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更新日:2020年3月6日
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1 丹沢吸血鬼(内水面試験場 遠藤健斗)
2 私の船酔い対処法(栽培推進部 野口遥平)
秋の渓流調査は、色鮮やかな自然の中で美しい渓流魚を追う魅力的な業務ですが、ちょっと嫌な点を挙げるとすれば「ヤマビル」という厄介な生き物に気を付けなければいけないことです(写真1)。
ヤマビルは陸上生活をするヒルの仲間で丹沢では春から秋にかけて湿った場所で見ることができます。ヒルというと、ナメクジのような動きを想像されるかもしれませんがヤマビルは想像以上に素早いです。動き方はシャクトリムシのようで、いつの間にか私たちの足や腕に取り付いて血を吸っています。その速さは足から首まで這い上がるのに1分もかからない程だとか。また、ヤマビルは血を吸う際にヒルジンという血液が固まらなくなる成分を注入するため、なかなか血が止まりません。気が付かない内に血を吸われて靴下が真っ赤になっていることもあります。
そんなヤマビルに調査スタッフも様々な対策を講じています。塩やヒル除けのスプレーを使う人、袖口をガムテープで目張りする人、陸は危険だと言って川の中で昼食をとる人…などですが、どんな対策をしても吸われるときは吸われます…。ヤマビルの方が人間よりまだ1枚上手のようです。
このヤマビルですが、昔の丹沢では今ほど見られなかったそうです。広まってしまった原因としては、シカやイノシシなどが分布域を広げた時にそれらにくっついてきてしまったのだとか。丹沢では、里から山へと住処を追われたシカによる下草の過剰食圧が問題になっていますが、ヤマビルの分布拡大にも関係があるようです。
自然環境は何か一つが崩れると、様々なところに影響が及んでしまいます。シカもヤマビルも生きるために必死ですから、いなくなってくれとは言いませんが、何か根本的な改善を行わなければ次々とこういった変化が起きるのかもしれません。
(写真1:指に付いたヤマビル)
城ヶ島の本所でアワビ資源と磯焼け対策の担当をしている入庁2年目の野口と申します。
近年、神奈川県では、アラメ・カジメをはじめとしたさまざまな海藻類が、もともとあった場所から衰退・消失してしまう「磯焼け」が三浦半島西岸部を中心に深刻化しています。そこで、県ではさまざまな調査研究を行っていますが、その際に欠かせないのが「潜水調査」です。船で沖まで出て潜水観察することは、現場の状況を把握するうえでとても重要なことなのですが、1つだけ大きな問題があります。実は、私は船にとても弱いのです・・・。ということで、船酔い対策を万全に行ってから乗船していますので、この場をお借りして紹介しようと思います。
<主な船酔い対策>
・調査前日は十分な睡眠をとる
・調査前日の飲酒は避ける
・調査当日の朝食は必ずとるがいつもより軽めにする
・調査当日は船酔い防止用の薬を乗船1時間前に飲む
・潜水の準備はできる限り乗船前に済ませる
・絶対に酔わないと自分に言い聞かせる
あくまで個人的な感想ですが、上記の対策を行い始めてから、それ以前に比べて飛躍的に船酔いしなくなったと感じています。この船酔い対策が科学的にどこまで正しいものなのかはわかりませんが、参考までに紹介させていただきました。
写真. 水産技術センターの船外機船「しおじ」
企画研究部企画指導課
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