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更新日:2024年7月22日
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境川遊水地の越流実績
境川からの洪水が俣野遊水地に入る時の様子
(平成16年10月9日の台風22号)
遊水地とは、河川堤防の一部を低くして河道からあふれた洪水を一時的に貯留することで、洪水被害を軽減するためにつくられる池のことです。
境川遊水地は、俣野遊水地、下飯田遊水地、今田遊水地の3つの遊水地によって構成され、合わせて約30ヘクタールの広さを有し、最大で約104万立方メートルの洪水を一時的に貯留することで、藤沢市中心部など下流域の洪水被害の軽減を図っています。
また、展示コーナーや会議室などを備えた境川遊水地情報センターと今田管理センターを整備し、公共利用の場として提供しています。
大雨が降ると、雨水が短時間に多量に河川に流れ込みます。このため、遊水地をつくり、その中に洪水を一時的に貯めることで下流に洪水が一気に流れ出すことを防いでいます。
改修前 |
→ |
改修後 |
大庭遊水地(引地川)
恩廻公園調節池(鶴見川)
恩廻公園の地下にトンネルをつくって、洪水を貯めます。
栗原遊水地(目久尻川)平常時 |
栗原遊水地(目久尻川)洪水時 |
境川遊水地を建設するためにさまざまな工事を行いました。
ここでは、工事内容を順序に沿って紹介します。
掘削工事をすることによって底が盛り上がり、地盤が崩壊することがあります。これを防ぐため、遊水地の外周に地下水を遮断する壁を施工しました。
遮水壁 総延長 約4.5キロメートル
遊水地に水を貯めるため、俣野遊水地で約16万立方メートル、下飯田遊水地で約59万立方メートル、今田遊水地で約42万立方メートルの土量を掘削しました。
洪水時に遊水地へ川の水を流入させるため、堤防の高さを一定区間低くした堤防です。越流堤の長さは、俣野遊水地で100メートル、下飯田遊水地で180メートル、今田遊水地で100メートルとなっています。
施工の様子
下飯田遊水地 越流堤
今田遊水地 越流堤
遊水地に貯めた洪水を排出する施設です。雨がやんで境川の水が低下したときにゲートを開けると、遊水地から境川へ自然に水が排出されます。
俣野遊水地 排水ゲート
下飯田遊水地 排水ゲート
今田遊水地 排水ゲート
平成16年10月9日の台風22号では、最大時間雨量36ミリメートル、降り始めからの総雨量266ミリメートルを記録する豪雨に見舞われましたが、護岸整備と遊水地整備の効果により、過年度の豪雨時に比べ、被害が大幅に減少しました。
境川流域の降雨データの比較
平常時 |
→ |
洪水時 |
平常時 |
→ |
洪水時 |
境川遊水地の供用開始後、最大の治水効果を発揮したのは、平成26年10月6日の台風18号による豪雨で、境川流域の泉消防署(横浜市)で最大時間雨量64ミリメートル、最大時間雨量を観測した時間の前後3時間の合計雨量136.5ミリメートル、降り始めから31時間で総雨量369ミリメートルを観測しました。
この台風では前日から雨が降り続き、河川の水位が高くなっていたところに、短時間で非常に激しい雨が降ったため、俣野遊水地・下飯田遊水地とも二次池まで越流し、計画貯留量以上の約80万立方メートルの洪水を貯留したと想定されます(※1)。遊水地機能により、境川下流部に位置する大清水橋地点(藤沢市白旗4丁目)では、1メートル以上の水位低下の効果があったと考えています。
※1 暫定供用中の今田遊水地にも越流、貯留しましたが、当時は貯留量を計測する機器が未設置であったため、貯留量及び水位低下効果の想定には今田遊水地の分は考慮していません。
俣野遊水地
下飯田遊水地
今田遊水地
増水による越流の様子(俣野遊水地中央越流堤)
増水による越流の様子(下飯田遊水地越流堤)
越流後公園内に堆積した塵芥
増水時の下流(江ノ島電鉄の橋付近)の様子(藤沢市片瀬5丁目)
平成28年8月22日の台風9号による豪雨では、境川流域の相模大野雨量観測所で最大時間雨量45ミリメートル、最大時間雨量を観測した時間の前後3時間の合計雨量95ミリメートル、降り始めからの10時間で総雨量164ミリメートルを観測しました。この豪雨により3池全てで越流し、ほぼ計画貯留量である約104万立方メートルの洪水を貯留したと想定されます。遊水地機能により大清水橋地点で約40センチメートルの水位低下効果があったと考えています。
神奈川県内で発生した降雨に対し、県が管理する遊水地による河川の水位低減効果について検証しています。
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