものもあります。そうした危機から文化財を守るために、みなさまのお力添えがいま、必要です。
2030年、神奈川県立金沢文庫は100周年を迎えます。金沢文庫ゆかりの文化財をつぎの100年、さらにその先の未来へ守り伝えていくために、みなさまの御支援、御協力をお願い申し上げます。
『往生講私記』の購入が達成できた場合、『往生講私記』を中心とした、金沢文庫本(金沢文庫旧蔵資料)にかかる最新の調査研究の成果について、特別講座を予定しています。10,000円以上の御寄附をいただいた方のうち、講座の御案内を希望される方には、後日、講座の詳細をお知らせいたします。
御寄附いただいた方で、希望される場合には、県ホームページや金沢文庫内で氏名を公表します。また、多額の御寄附をいただいた方で、希望される場合には、県知事の感謝状を贈呈します。
このページの所管所属は教育局 行政部財務課です。