神奈川県の鳥と獣
都市化の進展の伴って野生鳥獣の生息環境が大きく変化しつつあることから県内に生息する鳥獣の種類、分布状況および繁殖の有無等を把握し、鳥獣保護対策を適正に進めるための基礎資料として、この調査報告書はまとめられました。
少し古い報告書ですが、今皆さんの身近で観察できる野生鳥獣の姿と比べて見てください。
このページでは、鳥獣ごとの分布図をjpgファイルでご紹介します。
報告書の残部はありませんが、県立図書館、県立川崎図書館等に蔵書されていますので、ご覧いただけます。
=====目次=====
はじめに
調査の目的
調査地域
調査内容
調査方法
メッシュ分布調査の結果(凡例)<鳥類> <哺乳類>
哺乳類の分布情報
本県は、箱根や丹沢などの山々と相模湾や相模川といった海や河川を擁し、豊かな自然に恵まれ、多くの種類の鳥や獣が生息しています。
しかし、一方では都市化が進んでいる地域もあり、年々自然環境が変化しています。
このようななか、県内に生息する野生鳥獣の生息分布を把握し、より適切な保護管理を行っていくため、平成元年度及び平成2年度の2カ年にわたり、日本野鳥の会神奈川支部に委託し、神奈川県内における代表的な鳥類150種類、獣類18種の生息分布調査を行い、ここにその結果をまとめました。
今回の調査で、多くの種類の野生鳥獣が神奈川県内に生息していることがわかりましたが、県内の野生鳥獣の生息域が片寄りつつあること、都市部でも生息できるもとできないものとの分化が進んでいることも見受けられました。
鳥や獣は、自然の豊かさを知るバロメーターといわれます。野生鳥獣の生息状況を含め、今後も、さらに神奈川県の自然環境や社会環境を注視し調和のとれた自然保護を進めることに努力してまいりたいと考えております。
この冊子が自然保護行政に携わる方々のみならず、広く県民の皆さんに自然保護や鳥獣保護の参考にして頂ければ幸いです。
おわりに、本調査を精力的に実施くださいました日本野鳥の会神奈川支部をはじめ、関係各位に深く感謝の意を表します。
平成4年3月
神奈川県環境部自然保護課長
本 間 正 幸
※所属名等は当時のものです。
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近年における都市化の進展に伴い、野生鳥獣の生息環境は大きく変化しつつある。このために、県内に生息する鳥獣の種類、分布状況および繁殖の有無等を把握し、鳥獣保護対策を適正に進めるための基礎資料を作成する。
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全県を2万5千分の1地形図を縦横4等分した約5km四方のメッシュを単位として、116の区画に分け、平成元年度に東半分の56メッシュ、平成2年度に西半分の60メッシュについて調査を行った。
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昭和54年から平成2年までの期間に、調査地域内で生息が確認された鳥類及び哺乳類のうち、代表的な鳥類(150種類)と中大型哺乳類(18種類)について生息分布図を作成した。
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(1)現地調査
平成元年および2年の5月~6月に繁殖期の調査、元年および2年の11月~2月に越冬期の調査、元年および2年の9月~12月に哺乳類の調査を行った。各メッシュについてそれぞれ3回の調査を行った。調査は、そのメッシュの代表的な環境を網羅するように設定したコースを時速2km程度のゆっくりした速度で歩き、出現したすべての鳥類について、その種類・数・行動などを記録した。哺乳類についても同様の記録を行ったが、糞や足跡についても可能な限り記録した。調査には日本野鳥の会神奈川支部会員があたり、青木雄司および浜口哲一が補充調査ととりまとめを行った。
(2)アンケート調査
平成元年1月に日本野鳥の会神奈川支部および県内の自然愛好団体の会員を対象に哺乳類の観察記録に関するアンケート調査を行った。また、平成2年10月には鳥獣保護員を対象に、哺乳類の生息状況及び目撃記録についてのアンケート調査を行った。
(3)聞き取り調査
哺乳類については現地での直接観察が困難なので、農業者、林業者などに対して聞き取り調査を行った。これは現地調査の中で適時実施した。
(4)文献調査
当該地域の動物相に関する文献記録を参照した。
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調査の結果明らかになった各種類の分布を、次ページからメッシュ分布図として示した。分布図の凡例は次の通りである。
:年間を通して生息し、繁殖していると推定される。
:夏鳥として渡来し繁殖していると推定される。
:冬鳥または旅鳥として渡来する。哺乳類の場合は、偶発的に出現したと思われる場合。
(鳥類)
(哺乳類)
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