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更新日:2024年5月8日
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平塚土木事務所の海岸事業の紹介
当事務所で管理する海岸は、平塚市から二宮町までの海岸線のうち、漁港を除いた平塚海岸、大磯海岸、大磯港海岸及び二宮海岸を管理しています。
なお、当事務所管内の海岸、港湾、漁港、砂防林等の管理者は次のとおりです。
海岸名等 | 管理者 |
平塚海岸、大磯海岸、二宮海岸 | 平塚土木事務所 河川砂防第二課 |
大磯港(大磯港海岸含む) | 平塚土木事務所 河川砂防第一課 |
平塚漁港 | 平塚市 農水産課 |
二宮漁港 | 二宮町 産業振興課 |
西湘海岸国直轄事業 | 国土交通省 京浜河川事務所 |
湘南海岸砂防林 | 藤沢土木事務所 なぎさ港湾課 |
県では、防護、環境、利用の調和のとれた総合的な海岸の保全を実現していくため、国の「海岸保全基本方針」に基づき、海岸保全基本計画を定めています。
平塚海岸や大磯海岸等を含む相模灘沿岸では、「相模灘沿岸海岸保全基本計画」(平成16年5月策定、平成28年3月改定)により、海岸(ブロック)ごとに、海岸の保全に関する事項等を定めています。
県では、侵食の進む相模湾沿岸で砂浜の回復・保全を図り、将来にわたる「美しいなぎさの継承」を目指し、「相模湾沿岸海岸侵食対策計画」(平成23年3月策定、令和3年3月改定)に基づき、養浜を主体とした侵食対策を行っています。
平塚海岸の平塚地区では、昭和40年代以降、相模川からの土砂供給が減少し、海岸侵食が進み、汀線が約60m後退したことから、平成5年度から23年度にかけて離岸堤(※1)の整備を行いました。
離岸堤の整備と併せて、養浜とサンドリサイクル(※2)により約20,000立方メートル(2011~2019年)の砂が供給された結果、砂浜が回復し、平成14年には35年ぶりに海水浴場が復活しました。
現在は、砂浜を維持するため、平塚海岸の堆砂等を用いたサンドリサイクルを2,000~3,000立方メートル/年行っています。
↓令和5年8月時点の写真
大磯海岸の大磯港近くでは堆積傾向にありますが、西部地区では平成19年の台風第9号により甚大な被害が発生しており、侵食傾向にあります。
県は、酒匂川水系の土砂を用いた養浜と護岸のかさ上げを実施して一定の効果は出ており、更に国が整備している海岸保全施設の併用(※3)により砂浜の回復を図っていきます。
二宮海岸では、酒匂川からの供給土砂の減少により海岸侵食が進み、平成19年の台風第9号の高浪では、30mの砂浜が消失し、西湘バイパスが崩壊するなどの甚大な被害が発生しました。
県は、平成23年度から平成26年度にかけて、養浜及び突堤(※4)による侵食対策を行った結果、砂浜が回復しました。
現在は、酒匂川水系の土砂を用いた養浜約10,000立方メートル/年を実施しており、更に国が整備している海岸保全施設の併用(※3)により砂浜の回復を図っていきます。
↓令和6年2月時点の写真
※1 離岸堤:海岸より離れた沖合に、海岸線とほぼ平行に石材や消波ブロック等を積み上げて作られた堤体
※2 サンドリサイクル:漂砂下手側に溜まった砂を上手側の海岸に戻し砂浜を復元すること。
※3 国が整備している海岸保全施設(国直轄事業):
平成19年の台風により、西湘海岸(小田原から大磯港にかけての海岸)において、砂浜の著しい流出による大規模な海岸侵食の発生とともに、西湘バイパスが崩落するなどの甚大な被害が生じました。これを受け、西湘海岸の砂浜の回復を図るため、平成26年度から国が直轄事業として海岸保全施設の整備等を実施しています。
全体事業費 | 約320億円 |
事業期間 | 平成26年度(2014年度)~令和23年度(2041年度) |
事業内容 | 岩盤型施設6基(平常時の漂砂の移動を妨げず、高波浪時の砂移動を抑制する) 洗堀防止施設 約2キロメートル 沿岸漂砂礫流出抑制施設 約1キロメートル 養浜 約36万立方メートル |
※4 突堤:海岸線にほぼ直角に沖に向かって突出した堤防
県では、定期的な点検と診断に基づく、適時・適切な維持管理を計画的に実施することで、維持管理コストの平準化及びライフサイクルコストの縮減を図りつつ、長期にわたりその機能及び性能を維持・確保するため、令和元年12月に「神奈川県海岸保全施設長寿命化計画」を策定しました。
この計画に基づき、点検・健全度評価・修繕を計画的・具体的に実施することで適切な維持管理に努めています。
実施時期 | |
令和3年度 | 一次点検(陸上からの目視) |
令和5年度 | 二次点検(近接目視・必要に応じて計測を実施) |
県では、東北地方太平洋沖地震の教訓や国の新たな知見を踏まえ、想定外をなくすという考えのもと、神奈川県沿岸に最大クラスの津波をもたらすと想定される、9つの地震を対象として津波浸水予測を見直し、平成27年2月27日に本県の沿岸地域における「津波高さ」または「浸水域」が最大となる、合計5つの地震による「津波浸水予測図」を公表しました。
これらの津波浸水予測図を基に、「浸水域」と「浸水深」が最大となるよう重ね合わせた図面(津波浸水想定図)を作成し、「津波防災地域づくりに関する法律」に基づく「津波浸水想定」を設定しました。
津波浸水想定図は、「津波浸水想定図について」(河港課のページ)でPDF版の図面を公表している他、「e-かなマップ」でも閲覧できます。
最大津波高さ
市・町 | 最大津波高さ (T.P. メートル) |
最大到達時間 (分) |
最大津波高さをもたらす地震 |
平塚市 | 9.6 | 6 | 元禄国松連動 |
大磯町 | 17.1 | 3 | 相模トラフ西側 |
二宮町 | 17.1 | 3 | 相模トラフ西側 |
※最大津波高さは、海岸線から沖合約30mの地点における津波水位の最大値(標高)で示しています。
最大浸水面積
市・町 | 最大浸水面積 (キロ平方メートル) |
最大浸水面積をもたらす地震 |
平塚市 | 2.0 | 相模トラフ西側 |
大磯町 | 1.6 | 相模トラフ西側 |
二宮町 | 0.4 | 相模トラフ西側 |
※相模トラフ西側:相模トラフ沿いの海溝型地震(西側モデル)
・地震規模 M8.7
・発生間隔 2千年~3千年あるいはそれ以上
※元禄国松連動:元禄関東地震タイプと国府津-松田断層帯地震の連動地震
・地震規模 M8.5
・発生間隔評価無し
県では、海岸利用者が迅速に津波情報を把握できるよう、横浜地方気象台が発表する津波警報等を速やかに電光表示する津波情報盤を整備するとともに、津波の浸水想定区域、避難場所や避難路等を地図に記載した津波情報看板を設置しています。
また、早期避難に役立てていただくため、海面の状況を常時監視できる監視カメラを設置し、その映像を海岸・港湾監視カメラの公開(河港課のページ)で公開しています。
海岸名 |
津波情報盤 |
監視カメラ |
津波情報看板 |
平塚海岸 | 1 | 1 | 4 |
大磯海岸 | 1 | 1 | 2 |
二宮海岸 | - | 1 | 1 |
海水浴客などの海岸利用者が多い大磯港海岸において、平成29年7月に津波避難タワー(港湾施設)を整備しました。
※この他、本県では、湘南港、真鶴港に津波避難施設(港湾施設)を整備しています。
県では、「津波防災地域づくりに関する法律」(平成23年12月成立・施行)に基づき、津波浸水想定を踏まえ、津波が発生した場合に警戒避難体制を特に整備すべき区域(津波災害警戒区域)と基準水位を指定・公表しています。
当事務所管内では、大磯町と二宮町が津波災害警戒区域に指定されており、区域と基準水位は次のリンク先でご覧いただけます。
津波災害警戒区域内では、津波から「逃げる」ための警戒避難体制の整備(避難施設、避難路、津波避難訓練、情報伝達等)や津波ハザードマップの作成が促進されます。
津波災害警戒区域のうち、津波が発生した場合に建築物が損壊又は浸水し、住民等の生命又は身体に著しい危害が生じる恐れがあると認められ、一定の開発行為および一定の建築物の建築又は用途の変更の制限をすべきとして指定された土地の区域です。
国土交通大臣が定める基本指針に基づき、津波浸水想定を踏まえて、県知事が指定します。
オレンジゾーンに指定された区域の内、特に危険な地域と判断された区域について、レッドゾーンとして市町が条例で指定します。レッドゾーンでは、居室の床面の高さや構造等を津波に対して安全なものとするため、住宅などの建築とそのための開発行為に関して条例による規制が追加されます。
平塚市、大磯町、二宮町の津波ハザードマップは次のリンクからご覧いただけます。
近年、国内外で高潮による大規模な浸水被害が発生していることから、想定し得る最大規模の高潮に対する避難体制の充実・強化を図るため、平成27年5月に水防法の一部が改正され、高潮による氾濫に対して、市町村の避難指示の発令判断や住民の避難判断に資するよう、海岸の水位により浸水被害の危険を周知する制度や、最大規模の高潮に係る浸水想定区域を公表する制度が創設されました。
相模灘沿岸では、令和3年5月に相模灘沿岸高潮浸水想定区域を指定(令和3年8月に一部の区域図を修正)し、併せて、高潮特別警戒水位を設定しました。
※高潮とは、台風や発達した低気圧が通過する際、海水面(潮位)が大きく上昇する現象
市・町 |
浸水面積 (キロ平方メートル) |
最大浸水深 (メートル) |
浸水継続時間最大値 (時間) |
平塚市 | 0.8 | 3.2 | 8 |
大磯町 | 0.6 | 4.9 | 41 |
二宮町 | 0.2 | 3.8 | 46 |
本県では、高潮による災害の発生を特に警戒すべき水位として「高潮特別警戒水位」を設定し、海岸の水位がこれに達した場合には、「高潮氾濫発生情報(避難情報等における警戒レベル5相当情報)」を発表します。
警戒レベル5は、避難ができず、いまだ危険な場所にいる居住者等が、高い場所へ退避するなど、速やかに身の安全を確保するための情報(緊急安全確保)であり、避難指示は、警戒レベル4(気象庁が発表する高潮警報等)で発令されます。
区間 | 特別警戒水位 | 基準観測所 |
湯河原町~藤沢市 |
T.P.+1.2m | 小田原検潮所(気象庁) |
鎌倉市~三浦市 | T.P.+1.1m | 油壷検潮所(国土地理院) |
※各検潮所の水位は、「神奈川県雨量水位情報」でご覧いただけます。
平塚市、大磯町、二宮町の高潮ハザードマップは、次のリンクからご覧いただけます。
このページの所管所属は 平塚土木事務所です。