ホーム > くらし・安全・環境 > 生活と自然環境の保全と改善 > 開発規制・生活環境の保全 > かながわの水源環境の保全・再生をめざして > 水源環境保全・再生かながわ県民会議の概要 > 第31回(第4期第4回)水源環境保全・再生かながわ県民会議審議結果
更新日:2020年9月4日
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次の審議会等を下記のとおり開催した。
第31回(第4期第4回)水源環境保全・再生かながわ県民会議
平成27年3月20日(金曜日) 14時00分から16時10分
産業貿易センター地下1階 B102号室
田中 充【座長】、淺枝 隆【副座長】
青砥 航次、伊集 守直、金森 厳、北村 多津一、倉橋 満知子、坂井 マスミ、佐藤 恭平、鈴木 雅一、中門 吉松、西 寿子、服部 俊明、林 義亮、前田 裕司、増田 清美、森本 正信
平成27年5月27日
水源環境保全課調整グループ 担当者名 高乘、葉山
電話番号 045-210-4352
(田中座長)
みなさんお疲れ様です。年度末が迫り、今年度は4回目で、これが最後の県民会議となります。通算では31回目となります。どうぞよろしくお願いします。
それでは、議題がいくつもありますので、さっそく進めたいと思います。
まず、議題1の市民事業専門委員会の検討状況について、増田委員長からお願いします。
(資料1により増田委員長から報告)
(田中座長)
ありがとうございました。資料1で、市民事業の採択状況について御紹介ありました。内容についての御質問がございましたら、どうぞお願いしたいと思います。
(服部委員)
私は、市民事業を見させていただきまして、市民事業活動の傾向について御報告させていただきます。
一つは、これらの団体の会員以外の方を集めて一緒に活動していることが、少し広がってきたのかなと思いました。ただ、それが、その団体の会員になって活動するというところにまで、なかなか結びついていないということが1点です。
もう一つは、今まではどちらかというと、会員さん自らが森事業などに携わっている事業が多かったのですが、今回の特徴としては、企画をして場所を提供し、そこに市民の皆さんを呼んで参加者たちが活動していく、そういった活動が見られるようになりました。今後、どのような事業展開・活動をしていくのか見守っていきたいと思っています。
それから、課題としては、やはり補助金がなくなるとこの団体はどうなるのかという心配なところが幾つかあります。ただ、財源をどうやって生み出していくのかという課題は、ハードルが高く自ら稼ぎ出すのはなかなか難しいような状況にあります。
それから、やはり会員の固定化、高齢化が進んでいることについても、今後、事業を継続する上での課題として残っているのだと思いました。以上でございます。
(田中座長)
ありがとうございました。独自財源や会員の高齢化、固定化が課題であるとの御指摘のコメントをいただきました。ほかにいかがでしょうか。倉橋委員どうぞ。
(倉橋委員)
何団体か初期のころからずっと継続している団体がありますが、たしか継続年数は決まっていませんでしたか。3年だったかと。ここで見ますと、日本の竹ファンクラブとか四十八瀬とかだいぶ前から補助金を受けているのではないかと思います。確か規定では、3年連続だったという気がしたものですから、変わったのかと思いました。
(増田委員長)
事務局から説明していただきますが、定着支援と高度化支援という制度に分かれましたので、その辺の説明をお願いします。
(事務局)
現行の市民事業支援制度につきましては、平成24年度からステップアップ方式としまして、高度化支援区分と定着支援区分の2つの区分に分かれております。これらの最長期間は、24年度以降の申請から、定着支援区分では最長3年間、高度化支援区分では最長5年間となっております。
(倉橋委員)
例えば8年ぐらい継続しているのは、3年と5年ということですか。
(増田委員長)
制度が変わっていますので、その前の期間を含めるとそうなります。
(倉橋委員)
わかりました。
(田中座長)
継続のことについてご質問がありました。ほかにいかがでしょうか。
それでは、どうもありがとうございました。市民事業専門委員会の皆様、本当に1年間お疲れさまでございました。補助金の審査ですか、また新たに新規団体の募集に向けて工夫していく予定でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
(田中座長)
それでは、議題2にまいりまして、県民意見の集約・県民への情報提供について、それぞれ各チームの皆さんに御報告をいただきます。
それでは、最初は事業モニターチームについて、北村委員お願いします。
(資料2により、北村委員より説明)
(事業モニター報告書については、報告責任者が説明)
(田中座長)
ありがとうございました。それでは先に進めまして、御意見等は後ほど一括していただきたいと思います。
続いて、県民フォーラムチームについて森本委員からお願います。
(資料3により、森本委員より説明)
(田中座長)
ありがとうございました。続いてコミュニケーションチームについて坂井委員からお願いします。
(資料4により、坂井委員より説明)
(田中座長)
ありがとうございました。事業モニターそれから県民フォーラム、コミュニケーションチーム、3つのチームの活動状況について、各チームリーダーの皆さんから御紹介いただきました。それでは3チーム全体の状況について御意見等があればご発言いただきたいと思います。それでは坂井委員どうぞ。
(坂井委員)
まず、明後日のフォーラムでございますが、皆さんに御協力をいただいて、施策の先生方と一緒にフォーラムの検討ができたこと、今まで施策の委員と私たちが直接お話をする機会があまりありませんでしたので、非常に重要な機会ととらえております。
その中で、今まで伝わりにくかったことがたくさんありましたので、多少伝わり始めたかと。この流れは重要で、施策調査委員の先生と公募委員の対話の場面を増やすことが必要だと思っております。
それからもう一つは、今日ここにチラシが入っているかわかりませんが、フォーラムのパネリストに、もう少し若くて、現場でこれから自分たちがここでやっていくためにはこういうことが必要だという意見をいただける方を入れられなかったことが残念です。
(田中座長)
ほかにいかがでしょうか。それでは服部委員どうぞ。
(服部委員)
事業モニターチームの中で、高標高域の人工林、これは県有林の管理のことかと思いますが、昔はやはり県有林というのは私有林の見本といいますか、あれぐらいの山にしたらいいなということで、営林してきたと理解していますけれども、今はそれが逆転していると思います。やはり高標高域の人工林というのが荒れてきている、手が入ってきていないという実感があるわけですが、これは税を創設するときのことで、やはり公的な機関が所有する森林については、県なり市町村が責任を持ってそれぞれ役割分担の中で行っていくべきだということで、この税の対象から外れたと私は理解をしております。それがやはりそれぞれの地方自治体の予算・財源というのがかなり厳しくなってきて、自らそこに予算をつけるということが非常に難しくなったのだと思います。
もう一つ言えるのは、そういう自らの財源がなければ、国の補助金がありますので、それを活用することになるのですが、平成23、24年頃からだと思いますが、森林整備への国の補助金は、材を出さなければ補助の対象にしない、と大きくかじを切ってきた経緯があります。そうなると、やはり高標高域の人工林では材が出せませんので、そういう経緯で財源が非常に厳しくなってきたのかなと考えております。特に、水源にとって一番核になる源流部である高標高域の森林は、きちんと整備していかなければ、その周辺をいくら整備したとしても、やはり核になるところをしっかりと押さえなければいけないと思っています。そういう意味でも、次期の対策の中で、ぜひ議論していければと思います。以上です。
(田中座長)
ありがとうございました。それでは西委員どうぞ。
(西委員)
市民事業で、募集の期間を少し早めたというのはとてもよいと思いました。私はほかのところで一般の市民の方が森林ボランティアをしてみたいのですがということをよく聞きまして、そういう一般市民の方たちへの広がりがすごく大切だと思いますので、先ほど増田委員長から、少し早めたところ2つの一般の方たちが支援を受けられるようになったというようなお話がありましたので、そういうふうにして広げていただくのはとてもいいことだと感じました。以上です。
(田中座長)
ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。どうぞ、中門委員。
(中門委員)
事業モニターに第1回から第4回まで行きまして、第4回のときに浅枝先生に同行していただき、モニタリングの中でいろいろと公募委員がわからないところを親切丁寧に説明していただき非常にわかりやすく、その内容があの川に活かされているのだなと大変理解できました。
それから、6月10日の今まで行ったところの森林見学においても、鈴木先生に一緒に同行していただき、第1回のときに丹沢の山に非常に熟知した中村委員も同行していただき、一緒に歩きながらその状況を説明していただいて、市民感覚で見た課題もその場ですぐに説明していただきました。そういう面では、今後事業モニターを行うときには、モニタリングするところの内容に沿った専門家、先生方に同行していただけると、もっと充実した内容になるのではないかと思いましたので、ぜひ今後のモニタリングで検討していただければと思います。
(田中座長)
ありがとうございました。では北村委員どうぞ。
(北村委員)
服部委員からもお話がありましたが、第1回事業モニターで天王寺尾根の高標高域の人工林を見て、あそこはたしか大正10年に植林した人工林がまだ残っているとのことで、その材を有効活用できるのかどうか、そろそろ結論を出さないといけない時期に来ているのではないかと思います。ちょうど半分の、節目の時期ですし、専門の先生の意見なども聞いて、高標高域の人工林の対策をどうすればいいかということを、早急に県の中でも判断する時期に来ているのではないかと思っています。
(田中座長)
ありがとうございました。それでは伊集委員どうぞ。
(伊集委員)
資料4で御説明いただいたホームページに関して、コミュニケーションチームの方々から非常にわかりやすい改訂版を御提案いただきありがとうございます。あさっての県民フォーラムの準備の際などにも話題になりましたが、一般の方々に水源環境保全・再生施策の全体像と水源環境保全税を活用して行っている特別対策事業の関係が、ちょっとわかりにくい部分ありますので、それを明確になるように説明したほうがいいと思います。
このホームページの記述でもそれが明確になるように整理されているとよいかなと思います。これはまだ案という状態だと思うのですが、冒頭に「神奈川県では」という記述で始まっている文章だと、この事業が水源環境保全税だけを財源にして行っているという印象がある。その一方で、施策大綱が説明の中で入っているので、そうすると、ちょっと全体像が見えにくくなってしまうという懸念がありますので、そういうところを整理してわかりやすくするといいのではないかと思います。
(田中座長)
よろしいですか。佐藤委員どうぞ。
(佐藤委員)
市民事業のカテゴリー分けですが、定着支援部門と高度化支援部門に分けられて各事業が記入されていますが、先ほどの御紹介の中で、市民参加型の活動が増えてきているということもあり、それから対象事業でも、普及・教育という項目があります。ですから、この水源税を使うことについての県民の理解を深めるという意味もありますので、定着支援と高度化支援ということのほかに普及という区分を独立させて普及・教育という事業をハイライトしてはいかがかと私は思いました。
(田中座長)
本当に多面的な御意見をありがとうございました。いくつか私も気がついたことがあり、また事務局と整理したいというところもありますが、今週の日曜日に予定されております県民フォーラム、これが大変熱のこもった準備をしていただき、また参加者も思いのほか多くの方に申し込んでいただいているようでございます。ぜひ実りあるものにしていきたいですし、それから坂井委員がおっしゃられたように、ぜひ若い人たちの意見も聞きたいと思います。当日は会場からも何かそういうご意見があればよいなと思います。
それから、県有林への支援のあり方ですが、これは水源環境保全税の成り立ちから、そこは項目に入ってこなかったけれども、もう少し弾力的にというのが事業モニターチームからの御提言の中にもありました。これは次期計画の見直しの中の課題として検討してはどうかと思います。
それから、市民事業のあり方については、増田委員長と調整ということになるかと思いますが、名称のあり方、区分のあり方、場合によっては募集時期の前倒しのあり方。いつかプラスの面もありますし、それからもうちょっと工夫してほしいという要望もあったと思いますので、これは引き続き整理をして検討していきたいと思います。ただし、区分を変えるというのは重要なことになりちょっと準備期間が必要となりますので、直ちにというわけにはいきませんが時間をいただきたいと思います。
それから、専門家の件では、特に水の専門家と森の専門家の両先生がいらっしゃいますが、こうした専門家と事業モニターで現地を歩いてみるとか、あるいはフォーラム、意見交換の場のあり方、県民意見とのシェアのあり方について一緒にディスカッションをする、こういう機会が非常によかったという御意見を委員からいただきましたので、これはぜひ両先生にもまた御協力いただいて、そういう場を持たせていただきたいと思います。場合によっては、これは案ですので調整しなければいけませんが、事業モニターのときに、専門の方に同行していただくとか、県民会議メンバーの専門家はもちろん同行していただくとありがたいわけですが、なかなかそうではないときに、例えば外部の専門家に同行していただくだとか、そういうこともちょっと考えてみたらよいのかなと思います。検証する事業の目的に沿って、そういう仕組みも考えてみたらよろしいのかと思います。多少はそういう交通費等を払える仕組みがあるかと思いますので、工夫してみたらどうかと思いました。
あとホームページですが、ぜひこの改訂は御検討いただきたいと思います。
私からは聞かせていただいてそのような点を整理しましたが、事務局から何か申し上げたいことはありますか。委員からも何か追加で御発言したいことはありますか。
それでは、先へ進めさせていただいて、全体のところで、また御意見を伺いたいと思います。
(田中座長)
それでは次の議題になります。これはなかなか重い議題に入りますが、施策調査専門委員会の検討状況ということで、鈴木委員長からお願いします。
(資料5-1~資料5-3により、鈴木委員長より説明)
(田中座長)
ありがとうございました。ただいま資料5-1、資料5-2、厚い冊子の資料5-3、そして概要版を御紹介いただきました。ここまで大変手順をかけて段階を追って、県民会議メンバーの意見を取り入れておりますので、おおよそ皆さんの御意見が反映されているものと思います。もし追加で何か御質問等ございましたらお願いします。よろしいようでしたら、ひとまずこれはこれとして御承認いただき、本案をもって県民会議の点検結果報告書及びその概要版ということで確定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
〔承認〕
(田中座長)
ありがとうございました。ではひとまずこれをもって点検結果報告書としたいと思います。
(つづいて、資料5-4により、鈴木委員長より説明)
(田中座長)
ありがとうございます。今、資料5-4の御説明をいただいたのですが、これはまだ進行中ということになります。特に後段のほうは、これからさらに肉づけを図り、充実化を図り、あるいは皆さんの意見を聞いて盛り込む、そういう経過資料でございますが、いずれにしてもこの資料も7月に予定している全体としての県民フォーラムで、ぜひこういう形のものを出したいということで1年間かけて準備してきたものになります。
さて、この内容についていかがでしょうか。御質問・コメント、あるいは御意見・御提案、何でも構いませんのでよろしくお願いします。
(鈴木委員長より、参考資料2について補足説明)
(田中座長)
今、参考資料2について、補足の説明をいただきました。こちらも含めてコメントなり御意見をいただきたいと思います。中門委員どうぞ。
(中門委員)
直接的な意見になるかわかりませんが、年度の最後ですので1年間で感じたことを含めて御質問します。
水源環境保全税として取り組んでいる12施策については言うことはないのですが、神奈川県の水源を見たとき、酒匂川水系は上流にダムがあって森林があり、ダム湖に対する取組という施策はいろいろ見ていけるのですが、その後、酒匂川は長い区間を水が流れ飯泉の取水堰で取水されて、それが飲料水として市民のもとへ行く。
それから、相模川については、上流に宮ヶ瀬ダム・相模ダム・城山ダムがあり、そこの問題等については、この水源環境保全税の中でいろいろ論議されてよくなっているのはよくわかります。
しかし、相模川本川のダム湖から下流の相模大堰や寒川取水堰まで川を水が流れて、取水されるのですが、その本川に対する取組が見られない。12施策の中で河川対策や地下水対策があるのですが、本川に対する対策が何らかの形であってもいいのではないかというのが1つです。
それで、酒匂川水系については、土砂管理計画もきちんと策定されて動いているのですが、相模川水系については、淺枝先生が参加されている相模川川づくりのための土砂環境整備検討会というのがありますが、こちらはまだ土砂管理計画が完全に策定され実行されていませんので、この県民会議の中で議論することではないと思いますが、水源環境として見たとき、この本川に対する取組が何かあってもいいのではないかと思います。難しい質問かもしれませんが、何か答えられることがありましたらよろしくお願いします。
(田中座長)
ありがとうございます。林委員どうぞお願いします。
(林委員)
今、先生がお示しいただいたこの中間評価報告書の案についてお聞きしたいのですが、座長が「総合評価ワークショップの開催までには」とおっしゃいましたね。そうすると、残った期日として3月の残りと4、5、6月の期間ですが、この27年度の年間スケジュールを見ますと、我々がこうして一同に集まる県民会議というのが5月に予定されますが、ちょっとそれまでにまとまるという気がしないのですが、いつの時点で我々が承認する必要があるのかどうかというのはあるのでしょうけれども、そのスケジュールを教えていただきたいのでよろしくお願いします。
(田中座長)
ありがとうございます。スケジュールの確認については後ほどといたします。それから、本川の扱いについて中門委員からいただきました。ほかにいかがでしょうか。どうぞ、坂井委員。
(坂井委員)
まず、今までの資料から比べるとわかりやすくなって、本当によくなったと思いますが、何かを行ってその結果どうなったという表現に偏っていて、目標が今のやり方でいいのか、ほかのやり方はないのかという検証部分が弱いと思います。それから、歴史のことを書いてすごくわかりやすくなったと思うのですが、例えば渇水の記録の最新が昭和42年ですが、もう少し古い時代からのデータと流れを書き、客観的な資料で歴史を説明してほしいと思います。
それから川の問題です。水質とダム湖の話に偏っています。先ほどの本川の話と関わるのですが、例えば丹沢湖は水質の問題ではなくて土砂の問題、火山灰の問題のほうが大きいとか、あるいは宮ヶ瀬の山肌からの土砂の流入が多く、鈴木先生が前におっしゃっていましたように日本で2番目のスピードで埋まっているということも、神奈川県民として知っておくべき情報であり、そういう資料になってほしいと思います。よろしくお願いします。
(田中座長)
具体的な提案をありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。倉橋委員。
(倉橋委員)
資料5-4の前半の、いろいろな現状や課題や写真などが出ていますが、先ほど中門さんのおっしゃったように相模川流域の現状というようなときに、ここで議論できる問題なのか、こういう現状を示して水源環境を考えるということが、ちょっと私もよく理解できないのですが。今までずっと水質や森林の水源かん養ということに着目してきた中で、この折り返し地点でこういう川の問題がありますと出すということは、これについても検討していきますという意味なのか、その辺をちょっと伺いたいのですが。
(田中座長)
この県民会議で扱っている範囲、あるいは水源環境保全施策の射程範囲といいますか、そことの関係になるのでしょうか。ほかにいかがでしょうか。では北村委員どうぞ。
(北村委員)
細かいことで本当に申しわけないのですが、資料5-4のIII(ローマ数字の3)-5ページに「施策大綱事業の実績について」の表の見出しに、小さい字で「小柱」と書いてあるのですが、これは余り使っていなかった単語ではないかと思います。項目とか内容のほうがわかりやすいと思います。
(田中座長)
使うことはよくあります。大柱、中柱、小柱と、大中小で分けるのですが、ちょっとなじみがなければ別の言い方もあるかもしれません。ほかにいかがでしょうか。
ここまでで、委員の皆さんから相当御意見が出てきましたので、委員長からよろしいですか。
(鈴木委員)
まず、倉橋委員からのお尋ねで、このような大風呂敷を広げて対象が広がったのか、そのような御意見かもしれません。それから、相模川全体、本川をどうするのかという話です。川の話は淺枝先生がご専門ですが、本川をどうするのかという話で私がお答えするとすれば、相手にしているのが自然環境なものですから、どこまでという線がなかなか引けないという本質があります。ただ、県の行政の立場からすれば、これは特別税ですから、できるだけ特別税の中で線を引きたいということはあると思います。その間にいるのが我々県民会議だと思っておりまして、県としては県としてある程度の限界というのがあると思うのですが、県民会議は県の枠とはちょっと一歩離れておりますので、必要があれば自然環境全般どこまでも、我々はこういう心配がある、こういうことを行ってほしいということを言っていいのではないかという意味で、県が出す文書と県民会議の名前で出す文書がちょっと違うものかなというのが基本的な認識です。
そうはいいながら、どこまで広げていいのかということは、やはり十分考えなければいけませんが、水を考えるとき、少なくてもダム湖の話は入るだろう。それから、御指摘があったように、一級河川の本川の話も当然入ってしかるべきだろうとは思います。そのところをどういうウェイトで盛り込んでいくかというのは、これこそ皆さんの御意見に従って決めていくことだと思います。一方、国でも一級河川は県にきちんと意見を聞いてやっていきましょうという枠組みがありますので、我々がここで何か言ったものが言いっ放しになることは必ずしもないのかと思います。私からは以上です。淺枝先生、よろしくお願いします。
(淺枝委員)
私は中門委員がおっしゃったことでかなり絡んでいる部分がありますので申し上げます。まず、本川については、寒川堰下流は国の管理なのですが、堰より上流は県、神奈川県上流の桂川は山梨県の管轄です。酒匂川はすべて神奈川県の管理です。県の一般会計で行われているいろいろな対策があります。この水源環境保全税で加わった対策というのは、今まで不足だった部分があるわけで、それは水質という観点に立っているというものです。
例えば、まず河川中流域のいわゆる小河川、支流のところでさまざまな対策を行っていますが、これは基本的には本川に入ってくるわけです。本川に入ってくる以前のところで、基本的には生活排水が主になりますが、その対策というのは必ずしもも十分ではない。だから、小河川・支流に対してこの水源環境保全税が使われているということです。
もう一つ大きな部分は、上流の山梨県の桂川清流センターでのパック処理で、これはリンの除去です。なぜ相模湖・津久井湖にアオコが出るかというと、2つ大きな原因があります。1つは、富士山の湧水はもともとリン濃度が高い。もう一つはその下流、特に富士吉田市とかそのあたりからの生活排水です。富士山からの湧水に対しては、やりようがないのですが、生活排水については、その中からリンを除去して本川に流せば、本川の水質はよくなります。そういう意味があって、パック処理に水源環境保全税が使われているということです。
酒匂川の土砂対策は、もともと一般会計で行われています。ですので、基本的には土砂に関して言えば相模川も酒匂川もそれで行われているということです。それから外れた、特に支川の水質対策は、この水源環境保全税で行われているというわけです。ですから、資料5-4のI(ローマ数字の1)-8ページ左下の河川中流域の課題として盛り込んでいますが、これを見ていただくと、治水に重点を置いた河川管理や水循環の遮断、生物生息域への影響など基本的に本川に関わる部分が多いと考えていただければと思います。ここに関しては基本的にこれまでも行われてきまして、一般会計で行われているとお考えください。
左側の下水道未整備や、合併浄化槽への未転換、未処理の生活排水の流入が支川に入りますので、これに関して水源環境保全税が使われている。かなり大ざっぱですが、そういうようにとらえていただければいいのかなと思っています。
(田中座長)
あと歴史の問題がありましたが、これはわかりやすいと考える範囲でさかのぼればいいと思います。あまりさかのぼってもということで、ここではこの程度としているのだと思います。もし具体的にもうちょっとさかのぼったほうがいいということであれば、御意見いただければできるだけ反映していく方法を考えたいと思います。
ほかにいかがでしょうか。スケジュールの話は後ほど最後の議題とします。
(田中座長)
小柱の話ですが、多分これはIII(ローマ数字の3)-5ページから始まるところの表の一番左上に小さな柱と書いてあって、これが一体どういう意味で書いているのかということだと思います。これは多分、個別事業とか事業の位置づけのことです。水土保全の基盤整備、あるいはその下の広域的水源林の整備というこの事業のリストというのは、施策大綱にある柱だと思います。そして施策大綱の区分に、大柱、中柱そして小柱という3段階があり、その小柱の中にさらに一般造林、治山、林道整備、砂防、こういう4つの事業が入っている行政用語と言えばいいかもしれませんがそういうことです。よろしいでしょうか。
実は、中門委員や倉橋委員から御質問いただいた、どこまでこの場でふれるのかということですが、これはなかなか難しい話です。
今、淺枝先生からも御説明がありましたように、もともとこの水源環境保全税というのは、ほかの事業と重複しないところに注目して、ほかの事業では手が回らないところをやって全体として効果を上げましょう、こういう意図で配置されているものですから、そこだけを取り上げるというのは、いうならば、本体のところがある意味やや軽視される感覚になってしまいます。しかし、そこはできるだけカバーしようということで、全体像を示しながら、かつ、水源環境保全税で行っている12の特別対策事業がある。こういう位置づけであることをできるだけわかりやすく説明したいという意図で、この資料5-4をつくっております。全体事業といわゆる水源事業、そのバランスをうまくとりながらつくっていますので、したがって、本川事業ではどうなっているのかということであれば、それはそれなりに事業をしておりますが、そういう構造であるということを御理解いただきたいと思います。また、その点は一般県民の方になかなかわかりにくいので、説明するときには、やはり注意して説明しないといけないかなと思います。どうも上流部だけやっていて、中流部・下流部はやっていないのかと、こういう話になりがちですので。
(鈴木委員長)
だから、そのためにこのI(ローマ数字の1)-8ページ・I(ローマ数字の1)-9ページというような、それから既存事業というのを含めた上から下までを書くということを試みたわけです。ただ、これもまだ必ずしも完璧なものではありませんので、また皆さんの意見を聞きながらだんだんもっとよくしていくということでよいかと思います。
(田中座長)
よろしいですか。ではどうぞ。
(中門委員)
その辺は十分理解しているつもりですが、先ほど淺枝先生と鈴木先生がおっしゃられた、この8ページの河川中流域の課題の真ん中に、自然な水の流れや土砂の流れの阻害というのが水循環の遮断につながりますというのであれば、そこで土砂の流れの阻害が本川の大きな課題ですので、この辺は何らかの形で議論にあってほしいです。
といいますのは、一般財源で県のほうで行われておられているというのは確かに頷けるのですが、県民会議としても、もう少し提案することができるようなことがあってもいいのではないかと感じました。
例えば、今、土砂管理検討会など、いろいろなところで検討されておりますが、なかなか進んでいかないというのが実態だと思います。そういうところはやはり、現状こういう課題があって、きちんとやっていかないとうまく回りませんので、そのための財源がもし足りないのであれば、こういう財源を投入することもできますよという、そういう検討をしてもいいのではないかという感じがして提案しました。
(田中座長)
趣旨はわかりました。それは先ほども委員長のほうからお話がありましたように、県民会議というのは比較的、立場はより自由といいますか、高所のところから物申すことは可能ですので、仮に特別対策事業ではないけれども意見を出していくことができるのかと思います。ぜひそれは今後の意見の取りまとめの際に取り入れさせていただきたいと思います。
ひとまず、この資料5-4と参考資料2のカラー刷りのものについて、特に資料5-4については引き続き検討してまいりますので、今日の御意見を踏まえて、施策調査専門委員会で御検討をお願いしたいと思います。では委員長、よろしくお願いいたします。
(田中座長)
それでは、最後の議題の今後のスケジュールでございます。これは県民会議全体にわたる課題でもございますので、最初に事務局から資料説明いただいた後、私のほうから補足をさせていただきたいと思います。それでは事務局からお願いします。
(資料5-5~資料5-8により、事務局より説明)
(田中座長)
資料5-8のことで、少し私から補足させていただきますと、かながわ県民会議がこの次期5か年計画に向けてまとめるのは、1つはここに書いてある意見書です。それから、先ほど御披露いただいた中間評価報告書というのもあります。まさに御議論いただいた資料5-4のことです。この資料には抜けておりますが、中間評価報告書というものもかながわ県民会議の場で行います。この2つを県に提出し、県に意見を伝えるということになります。ですから、林委員からも御指摘があったように、あと数カ月でどこまでまとめられるのかというのは大変難題ではありますが、しかしスケジュール上、一定期間内にまとめなければなりませんので、ぜひ皆さんに御協力いただきたいというのが私からのお願いでございます。
そういう点で、資料5-7のスケジュール表をごらんいただきたいと思います。定例でございますと、次の県民会議は5月に予定されております。県民会議(1)と書いたところです。これが終わりますと、次の県民会議が8月になりますので、期間があいてしまいます。そこで、私のほうから前回の4者協議会で意見交換した中で、この期間に、県民会議のいうならば評価書及び意見書についての集中的な意見交換の場を持とうということで、懇談会というのをセットさせていただきました。ですから5月・6月にこの懇談会をさせていただいて、総合評価ワークショップに結びつけるということで、そういう流れでございます。その同時並行で、施策調査専門委員会では、さらにより具体的に、専門的な見地からの総合評価あるいは中間評価をまとめていただきますので、この委員会が1回目が5月に、そして2回目が7月に予定されておりますので、こちらのほうでも審議の場がセットされるわけです。同時並行で行っているということになります。
中間評価は、この全体より専門的な見地にわたる課題でございますので、施策調査専門委員会ではこの中間評価について、とりわけ集中的に御議論をお願いしたいと考えております。これは以前も行ったことがありますが、施策調査専門委員会のあり方を場合によっては拡大する。施策調査専門委員会の先生方には、これは必須のこととしてぜひ入っていただきたいですし、この課題について関心を持っている委員の皆さんにも、場合によってはその会議だけ臨時で入っていただく。そういう拡大委員会のような形でぜひ広く皆さんの意見を聞きたいと思っております。
それからもう一つは、先ほど言いました県民会議総体としては懇談会ということで、特にこの課題について意見をお聞きしたい。このようなスケジュールを考えています。いかがでしょうか。どうぞ、坂井委員。
(坂井委員)
コミュニケーションチームも、最初の県民会議で、これまでどういう意見があったかということは整理してお出ししたいと思っておりますので、4月から活動できるようにしていただきたいと思います。その中で私たちがどういう意見をいただいたかということも含めて5月の段階で話の俎上に上げないと、平成24年度からいえば3年間県民の皆さんにご意見をお願いして、アンケートを書いていただいていながら、それを報告書に載せただけです。それを整理し、議論する場は絶対に必要ですので、4月・5月・6月でコミュニケーションチームを活動できるようにお願いします。
(田中座長)
ありがとうございます。
それでは、コミュニケーションチームの活動を少し前倒しして始めさせていただきます。それと、フォーラムチームのほうも7月のワークショップに向けての準備もありますので、場合によってはこれも4月早々くらいから準備会を始めていただく必要があろうかと思います。これもひとつよろしくお願います。
それからもう一つ私からは、先ほどの、意見項目(案)という資料5-5、という意見書のたたき台といいますか骨子が出てきておりまして、これは前回の1期から2期に至るときの意見書の項目構成の仕方を例に取り急ぎまとめたものでございます。恐らく意見書はこういう形でいいのか、もう少し全体の構成を考えたほうがいいのかというのは、さらに詰めていきたいと思います。ひとまず例としてこういうものを出させていただきました。
それからもう一つ、次の意見書というのは、1期・2期の、つまり10年間のこの水源環境保全施策の折り返し地点で、さらに次の10年に向けての意見書になりまして、そういう点では大変重要な意見書になろうかと思います。ですので、ぜひ丁寧に皆さんの御意見を期待したいところではあります。そして県民の意見も聞きたいということでフォーラムをさせていただくことかと思います。
ただ、基本的なベースはどうすればいいのかというのはちょっと悩んでいるわけですが、これは県のほうにも少し調整をして、ひとまず私個人の考えとしては、施策大綱という20年間の枠組みがございますので、そこを一応ベースとしながら、必要なものについては多少の調整はしていく、そういうスタンスでいきたいと思います。余り大きな逸脱をするということになりますと、これは施策大綱を相当程度見直すということになろうかと思いますが、そのあたりの見直しの加減は、ベースは施策大綱に置きながら、必要なものについて見直しをしていく、あるいは取り込んでいくというような形を行いたいと思います。そういう点では、先ほども御議論が出ました中流域の課題であるとか、あるいは県有林に対する水源環境保全税の投入の是非、このようなことも今までなかった考え方について、必要があれば整理をしていきたいと思います。
私からは以上にさせていただきたいと思いますが、最後に、来年度の予算ですか。これを簡単に御説明いただいて、きょうの議題についてはこれで閉じたいと思います。よろしくお願いいたします。
(資料6により、事務局より説明)
(田中座長)
ありがとうございました。次年度の予算について何かご質問はございますか。
来年度も合計49億円の予算を見込んでいるということでございまして、これは少し税収が伸びてきたということなのでしょうか。
(事務局)
どちらかといいますと、事業費が今年度で膨らんでくる予定であったものがございまして、それで特に27年度は49億円となったところであります。以上です。
(田中座長)
わかりました。それでは本日予定していた議題は以上でございます。
(会議終了)
資料1 平成27年度水源環境保全・再生市民事業支援補助金申請及び採択状況
資料2 平成26年度事業モニター実施状況(水源環境保全・再生かながわ県民会議第1回~第3回事業モニター報告書)
資料3 第24回水源環境保全・再生かながわ県民フォーラム施策調査専門委員会・県民フォーラムチーム合同検討会(第1回~第3回)結果概要
資料4 平成26年度コミュニケーションチーム第2回検討会結果概要
資料5-2 点検結果報告書(第2期・平成25年度実績版)(案)に関する意見について
資料5-3 かながわ水源環境保全・再生の取組の現状と課題-水源環境保全税による特別対策事業の点検結果報告書-(第2期・平成25年度実績版)(案)(その1)
資料5-3 かながわ水源環境保全・再生の取組の現状と課題-水源環境保全税による特別対策事業の点検結果報告書-(第2期・平成25年度実績版)(案)(その2)
資料5-4 かながわ水源環境保全・再生施策これまでの歩みとこれから総合的な評価(中間評価)報告書(案)(その1)
資料5-4 かながわ水源環境保全・再生施策これまでの歩みとこれから総合的な評価(中間評価)報告書(案)(その2)
資料5-4 かながわ水源環境保全・再生施策これまでの歩みとこれから総合的な評価(中間評価)報告書(案)(その3)
資料5-4 かながわ水源環境保全・再生施策これまでの歩みとこれから総合的な評価(中間評価)報告書(案)(その4)
資料5-4 かながわ水源環境保全・再生施策これまでの歩みとこれから総合的な評価(中間評価)報告書(案)(その5)
資料5-4 かながわ水源環境保全・再生施策これまでの歩みとこれから総合的な評価(中間評価)報告書(案)(その6)
資料5-5 次期「かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」に関する意見項目(案)
資料5-6 第2期5か年計画期間における県民会議意見、委員意見について
資料5-7 水源環境保全・再生かながわ県民会議平成27年度活動予定(案)
資料5-8 次期「かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」に関する意見集約の流れについて
資料6 水源環境保全・再生への取組み(水源環境保全・再生事業会計)
このページの所管所属は環境農政局 緑政部水源環境保全課です。