更新日:2024年2月20日
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「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。
材料 | 作り方 | 農産物の上手な利用法の表紙 |
作り方のアドバイス |
小梅としては熟していても、黄色にはなっていないものを原料とするときは追熟させえ、黄色の小梅としてから漬け込んでください。追熟は薄いポリエチレン袋に入れて、20℃くらいのところにおき、2から3日すると黄色の梅となってきます。しかし、この追熟中に傷のあるものや病気を持っていたものは腐敗したり、カビが繁殖してきます。こういった変質・障害のある小梅は漬け込み原料から除いてください。
小梅は水に入れ、ザッと洗ってください。洗った小梅はザルに取り上げ水気をきってください。
10日から2週間程度の漬け込みで、梅酢と小梅がなじみます。なじんだかどうかの判断は浮いていた小梅が梅酢全体に分散してきたかどうかで行います。重石と押しブタを除き、梅酢の表面に小梅が浮いてこなければOKです。
梅酢に小梅を漬け込んだときも1週間から10日程度ならば表面にカビが生えることはないのですが、2から3週間以上になると梅酢の表面、空気に接しているところにカビが発生します。このカビはすぐに取り除いてください。
漬け上がった小梅はボウルにザルを入れた容器を用い、小梅を取りあげてください。
ザルに取り出した漬け上がった小梅は梅酢がきれたら、天日干し用のザルにならべてください。小梅がコロコロして入るのですが、乱雑にザルに移し入れると小梅が重なってしまいます。重なると日光にあたらないので、色の変化が遅れます。絶対に小梅を重ならないようにしてください。
天日干しは日差しの強いところで行ってください。
小梅の干し作業は梅雨の合間の作業になることが多くあります。干し始めの日だけは、梅雨の合間の天気のよい日の作業にしてください。小梅は小さいので、大きな梅に比べて水分の減少が早いので、大きな梅に比べて短時間の干しですみますが、それでもある程度の時間は必要です。日差しのないときに干すと水分の蒸散は進みますが、色の上がりが良くありません。強い日差しの日を待って、干してください。天気が良い日でも日が陰ったら、色の変化は少なくなるので、取り込んだほうが良いでしょう。この時は乾燥を防ぐためにポリエチレン袋に入れてください。梅酢の中に戻す必要はありません。
天日干しの期間、晴天が続かず、梅雨のような天気だと、天日干しをすることができません。このときは長期間にわたってポリエチレン袋に入れるため、カビが発生することがあります。梅酢漬けの時は塩分が少ないのでカビがすぐに発生し、大きなカビの固まり(コロニー)を作ります。干している途中で天日干しができないため、ポリエチレン袋に入れたままで放置するとカビが発生し、大きな固まりとなります。ポリエチレン袋に入れた天日干し途中の小梅干しは梅干しとしての塩分濃度が低いことと、小梅干しと小梅干しの間に空気があるためカビがついていると増殖してくるのです。カビの固まり、団子になったところは廃棄しなければなりませんが、同じ袋の中でカビの付着や成長が見られないところであってもカビに汚染されているので、時間が経過するとカビが増殖してきます。長期間ポリエチレン袋で保存するときは冷蔵庫で保存してカビが生えないようにしてください。
副産物として梅酢が残ります。仕込んだときの梅酢は塩分が15%くらいありましたが、この梅酢は塩分が7から8%になっています。ビンに入れて保存し、料理の調味料として使ってください。小型のビールビンやワインボトルに入れ、醤油や酢といった調味料を一緒に置いておくと調理のときに手軽に使えます。
ガラス製かプラスチップ製の容器に入れてください。鉄や他の金属を使った容器、フタは塩と酸が強いので錆びがくることがあります。さびが梅干しに混入しますので、使わないでください。また、容器本体とフタに隙間があると、小梅干しの水分が蒸散し、乾いて食感をわるくするので、パッキンのしっかりしたものを使って、きっちりとフタをしてください。
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生産環境部(品質機能研究課)
電話 0463-58-0333 内線344から345
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