H22年廃棄物処理法改正について
平成22年に行われた廃棄物処理法の改正の概要について
平成22年5月に、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律」が成立し公布されました。
また、平成22年12月に同法施行令、平成23年1月に同法施行規則が改正されました。
ここでは、法、施行令及び施行規則の改正の概要をお知らせします。
また、改正の概要をまとめた冊子を作成しましたので、ご活用ください。
排出事業者の適正処理確保のための対策の強化
不適正処理に係る土地所有者等の通報努力義務
土地の所有者等が、その所有等をする土地において、不法投棄等の廃棄物と認められるものを発見したときは、速やかに、県知事等に通報するよう努めなければならないことが定められました。
排出事業者による処理の状況に関する確認の努力義務の明確化
排出者責任の強化として、排出事業者が運搬又は処分を他人に委託する場合には、その産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行うように努めなければならないこととなりました。
排出事業者が産業廃棄物を事業場外で保管する場合の事前届出
建設系廃棄物について、その廃棄物が生じた事業場以外の300平方メートル以上の保管場所で保管する場合、事前に届出が必要となりました。
本県では、県条例を定め、廃棄物が生じた事業場以外の100平方メートル以上の保管場所で保管する場合は、県条例に基づく事前の届出が必要としています。
改正法・県条例に基づく事業場外保管の詳細については、こちらのページをご覧ください。
帳簿作成対象の拡大等
産業廃棄物を自ら小規模焼却施設で焼却したり、事業場外で自ら処分又は再生を行ったりする場合に、帳簿の作成が必要になりました。
新たに帳簿の作成義務対象となったのは、次の2つの区分の排出事業者です。
・事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業場内に設置された、許可対象とされていない小規模な焼却施設において、自ら当該産業廃棄物の焼却を行う事業者
・事業場の外において自ら当該産業廃棄物の処分又は再生を行う事業者
産業廃棄物引き渡し時のマニフェスト交付の徹底
これまで、排出事業者には、産業廃棄物の引渡しの際に産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付が義務付けられていました。
改正法では、さらにマニフェストの交付の徹底を図るため、産業廃棄物の運搬・処分の受託者に、マニフェストの交付を受けずに産業廃棄物の引き渡しを受けることが禁止されました。
この規定に違反した受託者は、マニフェストを交付しなかった受託者と同様の罰則(6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金)が適用されます。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)の保存義務の一部追加
マニフェストの排出者控えであるいわゆるA票について、排出事業者に明確に保存が義務づけられました(5年間)。
産業廃棄物処理業者による処理が困難となった場合の委託者への通知(処理困難通知)
産業廃棄物処理業者は、受託した産業廃棄物の処理を行うことが困難となった場合、委託した者に対してそのことを通知しなければならないこととなりました。
また、この通知を受けた者は、マニフェストが一定の期間のうちに変更されなかった場合と同様に、処理の状況を把握して、適切な措置を講じなければならないこととなりました。
報告徴収・立入検査・措置命令の対象拡充
廃棄物の不適正処理に対して、迅速・的確な対処を行うため、県知事等が報告を徴収できる対象や、立ち入って検査ができる場所が追加されました。
不法投棄等を行った場合の量刑の強化
不法投棄等重大な法違反に関する両罰規定で法人に課せられる罰金の上限が、1億円から3億円に引き上げられました。
建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理責任の元請業者一元化
建設系廃棄物の排出事業者は元請業者であると明確に定義づけられました。
詳細については、次のリンク先をご覧ください。
廃棄物処理施設の定期検査の実施、維持管理情報の公表
廃棄物処理施設の定期検査
焼却施設、最終処分場等の産業廃棄物処理施設の設置者に対して、その施設について定期的に県知事等の検査を受けることが義務づけられました。
廃棄物処理施設の維持管理情報の公表
焼却施設、最終処分場等の産業廃棄物処理施設の設置者に対して、その施設の維持管理計画及び維持管理に関する情報を公表することが義務づけられました。
廃棄物処理業の優良化の推進等
優良な産業廃棄物処理業者についての許可期間の特例
優良基準に適合している産業廃棄物処理業者について、許可の更新期間が5年から7年に延長される制度が新たに定められました。
欠格要件の規定の合理化
廃棄物処理業者が欠格要件に該当した場合に許可取消しが他の法人に連鎖する場合を、法条の悪質性が重大な場合に限定するように欠格要件の規定が改正になりました。
排出抑制の徹底
多量排出事業者処理計画の様式等の改正等
多量排出事業者が作成することとされている(特別管理)産業廃棄物処理計画について、その様式が改正され、また産業廃棄物処理計画及びその実施状況の報告等に記載事項が追加されました。
処理計画書等の提出及びそのデータの公表
県知事等への(特別管理)産業廃棄物処理計画等の提出は電子ファイル(メール又はCD-ROM等)にて行うことができるようになりました。また、県知事等は、提出のあった処理計画等をインターネットの利用により公表することとされました。
無届者に対する過料の設定
産業廃棄物処理計画等の提出又はその実施状況の報告を行わなかった場合や虚偽の報告を行った場合には、20万円以下の過料が課されることとなりました。
廃棄物の焼却時に熱回収を行う者に係る知事認定
廃棄物の焼却時等における余熱利用を推進するため、熱回収を行う者に対して県知事等が認定する制度が整備されました。
この認定を受けると、定期検査の受検が免除され、焼却前の廃棄物の保管量の上限が14日分から21日分に引き上げられます。
なお、認定は更新制で、5年ごとに更新認定を受ける必要があります。
収集運搬業許可の合理化(政令改正)
神奈川県全域で産業廃棄物収集運搬業(積替えを行う場合を除く。)を行う場合、従前は5つの許可(神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市)が必要でしたが、この許可体系が合理化され、平成23年4月1日からは県知事の許可があればいいことになります。
その他政省令改正等
廃石綿等の埋立処分の見直し
廃石綿等の埋立処分を行う場合に大気中に廃石綿等が飛散することを防止するため、従前の規定が強化され、埋立処分の前に、あらかじめ固型化、薬剤による安定化その他これらに準ずる措置を講じた上で、耐水性の材料で二重こん包することとなりました。
また、埋め立てる廃石綿等が埋立地の外に飛散・流出しないように、その表面を土砂等で覆う等必要な措置を講ずることが追加されました。
廃石綿等の処理については、平成19年3月に環境省で「石綿含有廃棄物等処理マニュアル」が定められており、平成23年3月に同マニュアルが改正されました。
石綿含有廃棄物の処理の詳細を掲載した次のページにマニュアルを掲載していますのでご覧ください。
廃棄物処理施設の処理能力を変更する場合の手続
廃棄物処理施設の処理能力を変更する場合、これまで10%以上変更される場合が変更許可の対象でしたが、規則改正により、10%以上増大する場合に変更許可の対象なるとされました。
したがって、変更によって処理能力が10%以上減少する場合は、軽微な変更に該当し、軽微変更届の提出で足りることとなります。
廃棄物処理施設の事故時の措置の記録
廃棄物処理施設(一般廃棄物処理施設、産業廃棄物処理施設)において事故が発生し、法第21条の2第1項に規定する応急の措置を講じたときは、その講じた措置について、記録を作成し、3年間(最終処分場は廃止までの間)保存することとなりました。
関係ホームページ