更新日:2020年7月29日

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第17回(第2期第9回)水源環境保全・再生かながわ県民会議 審議結果

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

第17回(第2期第9回)水源環境保全・再生かながわ県民会議

開催日時

平成23年8月1日(月曜日) 10時00分から12時00分

開催場所

神奈川県庁本庁舎3階 大会議場

出席者【座長・副座長等】

堀場 勇夫【座長】、新堀 豊彦【副座長】

天野 望、井伊 秀博、井上 伸康、片山 幸男、加山 俊夫(代理出席)、北村 多津一、木下 奈穂、久保 重明、倉橋 満知子、木平 勇吉、小林 信雄、高橋 弘二、髙橋 二三代、田中 充、沼尾 波子、林 義亮、増田 清美、柳川 三郎、湯川 裕司

次回開催予定日

平成23年11月上旬

所属名、担当者名

水源環境保全課調整グループ 担当者名 志澤、長谷川

電話番号 045-210-4352

掲載形式

  • 議事録

審議(会議)経過

(事務局)
定刻でございます。
開会に先立ち、事務局より何点かご報告申し上げます。
まず、本日の委員出席状況でございますが、現在、19名のご出席をいただいており、設置要綱第5条の定足数である過半数を充たしております。
本日の出席委員は、お手元に出席者一覧を配付させていただいております。
また、市長会の相模原市長加山委員の代理として、佐久間環境経済総務室長さんにご出席いただいております。
本日、傍聴される方は、現在、いらっしゃいません。
また、県側の出席者は、関係各課職員が出席させていただいておりますが、6月1日付けで、職員の異動がありましたので、ご紹介させていただきます。
自然環境保全センターの益子所長でございます。
(益子自然環境保全センター所長)
益子でございます。よろしくお願いいたします。

(事務局)
次に、県民会議委員の就任についてご報告いたします。
お手元に最新の委員名簿をお配りしておりますが、神奈川県森林組合連合会の齋藤委員の後任として、県森連から齋藤委員の後任の専務理事であります、服部俊明氏をご推薦いただき、7月1日付けで委嘱を行いましたので、ご報告させていただきます。
また、当日配布資料としまして、
・配布資料一覧
・本日の委員出席者一覧及び最新の委員名簿
・資料3-2 しずくちゃん便り22号
・資料5 情報提供等ワーキンググループ中間報告
・資料7 第9~12回県民フォーラム意見に対する回答
以上をお配りしています。

次に、本日の議事の進行でございますが、設置要綱第4条第4項の規定により、堀場座長に議長をお願いいたします。
それでは、堀場座長、よろしくお願いいたします。

(堀場座長)
本日は、お暑い中、ご出席いただきありがとうございます。
ただいまから、第17回(第2期第9回)水源環境保全・再生かながわ県民会議を開会いたします。
それでは、会議の次第に沿って議事を進めてまいります。なお、会議の終了予定は、12時を目途としておりますが、議題の内容によりましては、時間を延長する場合がありますので、よろしくお願いいたします。
最初に、議題に入る前に、少しお時間をいただき、市民事業専門委員会委員の選任についてご報告させていただきます。
市民事業専門委員会につきましては、5名の委員を選任していますが、5月に齋藤委員が県民会議委員を辞任されました。その後は1名欠員となっておりましたが、県民会議設置要綱第6条第2項に基づく座長の指名ということで、7月1日付けで県森林組会連合会の服部委員を選任しましたので、ご報告させていただきます。
それでは、議題1「市民事業等支援制度報告書(案)等」に入らせていただきます。
最初に、市民事業補助金の22年度実績及び23年度交付決定の状況について事務局からご説明願います。

(事務局)
それでは資料1-1につきまして事務局からご説明いたします。
資料1-1は、市民事業支援補助金の22年度実績と23年度の交付決定状況に関する報告です。
22年度実績では、一番上に記載しましたとおり、全体で32事業、23団体に対して補助金を支出いたしました。まず1ページ目の森林の保全・再生事業で15事業、それに伴います資機材の購入が7事業となり、表の中ほどにあります確定額は、事業費359万3,000円、資機材購入費147万3,000円でございました。事業実績は、右側一番下になりますが、活動日数延べ334日、参加人員延べ3,204人、整備面積は約23ヘクタールでございました。
2ページ目をお開きください。上段部分が森林の保全・再生以外の事業で5事業、それに伴います資機材の購入が1事業となり、確定額小計は事業費187万4,000円、資機材の購入費が50万円でした。その下は普及啓発・教育事業で8事業、確定額91万4,000円、一番下に調査研究事業で1事業、確定額は42万4,000円でした。総計で22年度確定額は877万8,000円となり、活動日数は延べ465日、参加人員延べ4,989人でございました。
3ページには22年度の補助事業の分布図を記載しています。上は事業実施箇所、下は事業実施団体の事務所の位置を表しています。
4ページをお願いします。こちらは23年度の交付決定事業の一覧です。上の表は森林の保全・再生事業で15事業、それに伴います資機材の購入が3事業です。交付決定額は事業費が350万円、資機材の購入費は61万3,000円でございます。なお右側備考欄には新規団体を記載しています。その下は森林の保全・再生以外の事業で、3事業、確定額は111万1,000円。資機材の購入はございません。
5ページになりますが、普及啓発・教育事業が5事業、交付決定額67万6,000円で、新規団体は1団体でございます。その下は、調査研究事業で2事業、交付決定額24万円。こちらも新規団体は1団体でございます。23年度全体につきまして交付決定額の総計は614万円でございます。
なお、23年度予算額が1,200万円ですので約半分、22年度と比べましても金額で263万8,000円の減、率にして約70%となっております。この減額の理由ですが、団体数、事業数の減少の他、継続して事業を行っている団体の資機材の整備が進んだことから、今年度の資機材の購入費が大きく減ったというものであります。
6ページは先ほど同様、23年度の補助事業分布図を記載しております。以上でございます。

(堀場座長)
それでは、ただいまの市民事業補助金の22年度実績等について、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。
よろしいですか。
それでは引き続き、市民事業等支援制度報告書(案)について、沼尾委員長よりご説明願いたいと思います。

(沼尾委員長)
それではお手元の資料1-2、並びに資料1-3に沿ってご説明いたします。
これまでの経緯をもう一度簡単に申し上げます。今年度はこの制度ができて4年目となり、市民事業支援のあり方について見直そうと、昨年夏からこの補助金を受けて活動している団体へのアンケート、あるいは県民会議の委員の皆様にもご参加いただいて、市民事業の活動をされている方々に実際に会い、活動をしている現地へ行って話を聞くなどし、この制度についていろいろなご意見をいただきました。それらをもとにさらに使い勝手のいい、かつ成果の上がる市民事業の支援のあり方を考えていこうと検討して参りました。
前回の県民会議において、委員会で検討したこの報告書(案)をお示しし、皆様からご意見をいただきました。それを委員会に持ち帰りまして、改めて検討し、本日資料1-3にまとめたものを提出させていただきました。その内容と細かな対応について説明し、ご意見をいただきながら、進めさせていただきたいと思います。
はじめに資料1-2をご覧ください。この報告書(案)については既に皆様からご意見をいただいておりますが、それらのご意見についてどのように対応したかをご説明します。
まず、高橋弘二委員の「公開プレゼンをやめてほしいとの団体の意見があったが、どういうことか」というご質問ですが、これは団体としては、補助金の金額の割にはプレゼンの手間暇がかかるため、そのような手続きはなくしてほしい、公開プレゼンではなく、むしろ専門家を交えた内々の話し合いをしたいということでしたが、専門委員会では、やはり個人県民税の超過課税を使っていることや、その活動を幅広く知っていただくためにも、公開プレゼンは続けたいという意見をまとめたところです。
次に柳川委員から、「荒廃農地の復元にもこの補助金を使えないか」というご意見がありました。水源環境の保全・再生に直接的な効果があると認められるものであれば補助対象とし得るのではないかということでしたが、ただ、農地ということが全面に出されてしまうと、この補助金の趣旨とはやはり違ってくるのではないかというのが委員会のまとまった意見です。
また、高橋弘二委員から、補助事業の区分の設定についてのご意見がありました。事業の目的趣旨にかなう事業団体の応募を促すということで、これは後ほどご説明しますが、わかりやすい補助事業区分というものを提起させていただくということで回答させていただければと思います。また文言の中に「プロ市民」という言葉があり、これは「実績のある団体」としてはどうかということでした。これについては「実績があり、かつ専門性の高い団体」という表現に改めさせていただきました。
次のページに行きまして、普及啓発事業と調査研究事業とを一緒にしてはどうかというご意見がありましたが、やはり普及啓発や教育プログラムと水源環境保全再生のための調査研究というものは、明確に異なる趣旨で設けているものなので、委員会ではこの区分は維持したいと考えております。
高橋二三代委員から補助制度をステップ方式にし、定着支援、高度化支援の2段階に分け、対象団体のレベルを見極めてはとのご意見がありました。これについては3年をめどにレベルアップを目指してもらうということで作っておりますが、基本的には団体の活動を縛ることなく、それぞれの団体の状況に合った形で、使いやすい補助制度にすることが趣旨なので、そこは柔軟に対応できる制度の設計というものを考えました。これは後でご説明いたします。
次は、市民事業専門委員会でいちばんの議論になったチェーンソーの購入に対する助成の問題ですが、チェーンソーは便利である反面、事故の危険性が非常に高く、死亡事故も多数発生しているということで、これを市民事業の活動で支援をして、もし事故が起こったらどうするのかという意見がありました。しかし、のこぎりを使って活動し、それで消耗してしまい活動ができないということになるのもどうか、どこまでチェーンソーの購入の助成をするのかということが議論されました。これについては、後ほど説明しますステップアップ方式の第2ステップで補助し、第1ステップでは補助をしないということで案を出していますが、事業の実施状況を見ながら、必要に応じて今年度以降も見直しを考えるという案になっています。さらに補助を受ける方には保険への加入を奨励するなどPRが必要であるとしています。
次に3ページ目の真ん中。久保委員から調査研究事業に対する補助率を柔軟に対応できないかとのご意見ですが、従前はすべて2分の1としていましたが、最初の第1ステップでは10分の10、第2ステップでは2分の1として柔軟に対応させていただく案を作っております。
井伊委員からは、補助期間を機械的に3年や5年と切るのではなく、その事業内容に応じて対応する考え方があってもいいのではないか、というご意見をいただきました。委員会ではそれぞれの団体に目標を設定してもらい、そのゴールを意識しながら活動していただきたいという意見が出ました。そしてこの事業自体が5年間の計画の中で財源がついて実施されていることから、無制限でやるのはどうか、最大5年規定はやはり設けてはどうかという意見でした。
4ページ目は高橋弘二委員から3件の意見が出されていますが、上から1番目、一定の助成金額以下は書類選考のみで、プレゼンテーションは実施しないことにしてはどうか、というご意見ですが、やはり県民への一定の説明責任を果たすという意味で公開プレゼンテーションは行う必要がある、というのが委員会での意見となりました。
次に、上から2番目、文言の表現について検討しましたが、このまま維持したいということになりました。
それから3番目、助成団体に対して、環境科学センターや自然環境保全センターなどでの研修会、講習会等について、これは義務づけるということではないのですが、積極的に実施するということを内容に盛り込んではどうかというご意見がありました。これについては、既存の枠組みの中でそのような研修会、講習会があるので、むしろそれをアピールして知っていただく必要があるという意見でまとまりました。
次に木平委員から全体の体裁として、13ページもだらだら書かずにもっと簡潔にしてはどうかというご意見でした。また、前回出したものは委員の考え方が希薄で事務局主導型の報告書になっているのではないかということで、参考資料の形式も含めてご意見をいただきました。これについても、全体のボリュームとしてやはりこれくらいは載せる必要があるとの判断にはなりましたが、資料その他については県の意見も聞きながらまとめたというところはあるのですが、最終報告は専門委員会での議論をもとにし、県の意見はできるだけ排除して、市民事業委員会への意見、あるいはここで伺った意見を中心に調整しました。
最後に北村委員と高橋二三代委員より、事業の名称をレベルアップ事業など市民に親しみやすい名称にしてはという提案をいただき、委員会で検討しましたが、最終的には呼びやすい名前ということで、別紙にありますとおり、市民活動定着支援事業、市民活動高度化支援事業という名称を維持しつつ、ステップ1、ステップ2として、名前をつける案をまとめています。
それでは資料1-3に移って、今回の新たな補助制度の案を簡単に説明させていただきます。資料1-3の「団体のレベルに応じた段階的かつ柔軟な補助メニュー等の創設について(案)」をご覧下さい。
今回出ているものとして、基本的には、この市民事業支援制度についてはそもそもの制度のねらいや理念はおおむね達成できているのではということが、アンケートやヒヤリングの中から出てきましたが、いくつか課題も出てきました。一つは、やはりわかりやすく、参加しやすい制度であること。また、活動している団体は、はじめて市民事業に取り組むところもあれば、専門性の高い団体まで多様な団体があり、それらを画一の審査基準に照らした場合、どうしても新規の団体が補助を受けにくくなるという問題が出てくるということ。それぞれの団体のニーズに合わせた形で支援制度を作り、かつステップアップして団体に自立していただく。そういうことを考えながらメニューを作りました。
こちらの表を見ていただきますと、ステップ1では市民団体活動の定着が目的で、ステップ2は市民団体のスキルアップ、自立化ということになります。まず水源環境の保全・再生に関わる市民活動のすそ野を拡大し、さらにその活動に資する団体を幅広く育成するということがこの2段階方式という形になっています。
補助対象事業や補助メニュー自体は、水源環境の保全・再生活動そのもの、特別対策事業に準じるもの、普及啓発や教育、調査研究という枠組みについては変わっていませんが、大きく変わっているのは対象となる経費です。先ほど申しましたとおり、チェーンソーや刈払機、集材機等の大規模な資機材の購入は、ステップ1では認められませんが、ステップ2では認めています。決定的な違いは補助率で、ステップ1の補助率はすべて10分の10となっており、上限額はそれぞれ、特別対策事業で50万、普及啓発・教育事業では12万、調査研究については25万、資機材費は20万と定めています。補助期間は原則3年以内ですが、最大5年までステップ1のままでよいとしています。
一方、ステップ2の補助率については、特別対策事業では10分の8、普及啓発・教育と調査研究では上限2分の1、資機材費については10分の8としています。上限額は大幅に上がっていまして、特別対策事業は100万、普及啓発・教育では24万、調査研究については50万となっております。ここで出てくる課題としましては、残り2割ないしは2分の1の経費を団体が自前で調達しなければいけないということです。それができるのかということが委員会でも若干議論になりました。実際にそれぞれの団体に話を聞いてみますと、交通費や、その他、例えばチェーンソーの保険に入るなど、いろいろなところで、2割あるいはそれ以上を自己負担しているので、その自己負担まで含めた形で会計を出していただくと、大体これまでと同じくらいの枠組みで補助ができるのではないかという話も出ました。これについては補助期間、原則5年以内ということで考えているのが、現時点での案になっております。
ただ、ステップ2が終わればそれで終わりかというと、その下にありますとおり、さらに高度な技能、技術、ノウハウを持つ団体の活動もあるということで、例えば「ボランタリー基金21」を使って、県と協働事業をやっていただくとか。実際すでに「みろくの会」のように県と一緒に登山道を整備するなどの取組みをしている団体もありますし、「インストラクターの会」のような活動をしているところある。このようにステップアップしていく中で、必要に応じて県と新たな協働事業メニューを考えて、そちらでさらに取り組みをする、そういういわばステップ3に相当するものを今後検討していくよう県に提案していくということでまとまりました。
以上が大まかな補助メニューの改定案です。それからひとつ前のページの概要については、表面の話は大体しましたが、裏面で、財政面以外の支援、バックアップ体制については、交流会の開催や県のホームページの活用、情報提供等、今後も引き続き実施していきたいということで、それぞれの団体の希望を聞きました。単に交流会というよりは活動をしている現地で検討会を行いたいとか、技術的な取り組みについて共同で勉強したいといったご意見もありましたので、今年度の秋の交流会から少しやり方を変えて、こうしたニーズに合った交流会をやってはどうかという意見があり、これから調整していくところです。
ただ、持続的な市民活動を支えるための情報支援や、団体間のネットワークをどのように作っていけばいいのかなど、まだ課題もあるところですが、それらについてはこの後の情報提供等ワーキンググループの検討状況を踏まえながら考えていくということになりました。
報告は以上です。

(堀場座長)
沼尾委員長ありがとうございました。この報告書につきまして、昨年度から市民事業委員会で検討を重ね、各委員のご意見のとりまとめなど専門委員会の皆様には大変ご協力をいただきました。この場を借りて感謝いたします。
内容につきましてはおそらく各委員の皆様のご意見が反映されていると思いますが、確認の意味でご意見、ご質問等を承りますが、いかがでしょうか。

(柳川委員)
このステップ1、ステップ2の補助期間の考え方ですが、ステップ1で3年、ステップ2で5年が原則になっています。市民団体としては、ステップ1から入り、ステップ2に上がると思います。そうすると先ほどからのお話では補助は全体で5年を一つの目処としているということでしたが、この文章では最長8年が可能だという見方ができると思います。
それから2点目は、第1期の5年は今年が最後になりますが、この補助期間等について、第2期で若干変更する形ですが、第1期で2年継続した啓発事業等は、第2期に3年目の申請が可能なのかという点を教えていただきたい。
3つ目に、財政面以外の支援で、市民団体が苦労していることについてアドバイザー的なシステムを、この委員会の中には有識者の方もいらっしゃるし、そういう方の力を借りて、悩んだり迷ったりしていることを解決する手立てとしてのシステムを作ることについて、過去5年、特に昨年夏などいろいろな意見が出ていたと思いますが、その辺はいかがでしょうか。

(沼尾委員長)
まず、1点目ですが、こちらの「補助メニューの創設について」という一枚紙の方で、右側のステップ2の(4)に補助期間が原則5年と書かれていますが、その下に、但し、市民活動定着支援事業つまりステップ1からステップ2へとステップアップした団体についてはトータルで5年以内としており、最初3年とって、次のステップでまた一から5年間ではなく、この制度自体、5年間の税の中での議論になっていますので、トータルで5年以内で、その5年の間にステップ1から2へどこで上がるかは各団体の判断としています。
2点目の第1期に出したところが、第2期に出せるかということですが、委員会ではそれについて、1期終わったが、次は場所を変えてなにかやりたいとか、1期は一定の結果が出たが、そこを出発点に新たな課題に取り組みたいということは当然あると思いますので、そういう形で次の応募をしていただければと考えています。
3点目は、技術面の支援の要望だったかと思いますが、先ほどの説明が足りなかったのですが、秋の交流会については、例年プロミティ厚木に集まり、机を囲んでやっておりましたが、今、策定している原案は、これから事務局とも練っていくところですが、実際にどこか現地に行って、技術的なことに関してプロの方を招いて講習会のようなことをやりながら、自分たちの団体はこういう活動をして、こういうところの技術に課題があるなどを、検討したり交流したりする現場交流会を検討しているところです。そういう形で、技術面の意見交換や課題の提供などで専門家の方とつながる交流会を今年やってみて、そういう方法を模索してどうかと現在検討しております。ですので、報告書に入れるというよりは、そういうご意見もあったので、やってみようと進めているところでございます。

(堀場座長)
どうもありがとうございました。その他ご質問等ございますか。
特にないようですので、委員の皆様に諮りたいと思います。本日お手元に配布しました市民事業等支援制度報告書(案)について承認いただけますでしょうか。

(各委員了承)

(堀場座長)
ありがとうございました。
それでは表紙の(案)をここで削除願います。これをもって引き続き県に対して、ただいまご承認いただいた市民事業等支援制度報告書を手交したいと思います。
まことに恐縮ですが、宮崎水・緑部長、座長席においでいただけますでしょうか。

(宮﨑部長、座長席に移動)

(堀場座長)
本日は黒岩知事が所用ということで、部長にお渡ししたいと思います。
当県民会議では、水源環境の保全・再生に係る市民事業等支援制度についての協議の結果を別添のとおり取りまとめましたので報告します。
知事におかれましては、当県民会議が議論を重ねてきたこの報告書を踏まえ、実行することを切にお願いします。

(堀場座長から宮﨑部長に市民事業等支援制度報告書を手交)

(宮崎水・緑部長)
ありがとうございました。市民事業等支援制度につきまして、今いろいろなご議論がございました。多方面にわたって評価をしていただき、そして見直しをしていただきました。この報告書を踏まえまして、私ども県としましても新たな市民事業支援の制度設計に生かしていきたい、反映していきたいと考えておりますので、どうぞこれからもご支援のほどをお願いいたします。ありがとうございました。

(堀場座長)
ありがとうございました。
改めて各委員及び委員長の皆様に御礼申し上げます。また、口頭でも申し上げましたとおり、県当局におかれましては報告書の内容を事業に反映していただくよう切にお願い申し上げます。
それでは、議題2に移りたいと思います。施策調査専門委員会の検討状況につきまして、田中委員長よりご説明願います。

(田中委員長)
施策調査専門委員会の検討状況ですが、資料2-1、2-2、2-3、2-4と4点の資料を用いまして、7月13日に今年度の第1回目の施策調査専門委員会を行いました。その資料の概要についてご報告をさせていただきます。
まず資料2-1ですが、これは森林モニタリングというものを、この実行5か年計画の中に位置づけて行っておりまして、いわばフィールドで流域の水の流れるメカニズムや、土壌流出の調査をするものです。この対照流域法というのは、同じ様相の流域を取り上げまして、一方を整備し、もう一方をそのままにしておく。その比較をすることによって、水の流出機構や土壌流出のメカニズムを具体的に調査することです。
スケジュールとしてはこの2番にありますが、19年度にスタートして、それぞれ場所を選定し、そこに観測設備等を取りつけ、モニタリングを始めるということで、この中にあります、例えば1番、大洞沢というところがありますが、これが1回目の現地ということになります。この後、貝沢、ヌタノ沢、フチヂリ沢が加わります。平成22年度はヌタノ沢で施設を設置しました。一方先行して設置してありました大洞沢、貝沢では事前モニタリングを行っています。この事前モニタリングというのはいわば整備をする前の状況を把握することです。その後森林整備をして今度は事後モニタリングをし、相互の関係を見ることになります。
平成23年度は、このフチヂリ沢において観測装置の設置等を行い、併せて先行して設置してあります、大洞沢、貝沢、ヌタノ沢ではモニタリングを継続していくことになります。
これはかなり専門的な調査でありまして、自然環境保全センターにこの調査をお願いし、自然環境保全センターでは、大学や県の関係機関等と協議しながら、技術協力、研究協力をいただいて調査を行っています。
専門委員会でもこの内容を審査といいますか、多方面から意見交換を行いました。意見として出ましたのは、専門的になり過ぎているというか、この事業の必要性について結果や内容をわかりやすく発信していくことが必要ではないか。あるいは、こうした実証調査というのは、やはり長期的にデータを積み上げて解析しないと、具体的な自然のメカニズムはわかりませんので、調査体制を長期的、安定的に行っていくことが重要ではないか、などのご意見をいただいきました。もし内容について不明な点がありましたら、また後ほど出していただいて、私の方でお答えしたいと思います。これが森林モニタリング資料2-1でございます。
それから、資料2-2と2-3が河川モニタリングです。モニタリングは森林と河川と2つの分野で行っておりまして、2-2が平成22年度の河川モニタリングの調査結果、2-3が23年度の計画になります。
22年度の結果としては、県民参加型による相模川水系と酒匂川水系の動植物調査を行いました。資料2-2の1ページに調査項目がございます。3の(2)ですが、動植物調査ということで、底生動物や魚類、植物等を対象に、表1のような形で生物種の種類と水質のランクを調査しました。調査地点は相模川、酒匂川の水系でございます。
時期等が2ページの「4調査実施結果」に出ています。平成22年4月から23年3月まで、延べ20日間、延べ20地点、66人(6団体と個人の計)です。事前の研修等も行った上で、現地でこうした水質調査を実施しました。そうした結果の一端が、最後の3ページにあります。例えばナミウズムシは、余りなじみのない虫かと思いますが、水環境を把握できる指標種ということになります。ナミウズムシ、あるいはアブラハヤの生息状況から、いわゆる水質調査で確認できなかった場所での出現が確認できたということもございます。そうした結果を4ランクで示したものが(4)になります。
こうした22年度の結果を受けて、23年度の調査予定が資料2-3にございます。全体として、23年度は県民参加型調査を継続しながら、全体5か年の取りまとめ解析を行うことになっております。具体的な今年度の調査スケジュールは、3ページ、(2)のウの表に平成19年度から23年度までの5か年の調査内容、あるいは調査計画を記載してございます。平成23年度につきましては、○がついておりますが、相模川、酒匂側の県民参加型調査、全体の取りまとめ解析と次期5か年計画の検討となっております。ということで、今年度も継続して県民参加型調査を行っていきます。
以上が、河川モニタリングの概要ということになります。
最後は、資料2-4という少し厚い冊子がございまして、これが12の事業に対する平成22年度の実績をまとめたものです。これは今後、いわゆる点検結果報告書を作成する際の骨子になるものです。従来からご紹介させていただいていますが、12の事業ごとに項目を立てて、事業の内容や実績を取りまとめたものです。例えば、1番の水源の森林づくり事業の推進は、1-1から1-10ページまであり、1番がねらい、2番が目標、3番が事業内容、これらは既に5か年計画の中にセットされた内容の転記です。その結果として、1-2ページに4番、事業費の概算、その事業費を受けて、どれだけの事業ができたかというのが1-3ページの5番、事業実施状況ということになります。平成22年度の事業概要が黒枠で囲ったものです。確保事業、整備事業、かながわ森林塾という3つの枠組みでそれぞれ事業が展開されているわけですが、平成22年度は、面積等が、前年よりも少し増えたり減ったりしておりますが、着実に進んできているという状況かと思います。
こうした整備量や事業量に加え、次の1-4ページでは、事業実施の概要を写真等で紹介し、さらに1-5ページの6番では、5か年計画の中での進捗状況ということで進捗率をパーセンテージで示しています。例えば確保事業は平成19年から22年までの累計で5,612ヘクタール、進捗率は90%であったということです。つまり5か年計画における予定確保量に対して90%まで達成できているということです。
そのようなことで、7番の予算の執行状況につきましても、累計で約79%というところまできておりまして、おおむね順調に量的な執行、あるいは確保事業等が実施されている状況がわかります。
次の1-6ページに、こうした事業についてのモニタリング調査の結果が出ています。この中で、8番、調査実施状況と、9番、調査結果というのが、1-6、1-7ページ以下にあります。それぞれ植生、土壌の土砂の移動、それから光環境等について観測し、1-7ページに結果が出ておりますが、平成19年度以降、20年度、21年度、22年度と継続的に行っているモニタリングの概要が累積的にまとめてあります。
以上、事業の組み立てから始まり、平成22年度までの4か年の事業の進展、そのモニタリング結果が、まとめられているということです。
同様に2-1ページには、丹沢大山の保全・再生対策ということで、ねらい、目標、事業費、事業の進捗状況、モニタリング結果という順に、2-10ページまでまとめてあります。
最終的には、一つ一つの事業の点検結果に評価といったものをつけて点検評価報告書をまとめていくことになります。12の事業それぞれございまして、3の渓畔林整備事業、4の間伐材の搬出促進、5の地域水源林整備の支援、6の河川・水路の自然浄化対策の推進、7の地下水保全対策の推進、8のダム集水域における公共下水道の整備促進、9の同じくダム集水域における合併処理浄化槽の整備促進になります。それから10の相模川水系の環境共同調査、これは上流域との共同調査になります。それから11が水環境モニタリングということで、先ほどの資料で紹介しましたが、森林モニタリング調査と河川モニタリング調査の概要をまとめています。そして最後のページになりますが、12が県民参加による水源環境保全・再生のための新たな仕組みづくりということで、この県民会議、あるいは県民フォーラム等の活動状況についてまとめたものです。
以上が資料2-4ですが、これが最終的には12事業の点検評価報告書のたたき台になります。施策調査専門委員会でのあらまし、資料の内容についてご紹介させていただきました。

(堀場座長)
田中委員長、ありがとうございました。
それでは、議題2について、ご意見、ご質問等ございましたらお願いします。

(高橋(弘)委員)
資料2-4、11-8ページに「生物からみた川の水質の比較」というものがありますが、上が昭和60年代、川が汚れていたときだと思います。下は平成14年度、15年度なのですね。ここに去年とかおととしの最新データがあれば、ぜひ入れてほしいと思うのですが、あるいは、何かこの10年ほど前のデータを載せた意味があるのかどうか。

(田中委員長)
確かに、だいぶ古いデータですね。先ほどの資料2-3に、今年度含め過去5か年の相模川、酒匂川の河川モニタリング調査の経過が載っています。平成20年度に現地調査、水質動植物の調査をしております。これは40地点を抽出して全面的に調査しておりますので、このデータをおそらく載せられると思います。ただ、例えば昭和60年と同じ調査手法あるいは調査項目で設定しているのでこういう比較をしているという意図があるかもしれませんので、これは確認してみます。できるだけ新しいデータに差しかえるというのは必要かと思います。ありがとうございました。

(堀場座長)
その他、ございますか。

(湯川委員)
資料2-1の件ですが、山北町ヌタノ沢の三保ダム上流域でモニタリングをしていただいているのは大変ありがたいことですが、私の町では去年、台風9号、そして今回台風6号で、要するに部分的にゲリラ豪雨で、三保ダム上流というより、皆瀬川の一帯に1日、最大500ミリを超えるような雨量があり、土砂の流出が非常に大変だということで、今のところ抑えられているというか、止まっているという状態で、今後ほんのちょっとした雨量でもかなり流出するということですが、こういったモニタリング調査以外で、ゲリラ豪雨などの場所を見ていただくことは今後あるのでしょうか。

(事務局)
水源環境保全課長です。台風9号など、いわゆる風水害や地震災害に関しては、その結果がこの施策にどう反映しているかについて、総合的なモニタリングはまだ行っていません。地震・風水害については別途、県の災害対策の観点から調べておりますので、そのデータを使うしかないのかなと思っております。
以上です。

(湯川委員)
確かに私の町でも台風の災害については、当然それなりに把握しており、それについて対処するということですが、それ以外に要するに、災害があったところと、これから間違いなく崩れ落ちる状況にあるというようなことについて、何らかの調査、あるいはこういった現地を専門家の方に見ていただくなど、今後計画があるかどうかお聞きしたいのですが。

(事務局)
水源環境保全・再生施策として、見るということはまずないと思います。というのは、大きな雨等があって土砂が崩れると、災害対策は基本的に治山事業と対応しますので、県の水源環境保全税ではその治山事業のための災害対策はできないと。ただし、水源林として確保した土地であれば、そこでかつ治山事業ができない場合には、森林整備の一環として簡易な形ですが、土壌流出防止工はできる場合があります。そういう観点では調査を行いますが、災害復旧という面では、すみません、調査はできません。
以上です。

(田中委員長)
私の考えですが、神奈川県の水源環境保全・再生事業というのは、いわゆる超過課税で実施されておりまして、その施策あるいは対策の効果を見るために、この森林モニタリングや河川モニタリングをやっています。これは良質な森林を整備し、その結果として質のいい水を確保する、これが水源環境保全の税制を導入した目的でございますので、そこに向かって各種事業を展開し、その効果も把握していこうということになります。
この森林モニタリングというのは現場調査であり、その結果が出るまでにはやはり時間がかかるものですから、長期的にいわば対照流域といいますか、似た流域をセットし、他方を整備し、他方はそのままにして、その両者の差を見る中で、実際その整備効果がどのぐらいあるかを見ることが目的です。
ですから、今、湯川委員からご指摘があった、豪雨等で土砂の流出が非常に高まっているのではないか、その実態を調査することはできないだろうかというお話は、この水源環境保全・再生という枠組みではなかなか難しいかなと、そこに当たっていないのかなというのが率直なところです。しかし、そのことについては、重要なことだと思いますので、これは県のほうで、防災対策等のいわゆる既存対策事業の枠組みの中で工夫できるかどうかを、考えていただいたらいかがかと思うところです。
以上でございます。

(柳川委員)
6の河川・水路の自然浄化対策のことでお尋ねしますが、6-4、6-5ページに、21年度と22年度のアの生態系に配慮した河川・水路等の整備の結果、それからイの河川・水路等における直接浄化対策の状況の資料がありますが、BODの状況について、小田原の鬼柳、あるいは桑原あたりの数値が21年、22年共に上昇傾向が続いていること、私たちが事業モニターを行った開成町の河原町の水路の植物浄化の関係、ひも状のバイオコードでしたか、21年度、22年度いずれも上昇傾向ですが、こうなったというお知らせではなく、その原因調査はできているのかという点が非常に気になるところです。
それと、先般、一般の県民の方々が現地見学に行かれた相模原の道保川も、22年度は若干上昇傾向になっているということで、その状況の推移について、なぜこういう現象が起きているのかという調査が、河川・水路における自然浄化対策のなかでは進められているのかどうかという点を、県民は気にすると思います。私は小田原の鬼柳と桑原も10年前ぐらいから何度もお邪魔していて、この事業の前の状態と後の状態を非常に気にしていました。特に、あれは県道ですか、すぐそばに大きな道路ができたりして、影響が出てこなければいいと思っていたのですが。鬼柳と桑原では自然のままの方がいいと感じています。それらを含め、県民から聞かれたときのためにも原因を調査していくのが好ましいのではないでしょうか。

(田中委員長)
これは、河川の自然浄化対策のいわゆる直接浄化対策として、どこまで事業効果があるのかが以前から県民会議でも話題になっております。自然浄化ということで、人工的な護岸やその下の河床を整備するわけですが、それが余り機能していないのではないか、という指摘は、以前からいただいていたかと思います。
今のご質問は、例えば小田原の鬼柳とか桑原の排水路での自然浄化対策、あるいは特に開成町の河原町水路のバイオコードですか、あるいは植物によるところもあるわけですが、それらの浄化対策を行ったにもかかわらず、工事完了後に上流を観測してみると数値が上がっていると。本来であれば、浄化をすればその前後で下がってくるのが望ましい、あるいは必要なわけですが、かえって上がっているのではないかというご指摘だと思います。
これについては年に4回前後で調査をすると。その調査の時期の問題と、実際に上がっている0.2や0.4という数値がどの程度の意味を持っているのかですね。いうならば、ほとんど変わらないのに等しいのか、あるいはかえって負荷がかかって上がっているのか、このあたりのことはまだ十分解析できておりません。ただ、これは市町村でやっているので、そのデータを担当の市町村と協議し、調整して、具体的にどういう状況にあって、例えばその採水の比とか、実際の調査の比、前後で雨が降ったかどうかとか、そういうことも含めてデータを解析してみる必要があると思います。ご指摘ありがとうございました。十分アプローチできていなかったので、取り組んでいきたいと思います。

(倉橋委員)
今のお話の中で、私も疑問に思っているのですが、数字だけでなく、見た目にも水質は悪くなっています。むしろ、工事から1年、2年たった後に悪くなっている。せっかく税金をつぎ込んでいるにもかかわらず。悪くなっている事例は多分ほかにも出てくるのではないかと思います。これは工事をするときの目的が多少違っている部分もあるように見えます。もともときれいな川を、多自然型にするために河川改修工事をするわけですが、人工的な手を加えて結果的に悪くなってしまうという、相反する工事であると実感しております。そういうことが市町村にお任せなわけですが、今後どういうふうに判断して気をつけるかということが課題かと思います。

(事務局)
県の方から、お答えさせていただきます。
県民会議の方から、第1期の河川・水路整備事業に関していろいろご意見をいただきました。今までは市町村の事業計画に基づき工事をお願いしてきたのですが、基本的にやはり水質改善効果が大事だという考えから、第2期においては河川改修工事によって水質がどれだけ改善できるかを、まず市町村に調べていただきます。これに併せて第2期では、県民会議から汚染源対策も重要だというご意見をいただいたので、河川改修に併せて、その周辺の生活排水対策をやることによって、より水質が改善できるのであれば、そこも認めていくという形に変えています。その際、水質改善を市町村にお任せにするのではなく、県も市町村管理河川の水質のデータを取り出しており、前回、22年度に1回、また今年度も調査をしておりますので、県の持っているデータと市町村が出してきたデータとを照らし合わせて、水質という点に着目し、地域バランスも考慮しながら、水質改善効果のあるところから工事を認めていこうと考えております。

(堀場座長)
この点はおそらく県民会議の最も重要な役割というか、まさにそのために県民会議があるわけですが、今のご説明ですと第2期以降について、その辺しっかり踏まえて、まさにこの会議の存在意義でございますので、よろしくお願いいたします。
その他、ご質問ございますか。

(井伊委員)
4番の間伐材の搬出促進に関することですが、最後の事業に係るモニタリング調査結果で、搬出された材料は市場を通じて有効利用されたと書かれていまして、整備からはけ先までちゃんと確保されていると、循環といいますか、大事なことだと思います。助成は有効なことだと思いますが、どういうはけ先になっているのか、第2期、第3期に向けてどのように展開していくのかに関心があります。どのようになっていこうとし、あるいはどのようにしようとしているのかを、お聞かせ願えればと思います。

(稲本森林再生課長)
まずはけ先、売れ先ということですが、これは市場に間伐材という名前で材木は存在しませんので、市場に出れば材木です。材木が市場に出れば、これは必ず売れます。欠点があるものは除いてですが。ということで、山から出すことが問題であって、市場に出れば材は売れます。それから、今の対策の中ではB材といいまして、少し品質の劣るものもちゃんと処理していきましょうということで取り組んでいます。これについては全国的にやっぱり合板工場とか、そういうものが多く出てきましたので、そちらに安くなりますけど、8,000円とか6,000円とか、そういう値段で引き取っていただきます。ということで、この搬出奨励で補助を出すことによって、6,000円、8,000円だと山から出してきて全然割が合わないわけなんですが、その補助金があることによって市場まで、そういう貯木場まで材が出ます。そうしますと、また6,000円、8,000円で今、合板工場等が買い取っていただきますので、はけ口としてはそういう形の中で今、出れば売れる状態になっております。
それと今後ですが、やはり水源環境の観点から、間伐材の搬出ということで取り組んでおりますので、当然これは今そういう状態でいつまでもお金が支援できるという形ではございません。神奈川では材を出す人たちが昭和30年代から40年代の初めまで多くいたんですが、今はほとんどいないという状況でございますので、この支援をいただいているうちに、やっぱり森林組合や事業体が集材機なり、そういう材を出す機械、そういうものもきちんと整えた中でこの取り組みを進めていただくと。そういうところで、しっかりと技術力を高めていただいて、そういう必要な資材、集材機、ウインチ、そういうものを整えていただいて、自立して、それで自分たちで材が出るようにということで、徐々に実力を高めていただいて、水源税による支援が自立できるような形でこの事業を進めていきたいと考えております。

(宮﨑水・緑部長)
今、森林再生課長からお話をさせていただきましたけれども、神奈川の場合は支援策により材が出ているというのは事実でございまして、やはり山のキャパがそう大きくはございません。ただ、都市の中での市場性の部分では非常に近いところに地がありますので、何らかの方策の中できちんと山から定期的にその材が出てくれば、林業自体が立ち行くだろうということで私どもはやっているわけです。基本的には、やはり支援したものだけが材が出るという要素になってきますと、これはもう林業そのものが再生していきませんので、できるだけ何かの手でだんだん少し低減をしていく、いわゆる手を引いていくという部分があるだろうと思います。
今のところ、ヒノキの材は、当然市場性の中では高いもので、もちろん全国的なレベルでの平均値ですぐ売れるようになっていますから、そういったものについては徐々に手を引いていく。ただ、先ほどお話ししましたように、いわゆるB材以下の部分については、やはり震災以降、相当B材の需要も出てきています。市場が動いていますので、そういった意味では売れる状況になってきていますけれども、ただ、やはり山から出したときの手間賃に見合うだけのものにはまだなっておりません。ですから、そういった意味では弱い部分のところに支援をできるだけ段階的に残していくということは本当に必要だろうと思っています。
ですから、そういった中の市場性の中でうまく安定してくれば、だんだんこの支援策は少し違った形にシフトしていくのではないかなと、そういうふうに県の方でも考えているわけでございます。
以上でございます。

(井伊委員)
今の話で、私自身は間伐材の搬出に対する補助というのはすごく重要で、業者というか、神奈川県の林業界に対して時宜を得た施策だと思っております。それで、関心がありますのは、県というか、行政として今後考える上でケアするのは、市場に出たら売れるからというところはそうだろうと思うんですけれども、一応この水源税で考えるべきことは、市場に出すまでを考えているのか、あるいは土場から出すところ以外のその先を、例えばこういうふうに先々していきたいなとか、そういう見通しみたいなのがあると、今言った徐々に減らしていく方向は、それでいいかもしれませんけれども、ある意味こういう出口がないところで減らすということが出てきても、それはそれで施策としていいのかなという、ちょっとそういうところもありまして、そのはけ先を何とか、それはだれかが考えていかないとまずいのではないかなという思いがあります。
それでお聞きしたいのが、今後、どういうふうに土場に向けて出すまでを考えているのか、それとも土場ではなく市場に出すまで考えているのか、あるいは展開というか、間伐材の利用をどういうふうにするということまである程度考えるべきなのかという、その辺を聞きたかったのですけれども。

(水・緑部長)
確かに山から切り出して、それからただ市場に出せば、あとはもう流通任せということではなくてですね。ただ、水源税の関係の中で手当をしていくという部分は、やはり山の循環という部分でございますので、市場性の部分でそれが売れるものにどう転嫁していくかというところまでは水源税の範疇からちょっと外れるんだろうと思います。
今、お話がありましたような市場性の部分から、例えば市場から実際にどう出ていって、どうそれが生かされていくかという部分は、実は私どもの環境農政局にブランド課というのがございまして、そちらでいわゆる市場に出た後の部分の流通過程をどうやっていくかということは、今、一生懸命やっているところでございまして、1つは市場に出す際に加工するような拠点づくりがハード面で必要かどうかという、そういう議論も少し動いていた部分がございますけれども、震災の関係でやはりそういった県外の業者さんが、非常に今、全部東北の方を向いていますので、そういった意味ではやはり少しこういったところの部分の流れがうちのほうに来ていないという部分がございます。
それから、今言ったようなことも踏まえまして、要するに、これからハードを県のところにつくって、それにどんどん供給できるだけの山のキャパがあるかというと、なかなかそれも難しい部分もございますから、神奈川県の地域性といいますか、特性を生かしたときにある程度、業者さんと山の部分をつなぐようなコーディネート、あるいは他県との関係の中でいろいろな要素をお持ちになっている組合さんが多くいらっしゃいますから、そういったところとのコーディネートという部分の中で、神奈川県は何を求めているのか、要するに都市に一番近いところの神奈川県がどういう役割をすれば市場流通に乗っていけるかどうかというときの、いわゆる役割の仕方というのは、ハード面もありますけど、ソフト面で逆に言うと神奈川県に動いてほしいということがあれば、そういったレベルもやっぱりこれから検討していかなきゃいけないのかなということで、そういった方向も含めて今、ブランド課で一生懸命考え、知恵を出している、そういうことでございます。そういった私どもの水源の関係と、そこから以降の部分については、はっきり言いまして県の一般的な事業の部分のところでいろいろ物を考えている、そういった状況の中でセッティングされているという感じでございます。
以上です。

(堀場座長)
よろしいですか。まことに、申し訳ないのですけれども、時間が大幅にオーバーしておりまして、議長としてはできれば、もし今回ぜひというお話でなければ次回以降でよろしいですか。施策調査専門委員会では、ご報告した内容を今後のご議論を踏まえて、点検結果報告書の22年度実績版ということで策定に入るということで、まだ機会があると思いますので、あるいは田中委員長に直接お申し出いただければ、施策調査専門委員会で反映させたいと思いますので、誠に申し訳ないんですけれども、時間の限りということで、本日、この議題に関しましては、次の機会という形にさせていただければと思います。
それでは、次に、議題3の県民意見の集約・県民への情報提供について、各作業チームからご説明いただきたいと思います。
ご意見、ご質問につきましては一括でお願いしたいと思います。ただ、今、私が申し上げましたように大幅に時間を超過しておりますので、もしできましたら要点を簡潔にお願いできればと思います。もちろん重要なことは長くなっても仕方がないと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、事業モニターチームの年間スケジュールについて、事業モニターチームの高橋弘二委員から、よろしくお願いいたします。

(高橋(弘)委員)
それでは、資料3-1の事業モニターチームの年間スケジュールについてご説明いたします。
事業モニターは、森チームと水チームに分かれて実施しておりまして、今年度、森チームが3回、水チームが2回、合計5回を予定しております。これまではスケジュール、調査場所につきましては事務局の方でほとんど決定されていたんですが、モニターチームのメンバーから、ぜひ1年間のスケジュールを決めてほしいと。それからモニター箇所につきましても、事前に候補地を選んでその資料をモニターのメンバーに配布し、どこをモニターしたいかということで、モニター箇所についても主体的にメンバーで決めていきたいという要望がございまして、今年度からこのように1年間の計画を立てて実施することになりました。
森チームは来週の月曜日、8月8日に水源の森林づくり事業、これは特別対策事業の1番に相当するものです。それから特別事業の4番に相当する間伐材の搬出促進をモニターします。2回目が9月2日、これは特別対策事業2番、3番に相当する丹沢大山の保全・再生と渓畔林整備をモニターする予定になっております。3回目につきましては、特別対策事業5番に相当しますが、地域水源林整備を12月から1月、これは実施日についてはまだ決まっておりません。
一方、水チームにつきましては2回予定しておりまして、9月12日、特別対策事業の6番に相当する河川・水路の自然浄化対策についてモニターする予定でございますが、現在、モニター箇所につきましては、メンバーに資料を配布しておりまして、現在検討中でございます。また、2回目につきましては11月、12月頃にやろうということで、具体的にはまだ候補は決まっておりません。今回のモニターでは、このように事前に年間スケジュールを決めようということと、もう一つは下の方に方針が書かれておりますが、この2番に書いてありますように事業評価シートというものを試験的につくってみて、それに基づいて評価しようということでスタートしております。
以上です。

(堀場座長)
ありがとうございました。その他、モニターチームの方々で補足ございますか。よろしいですか。
それでは、引き続き「しずくちゃん便り」第22号について、コミュニケーションチームの北村委員よりご説明をお願いしたいと思います。
(北村委員)
コミュニケーションチームの北村です。
お手元に今日お配りましたカラーの「しずくちゃん便り」第22号をご覧ください。
今回は、今年度は事業モニター以外の記事も掲載していくという計画に基づきまして、今年度の第1回目の発行ということで、5月26日に行われました水源環境の保全・再生事業に取り組む現場を、県民の皆さんに見ていただく見学会についての記事を掲載してございます。これは実際にコミュニケーションチームの小林委員に参加いただきまして、小林レポーターに記事を書いていただきました。現場としては2ページ、3ページをめくっていただきますと、与瀬水源林の整備、それから道保川の多自然川づくりという2カ所の現場ですね。ここの内容について掲載してございます。
4ページ目につきましては、小林委員の見学会での感想、それから次回8月27日に行われます県民フォーラムの記事というような内容を掲載してございます。
第22号につきましては以上でございます。

(堀場座長)
ありがとうございました。それでは議題3につきまして、ご意見、ご質問があれば出してください。よろしいですか。
事業モニターにつきましては、再モニターということで、第1期の成果や課題についての評価をよろしくお願いいたします。また、本日は、気温が低くてよろしいんですけれども、8月に行う、あるいは9月に行うということでございますので、くれぐれも体調に気をつけて行っていただきたいと思います。
引き続きまして、議題4でございますが、事業評価ワーキンググループから、その検討状況が上がってまいりましたので、木平委員よりご説明していただきたいと思います。

(木平委員)
それでは資料4を見ていただきたいと思います。
効果的な事業評価のあり方について、ワーキンググループが設置されまして、これまで検討してきました。そこで現在までにまとまった内容をご報告いたします。
まず検討グループのメンバーは、そこに書いてある9人のメンバーとオブザーバー3人ということでやっております。検討は4月から始まりまして、第1回の検討会、第2回、第3回ということで、今日、中間報告を提出いたします。それから、今後ですけれども、そこで検討された改善案について現地で試行をしてみようということで、そういうこととか、あるいはこの県民会議全体のご意見をいただいて、10月には最終報告を出したいと思っております。
次のページをお開きいただきたいと思います。
検討会は3回ありまして、メンバー及びオブザーバーの方も非常に熱心に議論に参加していただきました。そこでは事業評価の5つの課題というものが焦点になりまして、そして改善策というものが提案されております。
次に、この5つの課題と改善策について要点を申し上げます。まず第1はモニターチームは事業モニターの年間計画を年初に立てる。先ほど報告がありましたけれども、これまではどちらかといえば事務局主体でモニターの場所、あるいは時期を決めていたのですけれども、これは年度当初に、どこを、いつ、どのような観点でやるかという年間計画を作らないといけないということです。
2番目には事業モニターの担当者と実施体制を整えるということで、これまでは原則として公募委員、あるいは一部関係団体委員で構成されておりましたが、これでは十分ではないという指摘がありましたので、それについて改善案を提案しております。3ページをご覧ください。先ほど言ったように、事業モニターの年間計画が決まりますと、それについて毎回だれが担当し、どのようにやるのかということを計画的にメンバーを決めようじゃないかということで、そして公募委員・自主参加委員が主体になるんですけれども、この県民会議のメンバーも全員が何らかの形で参加していただきたいということです。
それから3番目、事業モニターの実施手順と評価方法を定める。これまで事業モニターは行われていたんですけれども、その実施手順とか評価基準というものが必ずしも明確ではなかったわけです。そこで改善策として次の5つのこと、①資料の事前配布、②事前の学習機会を設ける、③事業評価シートを設ける、④現地調査後の検討会、⑤事業評価シートの提出、このようことでもって、実施の手順とか評価を標準化してきちんとやろうじゃないかと、こういう改善策です。
4つ目は、事業モニターごとに報告書を作成するということです。これまで、事業モニターの報告書はまとめられていないので、評価がはっきりと見えないという指摘がありました。その改善策として、①毎回出された事業評価シートを整理して報告書形式というものをつくり、きちんと報告書を作るということ、そういうことに尽きます。
それから5番目、事業モニターの結果を反映させるということで、これまでは結果が今後の事業の執行、あるいは次の計画立案に十分に反映されていたとは言えないと、こういう指摘がありまして、その改善策として、県民会議の座長は事業モニター報告書を受けたときは、その報告内容を県民会議に報告して、必要に応じて施策調査委員会などにより点検結果報告書、あるいは現地の事業、あるいはPR、次期計画に反映させるような方策を講じる。そして、その事業モニターの結果がどのように使われているかということを明らかにする、あるいは、事業モニターの報告書の中でいろいろ提起された疑問とか改善が示唆されたような項目については、県民会議は県あるいは市町村に伝えて、必要な場合には常に回答を求めると、こういうことです。
以上が、5つの問題点とその改善策です。効果的な事業評価ということで、実はここで言っているのは委員による現地モニターということによる評価方法、これに限ってやっているわけですね。しかし、この県民会議がやる事業評価をもっと効率的にやるということは、現地のモニターだけではなくて、いろいろな場合があると思うのです。そこで、最後の1項目は、これからの問題提起ということで、専門委員会と県民会議の機能・運営の検討ということです。事業モニターについて5つの改善策がワーキンググループとして合意されましたが、県民会議全体として効果的な事業評価のための重要な課題は専門委員会、あるいは県民会議の機能とか運営の検討であろうと思われます。
したがいまして、ここで提案した5つの改善策を実施するために必要なことを、まず県民会議としては検討していただきたい。さらには、この水源環境税の創設の理念とか、あるいはこの県民会議が水源環境の向上にどのように貢献しているかという実績が県民・納税者にどのように認知されるかというようなことについて、県民会議自体での自己分析が必要ではないかと思っております。こういう問題については、ワーキンググループでは現在のところ検討しておりません。ということで、これはこれからの問題ということを付記したいということです。
以上です。

(堀場座長)
ありがとうございました。委員の皆様方、ワーキンググループの皆様方で補足はございますか。あるいはご質問、ご意見ございますか。よろしいですか。
それでは、最終報告が10月に出されるということでございますので、本日は中間報告ということで県民会議にご提案された内容でございます。今後とも10月の最終報告を目指して、ぜひご意見の集約をお願いしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

(木平委員)
この改善策を実施することによって、効果的なモニターは必ずできるようになります。しかし、それに合わせて事務局、あるいは皆さんの負担は若干増えます。それについては事務局と実現可能かどうかということも熟考しながらやっていきたいと思います。
以上です。

(堀場座長)
ありがとうございました。私は経済学者ですので、施策と費用はどうしても対になってしまいますので、皆様方のご負担の減もございますので、座長としましては、委員の負担もご配慮願った上で県側と調整願えればと思います。
それでは、引き続き議題5に移りたいと思います。議題5は情報提供等ワーキンググループの検討状況について、柳川委員からご説明をお願いいたします。

(柳川委員)
効果的な情報提供等のあり方の現在の中間の報告をさせていただきます。最終的には10月に最終報告を提出の予定で進めていきたいと思っております。
現在まで、第1回の検討会が6月20日、そして第2回が7月25日に行われまして、特に本日は7月25日、直近の第2回の検討会に絡んで、皆様方に中間報告としてお知らせをしていきたいと思います。
1ページの項目3「最終報告に向けての進め方」ですが、私たちの情報提供等につきましては、予算や費用対効果のことも大分議論になっておりましたけれども、先ほど、木平委員からお話がありましたように、これから各委員の負担がいろいろと増えてきますので、その辺をどういうふうに調整をして、県の事務局との対応をいろいろ進めていくかというようなところにポイントを置いてお話をさせていただきたいと思います。
5ページの別紙2をご覧ください。まだ7月25日にやったばかりですけれども、この情報提供という問題は、県事務局との調整のウエートが非常に高いと常々思っておりまして、今までは非常に協働体制がうまくできているのですけれども、さらに効果的な情報提供等を進めていくための議論を行いました。
最初に、全般的な事項に係る議論のポイントとしましては、1点目が、私たち県民会議委員がもっと施策への意見提出に重点に置くべきではないかということ、2点目が、今まで情報提供等に関する活動が県民会議委員の人たちの負担になっていないかということ、それから、3点目が、先ほど、木平委員からの報告にもありましたように、事業モニターという問題をより進化、高度化させていくためには、いろいろな負担がこれからかかってくると思いますので、こういった負担を考慮して、県民フォーラム及び「しずくちゃん」等々については、私たち委員が企画への参加や意見を述べる機会を確保して、そしてお互いに尊重し合っていくこととした上で、業務を県の担当所管とするような方向ではどうかということ、そして、4点目が、県民への情報の提供で、この県民会議の我々委員と県の事業で重複する部分があるので、この役割分担の再整理もここで必要ではないかというようなこと、これらを議論のポイントとさせていただきました。
議論の結果の主なものですが、施策への意見提出については、現行のやり方でも、私たち県民会議の委員が県の皆様方に対し、いろいろと意見を述べる機会が十分にあるという意見と、もっとそういった施策への意見提出に重点を置くべきだという両方の意見が出されました。
さらに、事業モニターの充実強化に伴う委員の負担を考慮し、県民フォーラム及び「しずくちゃん」等々の業務を、県の担当所管とすることについては、まだ、事業評価ワーキンググループが試行的に進めている段階なので、結論を出すのは時期尚早ではないかということで、事業評価ワーキンググループの検討状況を見ながら考えていきたいと思います。
次に、個別事業に関する議論ですが、主に県民フォーラムとニュースレターの「しずくちゃん」を中心にして検討を行いました。
県民フォーラムに関しましては、我々委員と県の担当の方々と共同でやっております中で、予算が見えにくいという部分がありましたが、その辺のことも含めまして、人が集まりやすい開催日時・場所の設定、対象とする年齢層の明確化といった意見、そしてテーマ設定については、今まで関心のない人たちに興味を持ってもらうためには広くとった方法がよいというような意見も出されております。
6ページをご覧ください。テーマについては、森と水源に関しての専門家ばかりのフォーラムが割と続いているというようなことで、ちょっと視点を変えて、今回、大規模フォーラムで森の分野でも活躍されている倉本聰先生が講演をされますけれども、講演者やパネリストについては、作家など他の分野からいろいろと選ぶことも考えていくべきではないかという意見がございました。また、今までのフォーラムは非常にその準備期間が短かったので、その準備期間を十分に確保していきたいと。また、さらに広報の重要性ということを考えて、今まで委員は関係する市町村、郵便局、図書館、駅等へフォーラムのお知らせのチラシを配るなど、いろいろ努力をつみ重ねてきたんですが、今申し上げた各関係機関への配布では、なかなかフォーラムの集客力に結びつきませでした。今後は広報の手段として、予算の問題も出てくると思いますけれども、新聞広告を使うことを今後検討していくべきではないか、あるいはツイッター等々も効果があるという考えでございます。それと、駅については、駅との共同事業とすることで、ポスターの掲示をしてもらう、また、駅でのカフェ方式によるミニフォーラムなども今、検討中の段階でございます。
そして、ニュースレター「しずくちゃん便り」につきましては、これも県の担当の方と私たち県民会議委員が共同してやってきましたが、さらに充実化させていくためには、大学生のレポーターを、あるいは市民記者などを公募して、今まで関わってこなかった人たちがそういうことをすることによって、神奈川県の水源環境保全・再生のプロセスを知る人の間口を広げるという手段になってくるのではないかということで、このようなこと考えていきたいと思っております。
それから「プロボノ」ですが、プロフェッショナルな方々のボランティア精神の発揮というような場として、私たちのこの活動をより広く県民に知らせる「しずくちゃん便り」等に生かしていければと思っております。また、さらに現在4,800部でございますけれども、総部数も増加をしていきたいと考えております。
また、その他では、広報用DVDが間もなく完成のようでございますけれども、内容が非常によく考えられておりまして、私は、このDVDはいけると読んでおりますので、もっと広範囲に、かつ積極的に活用していただけるよう、県民にお知らせをしていきたいと考えております。
以上が、中間の報告でございます。

(堀場座長)
ありがとうございました。何かご意見、あるいはご質問はございますか。よろしいですか。
それでは、ワーキンググループに関する議題を2件ほど、取り扱わせていただきましたが、柳川委員からもございましたように、予算との関連もありまして、新聞もかなり高いものですし、私も大学関係で電車の中吊り広告はやったんですけれども、高い値段ですので、予算及び委員の皆様方のご負担も勘案の上、施策に反映させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
以上で議題は終了いたしました。
続きまして、報告事項が4件ございますので、事務局より一括して報告願います。

(事務局)
では、事務局から、4件ほどご報告させていただきます。
まず、第2期計画(案)について、簡単にご説明をいたします。第2期計画の策定につきましては、昨年5月に県民会議から提言書を受けまして、その後、県議会での議論、パブリックコメントによる県民意見、自治基本条例に基づきます市町村協議を踏まえまして、県が計画案を策定し、先の6月期の県議会において報告を行ったところでございます。なお、施策の財源となります超過課税に係る県税条例の改正案につきましては、9月期の県議会に提案する予定でございます。
資料6-1をご覧ください。一番左側が施策区分で、その右側が施策の目指す姿でございます。ここは施策大綱に定められている将来像と20年間の取り組み目標を記載してございます。その右側の欄が、第1期計画の成果と課題でございます。左側に第1期計画の特別対策事業の実績見込みを記載してございます。その右側は最初に成果を、その次に課題を記載してございます。なお、課題につきましては県民会議からの提言書や、毎年いただいております点検結果報告書の内容等の主なものを記載してございます。そして一番右側の欄が第2期計画(案)でございます。アンダーラインの部分が第1期計画からの変更部分でございます。
ここでは第2計画での見直し箇所を中心にご説明をいたします。
最初に施策区分、森林の保全・再生部分でございます。第1期計画の成果と課題欄の左側、特別対策事業の実績見込み部分でございますが、進捗状況に差はそれぞれございますが、必要な事業は実施することができたと考えております。その右側が成果と課題でございますが、まず成果でございます。一つ目の◇、事業の進捗によりまして、水源かん養機能が向上したことであります。また、2つ目の◇、かながわ森林塾を開校し、森林整備の担い手を育成したことでございます。少し飛びまして下から2つ目の◇、市町村が実施する森林整備により、地域においても水源かん養機能が向上してございます。そしてこれらの成果により、一番下の◇、県内水源保全地域内の人工林の荒廃状況が、15年度に調査結果では66%だったものが、21年度調査におきましては24%と改善をしてきております。
一方、事業実施により課題も明らかになってきております。課題の(1)水源の森林づくり事業の1つ目の◆、確保森林の小規模化により確保に係る労力が増大してございます。(2)丹沢大山におきましては1つ目の◆、森林整備効果発揮のためにはシカの採食対策が必要でございます。これらの課題に対応した右側の第2期計画(案)の取り組みでございますが、1の水源の森林づくり事業のアンダーラインのところになりますが、水源林の確保手法に、森林組合が県にかわって私有林の公的管理支援を行う長期受委託の手法を追加してございます。2の丹沢大山におきましては、これまでシカ捕獲を実施してこなかった高標高の山稜部、中標高の水源林整備箇所で捕獲を実施してまいります。
次に下の施策区分、河川の保全・再生でございます。成果と課題でございますが、成果といたしましては、整備により本来の川らしさを創出したことでございます。一方課題といたしましては、1つ目の■の部分でございますけれども、整備箇所に生活排水の流入が見られる箇所があり、汚染源対策とセットで対策を検討することが必要でございます。この課題に対応するため、右側の第2期計画(案)の部分でございますが、河川整備の際、水質に影響を与える周辺の合併処理浄化槽転換促進を併せて実施をすることとしております。
裏面をお願いいたします。
少し飛びまして、中ほどの施策区分、県外上流域対策の推進部分でございます。一番右側の欄になりますが、第2期計画におきましては、第1期計画での調査結果を踏まえ、山梨県と共同して効果的な保全対策をすることとしており、森林整備と生活排水対策を実施をしてまいります。施策部分の最後になりますが、水源環境保全・再生を推進する仕組みでございます。中ほどの課題欄の(1)水環境モニタリング調査の実施の2つ目の黒いひし形、酒匂川水系につきましては県内上水道の水源の3割を超えていることから、万一の場合に対策がとれるよう森林等の現状を把握する必要があるとありますので、第2計画におきましては酒匂川の県外上流域の現状把握を位置づけております。
次の資料をご覧願います。
この資料は第1期と第2期計画(案)の事業内容を比較をしたものでございます。右下の部分になりますが、合計欄をご覧願います。第1期計画の新規必要額、これは超過課税が必要となる額でございますが、5年間で約190億円、単年度平均で約38億円に対しまして、第2期計画(案)では5年間で約195億円、単年度平均で約39億円となっております。なお、第2期計画(案)の財源につきましては、第1期と同様に個人県民税の超過課税を継続したいと考えておりますが、現行の税率規模の範囲で賄うことが可能であると見込んでございます。
第2期計画(案)の本体につきましては、時間の都合もございますので、ここでは説明を省略させていただきます。
続きまして、資料7、県民フォーラムの報告書に係る回答についてご説明いたします。前回5月30日の県民会議におきまして、県民会議から県にご提出をいただきました意見報告書に係る県からの回答でございます。
ページを1枚めくっていただきまして、回答の概要がございます。全体はボリュームがございますので、この概要で簡単にご説明をいたします。
まず最初に、かながわ森林塾に係る意見につきましては、第2期計画(案)では新たに森林塾を位置づけ、目標設定を行っております。
2つ目がシカ対策でございます。次年度以降、さらに捕獲を強化してまいります。また、第2期計画(案)では、新たにシカ捕獲の実施について位置づけております。
1つ飛びまして、4つ目がダム湖の水質改善についてでありますが、第2期計画(案)では相模湖における直接浄化対策及び相模川水系の県外上流域対策を新たに位置づけております。
1つ飛びまして、6つ目になりますが、市民事業支援制度の継続でございます。今回、県民会議から県に報告書をいただきましたが、引き続き第2期計画(案)に市民事業等の支援を位置づけ、支援を継続してまいります。
一番下になりますが、県外上流域対策についての意見でございますが、第2期計画(案)では、森林整備と生活排水対策を山梨県と共同してやるということを位置づけております。
県としましては、これらの意見を真摯に受けとめ、今後の施策に生かしていきたいと考えてございます。
続きまして、資料8をお願いいたします。先ほど、お話がありました、第13回県民フォーラムについてでございます。チラシにつきましては、既に皆様のお手元に届いているかと思いますが、今回、テーマを「いのち輝く水を次世代に引き継ぐために」として、8月27日に、「みなとみらい」にあります、「はまぎんホールヴィアマーレ」を会場に行います。脚本家の倉本聰氏による基調講演、これまでの取り組みのDVDによる上映、それから第2期計画の取り組みに向けまして、木平先生をコーデョネーターにパネルディスカッションの予定をしてございます。県民会議の皆様におかれましても、ぜひご参加をお願いするとともに、PR等につきましてご協力いただくたく、お願いを申し上げます。
続いて、資料9をお願いします。
県民会議委員の改選についてであります。一番上ですが、現在の委員の任期が平成24年3月31日をもって終了するため、改選を行うものです。1の任期についてですが、実行5か年計画に合わせて5年間を前半と後半に分けまして、任期は2年もしくは3年としたいと考えております。
2の県民会議の活性化ですが、現行の県民会議は学識経験者、関係団体、公募委員各10名を委嘱しておりますが、県民会議での議論のさらなる活性化を図るため、各区分の委員数の見直しを行いたいと考えております。見直しの視点ですが、1点目は、委員それぞれの十分な発言機会の確保ができること、2点目は、現在、検討中の2つのワーキンググループの検討結果を踏まえた見直しを行うこと。3点目は、学識者、関係団体については施策への関与の状況を踏まえた見直しを行いたいというものです。
3の公募委員の選考ですが、公募委員選考要領を定めて選任したいと考えております。選考会議の委員は、枠記載のとおり5名を予定しております。
4の今後のスケジュールですが、11月上旬に、県民会議に改選方針をご報告させていただきます。その後、公募委員募集の事前PR、12月には公募委員の募集、一番下の行ですが、3月上旬には新たな公募委員を決定したいと考えております。
説明は以上であります。

(堀場座長)
ありがとうございました。
ただいまのご報告に関しまして、ご意見、あるいはご質問がございましたら、委員の皆様からお願いいたします。
よろしいですか。
それでは、これをもちまして、第17回県民会議を閉会いたします。本日はご苦労さまでした。

(以上)

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会議資料

資料1-1 水源環境保全・再生市民事業補助金平成22年度事業実績一覧、平成23年度交付決定事業一覧

資料1-2 平成23年度市民事業等支援制度報告書(中間報告)に係る県民会議委員意見一覧

資料1-3 平成23年度市民事業等支援制度に係る報告について

資料2-1 対照流域法等による森林のモニタリング調査

資料2-2 平成22年度河川のモニタリング調査結果の概要(県民参加型調査)

資料2-3 河川のモニタリング調査実施計画(平成23年度計画)

資料2-4 特別対策事業の平成22年度実績、23年度計画

資料3-1 事業モニターチーム年間スケジュール

資料3-2 県民会議ニュースレター「しずくちゃん便り」第22号

資料4 「効果的な事業評価のあり方」の検討結果の中間報告

資料5 「効果的な情報提供等のあり方」の検討結果の中間報告

資料6-1 「第1期かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」の成果と課題及び第2期計画(案)について

資料6-2 第2期かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画(案)

資料7 第9回~第12回県民フォーラム意見報告書について(回答)

資料8 第13回水源環境保全・再生かながわ県民フォーラム(大規模フォーラム)企画書

資料9 水源環境保全・再生かながわ県民会議委員の改選について

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このページの所管所属は環境農政局 緑政部水源環境保全課です。