更新日:2024年11月28日
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障がい者雇用に向けた企業交流会「ともに働く」(横須賀三浦・湘南東部地域)(令和6年9月26日(木曜日)開催)のお知らせです。
障がい者雇用に課題や悩みを抱える企業の皆様を対象に、障がい者雇用の経験豊富な企業による雇用事例の紹介や、それら企業を交えた参加者同士の意見交換等を内容とする障がい者雇用に向けた企業交流会「ともに働く」を開催します。
今回は県障害者雇用促進センターのミニセミナーや、障がい者が職場定着している企業から雇用事例を紹介していただくほか、障害者就業・生活支援センターによる講評・事業紹介、ファシリテーターや登壇企業を交えた参加者同士のグループトークや意見交換を行います。
障がい者雇用に向けた企業交流会「ともに働く」(横須賀三浦・湘南東部地域)は、終了いたしました。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
当日の概要を掲載しました。
県障害者雇用促進センターより、差別の禁止や合理的配慮といった障がい者雇用の基本的な考えや、様々な就労支援機関の役割のほか、県が実施する障がい者雇用に関する新たな事業(障がい者雇用開拓・体験実習支援事業)等について話がありました。
株式会社ステップ 髙木氏
株式会社ステップの髙木氏から、同社における障がい者雇用の取組についてご講演いただきました。
・業種:情報処理、ソフトウエア
・雇用障がい種別:身体障がい、精神障がい
・当事者従事業務:事務、システムエンジニア
会社として初めての障がい者雇用となり、雇用を進める前は、「何から始めて良いのか分からない」といった状態からのスタートで、とても不安だったそうです。そこで、目的を整理し、考え方を変え、雇用に取り組みました。
・戦力となる人材の確保 |
・お願いする業務の内容で採用基準を考える |
・配慮はしても、特別扱いはしない |
・全社員が参加する会議において、障がい者雇用が会社の事業戦略となる旨を社長自らが社員へ向けて周知した。
・在宅勤務や客先に常駐している社員もいる中で、Youtubeで公開されている動画や、オンラインでも閲覧できるデジタルブック(コミック版)を使用し、全社員で障がい者雇用への理解を深めた。
・雇用後は、定期的な面談の実施(就労支援機関の活用)、配属先責任者との共有及びサポート、職場環境の改善を行いつつ、当事者が求めている事と、現場で対応可能な範囲がどこまでなのかを、組織として共有する事を最も重視した。
「障がい者雇用を組織として対応していく」取組について、実例を交えながらお話しいただきました。
また、「助けてあげなくては」ではなく、会社が出来る範囲でお互い有益な関係性を築き上げる事が、重要であるとのお話もいただきました。
株式会社ステップで働く当事者の支援機関として、職場定着等の支援を行っているよこすか障害者就業・生活支援センターより、講評と事業紹介がありました。
企業が主体となり、当事者へ必要なサポートを自然に行っていけるようなナチュラルサポートを目指した定着支援を行っていることや、支援機関の役割等についてお話がありました。
5つのグループに分かれ、登壇企業にもご参加いただき、雇用事例を通して得た新たな気づきや、自社の障がい者雇用の取組状況について話し合いました。その後、障がい者雇用に取り組む上での各社の課題等についても、自由に意見交換を行いました。
グループトーク・意見交換の内容(一部紹介)
■社内の障がい者雇用に対する理解について
・世代によっては障がいを理解する事が難しいことを感じる。そこは時間をかけて話し合ったり、打ち合わせをしていく必要がある。
■仕事の選定・創り出しについて
・障がい者のための仕事の選定、創り出しではなく、会社が必要な業務を検討した際に活かせる人材として、障がい者も含めて検討することが必要であると考えている。視点の広がりが持てる。
■採用活動(募集、面接、選考等)について
・面接の際は、当事者本人がどこまで配慮事項を伝えられるかを重視している(自己理解ができているかの判断材料となる)。
■当事者に対する配慮のあり方について
・最近では障がい者手帳を所持していなくても配慮が必要な方(精神疾患等)がいるため、様々なケースに対応している。
・障がい者だから配慮が必要、ではなく、社員であれば皆配慮が必要である。一人の労働者として見ていきたい。それでも、配慮は難しい事を感じた。
■職場定着について
・短時間労働(月約80時間)から、 2年目は約100時間くらい、3年目は約150時間…と、労働時間についてもステップアップできる仕組みづくりをしている。
・企業が障がい者を雇用する場合、(生活を含め)100%支援できるとは思わないことが大事であり、必要なときは他の資源の活用も有効である。
・継続を目的とするのか。転職などの可能性なども視野に入れることも考えの一つとして持つことが必要だと感じる。
■まとめとして
・皆企業は障がい者雇用について同じ悩みを抱えていることがわかった。
・先輩企業の雇用事例紹介を聞いて、障がい者雇用の意義をどのように理解して社内に広げていくかが重要であると感じた。特に、障がい者の仕事の切り出しなどは社内のコンセンサスを取ることが先決であり、その整理が必要である。
・今後、更に雇用率は上がっていくが、単に雇用率を達成すればよいものではない。定着も見据えて対応していかなければならない。
【主催】神奈川県
【共催】よこすか障害者就業・生活支援センター、湘南障害者就業・生活支援センター
このページの所管所属は産業労働局 労働部雇用労政課です。