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初期公開日:2024年6月25日更新日:2024年8月29日
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薬物問題で困っている方に向けて、「大麻」「危険ドラッグ」「医薬品オーバードーズ」などの薬物問題を取り巻く情報を掲載しております。こちらのページを参考にしていただき、正しい情報をもとに判断してください。
大麻に関して、インターネット上で「身体への悪影響がない」「依存性がない」など誤った情報が氾濫していますが、これらはすべて間違いです。
間違った情報をそのまま信じてはいけません!正しい知識をもって判断してください!
大麻に含まれるTHC(テトラヒドロカンナビノール)という成分は、脳などの神経系に作用し、心身に次のような悪影響を与えます。
また、大麻は特に成長期にある若者の脳に対して影響が大きいこともわかっています。
そして、薬物依存症になると、薬物の使用を何よりも優先して考えるようになり、日常生活に様々な悪影響を及ぼすようになります。
また、大麻は、反社会的な組織等の資金源になっていることもあるため、大麻を購入することは、そうした組織に加担することにもつながっているのです。
(政府広報オンライン「若者を中心に大麻による検挙者が急増!「誘われて」「興味本位で」が落とし穴に。」(別ウィンドウで開きます)をもとに神奈川県作成)
参考資料:舩田正彦、富山健一著「大麻成分の依存性と細胞毒性」(薬学雑誌,2020年140巻2号p205-214)(別ウィンドウで開きます)(PDFをダウンロードすることで内容が確認できます。)
海外には大麻を合法化している国もありますが、それはごく一部です。いまだに大多数の国においては大麻は厳しく規制されています。
また、薬物を取り巻く状況は日本と海外では大きく違います。法律などの規制はそれぞれの国の事情を基に作られているため、合法化されている国でも、大麻が安全であるという理由で合法化されているわけではありません。
これらの国では、以下のような理由で大麻が合法化されているのです。
国内で既に大量に出回っている大麻の流通を政府が管理することで、
なお、大麻が合法化された国にあっても、当然、若者の脳に対する悪影響は危惧されており、合法化という手段が本当に若者の大麻使用を阻止する有効な策であるのかという議論もなされています。
そして、一度合法化された国でも、乱用による悪影響が再び問題視されたことで合法化を取りやめる方向に転換する事態にもなっています。
参考:麻薬・覚せい剤乱用防止センター「国際的な薬物の規制状況」(別ウィンドウで開きます)
これまで、大麻については、使用すること自体に規制がかけられていなかったことが使用のハードルを下げているのではないかと問題視されていました。
これを受け、令和5年12月、「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」が公布され、麻薬及び向精神薬取締法において大麻を麻薬として位置付けることにより、大麻の使用自体が禁止されることになりました。
したがって、今回の法改正により、今後は大麻を“使用”※した者に対しても取締りが行われることになります。
※法改正前も、大麻の所持や譲渡譲受は取締りの対象です。
参考①:厚生労働省「大麻情報ポータルサイト」(別ウィンドウで開きます)
参考③:大麻草の栽培の規制に関する法律(旧大麻取締法)(別ウィンドウで開きます)
近年、薬物の売買にはSNSを利用した手段が非常に多く用いられています。
SNS上には、薬物の隠語(特定の人にのみ通じる言葉)を使用して購入を促すような投稿が数多く存在し、密かに売買が行われています。
このような取引に関与することは違法であり、危険です。
SNSでの誘惑には惑わされずに、自分を守りましょう。
(出典:厚生労働省「薬物乱用防止読本「健康に生きようパート37」(青少年向け)」(別ウィンドウで開きます))
近年、いわゆる「大麻グミ」をはじめとする危険ドラッグが流通しており、これらはあたかも身体に悪影響がないように紹介され、販売されています。
これまでは、「ハーブ」や「アロマ」等の呼称で販売されておりましたが、近年は「グミ」や「クッキー」等のような食べ物に有害な成分を含んだ形態で販売されています。
また、電子タバコのカートリッジ様の形態で、リキッド(液体)タイプの物も多く販売されています。
これらの製品には、
等の表示がある場合が多いため、これらの表示がある場合は危険ドラッグを疑ってください。
※写真の製品に含まれている成分は、既に「指定薬物」として指定されています。
危険ドラッグの多くは“合法”であると紹介されて販売されていますが、“危険”です。
現在、国や自治体により危険ドラッグの規制を順次行っておりますが、規制された成分に似た構造の物質を含む製品が次々と販売され、それらは規制を免れている状況にあります。
これらの製品は、「安全だから規制を受けていない」というわけではありません。
また、危険ドラッグにはどんな成分が入っているかわかりません。そして、含まれている成分がどんな影響を身体に及ぼすかもわかりません。
危険ドラッグを使用することで、身体に重大な影響を与える可能性があります。
危険ドラッグに興味があっても、絶対に手を出さないでください。
医薬品を、決められた量を超えてたくさん飲んでしまうことを指して、「オーバードーズ」といわれています。
特に最近、かぜ薬や咳止め薬などを、かぜや咳の症状を抑えるためではなく、感覚や気持ちに変化を起こすために大量に服用することを指して、「オーバードーズする」「ODする」などと言われています。
医薬品は少しの量で身体に大きな作用を起こします。たくさん飲んでしまうと、身体に大きなダメージを与えてしまいます。
例えば、かぜ薬をたくさん飲みすぎると、「肝臓」が壊れてしまったり、死んでしまうおそれもあります。
特に、薬局やドラッグストアで買える「市販薬」には、いろいろな成分が含まれているため、たくさん飲んで中毒になった時に、それぞれの成分の作用が影響しあって、原因がわからなくなる場合があり、治療がとても難しくなってしまいます。
(出典:厚生労働省「一般医薬品の乱用(オーバードーズ)について」(別ウィンドウで開きます))
オーバードーズ(OD)をしてしまう人には様々な背景がありますが、実際にオーバードーズ(OD)の経験がある人の話によると以下のような共通点があります。
このように、一人で悩みや孤独感を抱えていて、オーバードーズ(OD)をやめたいけれど、悩みを解決できずにいる今をどうにかやり過ごすためにどうしてもやめられない、という状況にあることが多いのです。
あなたの抱える悩みや生きづらさを相談できる場所があります。悩みの解決に協力してくれる人がいます。
オーバードーズ(OD)はあなたの大切な身体に重大な影響を与えてしまうかもしれません。
一人で抱えずに、ぜひ相談してください。
薬物乱用は、友人や先輩などの身近な人に誘われて始めてしまう場合が多いです。
身近な人から誘われてしまった場合、「断りたくてもうまく断れない」ということが多く、断ることは難しいと思います。
しかし、薬物乱用はいけません。違法な薬物を一度使用するだけでも、それは「薬物乱用」です。
誘われてしまったら、とにかく断ること。そして、相手と距離をとり、立ち去ってしまうこと。
まずは、あなたの身の安全を第一に考えてください。
また、薬物の使用を誘われるなどした際には、一人で悩みを抱えずに、周りの大人や相談機関に助けを求めてください。
子どもたちを薬物から守るためには、子どもたちと一緒に話し合うことが重要です
十分な判断力を持っていない子どもたちは、周りの環境や友人からの影響を受けやすいため、普段から子どもたちと十分に話し合うことが重要です。
また、薬物に関する情報は、スマホやパソコンから、意図せず様々な形で子どもたちにも大量に降り注いでいます。
子どもたちを薬物から守るために、以下のポイントを参考に、是非普段の会話の中で薬物のことを話題にしてみてください。
普段から子どもの話にじっくりと耳を傾け、悩みや疑問について相談しやすい環境づくりをしてください
子どものありのままを認めて、子どもが打ち込めるものを一緒に見つけてください
子どもたちは、友人との関係が悪化することをおそれて、悪い誘いを断れないことがあるため、他の友人と適切な友情を培うことで、悪い誘いを断りやすくなります
そのために、子どもが様々なコミュニティに参加する機会を設けたり、友人と遊ぶための時間を確保する等、子どもが適切な友情を培うことができるように手助けをしてください
子どもと薬物について話し合い、子ども自身で健全な判断ができるように促してください
保護者の言動は子どもに強く影響します
友人や先輩に対してもきっぱりと断ることができるように、断り方を子どもと話し合ってください
子どもがインターネットを使用する際には、フィルタリングすることを検討してください
いつでも周りの大人に頼ってもよいということを伝えておき、子どもが相談できるように環境づくりを含めて準備しておいてください
子どもたちの様子に変わったことがあれば保護者同士で情報交換できるように関係を築いておきましょう
保護者が専門機関とつながることで、問題解決に至ることもあります
抱え込まずに、是非相談をしてみてください(相談窓口一覧)
このページの所管所属は健康医療局 生活衛生部薬務課です。