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更新日:2024年5月15日
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令和5年度第1回インクルーシブ教育推進フォーラム『小・中学校における「インクルーシブな学校」づくり』をテーマに開催しました
PDFの内容は、このウェブページにある以下の内容と同じものです。
日時 令和5年8月19日 土曜日 13時30分から16時30分まで
会場 県立総合教育センター
内容 1.開会挨拶、2.趣旨説明、3.実践報告、4.公開座談会、5.閉会挨拶
本フォーラムは平成26年度に第1回が開催されました。そして、昨年度までに県内14地区で合計24回開催をしております。取り扱われた内容を振り返ってみますと、地域の方々と一緒に考えるインクルーシブな学校づくりなど、それぞれの時代の状況を反映したテーマで取り組んできました。
開催するにあたり、大切にしてきたことが三点あります。一点目は、神奈川県教育委員会が考えたインクルーシブ教育の推進の考え方について、皆さんと共有し、議論し、深めていくこと。二点目は、地域でインクルーシブな取組を進めている方や学校で実践を推進している方をお招きしてお話を伺っているということ。三点目は、地域で暮らす子どもたちや様々な方たちがどのようにして繋がっていくのかということ。このようなことを大切にしながら取組を進めてきました。
本日は、会場にご参加の皆様方にもご意見をいただきながら共に考えていくことで、より皆さんにとって有意義なフォーラムにしていきたいと思います。
本県では、インクルーシブ教育推進の考え方として、「支援教育の理念のもと、共生社会の実現に向けて、すべての子どもができるだけ同じ場でともに学びともに育つこと」ををめざし、平成19年に策定された、かながわ教育ビジョンに位置付けています。ともに学びともに育つということは、とにかく一緒の場にさえいればいいという形優先の考え方ではありません。また、障がいのある子と障がいのない子がともに学ぶという、狭義の意味でもありません。そもそも社会は多様な人たちで構成されており、他者と共生していくことが社会の本質であることから、学校教育でも多様な仲間と協働的に学び、自己の学びを深めていくことは必然的であるという考え方です。
また、本県では、これからの学校教育の将来像を「すべての子どもが小学校、中学校、高等学校で学べる環境の実現」としています。これは特別支援学校や特別支援学級を否定するものではありません。すべての子どもが、学びの場を選びたくても選べないという状態を解消し、地域の子どもが地域で学べる権利を保障していくという考え方です。そのためには、すべての学校で多様性、包摂性、選択性を軸に捉えインクルージョンを実現し、すべてのひとりに教育が届く環境設定を考え、実践していくことが必要なのではないでしょうか。このことは、平成6年に国連で示されたサラマンカ宣言にある万人のための教育の実現に向けた、すべての子どもがともに学びともに育つことのできる万人のための学校をつくっていくことと同じ方向だと考えています。
本県では、インクルーシブ教育の推進に向けた取組の根幹として、二つのことを大切にしています。一つ目は、その地域のすべての子どもがともに学びともに育つことのできる、全員参加型の教育制度づくりを進めていくこと。二つ目は、その地域のすべての子どもが適切な支援を受けることができる、全員参加型の学校づくりを進めていくことです。これらのことは、県教育委員会、市町村教育委員会と学校だけで進めるものではなく、その学校がある地域の皆様とともに取組を進めていくことが大切だと考えています。すべての子どもが通い、学ぶことのできるインクルーシブな学校はみんなでつくっていくということです。
これまでの学校は、学校のシステムに子どもたちを当てはめるということが多かったのではないでしょうか。これからの学校は、多様な目の前の子どもたちに応じて、学校が形を変えていくことが大切ではないかと考えています。つまり、学校のシステムを目の前の子どもたちに合わせていくという発想の転換が必要であり、そのようなインクルーシブな意識が大切であると考えています。インクルーシブな学校教育に向けては、一人ひとりに教育が届くように、子ども・教職員・保護者・地域、全員が対等な参加者として、インクルーシブな意識で学校教育を見直し続ける、つまり、教育のあり方そのものを改めて見つめていくことが大切です。決まった方法や取組はなく、各市町村、各学校で現状の取組を見直し続けることで、インクルーシブな学校づくりが進んでいくと考えています。
本フォーラムでは、地域ですべての子どもの学びを保障するということをテーマにし、実践報告を通じて、各市町村、各学校のインクルーシブな学校づくりにおける具体的な取組を知り、公開座談会では地域で学びを保障するための視点を考えていきたいと思います。そして参加いただいている皆様にも、各市町村、各学校にふさわしいインクルーシブな学校づくりを取組として進めていただくとともに、地域の一員として、自分にできることを考えていっていただければと思います。
山崎:茅ヶ崎市におけるインクルーシブ教育推進の取組についてお話をさせていただきます。市内に小学校は19校、中学校は13校設置されており、現在18,910名の児童生徒が在籍しております。全体的にはここ数年、児童生徒数は若干減少傾向ですが、2021年の子育て世代の転入率が全国一位ということで、横ばい、または地域によっては若干増加しています。
本市では、すべての子どもが住んでいる地域で安全・安心に学校生活を送ることができるよう、学校教育の充実に努めていく必要があると考えています。すべての子どもができるだけ同じ場でともに学びともに育つことをめざすという、かながわ教育ビジョンに掲げられている理念を基に、茅ヶ崎市教育基本計画に基づきインクルーシブ教育の推進に取り組んでいます。
(1)通級指導教室 市内小学校4校に通級指導教室を設置しています。「ことばの教室」と「そだちの教室」をそれぞれ小学校2校に設置し、自校通級または他校通級という形で個別支援計画に沿った指導を行っています。
(2)あすなろ教室 何らかの理由により、登校することができない児童生徒の居場所として、あすなろ教室を設置しています。本教室では、在籍校と連絡を取りながら、学校への復帰や社会的自立に向けて基本的な生活のリズムを整えるなど、自信を持って活動できるような取組を行っています。それぞれの学びの場が小学校と交流、連携を図りながら、子どもたちの多様な学びの場として機能しています。
(3)特別支援学級の整備 現在、市内小・中学校において、特別支援学級が設置されていない学校があることから、特別支援学級の全校整備を教育基本計画の重点施策に掲げ、一人ひとりの教育的ニーズに応じたきめ細かな支援を行えるよう、多様な学びの場の充実をめざしています。現在小学校では、19校中12校、中学校では13校中8校に整備されており、来年度も小学校1校、中学校1校に開設する予定です。令和12年度までに全校整備をめざして取り組んでいます。
(4)多様な人材の配置 多様な学びの場の整備だけでなく、多様な人材を各学校に派遣・配置することによって、子どもたちへの支援の充実に努めています。医療的ケアが必要な児童生徒を支援する学校看護介助員、巡回教育相談を行う特別支援教育相談員、様々な課題を抱える児童生徒の環境を整えることを目的として、福祉的な視点から支援を行うスクールソーシャルワーカーといった資格を持った人材のほか、学習支援や相談支援をはじめとする個々のニーズに応じた支援を行うため、ふれあい補助員や心の教育相談員、また日本語指導協力者等を派遣・配置しています。
(5)就学相談 小学校入学前の年長児から、中学校3年生までの児童生徒について、一人ひとりの状況に応じた就学先についての相談を行っています。必要に応じて学びの場の柔軟な見直しが可能となっています。実際に小・中学校への入学時だけでなく、在籍中にも学びの場の見直しを検討したいという相談を毎年多数受けています。児童生徒の学びの場を検討するということは、大きな決断をすることでもあり、丁寧にサポートすることを心がけています。それぞれの学びの場が教育的ニーズに合う部分、またそうでない部分、またその環境における本人への支援について、できることやできないことをきちんと整理した上で情報提供を行うことや、必要に応じて学校と相談をする機会を設定し、丁寧に合意形成を図っていくことを行った上で、保護者や本人が納得して就学先の選択ができるようにすることが大切だと実感しております。
(6)特別支援学校との連携 市内に県立茅ケ崎支援学校があり、市内在住の児童生徒も多数通っています。市内小・中学校においては、特別支援学校のセンター的機能を活用し、特別支援教育の充実に努めています。具体的には、巡回相談や教員の学校見学研修、自立活動等の授業で使用する物品の借用等があげられます。
(7)その他 合理的配慮 合理的配慮の観点から、障がいやけが等により、車椅子等で生活している児童生徒の移動介助に、必要に応じて階段昇降車の貸し出しを行ったり、通常の教科書で学習することが難しい児童生徒に対して、拡大、点字、デイジー教科書等の提供を行ったりしています。
(8)リソースルーム 平成27年度から30年度に茅ヶ崎市立第一中学校が、県教育委員会の「みんなの教室」のモデル校として、インクルーシブ教育の推進に取り組んだことをはじめとして、各学校において、多様で柔軟な支援体制づくりが進んでいます。特に中学校ではリソースルームの設置・運用が広がっています。リソースルームの運用や活用方法等は、それぞれの実情に応じて、中学校ごとに異なります。リソースルームは、通常の学級・特別支援学級の在籍学級にかかわらず、すべての生徒を学校全体で支援する仕組みです。ここからは、リソースルームについて、茅ヶ崎市立浜須賀中学校の実践を紹介します。
一星:茅ヶ崎市立浜須賀中学校は1975年に開校されて49年目を迎える学校です。通常の学級は各学年6学級ずつで18学級、特別支援級が4学級あるので学校全体で22学級です。全校生徒数は720名となり、今年度は市内で一番の大規模校となりました。学校教育目標を「自立 共育 貢献」とし、今年度の重点目標の一つに「みんなの浜中づくり」を掲げました。
本校では、不登校支援のためのリソースルームを「スペシャルルーム」という名称で開設して5年目となります。スペシャルルームは略して「SR」と呼んでいます。特別支援非常勤で週15時間勤務する県費の教員を中心にして、茅ヶ崎市独自の心の教育相談員、またはふれあい補助員に加えて、教育相談コーディネーターの教員をSRの担当として配置することで、この取組をスタートさせました。さらに今年度は、各学年に所属している教員7名、延べでいうと9時間分を時間割に組み込み、SRで授業する時間として割り当てています。ただ、SRのためだけの特別な職員の配置ではないことから、全職員でSRについて共通理解をしていく必要があります。
SRは、通常の教室と広さは同じで、エアコンも整備されています。生徒用のテーブルが4台ほどあり、グループごとに分かれて学習することができます。さらに個別のブースがあります。SRの一角には、くつろげるスペースとして、ソファーが置いてあります。また、日課表がとても重要な役割をしていて、その日の時間割や教科の授業に来る先生の名前が記入されています。ここには生徒名も記入されていて、今誰が出席しているかがわかるようになっています。
現在、SRに通っている生徒は合計10数名ほどで、常時5・6名の生徒が利用しています。ただ時間によっては、自分の学級に戻って授業を受ける生徒もいます。お弁当だけはSRに食べに来る、そんな生徒もいます。
おもに不登校支援を行うSRを運営する上で大切なことが三点あります。一点目は、不登校生徒の校内の居場所になることだと思います。SRに通うことで本人と学校が繋がっていられる、このことの意味はとても大きいと考えています。二点目は、工夫をしながら学校でできる対応を模索していくことだと思います。三点目は、学習をする雰囲気を作っていくことだと思います。
今年度の重点目標の一つに、「みんなの浜中」を掲げました。通常の学級の生徒や特別支援学級の生徒、SRに通う生徒、そんな見方ではなくて、全員が浜須賀中の生徒であるという見方です。この見方が、まさにインクルーシブ教育に繋がるのではないかと思っています。
山崎:最後になりますが、子ども自身が歩む、幼児期から自立までの道のりにおいて、ある一定期間を義務教育が担っていることから、教育的ニーズにどのように対応していくかということは、子どもの人生に大きな影響があると感じています。市内の各小・中学校においては、各学校の実情に応じて、インクルーシブ教育が進んでいますが、教育委員会としても今後もすべての児童生徒が自分らしさを大切にして、安全・安心に学校生活を送ることができるよう、各学校と連携を図り、学校の支援体制の充実に向けて取り組んでいきたいと思っています。
安藤:二宮町には小学校が3校、中学校が2校あります。令和5年5月現在、町内の小・中学校に在籍している児童生徒の数はそれぞれ1,145名、606名で合計1,751名です。子どもたちの数は年々減少傾向にあります。
インクルーシブな学校づくりを進めていく目的は共生社会の形成のためであると考えています。インクルージョンはゴールではなく常にプロセスであり、完成形はないと考えます。その時々の置かれた状況において、ともに学びともに育つための最善の選択は何かということを常に考えようとする学校が、インクルーシブな学校だと捉えています。
学校は、子ども、教職員、保護者、地域の方々など、様々な人たちが関わり合い、成長を重ねていく場です。一部の人だけではなく、全体的にインクルーシブな心を醸成していくためには、インクルーシブなシステムや仕組みが必要だと考えます。システムや仕組みが整っているからこそ、インクルーシブなマインドが日常の学校生活の中で当たり前の感覚として醸成されていきます。また、インクルーシブなマインドが育ってくると、その時々の状況に合わせて柔軟に、システムや仕組みを最適なものへと変更していきやすくなると考えています。このように、マインドとシステムが往還的な関係のもとで、インクルーシブな学校づくりが進んでいくことが理想であると考えます。
地域でともに学びともに育つ仕組みづくりを推進していく上で、現在二宮町が取り組んでいる方向性としては、従来の枠組みの『間(あいだ)』の部分や『つなぎ』の部分の充実を図り、これまで以上に選択肢を増やしていくこと、そして9年間の学びをより滑らかにつないでいくことです。その背景には、子どもたちの教育的ニーズが多様化し、従来の枠組みで困り感を抱えている子どもたちが増えていることがあります。今後は以下のような「間」や「つなぎ」を充実させていくことが重要だと考えています。
一点目は教室以外の居場所の充実です。二宮町全体でも不登校は年々増加傾向にあり、その要因・背景は一人ひとり様々ですが、傾向としては、学校には来られるけれど教室には入ることが難しい子、普段は教室で過ごしているけど居づらさを感じてずっと教室にいることが難しい子などが多くなっています。教室と家庭の間に位置する居場所や環境を必要とする子どもがいるということです。したがって、子どもたちが安心感を持って学校生活を送るためには、教室以外の居場所の充実を図っていくことも重要だと捉えています。
二点目は小学校と中学校、幼稚園・保育園と小学校の接続の充実です。二宮町では小中一貫教育を導入し、9年間を見通した学びを実現していく中で、必要な資質能力の育成を図るとともに、誰もが安心して学べる学校づくりや、安心して中学校に進学していける仕組みづくりに取り組んでいます。また、小学校一年生の中にも、幼稚園・保育園と小学校の違いに戸惑い、難しさを抱える子もいます。スタートカリキュラム等を意識し、幼稚園・保育園と小学校をどう滑らかにつないでいくのかは、低学年においても増加傾向にあるいじめや不登校を減らしていく一助にもなっていくのではないかと考えています。
三点目は、通常の学級と特別支援学級の間の通級指導の充実です。通級指導教室は「ことばの教室」として、小学校1校に設置されています。他の学校の児童は通級指導を受けたい場合、保護者の送迎が必要となります。保護者の負担感や子どもたちの多様さを踏まえると、まだまだ潜在的なニーズがあるのではないかと感じています。
令和5年4月から、町内のすべての小中学校が一つの施設分離型小中一貫教育校「にのみや学園」となりました。当初は二宮中学校グループ、二宮西中学校グループに分離型小中一貫教育校を2校設置する方向で議論が進んでいましたが、現場の先生方と共同的に準備を進めてきた中で、最終的には5校を一つの小中一貫教育校にすることになりました。その大きな理由は、二宮町の子どもとして、同じ教育目標のもと、誰もが9年間を見通した学びを受けられるようにしたい、そんな願いからでした。こうした思考や過程も、まさにインクルーシブな視点であったと思っています。にのみや学園の教育目標は「認め合い 高め合う 二宮の子」です。これは町内の教職員から意見やキーワードを募集して決めたものです。共生社会の形成者として必要な資質能力を9年間の学びを通して身に付けさせたい、町内の教職員のそんな願いが込められた教育目標です。にのみや学園全体で取り組んでいる様々な取組を総称して、にのみや学園プロジェクトと呼んでいますが、そのいくつかを紹介します。
一つ目は受容的・共感的な学級集団をベースとした全員参加の授業づくりを、町内すべての学校・学級で共通性と一貫性を持って取り組んでいます。二つ目は子どもたちの声をもとにした小学生と中学生の交流、そして小学生同士の交流です。三つ目は小・中学校の教員の協働的なカリキュラム研究です。町内の5校の小・中学校の先生方が14の教科等グループに分かれて、9年間を見通した学びについて研究しています。町内の小・中学校の先生方が定期的に集まり一緒になって行う研究は、9年間を貫く学びをデザインしていく上で有意義なものであり、誰もが安心して学べる学校づくりにつながっていくと考えています。 続いて、にのみや学園の一つである一色小学校におけるインクルーシブな学校づくりの実践について紹介します。
中西:一色小学校は全校児童160人、町内で一番小さな学校です。各学年1クラスずつと特別支援学級として、なかよし級とひまわり級が2クラスあります。本校では、特別支援学級を以前あった、あおぞら級と合わせて、頭文字から「なひあ級」と呼んでいます。本校は人数が少ない分、学年を越えた交流が盛んです。6年生を中心とした縦割り班の活動や、教室を1年生と6年生、2年生と5年生をそれぞれ隣どうしにしていることもあり、日常的に上級生と下級生との微笑ましい触れ合いが生まれています。また、本校はコミュニティ・スクールとなって6年目を迎え、いつも保護者や地域の方々に温かく支えていただいています。
学校経営の理念を「一人一人を大切に、かがやく笑顔のために」としています。この笑顔は、子どもだけでなく、保護者・教職員・地域の方々、学校に関わるすべての人たちの笑顔です。すべての教育活動が誰かの笑顔につながっていくという考えのもと、児童にとっては行きたくなる学校、保護者にとっては行かせたくなる学校、地域の人たちにとっては関わりたくなる学校、そして教職員にとってはやりがいのある学校をめざしています。
本校には、温かく、ほっとできる場所という願いを込めて「ほっとルーム」と名付けた、教室以外の居場所があります。ほっとルーム以外にも、各フロアの空き教室や、図書室、保健室など、その時々に応じた居場所を選ぶことができます。ほっとルームには、今年度から増員された支援教育補助員が常駐できるようになっています。また、ほっとルームの隣には「あのねルーム」と名付けた、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーと相談を行う部屋を設けて、必要に応じて連携がしやすいようにしています。ほっとルームの運用はまだ始めたばかりで、課題も多くありますので、これから他校での取組等も参考にしながら、より良いものにしていきたいと考えています。
次に、本校はコミュニティ・スクールとして、「一色笑(スマイル)ネット」という愛称で、地域とともにある学校づくりを進めています。保護者や地域の方々がサポーターとして、梅干作りやトマト作り、カブトムシの生態など、様々な分野での名人が授業に関わってくださったり、家庭科の調理実習やミシンの学習、校外学習の付き添いや休み時間の見守り等をしてくださったりしています。また、掃除のない日の「ちょこっとお掃除サポート」や校内の様々な環境整備も行ってくださっています。このように、学校内には教職員だけでなく、いろいろな大人がいることが、今では当たり前の光景になっています。本校は、教職員の数も少ないため、手が回らないところを助けていただくということで、本当にありがたいと思っているのですが、そのこと以上に、教職員以外の多くの多様な大人が、いろいろな場面で関わってくださるということは、子どもたちにとっての豊かな学びにつながっているということを実感しています。
また、地域の方々が集える部屋として、校内に「スマイルネットルーム」という部屋があります。スマイルネットルームに大人がいるときは、児童も自由に出入りができます。特に一年生にとっては、休み時間に折り紙や工作をしたり、自分のペースで好きに遊んだりすることができるので、幼稚園・保育園と小学校をつなぐスタートカリキュラムとしての役割も果たしています。このように、地域のみんなで地域の子どもたちを育てようという温かい雰囲気ができています。
最後に、すべての児童をすべての教職員で見る、ということについてお話します。本校は、160人すべての児童の顔と名前をほとんどみんなが知っているという、小規模だからこその良さがあります。また、全学年が1クラスのため、担任どうしも日頃から学年を越えて相談し合っており、自分のクラスの子という捉えではなく、学校の子という考え方が浸透しているので、すべての児童をすべての教職員で見ていくという意識が、当たり前のことになっています。そのような中で、さらに今年度新たに取り組んでいるのが、なひあ級の担任が通常の学級で授業を行う、そしてなひあ級の担任以外、これは通常の学級の学級担任だけでなく、専科として教えている教員も含めた全員が、なひあ級で週に1・2回授業を行うということです。始めるまではいろいろ不安もありましたが、やってみるとなひあ級の児童が、交流級の先生に向かって「先生、次はなひあだよ!」と、嬉しそうに話している姿が見られたり、これまでどうしても交流に行き渋っていたなひあ級の児童が、交流級でなひあ級の先生が授業をすることで、交流に行くきっかけとなったり、様々な効果が見られています。1学期を終えて、先生方からは次のような感想がありました。「児童にとっては、どの先生もみんなの先生という感覚になっているのがとても良いと思う。教師にとっても、自分のクラスの児童だけを見るのではなく、学校全体を見られるので、みんなで子どもたちを見ているという気持ちになって、いろいろ相談しやすいし、話しやすくなっている。」「交流級の先生がなひあ級に教えに来る、なひあ級の先生が交流級で授業をする、全職員で全校児童を見ていくことは、子どもたちの安心につながる取組であると思う。」などの感想がありました。もちろん負担が全くないということはありませんが、それ以上の効果を感じられるので、メリットの方が大きいと感じている教員が多くいることが今の取組につながっていると思います。
何か一つに取り組めば、すべてが解決できるということでもありません。これからも目の前の子どもたちや、その後ろに控えている保護者や地域の方々の笑顔のために、一つ一つできることをやっていきたいと思っています。
安藤:最後になりますが、インクルーシブな学校づくりに完成形はないと考えます。二宮町ではあらゆる教育活動において、すべての子どもがともに学びともに育つための仕組みや環境づくりについて、常に考え続けていくことを大切にしていきたいと思っています。その際、大人一人ひとりの視野を、学級・学年の子どもから、学校の子どもや、にのみや学園の子ども、さらに二宮町の子どもとして広げていくことで、すべての子どもを包摂するインクルーシブな学校づくりをさらに推進していけるのではないかと思っています。また、子どもの周りにいる大人がこうした意識を持っていくことは、子どもたちにも必ず伝わっていくのではないかと思います。
伊藤:最初に、会場にお集まりの皆様から実践報告のご感想、ご質問をお伺いしたいと思います。
県民:茅ヶ崎市や二宮町の取組はとても素敵だなと思いました。ただ、自分の住んでいる地域では、まだこのような取組が進んでいないと感じています。私自身は、子どもが療育施設に通っている地域の保護者の皆様と、地道に取組を進めているところです。思いのある校長先生の学校だけではなく、各教育委員会がこのようなフォーラムや研修等で広く市民や教職員に向けた学習会等を企画していただくことを期待しています。
安藤:保護者や地域からの声が学校を通して教育委員会に届いて、施策につながっていくこともあります。例えば、コロナ禍になって、普段学校には来ることができても、不安を抱えながら過ごしている子たちが増えてきているという報告を学校からもらいました。そこで、早期に対応できるようにするために、これまでは要望があればスクールカウンセラーなどを派遣するという形だったのですが、学校に常駐した方が保護者にとっても子どもにとっても相談しやすい環境につながっていくという話が現場から上がってきたので、今年度から常駐することになりました。
二宮町は、規模の小さな自治体ですので、その分、連携を取りやすいと思っています。保護者の声を施策につなげていくために、高いアンテナを張り続けていきたいと思っています。また、年に1回ですが、教育講演会を開催し、学校の教職員だけではなく、地域の方にも広く参加を呼びかけています。町全体で教育について考えていく良い機会にしたいと思って企画しています。これからもそのような活動を通じて、保護者の声をしっかり受けとめて教育施策につなげていきたいと思います。
山﨑(武山):ある市町村教育委員会との連携の中で、「インクルーシブって何?」というタイトルの保護者教室が開催され、地域の保護者の皆さん、教職員の方々が参加していました。そこには教育委員会のみではなく、福祉課の方たちも一緒に関わりながら、保護者の方たちの声を聞いて、その課題を受けて参加者が実際にどうやって取り組んでいこうかと考える機会を設けています。
また、本校の実践として、地域のインクルーシブ教育実践推進校の先生や地域の小学校の先生に公開講座のパネリストになっていただいたり、県内の大学の有識者を講師にお呼びしてインクルーシブ教育についての話をしていただいたりしています。そこでは、お互いに意見交換するような場を積極的に設けています。
県民:茅ヶ崎市の取組で、あすなろ教室は学校に行けない子どもたちのための居場所である、ということをお聞きしました。あすなろ教室に行っていると出席として認められるのでしょうか。また、茅ヶ崎市では、地域の小・中学校に支援学級がない子どもたちはどこに通っているのでしょうか。
山崎(茅ヶ崎):あすなろ教室は、様々な理由から学校に登校することができない児童生徒の居場所として、設置されている教室であり、学校復帰であったり、社会的自立であったりを目標に支援を行っています。そこでの活動の様子や、どの日に登校したかなどについて、在籍の学校と連携を取りながら進めている状況です。あすなろ教室で、学習や活動に取り組んだ日は、在籍校での出席の扱いとなっております。
現在、特別支援学級が全校には設置されていない状況で、令和12年度を目標に、全校整備を進めているところです。特別支援学級への就学を希望されていて、現在お住まいの地域を学区とする小・中学校に特別支援学級が整備されてない場合は、近隣の小・中学校の特別支援学級に通っていただいているという状況です。すべての子どもが、自分が住んでいる地域の学校で学ぶという選択ができるように、茅ヶ崎市教育基本計画の重点施策の一つとして掲げて、整備を進めている状況です。
一星:校長の集まる会議でも話題にあがりますが、不登校の支援は、とても大きな課題です。そのため、取組を情報共有しますが、各校が全く同じ取組をするわけではなくて、お互いの取組を参考にして、自校に合った取組を模索しています。私も今、浜須賀中で3年目ですが、他校の校長、教職員が視察に来て、お互いに情報共有をしながら取組を進めてきました。または、県の方からも今回のこのフォーラムもそうですが、いろんな情報を共有してもらう中で、市はこんな取組をしているという情報を取り入れて、不登校の支援を行っていくという例が多いのではないかと思います。
中西:二宮町では、民間のフリースクールや居場所づくりの団体とのネットワークを構築しつつありますので、教育委員会と連携をしながら、不登校の支援の一つとして紹介していこうとしているところです。本校では、ほっとルームという部屋を設けていますが、そこにみんなが行けるかというとそうではなくて、ほっとルームという名称がついている場所に行くこと自体に抵抗を感じるお子さんもいます。その時々で行ける時もあれば行けない時もあり、同じお子さんでも日によって、時間によって違うという状況です。ですから、ほっとルームができたからもう大丈夫、ということは全くなく、状況に応じて、その子にとって今何が一番大事なのか、何がその子にとって少しでも笑顔につながる取組になるのか、ということをみんなで考えながら、取り組んでいるところです。学校の教職員の数も限られている中で、どこまで対応できるかは悩ましいところです。子どもと対話しながら、そこに保護者の思いも聞きながら、いろいろと常に模索しています。
山﨑(武山):特別支援学校での不登校支援の取組の例としては、フリースクールに通っている児童について、保護者だけでなく、相談支援事業所の方、福祉課の方、放課後等デイサービスの方にもご参加いただいて、本校でケースカンファレンスを行ったことがあります。それぞれの場所で成長している部分や、ご家庭での困りの部分を、みんなでカンファレンスしました。それぞれの場所での成長を共有していきながら保護者の方のメンタルのフォロー、それからもちろんご本人のフォローもしていきました。
県民:現在、茅ヶ崎市には特別支援学級が全校には設置をされてないということで、今後すべての学校に整備することを目標として進んでいるところだと思いますが、特別支援学級をつくった後のビジョンについてお聞きしたいです。
山崎(茅ヶ崎):全校に特別支援学級を整備することによって、すべての子どもたちが自分の住んでいる学区の小・中学校に通うという選択肢を持てる状況にするということが、第一だと考えています。また、特別支援学級を整備したから、それで終わりかというともちろんそうではなく、その状況でようやくすべての子どもたちが自分の地域で育っていくという土台づくりができたという状況になるわけであって、その先にやるべきことはたくさんあると考えています。例えば、整備した学校の中で、いわゆる今の通常の学級と特別支援学級が別の学びの場として、学校内に存在するだけでは到底インクルーシブということにはなりません。一つの学校の中で、子どもたちの教育的ニーズに応じて、通常の学級で学んだり、特別支援学級で学んだりという、いわゆる交流及び共同学習という取組について柔軟に対応できる仕組みをつくっていかなければ、たとえそこに特別支援学級をつくっても、インクルーシブ教育の推進につながらないなと考えます。加えて、全校に整備をしていく上では、学校にもその先のことも含めて、研修を行ったり、先生方と情報共有したりすることをやっていかなければいけないと思っています。
これは私の個人的な思いですが、本当の意味でのインクルーシブ教育を推進するためには、一つの学校の中に、通常の学級があったり、特別支援学級があったり、通級指導教室があったり、特別支援学校で受けられるような専門的な指導・支援が受けられたりということをめざしてやっていく必要があると思っています。その途中段階として、地域の学校すべてに特別支援学級という場を整備して、その中で、教育的ニーズに応じて多様で柔軟な支援が行えることをめざしていきたいと考えております。
伊藤:浜須賀中学校のSRや一色小学校のほっとルーム等の取組を各学校で継続していく上での課題は何でしょうか。また、各市内、町内で広めていく際に課題となっていることは何でしょうか。
一星:SRのような取組を継続していく上で大切なことは、システムや形だけを残すのではなくて、教職員も生徒も毎年変わっていく中で、日常的にいろんなことを議論していくことだと思います。特にどうやってみんなで関わるか、というあたりを確認していかなければいけないと思っています。特別支援学級を設置した後の取組が大切だという話がありましたが、本校のSRの取組も、何年か経って取組は積み重なってきますが、常にみんなで議論しながら見直し続けていかなければならないのではないかと思っているところです。そのため、この夏休み中にも、前校長を招いて教職員向けの講演会を企画しています。
中西:現在行っている校内の取組を維持していくためには、実践報告の中で二宮町教育委員会からもマインドとシステムの関係性の話がありましたが、学校の中でもそれがとても大事だと思います。まずは、先生方どうしで、いかにそのようなマインドを共通理解できるかというところを大切にしています。
また、本校の取組を町内にどのように広げていくかについては、にのみや学園ということで5校が一つの施設分離型小中一貫教育校となっていますが、各学校の規模は全く違うので、同じことが同じようにできるとは限りません。空き教室の数なども違うので、ひとつの方法やシステムがベストということではなく、まずマインドをみんなで共通にもった上でそれぞれの学校に合ったことを考えていくということが大事だと思っています。
今後、地域に取組を広げていくという点では、本校はコミュニティ・スクールということで、地域の方々がたくさん関わってくださっているということが、とても大事だと思っています。今年度のグランドデザインの中のめざす児童像の中に、「希望をもち、ねばり強く取り組む子」というのを掲げています。「ねばり強く」というのは、無理やり何かを頑張らせるということではなくて、諦めずに取り組もうという気持ちになれるような環境をつくることが、私たち教員の役目であるということを、職員の中で共通理解し、そのことを学校運営協議会でもお伝えしたということがありました。ねばり強さは人それぞれで、子どもによっては、1分でも頑張ればねばり強く頑張ったといえることもあれば、3時間ねばり強く頑張れる子もいます。言葉だけが独り歩きしないように、みんなで環境をつくることが大事だということを共通理解できたというエピソードです。一つの言葉をとっても地域の方と一緒に考えていく、そうやってマインドをつくっていくということが大事であると考えています。
安藤:それぞれ学校の規模や状況が全く違うので、同じような歩幅で進めていくことは当然難しいと思います。ただ、教職員のやってみようという前向きなマインドを高めていく一つのきっかけになるのは、小さな手応えを作っていくことだと思っています。まずはやってみようという精神で、小さなことから取り組み始める。うまくいったという成功体験が職員室の中で共有される。小さな一つ一つの自信や手応えが、組織を変えていくきっかけにもなっていくと思います。まず小さな手応えを大事にして、教育委員会として町内の5校に広げていくことを、地道にやっていく必要があると思っています。
山﨑(武山):先生方のマインド、日々の業務、そして子どもたちに向かうという部分をどう高めていくか。私たちは地域にセンター的機能として巡回相談に行かせていただいているのですが、先生方のそのマインドをどう支えていくか、というところが特別支援学校のコーディネーターとしての役割かなと思います。一つの事例に対して私たちが助言させていただいた内容をそこでは終わらせずに、取り組んだことがこれはいいぞっていう手応えがあったとしたら、それを学校の中でぜひ共有してくださいねとお話しています。また、管理職の先生であったり、学校に配置されている教育相談コーディネーターの先生であったり、そういう人たちの力もとても大事になってきますので、チームとして学校が一つになるような、学校コンサルテーションの視点で巡回相談をさせていただいています。
伊藤:学校で、地域で、それぞれの取組をやっている、そして市町がそれを支えながら、面で広げようとしていると思いますが、特別支援学校との連携というのは、さらにどうしていくといいのか、まだどこに課題があるのでしょうか。
山﨑(武山):特別支援学校ですと、地域の子であって地域ではないというんですかね。武山支援学校は横須賀市武山というところにはあるのですが、逗子市、葉山町、横須賀市、三浦市から通ってきています。子どもたちには子どもたちの地域、住んでいる地域があるんですね。私たちは子どもたちがどんどん地域にかえっていって、地域で活躍する人になってもらいたいという願いがあります。今、本校で頑張っている取組のひとつが、武山メッセンジャーアクションプロジェクトです。子どもたちが地域のイベントなどにどんどん出ていくという取組です。子どもたちが地域社会の一員として活躍する場がたくさんあるということをメッセージとして出していきたいと思います。地域の福祉まつりでお店を出してボランティアとして参加したり、地域の高等学校と交流したりしています。そういうところから、地域の人たちに子どもたちのことを理解してもらう、まずは知ってもらいながら、共生社会の実現の本当に小さな一歩ですけれども、進めていけたらいいなと思っています。
山崎(茅ヶ崎):市内に茅ケ崎支援学校があり、市内外の児童生徒が通っているのですが、その中で居住地交流という取組をしています。地域に戻って活動するということはとても大切な取組かなと思うのですが、その取組が単発で終わってしまっているのだとしたら、それは少しもったいないと感じています。その交流が、つながりのあるものになっていくということはとても大事なのではないかと思っています。山﨑先生の話を伺って、もともと住んでいる地域の学校で、地域の子たちと一緒に何か活動を取り組むというような交流であったり、ともに活動するような場面設定であったりをつくっていけるととてもよいと思いました。
安藤:地域の学校としては居住地交流で、県立支援学校のお子さんと関わっていくことになると思いますが、現状では、居住地交流を希望されるご家庭と、希望されないご家庭があります。希望されるご家庭については、毎年定期的に地域の学校に来ることになりますので、その子たちが来年も来たくなるような学校づくりを進めていくことが大切だと思います。また、居住地交流を希望していないご家庭についても、どこかで希望されるタイミングがくるかもしれませんので、いつでも来たくなる学校づくりを意識していきたいと思います。私は就学相談担当として、県立特別支援学校を希望して就学されるご家庭にも、地域のお子さんなのでぜひ今後も継続的に関わっていけると良いですよね、というような声掛けを必ず行うようにしています。
中西:本校には、普段は海外に在住されている方が、長期休み等で帰国されている時に、子どもが日本の学校にも通いたいということで、体験という形ですが、来てくれることがあります。今年度も3人ほど1学期に来てくれましたが、居住地交流にしても海外のお子さんにしても、来てくださる方々は、受け入れていただいてありがたいというような言い方をされるのですが、こちらとしてもいろいろな方が来てくださるということが、本校の子どもたちにとっても良い機会なので、ぜひどんどん来てくださいと言っていきたいと思っています。また来年も行きたいなと思えるような学校やクラスなど、そういう雰囲気を大事にしていきたいと思います。
伊藤:茅ヶ崎市、二宮町という規模の違う市町の取組、それから学校の規模も違う中で、インクルーシブな学校づくりに向けた取組を継続したり、広めたりしていくための課題を共有できました。
県内の全ての市町村で取組を進めていくことができるよう、今後も県教育委員会としてバックアップしていきたいと思います。当然、各市町村で異なる取組、異なるプロセスになると思いますが、一つ一つ向き合って、皆様と共に考えながら、インクルーシブ教育を推進していきたいと考えています。ありがとうございました。
二つの市町教育委員会および二つの小・中学校の実践報告を聞いていただきながら、改めて大切なことは何かということを、参加された方それぞれがお考えになったのではないかなと思います。そして座談会の中では、ご参加いただいた方々から、日常感じていることや、思いを言葉にしていただき皆様と共にさらに深く考えることができました。
共生社会に一つの正解はないということ、みんなで話し合いながらその地域や学校をつくり上げていくこと、思いを共有していくということ、これらのことがとても大事であると改めて実感しました。
多くの皆様にご参加いただいたことを心から感謝申し上げます。このような機会を大切にしながら、皆さんと一緒にそれぞれの地域におけるインクルーシブな学校づくりを、一歩一歩確実に進めていきたいと考えています。
今回のフォーラムは、今後の神奈川のインクルーシブ教育の推進を考える上で、大変有意義な機会となりました。神奈川県教育委員会では、すべての子どもができるだけ同じ場で共に学び共に育つ中で、一人ひとりの人間性や多様な個性を尊重し、お互いを理解していくことが大切だと考えています。すべての地域において「インクルーシブな学校」づくりに向けた取組を進め、共生社会の実現につなげてまいります。
主催
神奈川県教育委員会 茅ヶ崎市教育委員会 二宮町教育委員会
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