ホーム > くらし・安全・環境 > 生活と自然環境の保全と改善 > 開発規制・生活環境の保全 > かながわの水源環境の保全・再生をめざして > 施策調査専門委員会の概要 > 第37回施策調査専門委員会審議結果
更新日:2020年10月2日
ここから本文です。
次の審議会等を下記のとおり開催した。
水源環境保全・再生かながわ県民会議 第37回施策調査専門委員会
平成28年7月20日(水曜日)10時00分から12時15分
産業貿易センター3階 302号室
鈴木 雅一【委員長】
淺枝 隆、太田 隆之、中村 道也
オブザーバー委員 坂井 マスミ、篠本 幸彦
未定
水源環境保全課調整グループ、担当者名 角田
電話番号 045-210-4352
(事務局)
ただ今より第37回施策調査専門委員会を開催させていただきます。
本日の委員会には、田中委員、吉村委員はご欠席で4名の委員にご出席いただいています。
なお、田中座長におかれましては、海外研修に行かれているということで、しばらくの間、当委員会や県民会議にはご出席できないとのことでした。
ご不在の間は、淺枝副座長に代行をお願いしてあると伺っておりますので、淺枝副座長よろしくお願いします。
(淺枝委員)
はい、田中座長がご不在の間は、副座長ということで、私が座長代行をさせていただきます。皆さんよろしくお願いします。
(鈴木委員長)
本日は、議題が2つございまして、議題の1が「特別対策事業の平成27年度実績及び平成28年度計画について」ということであります。
これは、机上配布されている26年度実績版の点検結果報告書の27年度版をつくるということに関するものです。
議題2は森林モニタリング、河川モニタリングの平成27年度調査結果、平成28年度調査計画ということになっております。
議題1について、後ほど事務局からご説明あるかもしれませんが、私のほうから説明すると、資料1-1をご覧いただきますと、毎年やっている流れですが点検結果報告書を県民会議として作っていくわけですね。
流れの1番上にあるのが7月20日、本日というわけです。どういう点検結果をつくっていくのかという頭出しの議論をするのが本日。 それで、11月上旬の施策調査専門委員会でもう少し中身が出てきて点検結果報告書(案)、同概要版を検討し、それから県民会議に諮って委員に意見照会する、そして、最終的に3月下旬にまとめていくと。それを本日からスタートしようというわけです。
それでは、事務局より説明をお願いします。
<資料1-1、1-2により角田副主幹から説明>
<参考資料2により梶ヶ谷主査から説明>
(鈴木委員長)
事務局の方からご説明いただきましたが、議題1の中身について、若干私の方から補足をさせていただきます。
まず最初に申しましたように、点検結果報告書の原案はこの施策調査専門委員会で作成し、県民会議にお諮りして27年度版を作っていくということになります。
点検結果報告書26年度版の0-4ページをご覧いただくと、事業毎の評価の流れ図というのがあります。
この評価の流れ図で、まず事業を表の一番左側のような森林の保全・再生や河川の保全・再生といった区分に分け、これに12の事業が位置づけられています。その次の縦の行で、各事業の量的指標というのがありますが、これは森林の整備でしたら、どれだけの面積を間伐したですとか、どれだけの植生保護柵を作ったとかという数量に関わるもので、同時に予算をどれだけ執行したというのがこの量的指標アウトプットになります。
さらに、事業を行った結果、山がどれだけ良くなったか、つまり下層植生がちゃんと生えたかを点検するという、一次的アウトカムの部分があって、最終的なアウトカムとしては、目的とする自然が持つ水循環機能の保全・再生が本当に果されたかということを評価することとなっております。
つまり、予算の執行がきちんと出来て事業量が進捗したかということと、それが質的に当初の目的を果たしたのか、というのが点検の中身となります。
これに対応して、まず、先ほどの資料1-2でご説明いただいた一番初めの部分で、予算がそれぞれの事業でいくらありいくら執行されたかという事、そしてどれだけの数量の面積を確保したとかどの様な事業を行ったか。それが数量的な評価をするというところとなります。
そこで、4年間の累計という最初の見開きと、5年間の推計があります。
4年間の表は、平成27年度で第2期計画の4年が終わりましたので、その4年でどれだけ行ったかというもので、一番右側の進捗率A/Bは、機械的に考えれば5年の内の4年で80%となっていると予定通り進んでいるということとなります。
次の5年間の推計の表は、5年計画の5年が終わったところの推計をしているわけですから、右端の進捗率は、100%が並んでいるのが予定通りということになり、著しく小さかったり大きかったりしている場合は、何かの理由があるだろうという推測があります。
今までは、進捗した何年間の累計という形でしか表がありませんでしたが、今回は5年計画のうち4年が終わり、5年間の見込みも出せるということでその表もご準備いただいたようです。
ただ、例年の資料だと、4年累計のパターンで出ていましたので、最終的に4年累計だけを示すのか、5年推計と同時に示すのがいいのか、或いは5年推計だけがいいのかということが、我々がまとめていく時の一つの判断になります。
どちらが良いのかという事は、またご意見を伺うことになろうかと思います。
この最初の表はそういう意味で、表に出ている予算や事業の数量というものが、どの様になっているのかがその後の各事業の説明になります。事務局のご説明では1番事業についての水源の森づくりについて丁寧に説明いただいて、概ね後も同様ですという様な事でありました。
昨年度の点検結果報告書と見比べていただくと分かりますが、今回資料1-2で出ているところは、まだ予算規模と予算の執行状況、それから数量的にどれだけ進捗したかということの部分です。
その後に、モニタリング結果等の資料、さらにそれを県民会議としてどの様に評価するのかという部分が加わります。
県民会議は、点検の結果として事業の成果はあったのかということを総括する訳ですが、我々が勝手に作文すればいいという訳ではなく、事業モニター、県民フォーラム或いは、この会議の時に出た各委員のご意見等、根拠に基づいて意見を拾い上げて、点検結果報告書の事業の成果はあったのかということを書いていく訳です。
ですから、本日のご出席の方もそうですし、県民会議の委員の方もそうなのですが、まず事業の成果はあったのかということについて意見を反映したければ、何処かの場面で発言いただくか、何がしか意見を提示していただきたいと思います。
議論した結果、意見が採用されない場合や個人の意見として示される場合もあるでしょうが、意見を反映させていく過程はそのようになります。
資料1-2でご説明いただいた部分、10番事業までは資料が多く、11番事業のモニタリングの実施については質的な評価に関わる所のデータを取った資料となっています。
その後の12-1が、県民参加による保全・再生の仕組みで、事務局説明の後段でありました参考資料2の事業モニターや、フォーラム等の活動が含まれてくる部分です。この12番事業の報告は、毎年、かなりのボリュームがあります。
26年度版の12-1以降を見ていただくと、最初は実績数字の報告となりますが、その後に参考資料2でご紹介いただいた資料等を基礎として、意見が構成されていきます。
当初は、参考資料2の様な資料をそのまま報告書につけていましたが、年次が重なりボリュームが増え過ぎましたので、昨年度版からはオリジナルのご意見はウェブページで示して、この報告書の中ではそれをまとめたものを記録するという様に、なりました。
その辺りもそれで良かったのか、もっとオリジナルを載せたほうがよいのだがページ数が増えすぎて紙の無駄であるとか、オリジナルの意見はオリジナル意見でウェブページにリンクを貼り、誰でも見やすいようにするという事をもっと進めるなど、議論があるかと思います。その辺りも皆さんのご意見で変わっていくかと思います。
点検結果報告書というのは、最後のコンクルージョン、結論の部分が一番重要と考えています。資料が増え見にくくなると、本来の点検という意味を果さなくなる恐れもありますので、その辺りも考えながら、皆さんで方向性を決めて行きたいと思います。
事務局が説明した中に、私として補足すると、そのようなことになります。
全体の構成について、資料1-2の中身についてでも結構ですが、ご意見を各委員からいただければと思います。
資料1-1にあるように、意見は何回か拾うようになっていますが、次回の会議が11月となると本質的に何か変えたいという議論は、中々やりにくいのではないかいう気がしています。
このスケジュールは、従来からずっと続いているものですので、今ここで発言して変えられるというものではありませんが、もし、その辺りについてもご意見があれば、述べていただきたいと思います。
どこからでも結構ですので、委員の方のご意見をいただきたいと思います。
(中村委員)
27年度実績の1-3、1.実施状況(1)確保事業ですが、24年、25年、26年に比較すると、相当数字的に低くなっています。
1-6ページ、27年度実績とあわせて、28年度計画がこれだけ大きな数字を出していて、可能なのですか。
予算の絡みもあるかと思いますが、減少していても執行額というのは変わらないのですか。
(鈴木委員長)
例えば水源協定林は、段々数が減っていると。協力協約も減り合計も減っていますね。
それで、各執行額が増えている。
(中村委員)
減っているのに28年度の計画は、相当大きな数字を出しています。
(鈴木委員長)
28年度計画は1,200ヘクタールと言う部分ですね。
(中村委員)
計画の当初は、大きな所有者が対象で交渉しやすかったのでないでしょうか。前は実施面積が多くて、今は逆に少なくなっているのだと思います。
個人所有者が多くなってくると調整がだんだん厳しくなるので、それで落ちてきたのではないかと思います。
そういう状況で落ちてきたのであれば、この計画は非常に多すぎて、もちろん多くなればそれなりに予算を掛ける訳です。
(鈴木委員長)
はい。それと1-6ページで言いますと、確保事業と整備事業の面積当たりの執行額を見ると少し効率が落ちていて、今の様な事があると1件当りの面積が減ってきているとか、だんだん難しい場所や手間のかかる所に事業が移行してきてるということの結果かもしれません。その辺りも、数量だけではなくて、何かコメントが、必要かもしれませんね。
予算規模とか数量の進捗状況をチェックするとは言うけれども、そのチェックした結果、どの様なトレンドがあったとか、或いは、それを執行額で比べると、面積当たりの単価がどう変わっているとかと言うことを、具体的に一言書いて、その背景はこの様な事が考えられるという所までは県で作っていただき、それを委員の方で、さらにもっとこういう事もあるのではないかとか色々ご意見があれば伺って進めると。
(中村委員)
これだけ数字が下がってきているのに、あえて大きな計画、数字を出しそれに対して予算措置すると、確保事業の実績を抜いても、前年の実績からすると900ヘクタールを割り込む可能性があります。
当然、予算の執行額が、消化しきれない状況になることが最初から読めると思いますが、あえてこの数字を持って来た意味がわかりません。
(太田委員)
これは一般会計の分も含まれた額でしょうか。
(斎藤水源環境保全企画担当課長)
水源の森林づくり事業は一般会計も含めた額となっております。
確保のお話が出ましたので、その時点の話をさせていただくと、27年度実績は今年の6月、つい一月前にまとまり、少し下がったという数字がでています。
一方、28年度の計画は、予算ベースですので、昨年の12月、1月ぐらいには決定しておりまして、そこが27年度実績と見比べて28年度の計画額や、計画量が少し多いと感じる点だと思います。
また、金額が増えていると言う話がありますが、一つ大きな点としては、これまで確保を平成9年から積み重ねてきた結果、整備する森林が増えてきており、確保経費よりは整備経費のウェートが増えている為、総額としては伸びてきております。
確保面積についてはその様な時点の話もありますので、なるべく現行の形というか、計画的に行っていきたいと考えておりますが、中村委員のお話の様に所有者の同意、理解の元に進めている事業ですので、近年、なかなか進まないというのも確かでございます。
(鈴木委員長)
今のこの辺りの点について重ねてコメントがありますか。
ご説明を伺っていると、28年度計画、5か年計画の5年度目というのは今の5か年計画に従って行っているので、28年度はこの様な数字が置かれるという事は分かりますが、次の第3期の時にこの数量がそのままスライドして5年のプランが出されると、そこはしっかりとPDCAのリサイクルが回っているのかどうか、いささか気になります。
その様な視点で第3期の計画、そしてこの数字がそのままシフトしているとしたら、それはどの様に今まで行って来たことに加えて新たな手だてや知恵を、この数量で計画しましたという様なご説明をいただきたいと思います。
(淺枝委員)
そうですね。きついですね。
(中村委員)
整備にお金がかかるのは良くわかります。確保をした場合、当然整備をしなければなりませんから、鈴木委員長のおっしゃった様に次の5年につなげていくことも考えなければいけません。
例えば間伐材搬出をする際に、奨励金を出しています。年を追うごとに搬出量が増えて来る訳で、この5年以内には相当の量が増えます。そうすると、今の金額で補助金を継続して出していけるのか。
もし出して行くのであれば、何処かで圧縮しなければならない部分が出てくると思いますが、それは何処で圧縮していくのか。
以前から申し上げておりますが、確保する面積よりは整備する面積の方に重点を置いた予算措置が、私は必要ではないかという気がしています。
(斎藤水源環境保全企画担当課長)
第3期計画のお話しが出ましたので、お手元にお配りしている第3期5か年計画(案)の11ページをご覧いただきたいと思います。
中村委員より確保よりは、整備の方をというお話もございました。
実際の確保につきましては、11ページ計画数量の一番下の所で、第3期5か年計画では2,700ヘクタール。これを目標としております。
先ほどの資料1-2の6ページをご覧いただくと、左上の確保事業については、第2期の計画期間が5,540ヘクタールと設定しておりましたが、これは確保が難しくなったという事もありますが、現在の森林の所有形態であるとか、荒廃の状況が少しずつ変わってきているような状況もあり、それを踏まえて2,700ヘクタール、5か年間では約半分ぐらいの量に落としております。
今までの計画をそのまま引きずっているのではなく、5か年計画を取り組んできた結果、見直しするべき所は見直して、数値を変更させていただいております。
(鈴木委員長)
それは、次の新規5か年計画の12ページの後にある事業費に反映していますか。
(斎藤水源環境保全企画担当課長)
事業費にも反映しております。
(鈴木委員長)
色々な場所についてのご意見があるかと思いますので、他にご意見ございますか。
今日ご説明いただいた部分はどちらかと言えば、例年作っている点検結果報告書のうちの割とフォーマットが決まっている部分です。
今日まだ示していない部分の方が、色々毎年変わるような要素もあり、今の段階では少し委員として意見を言いにくい等あるかと思います。
少なくとも、ご意見いただきたいのは12番事業のところ、特に事業モニターの先ほどご説明いただいた様なところです。
事業モニターした時にモニターチームから色々なご議論を経て、報告書をいただいている訳です。今日ご紹介いただいた27年度に行った報告もここに反映されて来ます。
モニターをして、個々の委員が現場、或いは後ほど文書で出されたもの、それを1段階整理してまとめられた資料が参考資料2となります。
この参考資料2をまた点検結果報告書に入れるというプロセスがあります。
さらに点検結果報告書には、この事業モニター報告書や色々な意見があったことについて、今後の施策にどう反映させたかというコメントを県の方から報告をいただいて書き込まれます。
例えば昨年の26年度版14-4、「前年度の点検結果報告書実績版を踏まえた取組の状況について」ということで、左側の意見に対し県としてどの様な取組をしたか、対応したかということが、右側に書かれています。
事業をし、点検をして、さらにその翌年にはどの様に事業へ反映させたかという、点検のサイクルが回っている形になっております。
ですので、この辺りについて、この参考資料2というのを点検結果報告書の中でどの様に扱うかを決めていくと言う事になります。
この辺りについてもご意見ございますか。
特段ご意見がなければ、事務局としては従前通りという事でお考えになろうかと思います。何かご意見ございますか。
(中村委員)
県民会議のモニターもわかりますが、行政で行っているモニタリングがあります。どちらかといえばそちらに重点を置いた方向に持って行けたらよいのではないかと思います。
県民が現地に行き、事業内容を見て色々意見を出す事はもちろん大事なことですが、実際に事業を進めていく上で大切なことは、どれを行ったらどの様な効果が出てくるか、或いは出てくる期待みたいなものだと思いますので、それについては専門的な分野でのモニタリングの方が一般の人に対する説得力と言いますか、理解してもらう手立てとしては大切ではないかと思います。
(鈴木委員長)
今のご意見、反対側から言うと11番事業は、色々行っているが中身が難しすぎて、分かりやすく県民に伝わっていないのではないかと思います。
県民に伝える以前に委員にもう少し説明をして、県民にも当然フォーラム等の知ってもらう機会を増やせば、最終的なゴールとなる答えは直ぐに出ないことに挑戦している11番事業ではありますが、何をやってるのか、どんな進捗なのかということは、伝えられるのではないでしょうか。この報告書の中に決められたフォーマットにしたがって書くだけではなく、もう少しシステマティックに。
(中村委員)
簡単な例として、シカ管理を行って確かに効果や成果が出ていますが、植生の回復だけがいつも話題になります。
水源環境ですから、そこで結果を見るのは当然ですが、シカの数量の固体調整をすることによりシカの餌環境、栄養状態も良くなっています。
そうすると生物多様性から考えると、水源環境だけに留まらない非常に良い影響が出ていると現地ではわかる訳です。
県民会議の方にもう少し関心を持って欲しいと言うのは酷ですし、行政が提案する事でもありませんが、現状を把握しモニターをする時には、県が用意したところにモニターに行くだけではなく、もう少し積極的に情報を取り入れる姿勢も必要ではないかと思います。
自然環境保全センターの方々に個人的意見としても申し上げていますが、せっかく効果が出ている事をもう少し県民に知らせる努力が行政には必要ではないでしょうか。
(淺枝委員)
モニターの報告書は、意見が羅列されているだけで、読んでいてよくわかりません。
まず、一番中心となる科学的な基盤があり、それに対して行政がどの様にアプローチしているかという事があります。それを見ながら、モニターから色々な意見が出ています。そこがきちっと形で表現出来ていないために、一つ一つの意見を読んでいても、何と何がどう繋がっているかわからないのですね。
点検結果報告書に出すとしたら、そのまま意見を羅列するのではなく、いわゆる科学的な仕組みの上に行政がどの様な形でアプローチしているか、水源環境保全税だけでなく、一般財源からもアプローチしている部分もあるかと思いますので、そこから派生してきている現象に対し、モニターした方の意見がどの様に出されたかと言う繋がりが必要だと思います。
そうしますと、今おっしゃった点がクリアになってきて読む人も分かり、モニターされた方も背景がこういう風にあり、だからこの様な形になっているとわかりやすく色々スムーズに行くのではないかと思います。
「美味しい水を飲める環境を守る」を言う意見では、美味しい水はどの様な水かと考えれば、しみこんで出てきた水であり、その為には森が必要であると思います。
一つの意見の背後には色々な話があり、意見を羅列するだけだとその意見だけが前面に出てきてしまう訳です。
結果、非常にわかりづらいものになってしまうのだと思います。
(鈴木委員長)
改善する余地は色々とあり、どの様に行ったらよいかという問題があります。
(淺枝委員)
出ている意見がたくさんありますが、それから先に入っていくのではなく、先にこの基本となる流れがあり、それに対して行政がどの様に対応してきているかという図があると、この意見はここに関係して等、並びやすくなりますよね。それが必要ではないかと思います。
去年から話をしている時に、何でこの様なわかりづらい報告書になるのかと思っていたのですが、よく考えてみると、その点が抜けているからではないかと思いました。
(鈴木委員長)
私の意見ばかりで恐縮ですが、昨年の報告書0-11ページに淺枝委員がおっしゃった話がありますが、ここに森林の保全・再生の取組みによる事業効果の写真があります。左側に森林の整備で間伐をしている写真と右側にはシカの管理捕獲をしている写真です。
これは、ほとんどの都道府県では、左側の森林整備は森林課が行い、右側は野生鳥獣保護課が行います。違う行政主管課が行っており、間伐だけ行うと下草が生えシカのエサを増やし、シカが増えてしまいます。
同時に行わなければならない事を、神奈川県は行っていて、そういう意味では非常に先進的で高度な事を行っていると思いますが、0-11ページを読んだだけでは、それだけ高度な事を行っている事が伝わっていないのですね。
そういうところ、アピールするところはもっとアピールしていきたいですね。
つまり、12の事業で区切って、それを総合的に評価しよう、価値の発揮を期待しようという0-4ページにある右の方へ行く努力を実際にはすごくしているのに、0-11の表現だけでは素晴らしい感じがしないのですよね。
素晴らしく見せるように少し努力していただきたいと思いますね。
(中村委員)
28年度は次の5年につながり、その次の20年につながる様な施策に是非していただきたい。
(鈴木委員長)
少し時間が押していますので、色々ご意見があるかと思いますがそれは随時、事務局の方にお寄せいただければ、今後の議論の対象になります。
そういうものを議論の対象にして進めていきたいと思います。
(鈴木委員長)
では、議題2に移りたいと思います。事務局から順次、ご説明をお願いします。
<資料2-1により自然環境保全センター内山主任研究員から、資料2-2により森林再生課森技幹から、資料2-3により環境科学センター長谷部主任研究員から、資料2-4により水産技術センター内水面試験場勝呂主任研究員から説明>
(鈴木委員長)
ご報告いただいたのは、この特別対策事業の11番です。水源環境モニタリングという所に係る事業の昨年度の詳しい報告でした。
最初に私から、資料2-2、森林の下層植生の変化という所で、これは調査した結果が円グラフでありますが、このABCは、年度ごとに地図に落とすという事は出来ていますか。
(森林再生課)
はい。結果につきましては森林計画で作成しております森林計画図とGISで管理しており、その属性データとしてこのランク区分をつけておりますので、GIS上の地図で表示をすることは可能です。
(鈴木委員長)
質問の趣旨はこの様な事業、森林の整備が地域にかかわらず偏りなく進んでいるのか、又は地域的な偏りがあるのか、或いはその偏りは地形や別の流域とか別の属性によっているのかというような辺りの事情を含めて、どの様な事業進捗なのかという事を表現する時にGISの情報があるならば、そのような形にして県民フォーラムであるとか色々なシンポジウムの時に、成果をご報告いただけると良いと思いました。円グラフは円グラフでわかりやすいと思いますが。
また、同時に資料2-3、河川モニタリング調査の3ページ県民参加型の調査では、大変熱心に取り組んでいただいているというご報告をいただきました。この4の結果について、平成20年から繰り返し行っているとのことですので、同じ場所で行っていないかもしれませんが、地図で表現していただき、AとかBとかといった評価が場所的な偏りがあるのか、年次的にどの様になっているとか、それは5ページ以降にお示しいただいた平面的な調査と傾向が同じように見えるのか、或いは全然別物なのかといった評価をお願いできないかと思いました。如何でしょうか。
(環境科学センター)
平成27年度分だけで言えば、地図上どこの地点かという事は分かると思いますが、どこまで、今お話のあった平成20年から現在に至るまでの年次データを表現するか、どの様な形で出来るのか考えていきたいと思います。
(鈴木委員長)
はい。ありがとうございます。
私からは以上ですが、他の委員の方からこの辺りの調査について如何ですか。
(中村委員)
森林のモニタリングについて先程、自然環境保全センターから説明がありましたが、このモニタリングだけではなく、折角これだけ継続したモニタリングの結果が出ているのに、それをどう水源の事業にどう反映するかというところが、あまり見えて来ないのですね。
モニタリングの内容によっては、始まったばかりのものもありますが、将来こういう事に繋がって行くのではないかという表現があっても良いと思います。
それから、先程の話に戻りますが、県民会議の事業モニターでもこういった行政でモニタリングしているところを、重点的に現状把握することで、評価や次に期待する調査研究内容に繋がっていくと思います。
個別の事業をモニタリングするよりは、この税制度を継続していく上で、非常に分かりやすいのではないかと思います。ぜひモニタリングの継続を、水源環境保全税か他の資金で行うか分かりませんが、繋げていただきたいと思います。
(鈴木委員長)
今の意見はごもっともだと思います。今のご意見を伺って私が思ったのは、神奈川県の山は、色々地域の特徴があり、特徴を選んでいったら小仏山地と箱根外輪山と丹沢の東・西と4つの特徴がありましたと、そう極めて淡々と書いてありますが、比較対象の調査を行おうと思ったら、シカの影響による調査を行うところと、林業の影響を見るところが出てきて、この事自身は、色々調査した結果シカを見る場所と、森林施業を見る場所があったという事は一つの森林の地域性というか、環境との関わりを表現しています。
ですが、客観的にこういう調査をしましたという書き方をしているので、神奈川県の中にはこの様な特徴がありますという事が書けていません。
すぐにデータと言うよりは、4ヶ所の地域流域にこだわって色々見ることによってわかって来た神奈川県の自然環境の特徴がかなりありそうですので、もっと積極的にまとめられたら良いのではないでしょうか。
森林の手当てをする時に、箱根の外輪山より丹沢の方がピンチであるとか或いは丹沢はもう十分色々な事を調べているけれども、小仏山地が意外と穴場であるとか調査側から何かあればそのような中身のコメントがあってもいいかなと思いますね。
(中村委員)
今おっしゃった森林整備のところは2番の貝沢で、沢に手を入れないで森林整備を行ったら濁りが無かったという説明がありましたが、そういった部分もぜひ事業モニターの対象としていただきたいと思います。
それからこの生物との関係、5のところですが、確かに間伐や環境要因との関係は不明瞭と出ていますが、私の感覚で申し訳ありませんが、一時期にシカの影響、大気汚染の影響でヤブが一気に少なくなってきた時に、ヤブに依存する鳥類が一気に減ってしまったんですね。これが戻ってくるのには相当時間がかかると思うのです。ヤブが形成されなければ戻って来ませんから。
その様な事を踏まえて、ヤブの再生というのは、水源環境にも大きな影響を出す現象ですので、そういった森林環境を継続的にモニタリングしていく事は2~3年で出せるものではありません。長い時間をかけて継続して欲しいと思います。
(淺枝委員)
いくつかありますが、この報告書を水源環境の事業の影響評価に使おうとすると、少し気を付けなければいけない部分があると思います。
特に、河川モニタリング調査を見せていただいて、このまま使用すると、窒素やリンは確かにどちらかと言えば減っていますが、その後水生昆虫が減っているという形になってしまってますよね。
しかし、実際には事業を行った場所での計測なのかということ、また、直接的にすぐ影響が出るものと、1、2クッション置いてから影響が出るものがあって水生昆虫は恐らく後者だと思います。
恐らくこれから行っていくことだとは思いますが、そのあたりを上手く仕分けして使用しないと、逆の傾向が出る場合があるのではないかと思います。
もう一つは、一般の方に参加していただいているのに、インセンティブを下げてしまう様な事になりますので、少しその辺り気をつけていただきたいと思います。
特に上流域で水生昆虫が減っていると言う事は、恐らく大雨で崩れたり、その様な影響が出ているのではないでしょうか。
直接的な原因を見つけて理由を入れられるともう少し使い勝手が良くなるのではないかと思います。
(鈴木委員長)
はい、ありがとうございました。他に何かございますか。
中村委員や淺枝委員のコメントを私流に伺うと一つは、県の事業の検証報告ということですので、県の事業計画の中でやった調査だけについてコメントをしているのですね。
ですが、森林環境や渓流環境、河川環境と言うものは、これまでに様々調査されてきた色々な知見や、周辺の県が調査された結果、全国的な傾向で明らかになっている部分もあります。
それを踏まえて、神奈川県の今回の調査がどうであったのか、それで今回行った事により、どの様な知見を加えられたのか、神奈川県の調査だけでは不明だが、全国のデータから見れば、この様な事が言えるであろうという様な言い方が出来るかと思います。
やはり皆さんストイックに自分の予算、計画の中で行った事にだけに対してコメントをされる傾向があると思いました。
周辺のデータを入れてという事は、解析の力量が必要なのかもしれません。私は各報告をいただいた方々は、力量がおありだと思いますので、ぜひその様な説明をされると分かりやすくなるかと思います。
(鈴木委員長)
時間が迫ってきまして、申し訳ございません。
議題にはありませんが、予定ではもう一つありまして、かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画案をご紹介いただく事になっておりました。申し訳ございませんが、極めて簡単な説明をする時間しか取れませんので、重要な所をご説明いただければと思います。
<参考資料1 第3期かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画(案)により、斎藤水源環境保全企画担当課長から説明>
(鈴木委員長)
今ご紹介いただいた資料の45ページには、以前、県民会議で次の5か年計画はこの様な方向で取りまとめるようにと、県知事に田中議長から渡された意見書があります。そこから1年近く経ちこの形に進捗したという事であります。
さて、全体を通してご意見を伺いたいと思いますが、残念ながら時間となってしまいました。
今日はオブザーバーの方も、ご出席いただいておりますので何か意見があれば大変恐縮ですがお1人1分程度、ご意見いただければと思います。
(坂井委員)
1回目の県民会議の前に施策調査専門委員会が開かれておりません。これが開かれていれば今日の委員会の時間切れはなかったはずですので、会議の前には施策調査専門委員会は必ず開催してください。2回目の会議にまとめると時間が足りなくなります。
事業モニターの話が出ましたが、施策調査専門委員会で事業モニターの審議をされたのは今回が初めてです。平成27年度だけでなく平成26年度分のモニターについても施策調査専門委員会で審議が行われておらず、今日の話もモニターに参加されていない方が外見的に検証されている話ですので、中身の話がきちんとできる時間を取っていただきたいと思います。
先ほど淺枝委員から、この資料だけを見ていても意見が羅列されているだけでよくわからないとご意見がありましが、これはモニターの報告だけが配られているからわからないので、モニターを行う前に最初に配られる資料と、実施後に追加して請求した資料がありますので、それも載せていただきたいと思います。そうしないとモニターの意見が何が言いたいの、意味が伝わらないと思います。
以前に淺枝委員が、秦野の地下水のモニターの評価をご覧になって「専門家のモニターでも出ないような意見もある」と褒めていただいた事もあります。県民会議のモニターはそんなにばかにしたものではありませんので、評価を下げないようにお願いします。
対照流域法がホームページで見られるようになった事は大変良かったと思いました。今まではタイトルのボタンを押しても何も出ませんでしたので。
鈴木委員長から他県の事例についてお話がありましたが、先日浜松に行ってきました。浜松の市有林で沢を挟み、市が整備した所とCSRトラストという企業が5年間かけて整備した所は、まさに対照流域法。全く山の様子が違っていました。市が50%間伐の整備をした所は荒廃したままで、CSRトラストの参加企業が入れ替わり立ち替わり土日のたびに少しずつ整備した所は頻繁に人が出入りしているので道はとても歩きやすく、シカの痕跡は何もありませんでした。丹沢では見ることができない奇跡のような山でした。神奈川県が一般競争入札で20年に1回だけ、1週間~10日程度しか訪れないという整備のやり方をしていると、逆に獣害対策が必要になるのです。
また、今のやり方がいいのかということも含めて、この様な大きな予算が、もしいきなり無くなるとバブル崩壊の様になります。
その時に何が起こるのか。バブル収束させようと国がしたのは、不動産取引の総量規制でした。それと同じ事が平成38年度末に起こります。それを収束させるための準備に10年はかかります。
次の5か年計画にその案が入っていなければ、バブル崩壊の被害者が出るのを止めることは出来ません。その様な事も含めて次の5か年計画も真剣に考えて頂きたいと思います。
(鈴木委員長)
委員の方から今日の議論で他にございますか。よろしいですか。
はい、それでは司会を事務局へお戻しします。どうもありがとうございました。
(事務局)
お疲れ様でございました。
これを持ちまして第37回施策調査専門委員会を閉会とさせていただきます。
本日はありがとうございました。
【会議終了】
資料1-1 点検結果報告書(平成27年度実績版)の「総括」作成の流れについて
資料1-2 特別対策事業の平成27年度実績及び平成28年度計画(その1)
資料1-2 特別対策事業の平成27年度実績及び平成28年度計画(その2)
資料2-4 河川のモニタリング調査(アユを指標とした生態系調査)
参考資料1 第3期かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画(案)
このページの所管所属は環境農政局 緑政部水源環境保全課です。