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更新日:2024年12月25日
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境川は、県北部の城山湖付近を源として都県境を南下し、藤沢市の江ノ島付近で相模湾に注ぐ、流域面積約211平方キロメートル、延長約52キロメートルの二級河川です。
境川流域(※1)では、昭和30年代前半から市街化の進展著しく、田畑が減少し、街がアスファルトやコンクリートで覆われるなど、土地の利用形態が大きく変化しました。
その結果、雨水を地中に浸透させたり、一時的に貯留したりする「保水・遊水機能」が著しく低下したため、大雨が降ると雨水が短時間に多量に河川に流れ込み、洪水に対する危険性が高まり、水害が発生するようになりました。
こうした水害を防止するために、総合治水対策(※2)を進めています。また、「都市河川重点整備計画(新セイフティリバー)」に位置づけ、時間雨量概ね60ミリメートル(※3)の雨に対して安全となるよう重点的に整備を進めています。
※1 流域とは、地上に降った雨があるひとつの川に流れ集まる範囲をいいます。
※2 総合治水対策とは、河道や遊水地等の整備を行う河川対策と、雨水の貯留施設や防災調整池の設置、盛土の抑制等の流域対策を合わせて総合的に行い、流域全体として洪水被害の軽減・防止をめざすものです。
※3 ここでいう時間雨量60ミリメートルとは、境川流域で約10年に1回起こる程度の雨量をさします。
護岸整備
城山湖付近を源とする境川は都県境を南下し、町田市の南端から横浜市と大和市や藤沢市の市境を流れ、江の島付近で相模湾に注いでいます。
※ 流域とは、地上に降った雨があるひとつの川に 流れ集まる範囲をいいます。
1 水源流域(町田市大地沢付近)
2 上流域(相模原市相原付近)
3 中流域(大和市深見台付近)
4 下流域(横浜市泉区下飯田町付近)
5 河口域(藤沢市江の島付近)
写真3をのぞく4点 撮影者 吉沢義道・所蔵 株式会社水環境研究所
川は人の暮らしを支える、なくてはならないものです。川とともに歴史が刻まれ、文化が育まれ、産業が根をおろしました。境川もはるか昔から人びとの営みを見守ってきました。
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撮影者:藤沢土木事務所 |
「東海道五十三次 藤沢」に描かれた藤沢宿の様子です。画中の川は境川です。現在は河川改修が進み、川幅が広くなり川底も掘り下げて両岸はコンクリートで覆われています。周辺の市街化も進みました。
所蔵:横浜市歴史博物館 |
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撮影者:吉沢義道 |
「東海道五十三次 戸塚」に描かれた戸塚宿の様子です。画中の川は境川水系柏尾川です。吉田橋の向こうに宿場の町並みが続き、橋のたもとには「左かまくら道」の道しるべがあります。橋も家並みも大きく様変わりしました。
所蔵:藤沢市役所 |
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撮影者:吉沢義道 |
昔からたいへんな賑わいがあったようです。現在は街の中心が駅前に移っていますが、写真の金物店が残っているなど、今も昔の面影をとどめています。
所蔵:藤沢市役所 |
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撮影者:吉沢義道 |
かつては道路も無く、江の島に参詣する人たちは砂州上を歩き、木橋を渡ってました。今は広い道路ができて、江の島大橋と江の島弁天橋がかかっています。
所蔵:藤沢市役所 |
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撮影者:吉沢義道 |
昔は子どもたちも泳げるくらいに水がきれいだったようです。今では「がたくり橋」があった所から少し下流に小さな橋がかけられ、風景もすっかり変わっています。
境川流域では、以前は田畑や山林がほとんどを占めていました。しかし、昭和30年代の高度成長期以降、宅地に変わっていき、流域内の保水機能(雨を地中に浸透させる機能)や遊水機能(雨水を一時的にためておく機能)が低くなり、洪水の危険が高まっています。
境川流域の都市化の状況
明治40年頃の市街地の状況 所蔵:藤沢市役所 |
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平成10年の市街地の状況 撮影者:吉沢義道 |
境川流域は市街化が進み、雨水を地中にしみ込ませたり、貯めたりする機能が低くなってきました。そのため水害が起こる危険が高まっています。境川流域では、これまでも台風や集中豪雨による洪水の被害がありました。
1 藤沢市西俣野(平成3年)
2 藤沢合同庁舎付近(昭和57年)
3 藤沢市民病院付近(平成3年)
境川流域では、人口が急増し、土地の利用形態が大きく変化したため、本来流域が持っている保水、遊水機能が減少し、都市型水害が増加しています。こうした中で、1時間当たりの降雨量がおおむね60ミリメートルの雨に対して安全となるよう、重点的に整備を進めます。
さらに境川の他、鶴見川、目久尻川、引地川の4河川は、「総合治水対策特定河川事業」として、河道や遊水地等の整備を行う河川対策と、雨水の貯留施設や防災調整池の設置、盛土の抑制等の流域対策を合わせて総合的に行い、流域全体として洪水被害の軽減・防止を行っています。
都市開発前
森林や畑などは雨水を一時的に貯めたり、地中に浸透させるため、雨が降っても下流への流出が抑えられます。
都市開発後
地表がアスファルトなどで覆われ、森林や水田・畑が失われると雨水を貯留・浸透する機能が低くなり、下流への流出が増大して氾らんの危険性が増大します。
流域の力を合わせて安全なまちづくりを目指しています。
総合治水対策体系
総合的な治水対策の概念図
このページの所管所属は 藤沢土木事務所です。