更新日:2024年1月24日
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「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。
検定のアドバイス |
★リンゴペクチン液と砂糖リンゴペクチン液と砂糖は同量で検定を行ってください。リンゴペクチン液200gに対し砂糖200gとし、糖度60%とするならば、出来上がり量は333gです。リンゴペクチン液150gに対し砂糖150gとし、糖度60%とするならば、出来上がり量は250gです。ビンに詰め、2~3日おいて、ゼリー化の状態をみますが、この時にゼリー化がみられないならば、リンゴペクチン液のペクチン濃度は薄いので、リンゴペクチン液の量を増やして、ゼリー化のテストを行います。リンゴペクチン液300gあるいは400gに対し砂糖200gとして、出来上がり量を333gとしてください。ペクチン濃度を1.5倍あるいは2倍とした、ゼリー化の状況が確認できます。 |
★ビンの洗浄と加熱ペクチンゼリーの検定は少ない量のリンゴペクチン液を使って行うので、ペクチン液と砂糖をあわせて、加熱し始めると数分内に水分が蒸発し、濃縮できるので、ペクチン液を加熱する前にビンとフタを用意します。ビンの洗浄と加熱、ペクチンゼリーをつめた後の脱気加熱、倒立放冷などはリンゴのリアルゼリーを作る場合と同じ工程としています。リンゴペクチン液のペクチン量を簡易にみるなら、ビンの洗浄と加熱の工程を省いたり、プラスチック製のスタンディング袋などを使うことも可能です。 |
★加熱容器の秤量手早く、加熱濃縮の状況が判断できなければ、ちょうどよい濃縮度合いに達しないばかりでなく、ちょうどよい濃縮度合いをも逃してしまいます。糖度計を用いて、濃縮度合いを糖度で確認することもできますが、熱いペクチン液を少量とって、糖度計で測定するよりも、あらかじめ計算により求めた最終重量で判断したほうが簡便です。そのため、過熱濃縮する容器・鍋等の重量を測定しておき、濃縮時には差し引き計算で内容量、糖度を知るほうが簡便です。 |
★加熱加熱時間は極力短時間とするため、強い火力で加熱します。強い火力といっても、ボウルの中を焦がしてはなりません。加熱容器はバーナーの炎やヒーターの加熱部分よりも鍋底が大きくいと鍋側面が焦げることが少なくなります。鍋底のこげはヘラを使って、鍋底をまんべんなくこするようにかき混ぜてください。 |
★ビン詰ペクチン液をちょうどよい濃度まで加熱濃縮した後はは水分を蒸発させないよう、手早く容器に詰めなくてはなりません。容器が大きいので手間取っていると水分が蒸発し、糖度が上がってしまいます。レードルでていねいに容器に詰めていくのもよいのですが、たこ焼きにつかう種おとしのような道具を使うと短時間に、きれいにつめることができます。種おとしにペクチン液を入れたら、ちょっと時間をおいて、泡を表面に浮かせてから、容器に詰めてください。 |
★脱気・倒立ビンに詰めた後、そのまま冷却してもペクチンゼリー化の評価はできます。しかし、このリンゴペクチンはジャムやリアルゼリーの原料となるもので、ジャムやリアルゼリーのような加工品では脱気・倒立の工程は不可欠です。そのため、加熱時間あるいは高温で経過する時間は短時間ですが、必要な工程は経過させておくほうが実際に利用したときには有効なため、必要な処理・工程を行います。 |
★冷却・放置所定の工程を経てからは無用の高温や振動は避けなければなりません。倒立放冷30分後には速やかに流水で冷却し、冷却後は2~3日、揺すったりせずに静かに置いてください。 |
★ペクチンゼリーの状態調査2~3日後にはペクチンはゼリー化してきます。ペクチンゼリーの入ったビンを傾けると、ペクチンゼリーの硬さが分かります。ペクチンゼリーが泡を抱きこんで、硬く固まっているなら、ペクチンが濃い、あるいは濃すぎるといえます。ペクチンゼリーのかたまりは無く、ドローッとあるいはサラサラしているなら、ペクチンは少ない、あるいは無かったといえます。ペクチンゼリーにスプーンを入れ、すくいあげたとき、プルプルした透明な塊となっているなら、ペクチンは適当に含まれているといえるでしょう。リアルゼリーとする場合はこのゼリーの硬さを調節するため、リンゴペクチンの量と砂糖の割合を調整して、求める硬さのゼリーとします。 |
生産環境部(品質機能研究課)
電話 0463-58-0333 内線344から345
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