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更新日:2023年12月28日
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ライフサイエンス・ヘルスケア及びフードテック分野の企業団をシンガポールに派遣しました。
2023年9月、シンガポール進出や共同研究に関心を持つ医療・ヘルスケア及びフードテック分野の企業団をシンガポールに派遣し、企業11社(23名)と研究機関4団体(16名)が参加しました。
神奈川県の連携・協力の覚書(MOU)締結先であるシンガポール国立大学(NUS)、シンガポール国立大学保健機構(NUHS)のほか、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)、シンガポール総合病院(SGH)、シンガポール食品庁(SFA)等を訪問し、シンガポール側と参加企業等によるプレゼンテーション、視察及びネットワーキングを実施しました。
また、今年度は、本ミッションの一環として、がん免疫学、ゲノミクス、加齢医学等のがん関連分野におけるシンガポールと日本の産学公連携を推進するため、「シンガポール国立大学・神奈川県がんシンポジウム」(NUS-Kanagawa Cancer Symposium)をシンガポール国立大学にて共同開催し、2日間で約200名の参加がありました。
センター・フォー・イノベーション・イン・ヘルスケア(CIH)は、シンガポール国立大学保健機構(NUHS)傘下の機関であり、ヘルスケア分野のイノベーション促進に向けて研究開発者・産業界と臨床医とのマッチングを実施し、実用化に向けた妥当性評価や医療技術評価などの支援を行っています。
昨年度に引き続いての訪問となり、CIHと参加企業双方によるプレゼンの後、ネットワーキングを行いました。
シンガポール国立大学(NUS)は、1905年設立の総合大学であり、「QS世界大学ランキング2024」では世界8位、アジア1位の評価を得ています。今回、県は同大学等とがんをテーマとしたシンポジウムを2日間(9月4日及び5日)にわたり共催しました。
初日は、黒岩知事からビデオメッセージで開会の挨拶を行った後、研究者や参加企業からのプレゼンに基づき、議論が行われました。
なお、県からは、神奈川県立がんセンター臨床研究所 宮城 洋平 所長、神奈川県立保健福祉大学 鄭 雄一 副学長、横浜市立大学医学部 中島 秀明 教授、公益財団法人実験動物中央研究所 末松 誠 所長 等が登壇しました。
シンポジウムのプログラム(英語版)は、こちら(PDF:2,871KB)からご覧ください。
シンガポールの医薬品受託製造開発機関(CDMO)で培養肉製造を行うスタートアップEsco Aster社を訪問しました。参加企業からプレゼンを行うとともに、Esco Aster社及び非動物性の成長血清を開発するスタートアップである Wasna社から、事業概要について説明を受けました。その後、ラボツアー及びネットワーキングを行いました。
シンガポール国立大学(National University of Singapore/NUS)【シンポジウム2日目】<Aコース>
シンポジウム2日目は、研究者を中心に活発な議論が行われました。
閉会の挨拶では、同大学の人口健康センター所長兼シンガポール国立大学保健機構シニアアドバイザーであるジョン・ユー=リー・ウォン教授から、「東・東南アジア全体が、2041年に全人口の21%を65歳以上が占める「超高齢社会」に到達すると予想される。健康な高齢化と適切な社会制度の構築に対応するため、特に高齢化が進むシンガポールと日本のリーダーシップの下、アジアの国々が連携して取り組むことが非常に重要」との話がありました。
シンガポール国立大学(NUS)は、NUS エンタープライズ (NUS Enterprise)という起業支援部門を有しており、インキュベーション施設や起業家支援プログラムを運営することで、大学発スタートアップの育成や大学の研究シーズの産業化を促進しています。
BLOCK71は、シンガポール政府及びNUS エンタープライズが設立した東南アジア最大のインキュベーション施設で、250社以上のスタートアップと30社以上のアクセラレータやベンチャーキャピタルが入居しています。
BLOCK71への訪問では、活動趣旨の説明を受けた後、 サイエンスパークに移動してフードテックセンター等を見学するとともに、参加企業等のプレゼンやネットワーキングを実施しました。
シンガポール国立大学(NUS)の食品科学・技術学部を訪問しました。学部の取組紹介を受けた後、ラボツアーとネットワーキングを行いました。植物由来の代替肉や菓子類の試食コーナーもあり、実際に味を確かめながら、活発な議論が行われました。
クイーンズタウン健康地区は、シンガポール住宅開発庁(HDB)、シンガポール国立大学保健機構(NUHS)及びシンガポール国立大学(NUS)の主導により、様々なパートナー企業等と官民連携で行われる実証地区で、パートナー企業等の多様な専門知識を活用し、住民のライフステージに応じた健康とウェルビーイングを増進するためのソリューション開発を実施しています。
今回の訪問では、シンガポール国立大学保健機構(NUHS)内で、ジョン・ユー=リー・ウォン人口健康センター所長らからクイーンズタウンの取組を説明していただいた後、参加者は同地区へ移動し、ガイドの説明を受けながら1時間にわたって歩き、実際の敷地内の様子を見学しました。
シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)は、通商産業省傘下のシンガポール最大の研究開発・科学技術開発振興機関(日本でいえば国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)に相当)であり、バイオ系の研究開発拠点Biopolisといった研究開発拠点の集積地を所管し、研究者と企業等のコラボレーションを推進しています。
昨年度に続いての訪問となった今回は、A*STAR全体の取組について紹介を受けた後、9つのラボを視察し、各ラボの研究者から研究内容について説明を受け、意見交換を行いました。また参加企業のプレゼンテーションの後、研究者らとのネットワーキングを行いました。
シンガポール総合病院(SGH)は、1821年設立のシンガポール最大手の病院で、国内最大の公的医療機関グループであるシンヘルス(SingHealth)の基幹病院です。
昨年度に続いての訪問となった今回は、参加者・シンガポール総合病院(SGH)双方のプレゼンの後、がんセンターと総合病院の見学ツアーを行いました。
シンガポール食品庁 (SFA) 、食品関係のシンクタンクであるグッドフードインスティテュート (GFI)、食品分野のスタートアップNurasa社、Ants Innovate社、 Innovate360社からプレゼンをいただきました。また、魚の培養脂肪を商業生産するスタートアップImpacFat社の創業者で、かつA*STAR傘下の分子細胞生物学研究所(IMCB)主任研究員である杉井重紀氏からも、シンガポールのフードテックの研究開発や産業の状況についてお話いただきました。その後、質疑応答を兼ねたネットワーキングを行いました。
神奈川県では、引き続き、ライフサイエンスや未病の産業振興に向け、覚書を基盤としたシンガポール関係機関との連携を進めてまいります。
※本事業は、本県の委託業務「ヘルスケア・ニューフロンティア国際展開支援業務」の一環として、業務受託者のデロイトトーマツベンチャーサポート株式会社が実施しました。
このページの所管所属は政策局 いのち・未来戦略本部室です。