更新日:2024年10月19日

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感染症(節足動物媒介感染症)への影響と適応策

神奈川県における感染症(節足動物媒介感染症)に関する気候変動の影響と適応策

気候変動の影響

 気候変動による気温の上昇や降水の時空間分布の変化は、感染症を媒介する節足動物(蚊やダニ等)の分布可能域や個体群密度、活動を変化させ、節足動物媒介性感染症の流行地域や患者発生数に影響を及ぼす可能性があります。

 神奈川県では将来、国内で発生していない感染症発生の可能性が予測されています。

 また、「地域適応コンソーシアム事業」(環境省・農林水産省・国土交通省連携事業(2017~2019年))によると、デング熱やチクングニア熱を媒介するヒトスジシマカ成虫の生息期間が長期化する予測が示されています。

ヒトスジシマカ成虫の生息期間(神奈川県)(MIROC5)

ヒトスジシマカ成虫の生息期間(神奈川県)(MIROC5※)

※気候モデルMIROC5
 大気や海洋などの中で起こる現象を物理法則に従って定式化し、コンピュータによって擬似的な地球を再現しようとする計算プログラムを「気候モデル」といい、MIROCは、東京大学、国立研究開発法人国立環境研究所、国立研究開発法人海洋研究開発機構の共同により開発された気候モデルの一つ。

出典:地域適応コンソーシアム事業 成果報告2-4「気候変動による節足動物媒介感染症リスクの評価」(2021年3月2日利用)

 

 

影響に対処するための県による施策(適応策)

 感染症発生動向や、今後発生する可能性がある感染症を含め、様々な感染症に関する情報を発信します。

現在県で取組んでいる具体的な事例

  • 様々な感染症に関する情報を発信(感染症情報センター
  • 県ホームページや県のたより等で、予防策を周知
  • 感染症の検査体制を強化し、患者の発生を監視
  • 平成27年4月28に「蚊媒介感染症に感染する特定感染症予防指針」が厚生労働省から告示(平成28年3月30日一部改正)され、県で「蚊媒介感染症対策ガイドライン」を作成し保健福祉事務所・センター、衛生研究所で対応
  • 観察定点を定めて、蚊の分布及び病原体保有調査を実施(蚊媒介感染症について

【参考】日本全国における気候変動による影響(概要)

出典:気候変動影響評価報告書(別ウィンドウで開きます)(2020年12月、環境省)

現在の状況

  • 蚊媒介感染症の国内の輸入感染症例が増加傾向
  • ダニ等(ツツガムシ含む)により媒介される感染症(日本紅斑熱、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、つつがむし病等)の報告件数増加・発生地域拡大

将来予測される影響

  • デング熱を媒介する蚊(ヒトスジシマカ)の吸血開始日が早期化
  • ヒトスジシマカやアカイエカの活動期間が長期化

 

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