県のたより1月号2面・3面-1

神奈川発の⽂化や芸術が、時代や世代を超えて広がる

バレエと神奈川県とのつながり

神奈川県鎌倉市は、「日本バレエの母」として知られるエリアナ・パヴロバが、1926年頃日本初となるバレエスクールを設立した地です。ここから、多くの舞踊家が巣立ち、その後の日本バレエ界を支えていきました。こうしたバレエのレガシーは、現代まで受け継がれ、上野水香さんをはじめとする世界の第一線で活躍するバレエダンサーが、神奈川県から数多く輩出されています。

上野水香（うえのみずか）さん
バレエダンサー
（東京バレエ団ゲスト・プリンシパル）
かながわ観光親善大使
写真／長谷川清徳

上野水香さんからのメッセージ

神奈川県民ホール50年という記念すべき年に、『Jewels from MIZUKA』を上演できることになり、大変光栄に思っています。私はこの大ホールのステージに数えきれないほど立ち、バレエ人生の中で欠かすことのできない大きな舞台も経験してきました。今回の公演では、華やかでにぎわいのある『ドン・キホーテ』、20世紀を代表する振付家モーリス・ベジャールの『ルナ』、そして東京バレエ団の仲間による新作などを上演する予定です。バレエに慣れ親しんだ方はもちろん、初めてバレエをご覧になるという方も、きっとご自身のフィーリングに合う作品が見つかるのではないでしょうか。これまでの感謝の気持ちを込めた温かい舞台にしたいと思っています。

バレエ⾐装の展⽰会が開催されます！

県⽴相模湖交流センター

事前申込不要無料

株式会社アトリエヨシノが制作した実際の舞台で使用されている衣装やティアラなどを展示。『バレエ衣装』という視点から、バレエの魅力をご堪能ください。ティアラ等の髪飾りは、身に付けて写真を撮るなどして楽しめます。

※株式会社アトリエヨシノは、クラシックバレエを主とする舞台衣装のレンタル会社です

⽇程：2⽉12⽇（⽔曜）から3⽉2⽇（⽇曜）10時から16時
[注]2⽉17日・21日・25⽇は閉場

交通：JR相模湖駅から徒歩10分

問合せ：県⽴相模湖交流センター[電話] 042（682）6121

※展示衣装イメージ

地域に根付いたオーケストラ

神奈川フィルハーモニー管弦楽団は、2020年に創団50周年を迎えた歴史ある楽団で、県内の小学校を対象にした音楽鑑賞会や公共スペースを利用した無料コンサートなど、地域に密着した音楽活動を積極的に行っています。「石田組」としても活躍する首席ソロ・コンサートマスターの石田泰尚さんの人気に加え、2023年にはドラマ「リバーサルオーケストラ」に出演し、クラシック音楽になじみがなかった層にまでクラシックファンを獲得し続けています。

ありがとう神奈川県民ホール開催イベント

県は、令和7年4月から休館となる神奈川県民ホールを会場に休館前の最後を飾るイベントを開催します。

詳しくは
50年の想いを込めて「ありがとう神奈川県民ホール」イベントを開催

１ Jewels from MIZUKA 2025 ジュエルズ・フロム・ミズカ 2025

上野水香さんを主軸とした国内外の第一線で活躍するダンサーによる、バレエ・ガラ公演を実施します。

日程：3月8日（土曜）15時開演

料金：S席9000円、A席7000円、B席5000円、C席3000円ほか

5歳以上入場可

２フィナーレコンサート「ありがとう神奈川県民ホール」

子どもからシニアまでで結成する特別混声合唱団と、ヴァイオリニスト・石田泰尚さん率いる神奈川フィルハーモニー管弦楽団の共演により、最終日のグランドフィナーレを盛り上げます。

⽇程：3⽉31⽇（⽉曜）19時開演

料金：全席指定大人2000円、子ども1000円（5歳から高校生まで）

5歳以上入場可

石田泰尚（いしだやすなお）さん

ありがとう神奈川県民ホール１、２イベント概要

要事前申込有料

場所：神奈川県民ホール大ホール

交通：みなとみらい線日本大通り駅から徒歩8分

申込み：チケットかながわホームーページか二次元コード（画像）
またはお電話でチケットかながわ[電話] （0570）015415

問合せ：神奈川県民ホール[電話] 045（662）5901

映画監督・脚本家濱口竜介（はまぐちりゅうすけ）さん（神奈川県出身）
代表作品「ドライブ・マイ・カー」第94回アカデミー賞国際長編映画賞受賞
第73回（令和6年度）神奈川文化賞受賞

最近は映画館の一般料金が2000円に達し、気軽に行ける娯楽ではなくなりつつあるかもしれません。それでももし、配信でしか見たことのない「自分の好きな映画」が映画館で上映される機会があれば、一度行ってみることをお勧めします。すると、映画館がいかに映画体験を変えてしまうか、はっきりわかるでしょう。私もテレビで何度も見ていた『風の谷のナウシカ』をコロナ禍中に初めて映画館で見て、あまりの傑作ぶりにめまいを覚えました。神奈川県にはミニシアターも含め、非常に充実した劇場環境があります。数十、数百人が数カ月、時には数年かけて2時間程度に圧縮した作品を映画館で見る。それは意外と人類が見出した最高の贅沢なのかもしれません。

神奈川文化賞については
第73回神奈川文化賞・スポーツ賞