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更新日:2022年4月1日
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野外施設にやってくる哺乳類の一部を紹介します。
【モグラ科】
地中にトンネルを作り、ミミズなどを捕食して生活しているため、姿を見ることはほとんどありません。しかし園路上に土を盛った小山があったら、それはモグラが不要な土を地上に出した「モグラ塚」と呼ばれる痕跡です。掘ってみるとその下には直径5cmほどの穴が続いています。
【オナガザル科】
複数のオスとメスからなる群れで行動し、昼間は食べ物を探しながら1日中移動しています。野外施設には、タケノコが生える時期やクワの実が熟す時期にやってくることがあります。近寄ると危険なので、見かけても騒がずに静かに距離を取りましょう。
【ウサギ科】
平地から山地の森林や草地など幅広く分布する日本固有種です。植物食で、葉、芽、枝、樹皮を食べています。前歯が大きく鋭いため、ナイフで切ったような食痕になります。また、直径1cmほどの平たい円筒形の糞や、大きな後ろ足と小さな前足が交互に並ぶ足跡が見られることがあります。
【リス科】
昼行性で、姿を見るチャンスが一番多い哺乳類です。主に樹上で生活し、素早く木から木へと渡っていく姿を見られることがあります。また、秋になると、リスが割ったクルミの殻やかじってエビフライのような形になったまつぼっくりの食痕がたくさん落ちているのが見つかります。
【リス科】
手足の間にある被膜を広げて滑空することができる、大型のリスの仲間です。樹上で生活し、地面まで降りてくることはほとんどないので、地上に設置しているセンサーカメラにもなかなか映りません。
【ネズミ科】
頭胴長約6cm、体重約10gの日本で一番小さなネズミです。春から秋にかけて、ススキなどのイネ科の植物の葉を細く裂いて編み、球状の巣をつくり子育てをします。冬に使い終わった巣が見つかることがあります。
水田や休耕田のような生息環境の減少により、急激に減少することが心配されています。
【ネズミ科】
頭胴長約10cm、尾長約10cmで、赤褐色の小さなネズミです。自分で掘った穴やモグラ類の掘った穴、倒木や落ち葉の下などに身を隠しながら行動し、地上で種子、果実、昆虫などを食べています。穴をあけて中身を食べたクルミの殻やどんぐり類の皮などの食痕が見られます。
【クマ科】
ブナ林を中心とした落葉広葉樹林帯に生息しており、神奈川県では絶滅危惧1類に指定されています。雑食性で植物の葉、花、根、実などの植物を中心に昆虫なども食べています。秋に食べ物を探すためか、夕方や早朝に野外施設までやってくることがあります。基本的には臆病な性質のため、鈴を携行するなど、こちらの存在を知らせて鉢合わせを防ぎます。
【イヌ科】
丹沢や箱根の山麓からブナ帯に生息し、稀に野外施設のセンサーカメラに映ることがあります。長くふさふさとした立派な尾が特徴です。かつては神奈川県内に広く分布していましたが、生息環境の減少や外来生物との競合で減少していると考えられています。
【イヌ科】
早朝や夕暮れ時に活発に活動し、センサーカメラにも頻繁に映ります。複数で同じ場所をトイレとして利用する「ため糞」という習性があり、糞をよく観察すると何を食べているか推測することができます。野外施設で秋から冬に見つかるため糞にはイチョウの種(銀杏)等、植物の種子がたくさん入っているのがわかります。
【イタチ科】
県内では丹沢や箱根の山麓からブナ帯までの森林に生息しているといわれ、たまに野外施設にも立ち寄っているようです。雑食性で、ノウサギやネズミ、鳥、カエル、昆虫などの動物質や果実などを食べます。階段や切り株などの目立つ場所で、植物の種子などが含まれる糞を見かけることがあります。
【イタチ科】
シルエットはテンに似ますが、一回り小さく、より水辺の環境を好みます。肉食が強い雑食性で、鳥やネズミのほか、カエルや魚、甲殻類などの水辺の生物も捕食します。ごく稀に日中に野外施設で姿を見かけることがあります。
【イタチ科】
タヌキと間違えられやすいですが、タヌキよりも足が短くずんぐりとした印象です。長い爪を持ち、穴を掘ることが得意です。ミミズや甲虫類の幼虫を食べたり、迷路のような巣穴を作ります。野外施設では足跡や、朽ちた木の周辺を掘り返して食べ物を探した跡などが見られることがあります。
【イノシシ科】
シカとともにセンサーカメラにもっともよく映る動物です。痕跡も多く、足跡はシカのような2本の大きい蹄の後ろに小さい副蹄がつくのが特徴です。また、食べ物を探すために地面を掘り返した跡や、湿地で泥浴びをしたぬた場の跡などもたくさん見られます。雑食性で、根茎、ミミズ、果実、昆虫など幅広く食べています。
【シカ科】
もっともセンサーカメラに映る頻度が高く、野外施設周辺でよく活動しています。角はオスにだけ生え、毎年生え変わります。毛の色は季節によって変わり、冬毛は灰褐色、夏毛は赤茶色に白い斑点がでます。草食性で木の葉、ササ、草などを食べ、野外施設では足跡、食痕、糞などの痕跡がよく見られます。
【アライグマ科】
タヌキと似ていますが、縞模様のある尾が特徴です。北米原産で在来の生態系に影響を与えることから特定外来生物に指定されています。雑食性で鳥類、両生類、魚類などさまざまな動物や果実などを食べます。手先が器用で民家の屋根裏に侵入したり、農作物を食べることもあります。センサーカメラに映る頻度は低いですが、足跡が見られることがあります。
【ジャコウネコ科】
江戸時代以前に東南アジアから移入したといわれています。長い尾と白い鼻筋が特徴で、市街地にも生息しています。木登りが得意で果実を好んで食べます。野外施設では5本指で肉球に丸みがある足跡が見られることがあります。
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