農産物の上手な利用法(冷凍ラッカセイ/材料)
「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。
莢つきラッカセイ(生) 適量
食塩 ラッカセイの1.2% |
★ラッカセイ
ラッカセイは南アメリカ原産といわれていますが、中国では古代から栽培されていたようです。日本には江戸時代には伝播されていますが、本格的な栽培が始まったのは明治時代になってからです。
栽培されている品種には大きく分けてバージニア型、スパニッシュ型、バレンシア型、サウスイーストランナー型などに分けられます。日本では大粒のバージニア型が多く栽培されています。ラッカセイは日本各地で栽培されていますが、草の姿から立ち性、半立ち性、はい性のものがあります。また、収穫時期も早生種から中生、晩生までいろいろなものがあります。
ラッカセイの栽培品種として神奈川県では明治から昭和20年代までは「立落花生」「ラクダ種」が長く作られてきました。産地の耕作条件が変化する中で「改良半立種」「ナカテユタカ」などに栽培品種が変換され、現在はゆで豆に適した「ユデラッカ」、サヤの形が整っている「さとのか」など、多様な特徴をもった品種も栽培されています。
★ゆで豆用ラッカセイ
ゆで豆ラッカセイはこの品種に限るということはありません。いろいろな品種が利用できます。しかし、ゆで豆として利用するラッカセイの収穫時期はポイントになります。ラッカセイは花が咲いた後、子房柄がのびて土の中に入り、実ができます。実が熟し、茎を持って引き抜くと莢の表面の網目がはっきりした大きな莢がついてくればOKです。白く小さな実は未熟莢で収穫が早すぎます。引き抜いたときに網目のハッキリした堅い莢が土の中に残ってしまうようでは収穫が遅すぎます。
掘り取ったラッカセイを水でよく洗い、未熟な莢とほど好く熟した莢に分けます。未熟な莢には豆が入っていないので、ゆで豆としては除きます。ほど好く熟した莢を割って、中の豆を取り出すと、ピンク色の種皮をかぶった豆が出てきます。2粒の豆が入った莢がよいのですが、中には1粒あるいは3粒の豆が入った莢があります。これらはいずれも熟度がそろっていた方がゆで時間が同じになり、均一な硬さの茹で上がりになります。
★塩
塩は好みで加えればよいのですが、伝統的なゆでラッカセイは未熟なサヤであっても、塩味のついたサヤの中の液体がおいしく感じられます。そのおいしさを感じる程度の食塩は加えた方がよいでしょう。
★容器
冷凍保存用の容器は一回に利用するくらいの量が入る小さなプラスチック製の袋がよいでしょう。利用するときは容器ごと冷凍庫から取り出し、解凍するので、大袋に入れておくと、解凍するときに取り分けなければなりません。何回も冷凍庫から出し入れするのは冷凍品にとっても好ましいことではなく、また、エネルギーの無駄にもなります。
★うでピー
JAはだのが製造、販売している冷凍ゆで豆ラッカセイです。JAはだの管内で生産されている落花生を原料にした、冷凍ラッカセイです。ラッカセイの冷凍保存では加熱して酵素を失活させなければなりません。この時の加熱を加圧過熱にすることで、ラッカセイを軟らかくすることもできるので、従来の農家のおやつであった未熟豆のゆで豆をヒントに加工品つくりを検討し、1989年に「うでピー」として商品化しました。「うでピー」は秦野市平沢のJA農産物直売所や小田急線秦野、渋沢駅前の特産センターで販売されています。
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