現在22歳 鎌倉市出身。
17歳、高校生2年生の時に、特定疾患である骨肉腫を発症。
2019年からフットゴルフをはじめる。フットゴルフジャパンツアー2019-21に参戦し、2020年12月の大会で初優勝、2021年2月の千葉オープンat Camelで2度目の優勝を果たすなど、活躍をつづけている。
1999年、私は神奈川県の鎌倉市に生まれました。
3歳の頃から本格的にサッカーを始め、小学校3年生で横浜Fマリノスプライマリーに入団。中学進学と同時に地元の名門FC厚木ドリームスに入団し、3年間で関東大会出場、個人としても神奈川県代表に抜擢されました。高校では日大藤沢に進学し、全国インターハイ準優勝、神奈川県高校選抜の主将として海外遠征も経験しました。
しかしその一方で、高校2年生の時に上腕骨骨肉腫を発症し、今も続く経過観察を含めた、長きにわたる闘病生活が幕を開けました。
私の闘病生活は波瀾万丈かつ自由奔放でした。例えば、治療中に2種類目の抗がん剤を投与した際、アナフィラキシーショックを起こし使用停止。標準治療から離脱し主治医独自のメニューに急遽変更しました。他にも骨髄抑制という抗がん剤の副作用で血小板が不足した際に行った血小板輸血でもアレルギー反応で死にかけました。これはわりと焦りました。
治療生活を通して、置換手術1回、肺転移による肺切除3回と、だいぶ体を痛めつけてきました。
ですが、治療と治療の合間にカナダへの修学旅行に行ったり、抗がん剤を打ったその足で練習に参加したり、行ける日に学校行ったりと、自分の本能に従って行動し、楽しい時間もたくさん過ごしました。総括すると「ハプニングには屈する事なく、それ以外では自分の生きたいように生きてきた」と言えるでしょう。
やはり印象的なのは闘病がいざ始まる!って時に訪れた見舞い客ですね。同学年のチームメイトが、髪がなくなる私にサプライズで「全員坊主」にして登場してくれました。マネージャーも髪を短く切って気持ちを添えてくれました。そんな彼らを見て胸の内で、「こんなことしてくれたらもう死ねないやん!やるしかないな」と気持ちが動いたのを今でも覚えてます。
そんなチームメイトは髪のない私を普通にイジってくるのですが、おかげさまでギャグのセンスが磨かれました(笑)。
今まで支えてくれた人やお見舞いに来た人たちに共通するのは、誰ひとりとして闘病前と「私との接し方」が変わらなかった事です。遠慮なく普通に接してくれた今までの人たちがいたからこそ、今の自分があると思っています。人が人を繋ぎ、また繋がった人たちが自分にも繋がる。感謝と支えで人間は成り立つ事を改めて感じた時間でした。
結論からいうと、すぐに気持ちを切り替えることはできませんでした。当たり前です、何よりも愛してやまないサッカー。3歳から本格的に始めたサッカーは15年ほどの時間を共にしているわけです。手術しまくってボロボロになった体でも、まだ1ミリでも残る可能性にかけて戦いたいと思っていました。
でも現実はそう甘くありません。そんなもどかしい気持ちになっているときにフットゴルフに出会い、徐々に気持ちが移っていきました。
海外遠征へ参加してから、昔の頃のように努力しなきゃ成長できず、勝つことすらできないフットゴルフ界の現実を突き詰められたこともあり、フットゴルフの楽しさというよりも難しさが僕を本気にさせ、のめり込む事を決断しました。
天秤の比重が段々と移り変わっていくようなイメージですね。想いをのせながら時間と共にゆっくりと転向していきました。
自分から笑顔が消えたら、そこで試合終了です。周りの人は自然と「今の自分でいられる」環境を整えてくれます。苦しむ本人こそ「今の自分」でいながら、笑顔を絶やす事なく生きていきましょう。
今後も皆さんには数々の試練が待ち受けています。絶対です。その壁は避けたくても避けれないものです。しかしそれは、あなたのかけがえのない強みになります。
人の痛みや苦しみを理解するのは誰ひとりとして不可能です。だけど、その経験から人の痛みや苦しみに寄り添うことが出来る人間になれます。そして自分の目の前に起きていることから目を背けなければ、真の心の強さを得ることができます。
その強さを持って壁にどんどん挑むとき必ずどんな場面でもあなたは輝く。なぜなら人は壁を乗り越えているその瞬間が人生の中で一番輝くから。
人生を輝かせて最高なものにしたいのなら、常に壁を乗り越えている自分に出会おう。そして乗り越えた先の景色を楽しみながら、また来る壁に向けて休憩も交えながら楽しんで進んでいこう。過去も未来も見えなくなるくらい「今の自分」にスポットライトを当てて生きていこう!
神奈川県 福祉子どもみらい局
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