農産物の上手な利用法(サンショウ葉の佃煮の材料)
「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。
サンショウ葉 100g
醤油 15ml
味醂 15ml
昆布 1.5g |
★サンショウ(山椒)
サンショウ(Zanthoxylumpiperitum)はミカン科サンショウ属の日本の代表的な香辛料です。北海道から本州、四国、九州の山地に自生しています。落葉の低木で葉には長楕円形の小葉が5~9対あり、雌雄異株で花弁のない緑黄色の花を咲かせます。
サンショウの仲間は中国や朝鮮にも自生しています。中国のサンショウに「蜀椒(しょくしょう)」があります。神農本草経に「邪気、咳逆を主とり、中を温め、骨筋、皮膚の死肌、寒湿痺痛を逐い、気を下す」薬として記されています。また、「秦椒」というものも記されており、これらは日本のサンショウと同じミカン科サンショウ属の果実で、主に果皮を用いたようです。中国のサンショウは日本のサンショウとは異なり、輸入されているものは「花椒」が主となっています(Zanthoxylumフ゛ンケ゛アヌム)。このサンショウは日本のサンショウより辛味や麻痺作用が強く、四川料理の主要な風味となっています。「青花椒」はイヌザンショウ、「紅花椒」はカホクザンショウまたはフユザンショウの果実と思われます。
日本では江戸時代に但馬国の朝倉郷の今滝寺で発見された刺のないアサクラサンショウが多く栽培されています。近年になり、和歌山県で果実が房状につくブドウサンショウが開発されています。日本ではサンショウは七味唐辛子にも使われ、国産では不足するため、中国からの輸入品を使っています。
サンショウの辛味成分はサンショオール等で漢方では駆虫薬や胃痛・歯痛に用いています。また、虫刺されにはサンショウの葉を塩で揉んでつけることもされたようです。
★木の芽煮
サンショウの葉は春先の若いものから、土用のころの肉厚となったものまで、いろいろな状態がありますが、それぞれに利用することができます。極若いものは木の芽として料理に添え、香と緑を楽しむことが多くされます。サンショウの葉の煮物は若ければ若いなりに、調味料でサッと炊きあげ、春の香を楽しむことができます。土用の頃の肉厚なものであれば軸を除き、葉だけにして昆布と炊き合わせもます。京都鞍馬の木の芽煮はサンショウと昆布を醤油、酢などの調味料でしっかりと煮込み、包丁で刻んだ山里の味です。
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