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更新日:2020年3月19日
ここから本文です。
次の審議会等を下記のとおり開催した。
水源環境保全・再生かながわ県民会議 第50回施策調査専門委員会
令和2年2月21日(金曜日)17時30分から20時00分
産業貿易センター3階 302号室
吉村 千洋【委員長】、土屋 俊幸【副委員長】、大沼 あゆみ、岡田 久子、鈴木 雅一、羽澄 俊裕
令和2年4月下旬
水源環境保全課 水源企画グループ 田中
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(吉村委員長)
皆様ご参加いただきありがとうございます。本日は今年度4回目、最後の施策調査専門委員会となりますが、重要な点は前回と同じく、点検結果報告書と中間評価報告書、次期(第4期)計画に関する意見書の作成となります。それぞれまだ修正するポイントがいくつかありますので、ご確認をお願い致します。
(吉村委員長)
それでは、議題1の点検結果報告書(平成30年度実績版)に関する議事に入りたいと思います。
前回1月の委員会では、昨年11月の県民会議で示した原案への意見照会結果を基に対応案を議論いただき、その後修正した報告書案により県民会議委員の皆様へ2回目の意見照会を行ってきたところです。本日は2回目の意見照会で出た意見や質問、それから前回の委員会で出た意見への対応策を検討することとなっており、3月27日に予定されている県民会議で報告し、承認をいただくための最終の原案を作成する予定となっております。併せて、概要版につきましても前回の委員会で議論いただいた結果を基に修正版を準備しておりますので、そちらもご確認いただきたいと思います。それでは、事務局より資料説明をお願いします。
[資料1-1~1-6により事務局から説明]
(吉村委員長)
ご説明ありがとうございました。2回目の意見照会の内容を丁寧に反映させていただいたところだと思います。先程ご説明しましたように、本委員会後は、本日の会議で確認していただいた最終案を次回の県民会議にお諮りする形になっております。それでは、点検結果報告書の本体それから概要版のどちらからでも構いませんので、コメント、気になる点がございましたら、ご発言をお願いします。
(鈴木委員)
資料1-3の4-5ページに搬出量の実績を追記いただいていますが、4-1ページに記載の定額単価を掛算すると金額が出るという理解でよいでしょうか。搬出量が一緒になってしまっているので、集材を伴う場合と伴わない場合の内訳はわかりませんね。
(森林再生課)
ここでは、補助単価ごとの内訳は出しておりません。
(鈴木委員)
お示しいただいた内容でも、私の意見に対し適切に修正していただいていると思います。
この議論の本体とは違いますが、少し驚いた点として、事業主体別の搬出実績について森林組合より林業会社の方が多くなっています。これは民間林業が頑張っているということで、大変結構なことだと思います。そうだとすると、何社ぐらいがこの実績を作り上げているのか別の機会で教えていただければと思います。それから、地域別の搬出実績についても、湯河原町の数字が大きく、ここでそんなにメニューがあったとは知らなかったので、こちらも併せて教えていただければと思います。
(吉村委員長)
今、ご指摘のあった搬出量のデータに加えて、事業費や市町村ごとの状況は、報告書の資料編を見ると、どこかにそうした情報は掲載されていますか。
(森林再生課)
市町村ごとの事業費などは出しておりません。
(鈴木委員)
今までこうした具体な情報がなかったわけですから、今回はこれだけ出していただければ、大きな進歩だと思います。
(土屋委員)
これから大綱期間終了後のことを考えた際、森林組合や林業会社が持続的にやっているかいないかという点は、かなり重要なことだと思います。4-5ページの記載これでいいと思いますが、どのくらいの生産規模の林業会社がどれくらいあるのか、森林組合もかなりギャップがあるはずなので、今後はそうした情報も入れていただけるとよいかと思います。
(鈴木委員)
来年や第3期計画の後半では、土屋委員が今おっしゃったようなあたりがいずれ機能しないといけませんし、事業モニターで見せていただく方が早いかもしれません。
(吉村委員長)
来年度以降、もし余裕があればこの会議で詳細なデータを見る機会を作っていただければと思います。
他にいかがでしょうか。
一箇所気になったのですが、資料1-3の6-2ページの上の表で、2年間で事業費の進捗率が27.5%となっていますが、ここの部分の補足説明は必要ないでしょうか。毎年、同じ配分で事業を実施していくと40%になりますので、それが頭にあると進捗率が若干低いという印象を受けます。何回か前の委員会で進捗率が40%と大きく違う箇所は、補足説明を入れるという話がありましたが、ここについてはどうでしょうか。
(事務局)
6-1ページの総括で補足説明を入れさせていただいております。
(土屋委員)
概要版について、県民参加型ワークショップの開催に関する記載を入れていただいたのはよいのですが、これを見た人が詳しい内容を知ろうとすると、どこを読めばよいのか分かりませんでした。
(鈴木委員)
資料1-3の11-3ページの一番下に第42回県央地域との記載がありますが、これですか。
(土屋委員)
議論の内容がどこにも書かれていないように思います。
(水源環境保全課副課長)
11-4ページの一番下から11-5ページにかけて、第42回県民フォーラムにおける県民意見の記載があります。
(吉村委員長)
開催したというのは、11-3ページの表を見ればわかりますが、県民意見の収集の内容がわかりません。
(鈴木委員)
県民フォーラムは開催の仕方が二通りあって、一つは公募委員の方を中心に他のイベントと併せて行うカフェ形式、それから準備会を開催し、一日かけて大規模に行う形式の二種類があります。11-3ページに掲載されている4回について言えば、第42回県民フォーラムだけが大規模なものです。それがこの記載では、土屋委員ご指摘のとおり、見分けがつかずさらっとした書き方になっています。第42回県民フォーラムは、委員の皆様にたくさんお話いただいて、分科会形式で議論したりして、準備をして行ったものですから、もう少し他のフォーラムと区別して書いていただいた方が、特に施策調査専門委員の方たちには、良いのかなという感じはしました。
(土屋委員)
ワークショップなので、分科会で議論して、それなりの結論が出たかと思います。
(鈴木委員)
ワークショップ実施後に総括した報告書を事務局に作っていただいております。場合によっては、それが確認できるように記載いただくとよいかと思います。
(事務局)
今、鈴木委員からお話のあった報告書は、ワークショップ実施後にまとめたものであり、各分会でどういう議論がされたかなど詳細に掲載されています。また、鈴木委員や土屋委員、吉村委員長のコメントや施策に関する評価内容の記載もあります。こちらの報告書は、平成30年度最後の県民会議でお諮りし、承認をいただいておりますので、公開文書となっています。
対応案としましては、どこかに報告書へのリンクを掲載する形がよいかと考えております。
(吉村委員長)
現時点では、資料編にその資料は入っていないということですね。資料1-3の11-3ページか11-4ページあたりに資料へのリンクを記載するようにしましょうか。
もう1点、点検結果報告書の本体や概要版に10の指標を設定したという記載もありますが、読んだ方が10の指標が何かを調べる方法はありますか。
(事務局)
平成30年度の県民会議資料や議題2でご議論いただきます中間評価報告書で指標の定義などが出ていますので、そちらで確認することはできます。
(鈴木委員)
あまり書き過ぎると、概要版ではなくなってしまいます。
(事務局)
ご提案ですが、資料1-6をご覧ください。ホームページでの公開に関する確認資料となりますが、1ページに資料編の記載があり、上から二つ目に「県民フォーラム意見について」とあります。先程お話のありました第42回県民フォーラムの結果概要をその直下に掲載するのが対応案の一つかと思いました。また、県民会議で設定いただいた10の指標につきましても、資料編の一番下などに追記してはどうかと考えております。
(吉村委員長)
概要版に情報を追加する必要はないかと思いますので、概要版を読んで詳しいことを知りたいと思った方が、本編で詳細が確認できるよう参照先を記載する形で十分かと思います。今のご提案のとおり、二つの資料を資料編のところに追加し、報告書本体からたどれるような形にするということでよいかと思いました。それ以外はいかがでしょうか。
(鈴木委員)
全般的なことですが、資料1-3は年を重ねると、様々な情報が入ってくるのでどんどん厚くなってきます。そのため、昨年、一昨年にかけ資料1-6の資料編はウェブ上だけでの公開として、報告書本体を薄くしてきました。一方、公募委員の意見を中心に生の声をなるべく記載するという、県民会議の当初からの精神を生かそうとすると、資料1-6の資料編は付録ではなく、これも含めて本体であるというぐらいの意識でいたいと思っています。県民会議を始めた時の精神はむしろ資料1-6の方にあるのではないかという気もしていますので、一言申し上げました。
(吉村委員長)
はい、ありがとうございます。バランスの取り方が難しいところはあります。県民会議でもご意見を出していただくということですかね。
(鈴木委員)
それと資料1-3の活字がだんだん小さくなってきています。ページ数を増やさないようにということで、前年度の点検結果報告書の総括の部分や説明部分の文字が小さくなっています。このあたりをどうするかも今後の課題です。
(吉村委員長)
最初の10ページくらいは字が大きいのですが、その後、若干字が小さくなるのは今後改善の余地があるかと思いますが、今回の報告書は、これで提出したいと思います。
1点確認ですが、概要版だけで配布されることもありますか。
(事務局)
県庁内のラックには概要版を配架しております。また、県庁内で説明する際も概要版を用いることがあります。
(吉村委員長)
分かりました。点検結果報告書本体へのリンクについては、概要版に書かれているということですね。他にいかがでしょうか。
それでは、先程土屋委員からご指摘があったワークショップの詳細内容と県民会議で設定した指標が分かる資料を資料編に追加し、本編にはそのリンク先を追記するという形で、最終的な原案とさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
(吉村委員長)
続きまして、「議題2 中間評価報告書の作成について」に移らせていただきます。
こちらは今年5月に県に提出予定の報告書になっておりまして、前回の委員会では11月の県民会議や県民会議委員皆様への意見照会結果を踏まえた対応案を議論してきたところです。また、前回の委員会で出た意見や引き続き検討事項となっている部分もありますので、本日はその内容について再度ご確認、ご議論いただき、次回3月の県民会議で修正版の報告書案を提出する予定となっております。
県民会議に報告した後、次期(第4期)計画に関する意見書と併せて2回目の意見照会を予定していますので、まだ最終版ということではありませんが、だいぶ要点も絞られてきていますのでご確認いただきたいと思います。それでは事務局より資料説明をお願いします。
[資料2-1~2-3により事務局から説明]
(吉村委員長)
ありがとうございました。中間評価報告書の作成に係る勉強会については、報告書の原案を見ていただく良い機会になったという印象でしょうか。報告を伺ったところ県民会議とは別に各委員が発言しやすい機会があると良いという印象も受けました。
それでは本日の議論に入らせていただきます。本日は資料2-2に整理いただいた変更点について、No.1から順にご確認、ご議論をお願いしたいと思います。
まずタイムテーブルについてですが、資料2-3を2枚めくったところに<はじめに>とタイムテーブルを見開きで掲載する構成となっております。事務局と相談して、見やすさなどに配慮して左右で並ぶような恰好で配置しております。このような構成でよろしいでしょうか。
(羽澄委員)
結構です。ありがとうございます。
(吉村委員長)
それでは、続いて2点目のサマリーについて確認させていただきます。58ページをご確認ください。前回の委員会での議論を踏まえ、内容的に全体総括と併せて掲載したほうが良いということで、57ページの全体総括の次ページに掲載しています。
(羽澄委員)
58ページを拝見しましたが、このページがサマリーという位置付けでは捉えられないと思います。唐突に記載があり、「要約」と書いてあるわけではありません。前回大沼委員がおっしゃったのは全体のサマリーのことかと思いますが、こちらは項目ごとに詳しくは何ページ参照と記載があり、内容が第3部のものとなっています。中間評価報告書の要点はこうした点で良いのかもしれませんが、58ページですと、中に入り過ぎているという印象がありますので、どこかへ動かせないでしょうか。
(吉村委員長)
元々の意見の趣旨としましては、第3部の評価内容だけではなく、第1部や2部、4部も含めて1ページに纏めるようなかたちでしょうか。そうすると、この位置ではないのかもしれません。
(土屋委員)
エグゼクティブサマリーのようなもので、初めのほうに動かしたほうが良いということですね。
(大沼委員)
そうですね。
(鈴木委員)
毎年の点検結果報告書に概要版があるように、中間評価報告書の概要版を作って<はじめに>より前に入れると、そのようなイメージになる気がします。
また、57ページに「5全体総括」の文章があり、58ページにまた「全体総括」と出てきますので、全体総括という言葉が重複している点も気になりました。
皆様のご意見を伺うと、サマリーをこの場所で対処するのか、前に持っていくのかということでしょうね。
(羽澄委員)
58ページの記述はあくまでも第3部のサマリーかと思います。
(吉村委員長)
前回の委員会では、こちらの内容を58ページに配置するのが良いだろうという結論になりました。確かに見出しは改良の余地があると思いますが、1つの案として、第3部の概要としては分かりやすいかと思いますので、このサマリーは58ページに掲載しておき、別に報告書全体のサマリーを冒頭などに掲載してもよいのかもしれません。
(鈴木委員)
57ページの全体総括が大事なのは、次期計画の意見書に繋がるということです。このような評価をしたため、第4期はこうしたことをやってくださいというように中間評価報告書の全体総括と意見書の内容が繋がっていることが望ましく、それを57ページのような文章から繋げるのか、もしくは、サマリーから繋げるほうが分かりやすければ、58ページにサマリーを置く意味も出てくると思います。
また、元々大沼委員がおっしゃったようにこの報告書を見たときに全貌がわかるようなまとめがあったほうが良いとも思いました。
(大沼委員)
それはあったほうが良いと思います。個別のサマリーもあるに越したことはありませんが、元々の意見としては冒頭にあったほうが良いということで申し上げました。
(吉村委員長)
掲載するとしたら目次の前に1ページ程度割いて、概要を掲載するというイメージでしょうか。
(大沼委員)
そうですね。
(吉村委員長)
もう1つの経緯として、中間評価報告書の概要版を作成するかという議論も2回前の委員会で議論いただいており、そのときの結論としては、意見書の評価部分がサマリーになるため、そちらで十分であるという判断をこの委員会でしてきています。
一方、意見書を確認すると施策の評価や次期に繋がる内容となっておりますので、中間評価報告書全体のサマリーかというとまた趣旨が異なります。
中間評価報告書の次のステップとしては、3月下旬から4月上旬にかけて意見照会を行うことになっていますので、それまでに修正案を作るか、意見照会後に対応することもできるかと思います。
(鈴木委員)
どういうものを作るかは、中間評価報告書編集委員会のような話になりますので、テクニカルな部分はここまで議論した上で、委員長と事務局で配置の検討はお願いできればと思います。
もう1つの議論としては、そこに書き込む内容が今掲載しているものを場所だけ移せば良いのか、それとも他に書き方があるのか、内容がこれで十分なのかなど、こうした点はもう少し詰めた方が良いと思います。
(吉村委員長)
おっしゃるとおりです。全体概要は1ページ追加することとして、もう一度58ページの各事業のサマリーと全体総括と書かれた赤い枠の内容についてご審議いただきたいと思います。全体総括に関しては、57ページに書かれていますので、場合によっては58ページにはなくても良いのかとも思ったところです。
(鈴木委員)
58ページの全体総括の1段落目の最後に「施策大綱期間終了後も意識し、これからの施策展開を考える必要があります。」という文言があり、2段落目に「引き続き水源環境保全税により安定的に確保し、各事業に継続的に取り組むべきと考えます。」という文言があります。1段落目の終いからみると、大綱期間20年が終わった後も水源環境保全税を安定的に確保すると読み取られかねません。現時点でそこまでは議論しておらず、最後の文言は第4期についても安定的に水源環境保全税を確保するという意味であるため、最後の3行を含め誤解を与えないような文章にしたほうが良いかと思います。施策大綱期間終了後も意識して議論するというのは良いのですが、その先の話に読み取られないような注意が必要です。
(吉村委員長)
ありがとうございます。第3期の話、第4期の話、それからその後の話というふうに時系列に並べると誤解がなくなるかと思います。
(鈴木委員)
57ページは、そういう順番に並んでいるので良いと思います。一方、58ページのように縮めると、言葉足らずになっているようにも思います。
(吉村委員長)
他にいかがでしょうか。
私が1つ気になった点としては、58ページの「水源環境への負荷軽減」という青い枠がありますが、この内容を読んだところ水源環境や浄化槽、下水道というキーワードがあまり出てこないのが気になりました。事業自体の進捗がどの程度なのか、原因分析と関係自治体との連携というのもありますが、内容がもう少しわかるように工夫できると良いと思いました。それ以外の3つの枠に関しては、キーワードが出てきて良いかと思います。すぐには文面が思いつかないので、後で相談させてください。
(大沼委員)
全体総括に気候変動が出てきましたが、どこかで気候変動について取り上げているのですか。
(吉村委員長)
「気候変動などの長期的な変化への対応も求められるため」というところですか。
(大沼委員)
そうです。総括なので、報告書全体のどこかで取り上げられているのでしょうか。
(吉村委員長)
意見書には書かれていましたが、気候変動の影響に関しては難しい内容ですので具体な記載はないようです。
(鈴木委員)
おそらく第4期にどういうことをやればよいかを議論している際、これだけ色々なことが起きていますので、気候変動も考えて第4期に良い施策をするための一文かと察します。意見書で気候変動を出すためには報告書でも触れておく必要があることからこうした記載がされていますが、これまでそうした点を前面に施策を行ってきているわけではありませんので、現時点で我々が議論して、気候変動もあるので、その対応もできるよう最適な施策にしましょうと意見書の中に書けば十分であります。そうであれば、無理に中間評価報告書に気候変動が出てこなくてもよいと思います。
(吉村委員長)
57ページの手前まででも気候変動について書かれた部分は特にないようですね。そうすると、ここで突然出てくるのは不自然になりますね。
(事務局)
元々58ページの要約はどこに挿入されるか分からない段階で作成しており、冒頭にくることも想定しておりました。事務局からの資料説明でご説明させていただきました第4部の「今後に向けて」で台風の記載もありますので、そうした部分も引用させていただいた内容となっております。ただし、第3部の評価結果の中で気候変動に関して触れているかというご指摘に関しては、確かに触れておりません。
(吉村委員長)
ありがとうございます。そうすると第4部には気候変動が一部登場しているということですね。
(鈴木委員)
第4部の「今後に向けて」の内容と関連するのであれば、120ページや121ページの追記箇所と併せて議論してはいかがでしょうか。
(吉村委員長)
一度これまでの議論を整理させていただきますと、58ページには評価のサマリーを載せることとし、見出しを工夫する点と、水源環境への負荷軽減の文言、それから全体総括の記載を前後で整合するよう編集してから意見照会させていただきたいと思います。
続いて資料2-2のNo.3に移ります。54ページに記載の取水制限の日数に関して、少し文章を工夫させていただきましたが、この表現でよろしいでしょうか。
(鈴木委員)
54ページの指標⑩の文章で「近隣の他水系より安定的に水の供給ができています。」という文言で良いかと、事務局からもお尋ねがありました。「近隣の他水系より」と言うと、他と比べて神奈川県は良いと言っているように聞こえます。ここは、「神奈川県では県独自のダムを複数保有し対策をとっており、かつ、水源環境保全税を財源に水源を保全していることから、神奈川県では安定的な水の供給ができています。」程度の書き方のほうが良いと思います。
(吉村委員長)
まさに、その点は本日ご確認いただきたいと思っていたところです。
(岡田委員)
他水系と書くとどこの水系か気になってしまいます。
(吉村委員長)
あまり具体に書くと角が立ちますので、私と事務局とで控えめに表現したつもりでした。敢えて比較を入れなくて良いというご意見もあると思います。書類によっては対比させた部分もあったと思いますが、中間評価報告書では神奈川県の実績を書くということにして、「近隣の他水系より」という文言は削除する方向でよろしいでしょうか。
(大沼委員)
「日本の中でも安定度の高い水系に位置します」くらいの文言にしても良いのではないでしょうか。日本全体でも、関東でも良いですが。
(鈴木委員)
「全国の中でも安定した状態です」という言い方はあるかもしれません。
(吉村委員長)
取水制限の日数がゼロなので、それは事実で間違いではないかと思います。「全国的にも安定度が高い状態で水が供給されています。」というような文言でよろしいでしょうか。
(鈴木委員)
あえて全国を引き合いに出さなくても良いかもしれません。もし書くとしたら、先人の努力で有り難くこのような状態を保てているということかと思います。あとは委員長と事務局にお願いできればと思います。
(吉村委員長)
現時点での方向性としては、シンプルに比較なしで修正させていただき、意見照会で皆さんのご意見を伺いたいと思います。
1点、1つ前の行ですが「水源環境保全税を財源に水源を保全していることから」という文言が気になりました。一般財源による事業は水源の保全に寄与していないということでしょうか。おそらく両方で達成している事実かと思いますので、そうしたニュアンスに変えたほうが良いかと思いました。
(事務局)
他水系との比較という視点がありましたので、超過課税に関する記載にしておりましたが、他水系との比較がなくなれば、只今ご指摘の様に修正させていただきます。
(吉村委員長)
それでは、前後併せて修正していきたいと思います。ありがとうございます。
そうしましたら、資料2-2のNo.4、120ページ、121ページの令和元年台風第19号の影響に関する追記に移りたいと思います。今後に向けてということで、台風の事実と今後の懸念、対策について6行程度の追記をした点と、次のページのコラムの内容についてご確認いただきたいと思います。コラムの原案としては、台風自体の現象の記録と具体的な被害の統計を事実としてまとめた恰好になっています。
(羽澄委員)
大変な状況だったというのは分かりますが、それに加えて水源事業だからどうだったかなどの記載がないと据わりが悪い気がします。下の表は台風で施設が壊されたことは分かりますが、こういう時代になってきたため、どうなのかといった記載が必要かと思います。
(吉村委員長)
コメントや解釈の部分ですね。
(鈴木委員)
121ページのコラムの書き方は、来年度に作成する年次の実績報告書の書き方の様に思えます。第4部の「今後に向けて」やコラムの書きぶりとしては、もう少し柔らかいほうが適しているように思います。森林関係などの被害の表は不要で、降水量の表も右端の1つくらいとし、文章は下線のものに包括的なコメントを1、2行加えることで、120ページに収まるのではないでしょうか。そうするとコラムと台風19号に関する記載が1ページに収まり、繋がりも分かりやすくなるかと思います。原案は121ページを丸1ページ使ってコラムといっている割には報告書のような書き方になっており固くなっているため、119ページからの伸びやかな書きぶりとマッチしていないような気がします。
(羽澄委員)
120ページの台風19号に関する下線のある文章は前回なかったわけです。その部分をコラムとして加えましょうという話でしたが、今文章を拝見していますと、敢えてコラムは必要でしょうか。コラムではなくて、降水量の表や台風の現場の写真が付いているだけでも良いのではないでしょうか。
(鈴木委員)
コラムをとってしまうという案ですね。この6行が良く書かれているので、これで意見書にも気候変動も書けるのではないかということですね。
(羽澄委員)
記載に重複が生じますので、コラムにしないで両者を合体させたような文章を第4部中に書いたほうが良いのはないでしょうか。
(鈴木委員)
水源環境保全施策で対応している事業の中には防災にも役立つことがあり、併せて県の森林や水源域を考えるときに、この要素も少し考えても良いだろうという趣旨だと思います。その流れで書かれているのであれば、コラムはなくても説明は通るでしょう。前回は120ページのアンダーラインの文章なしに議論をしていたため、柔らかく書くにはコラムが良いという結論になったかと思います。
(吉村委員長)
コラムを追加するという話だったとは思いますが、そのときは両方追加するという案でしたか。
(鈴木委員)
コラムを載せたら、それに関わる本文を作らないと、ますます繋がらなくなってしまいます。
(大沼委員)
私は2つ載せても良いかと思います。羽澄委員がおっしゃることも良くわかりますが、具体的にどんなことが起こったのか関心がある人はコラムを見ればわかるので良いと思います。
(鈴木委員)
雨がたくさん降っただけでなく、山の中でも災害等のまずいことが起きたということを両方書くのなら120ページの文書だけでは書ききれないので、121ページのコラムは必要なのかもしれません。
(羽澄委員)
コラムに書かれている内容を120ページの内容と併せてもう少し整理したら、コラムをなくすこともできるかと思いました。内容が重複する気もしますので、特にコラムという体裁をとらなくても良いのではないでしょうか。
(鈴木委員)
コラムの使い方としてはもう1つあり、本文に書くと県としてもオーソライズされたことしか書けませんが、コラムなら我々が書きたいことを書けるという性質があります。本文ですと、気候変動や水源環境における災害は大事という話をどこまで書けるか事務局にご苦労をかけることもあります。一方、コラムであれば書いた委員の名前と分析を入れておけば良いので自由度が上がります。本文にスッと書いて、コラムなしというのが一番良いと思いますが、もう一度原案を作っていただけないでしょうか。
(吉村委員長)
もう一度修正案を作ります。コラムという見出しにするとコメントを期待してしまいますので、コラムという文言をとって事実だけを枠に入れて掲載してはどうでしょうか。コメントはその前のページに追加されていますので。
(鈴木委員)
台風19号による記録的な大雨と被害状況という表を掲載するということですね。
(羽澄委員)
あくまでもこれは事実の記録ですので、それで良いかと思います。
(吉村委員長)
具体的な雨量や被害数は前のページに入れると長くなりそうだという心配もあります。
(羽澄委員)
そうすると、点線の外枠のボックスも消したほうが良いでしょうか。
(鈴木委員)
参考資料のようにするということですね。
(吉村委員長)
その場合は見出しも工夫しないといけませんが、目次に上手く適合するような形にするということですね。
120ページの本文はよろしいでしょうか。こちらは読みやすい形で書いていただいていますので、これを残して、次の121ページは被害の記録ということで事実を纏めたページにしたいと思います。またご意見がありましたら、意見照会もしくは次の委員会でご発言いただきたいと思います。
資料2-2、No.5の金額の単位については、対応案の通りだと思いますので、これでよろしいですね。その他、全体を通して報告書の原案に対して追加のご意見がありましたらお願いいたします。
(土屋委員)
中間評価報告書には全く意見を述べてこなかったので唐突になりますが、水源環境保全・再生施策の重要な点として、1つは施策の推進にあたって順応的管理というユニークなことをしっかりとやっていること、もう1つは順応的管理のためでもありますが、県民参加に力を入れて、計画期の途中でもしっかりとした評価を行っていることだと思います。31ページから施策の推進について書かれており、そこに順応的管理の実践の記載があります。この部分を読ませていただき、かなり事実が書かれていると思いますが、これに関する評価は特にしていないように感じます。これは県民参加についても同様です。県民参加については、122ページの「2 県民の皆様に支えられて(県民参加の取組)」以降に事実が列挙されています。それを踏まえて57ページの全体総括の4段落目に「順応的管理の考え方に基づき、事業内容の見直しが図られていることや県民参加のもと水源環境保全・再生施策を推進する仕組みが機能していることから」という部分があり、ここは評価に該当します。事実はありますが、分析がないまま突然の評価になっています。施策を推進したことによって出てくるアウトプットやアウトカムについての評価と同様に、推進の仕方に関しても評価すべきではなかろうかと、私は考えていました。
具体には、施策推進の部分に関しては、事実だけではなく順応的管理をしっかりされているという評価をもう少し明確にしていただきたいと思います。また、県民参加についても実施しているという事実は分かりますが、それがどうだったのか、十分だったのか不十分だったのかという評価も行う必要があります。この中間評価で十分という評価でなければ、もっと実施すべきですし、順応的管理もあまり順応的でないということになれば、もっと順応的に行う必要があり、この点は重要かと思います。書きぶりの話になりますが、その点についてもう少しご検討いただければと思います。なお、第4部の2に県民参加の取組が付録のように付いているのが気になりました。量が多いので前に持ってくるのが難しいのであれば、県民参加の実績を総括したような表のようなものを記載いただき、前のほうにつけていただいた上で、これだけやっているから県民参加として十分だという評価をする形にできないでしょうか。今更ですがご検討いただければと思います。
(鈴木委員)
今更ではなく大事な点だと思います。県民会議で10の指標を作成し、事業効果を評価することが主眼になっていましたので、10の指標のことは記載していますが、一方で、この施策調査専門委員会もこれまでに50回開催しています。そうした点も数値指標になります。それを32ページの施策評価の流れの部分に対応した内容を記載する必要があるかもしれません。加えて、第4部の2をもう少し前で引用しておかなければいけません。
(吉村委員長)
ご指摘の施策を順応的管理の考えで進めるという部分に関しては、具体的に評価を入れていますか。
(事務局)
土屋委員からご指摘があった部分ですが、57ページの4段落目に「評価します」というコメントを入れています。この背景としては、平成30年12月に厚木で開催したワークショップで土屋委員に講演いただいた際のコメントを基に文章を作っております。土屋委員からは、「県民会議という県民参加のスキームがあり、活動回数も重ねられていることからその仕組みが機能している」との評価をいただきましたので、このような評価にしています。ただし、その間の分析に関する記載がなく、実績も第4部の2に入っていますので、分析の記載やデータの引用については工夫ができると思います。
(吉村委員長)
総括の内容自体は間違いではありませんので、このままで良いと思います。問題はその元となる情報をどのように記載するかになります。
(鈴木委員)
55ページに生態系(森林)の健全化と生態系(河川)の健全化という項目がありますが、ここにもう1つ「事業全体の評価の仕方」という項目を入れるか、第3部の頭に入れるかでしょうか。
(土屋委員)
31ページに4施策の推進がありますね。
(鈴木委員)
36ページの表の一番下に県民参加による水源環境保全・再生のための仕組み(12番事業)というのが出てきますので、この順番を用いるのであれば、森の事業、水の事業、県民参加の事業という3本立てで書くイメージになるでしょうか。
事務局を含め、我々県民会議委員がしっかり対応できているか評価される箇所となりますので、事務局にこの原案を作文してもらうのは、酷だと思います。一方、私たちが書くとしても、我々の自己評価になってしまいます。県民会議で合意して「よくやった」と評価して出せば良いかもしれませんが、構造的には書きにくいところだということは確かです。
大幅に変えるのは難しいかもしれませんが、どこかで触れていただいて全体総括の第4段落に繋がるように考えていただければと思います。
(吉村委員長)
そのとおりですね。おそらくベースになる情報は入っていると思いますので、それを評価するための文章が第3部のどこかに記載する必要があると思います。
(事務局)
108ページをご覧ください。第3部の中に1番から11番事業までの事業評価シートがあり、108ページが11番事業の「県民参加による水源環境保全・再生のための仕組み」に関する評価シートとなっています。そちらに評価コメントも設けておりますので、こちらも参考にしていただければと思います。
(鈴木委員)
ここに厚木のフォーラムのような評価を書けば良いということですね。
(吉村委員長)
厚木のワークショップの記載はここに入れてもおかしくないですね。
ただ、ポイントは順応的管理となりますので、このような意見や議論をしてきたという事実を受けて、どう改善したかという部分の記載があると順応的管理がなされていることがわかります。今回冒頭に追記いただいたタイムテーブルにそれに近い内容が含まれていると思います。タイムテーブルでは、主な見直し内容の記載があり、また、重要なタイミングで評価を行っていることも分かりますので、それを集約するような評価コメントをこの委員会で追記しなければいけないと思います。1つの案は鈴木委員がおっしゃったように55ページ、56ページの2次的アウトカムのところに(3)として追加をするか、もしくは、56ページの4の中に追加するかのどちらかかと思います。
時間が押してきましたので、事務局ともう一度前後の記載を確認させていただき、意見照会のときに原案を掲載し、皆さんのご意見を聞くかたちにできればと思います。書きにくいところではありますが、重要なところですので原案を作ってまいります。
中間評価報告書に関して他にご意見いかがでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、いくつか修正点のご意見がでましたので、一度整理させていただき、2回目の意見照会に入りたいと思います。
(吉村委員長)
続きまして、議題3の「次期(第4期)実行5か年計画に関する意見書の作成について」に入ります。中間評価報告書と同じタイミングで5月に県に提出する意見書になります。
前回の委員会では私と事務局で調整をして作成した意見書の原案をご確認いただきました。その上で、県民会議の皆様に1回目の意見照会をかけさせていただいたところです。意見照会では10件のご意見をいただきました。本日はその対応案についてご確認、議論していただきたいと思います。それでは資料3となりますが、事務局から説明をお願いします。
[資料3-1~3-4により事務局から説明]
(吉村委員長)
ご説明ありがとうございました。只今ご説明いただいたように、重要な点が3点あります。森林環境譲与税とシカ対策、それから大綱期間終了後の話、これらに関してご意見ございましたらお願いします。
(岡田委員)
最初の森林環境譲与税に関して、「県の水源環境保全税と森林環境譲与税の両立を図り、相乗効果を創出する」との記載がありますが、それぞれがどのように影響しあって効果が出るのかということを連想させるような文言なので、疑問を感じました。その後に「県内全域」という言葉がありますので、水源環境保全税と森林環境譲与税のすみ分けを意味していることが理解できましたが、「相乗効果を創出する」という文言は具体的過ぎると思いました。「県内全域」と書くのであれば、「水源環境保全税と森林環境譲与税のすみ分けを行い、事業を実施していく。」といった文言が必要かと思い、意見を提出しました。
(吉村委員長)
もともと具体的な相乗効果と場所的なすみ分けというのが別の話としてあったかと思います。
水源環境保全税を使って事業を実施している市町村が県内に一部にあり、森林環境譲与税はそれ以外の市町村にも配分がされています。それから水源地域の市町村でも森林環境譲与税の活用が想定されています。ただ、税金の目的や使途が違っていますので、それらを組み合わせると水源地域では相乗効果が期待できるという話ではなかったかと思います。
(水源環境保全課副課長)
森林があるところは、水源環境保全税と森林環境譲与税を組み合わせると、相乗的な効果が生まれてくるというところです。
(吉村委員長)
具体的にはどういった部分ですか。
(水源環境保全課副課長)
例えば、水源地域で木材生産をしている一方で、都市部で木材の利用を進めることができるという財源が入ってくれば、木材を生産することで対価が生まれ、木を植えれば山に還ってくるというように、資源を循環することにより、お金が循環するというような点はあるのかと思います。お金が循環すれば、次の森林整備に繋がるので、そうした点が相乗効果になるのかと思います。
(土屋委員)
付け加えますと、森林環境譲与税の方がメニューの範囲が広く、木材の利用や担い手の育成、それから木や森林の効果の広報に使えるので、今までの水源環境保全税ですと使途が限られていましたが両方使えると効果的です。また、今まで水源環境保全税を使えなかった都市の方でも、森林整備を含めて使えるようになりますので、うまく使えばすみ分けと相乗効果の両方があり得ると思います。
(吉村委員長)
それを踏まえてどう書くかというところだと思います。そのあたりのバックグラウンドをご存じの方は理解できるかと思いますが、初めて見た方は相乗効果で意味が伝わるかどうかというところです。
(鈴木委員)
両税を徴収される納税者からすると、何故たくさん徴収されるのかという考えがありますので、少なくとも重複がないことを精査したという点をどこかで説明しないといけないと思います。その上で、その二つの税があることにより効果が出るということを述べないと、両方を活用するという話にならないと思います。ただし、それが簡単に書けるのかどうかということです。
もう一つは、今、土屋委員がおっしゃったように、森林環境譲与税の方は森林を多く有する自治体と都市の自治体では使い道が全然違いますので、その点が簡単に説明できるのかという点、それから山の方は従来の水源環境保全税で行っているものと一見似ていることがたくさんありますので、そこを意見書にどう書くかということが、割と難しく感じます。これに関しては、まだまだ委員の皆様に知恵を出していただかなければいけないところだと思っています。
もう一方で、議論の三つ目の大綱期間終了後の記載をどうするかという点にもつながりますが、資料3-3の4ページに森林環境譲与税による事業はこれから始まるため、重複の検証も次期(第4期)の中で行う旨を記載することで、今、議論している重複に関するシビアさが軽減できる感じがします。
2ページと4ページの内容をリンクさせる書き方があるのかと思いました。今、第4期をどうするかということを言うには、どのように書いてもきれいごととなりますので、実際に始まってからチェックするという点を記載し、整合をとるのがよいかと思いました。
(土屋委員)
今の鈴木委員の意見に賛成です。全国的に見たら神奈川県は年間40数億円を財源に事業実施していますので、その中でどう使うのかということは、関係のある人は思っています。そういうところで注目を浴びているのは確かですので、仕組みとしてはすみ分けをして、重複しないようにしているということを言うと同時に、意見書としては注目に値するだけのチェックを行い、うまく機能しているところを評価していくということでよいのではないかと思います。制度ができたからには、やらなくてはいけないことが増えたわけで、チェックしなくてはいけないのは確かなのです。
(吉村委員長)
実際に県の方でもそのあたりのすみ分けや税金の目的、今後の計画の可能性については検討されていると思います。
(鈴木委員)
各県の独自の取組で市町村の補助事業が入っている場合は、その部分を落としている県が随分あります。間伐材の搬出補助や市町村の補助事業あたりは、重複について各県で見極めをして事業をシフトしたり、やめたりしているが、神奈川県はその部分を落とさずにやるわけなので、説明が必要と思います。
(土屋委員)
資料3-3の4ページに、チェックをしっかりやるということをより強く言ったほうがいいと思います。
(鈴木委員)
望ましいではなく、もっと強く言わないといけません。
(吉村委員長)
「点検すべきです。」という感じですかね。ここをはっきりと書いた上で、2ページの方を確認するということですね。あまり詳しくない方もある程度納得できるよう、森林環境譲与税と水源環境保全税の違いに関して一言記載しておくと、すんなりするかと思います。そのあたりは、土屋委員とも相談させていただきながら、補足する方向で進めていきたいと思います。
他にいかがでしょうか。
(羽澄委員)
資料3-2の整理No.6のシカ対策についてですが、これも森林環境譲与税関連のことになります。本日の委員会に出席する前に林野庁の検討会議に参加してきましたが、そこでは、森林環境譲与税により民有林の伐採が進むことでシカが増えてしまう、それに対して、森林の所有者や関係者に主体的にシカ対策を行っていただくためのマニュアル作成の議論を行っています。一つは、森林組合や林業事業体が自ら捕獲に乗り出すための技術的なマニュアルを作成するという議論、もう一つは発注者側の森林の施業の一貫としてシカ対策を行っていただくためのマニュアル作成の議論をしていました。
林野庁としてもシカ問題に関してはかなりナーバスになっています。現実の林業者達は伐採をしますが、シカがたくさんいるため苗木を植えても食べられてしまうので、もう植えないと言う人も現れている。それは林野庁の施策に反するのでシカ対策をやって欲しい。そのためにどうするかという議論を始めています。仮に苗木を植えずに放っておいたとしても、伐採したことで下草が生えシカの餌場となります。
国では10年でシカやイノシシの数を半減させる戦略を立て、毎年80億円から100億円のお金を投入し続けており、実際の捕獲数も1990年頃に4万頭であったものが、2017年の実績では60万頭に達しています。それでも現場ではシカが減りません。捕獲強化の開始時期が遅れたことや、狩猟者の高齢化と減少が一番の要因ですが、伐採後地や牧草地が放置されることもシカ増加の原因となります。
そうした懸念に対するデータがないかという話はありますが、とくに具体的なデータはありません。餌場を作ることでシカが増えるのは当たり前のことで、林野庁も真剣に取り組もうとしている現状があり、私としても何らかの対応をしなくてはいけないと考えています。先程の議論で森林環境譲与税と水源環境保全税をすみ分けるという議論がありましたが、基本的には水源施策の基本理念に則って、市町村が伐採後のシカ対策も責任を持って対応してくれればいいことです。そのあたりにきちんとした筋道が立っていないと、シカを捕獲している一方で、餌場を作ってしまうという構図が出来上がってしまいますので、もう少し文言を増やしたほうがいいかと思いました。書き振りにはもう少し工夫が必要と考えます。
要するに市町村が行う民有地の扱いについても、水源施策のコントロールが効く形にしたいと考えます。その点について、市町村向けのシカ対策に関する一文が加えられればと思います。
(鈴木委員)
神奈川県の政策と違っても、これは県民会議の意見書なので、我々がこう書きたいと思ったら、書くことはできます。是非、積極的にご意見を出していただきたいとは思いますが、シカ対策は基本的には都道府県ではなく、市町村事業の性格が大きいのではないでしょうか。
(羽澄委員)
基本的には、県が行う鳥獣法のシカ管理計画に則って動いています。被害防除に関しては、市町村に特措法の予算がついており、本来、その予算はフェンス等の防除に使われるべきものですが、実態としては、各市町村はシカの捕獲のためにお金を使っています。林野庁の動きも自分の山の被害を防ぐための捕獲や柵を作るマニュアルの議論になっています。丹沢のシカ問題をコントロールすることについては、水源施策の基本理念に基づき、全体で動いて欲しいと思います。
(鈴木委員)
丹沢は割と県有林がありますし、歴史もありますので、うまくやるように言うのはいけそうな気がしますが、水源環境保全税の方は箱根や小仏など県下全域についての話になりますので、そこまで同じ様にやるということは、丹沢と他の所では温度差があると思います。
(羽澄委員)
むしろ箱根や小仏方面の方が野放しの状態になっています。
(鈴木委員)
短い言葉で書いた時に、専門家が気にしているところの政策になるかどうかというあたりで、書き方も工夫が必要かと思いました。
(土屋委員)
少し修正させていただくと、森林環境譲与税の話と森林経営管理制度は別の話です。森林経営管理制度は、林業としてある程度採算が取れるところについては、意欲と能力のある林業経営者に預けますので、皆伐があり得ます。一方、森林環境譲与税や水源環境保全税では、間伐を行っており、皆伐は想定していません。森林環境譲与税では、間伐の補助や作業道にも使えますが、皆伐は違う仕組みです。全体としては、そちらにいくための事務なども市町村が行えば使えますので少し関係はしています。政府が成長戦略として行っていることで、影響を与えるのは確かなので、それに対して対策を取らなければならないというご意見は、その通りだと思います。
(鈴木委員)
公募委員が心配しているのは、神奈川県の税金で水源の森林づくりとしてずっとやってきたところが、皆伐が認められて、税を投入して育ててきた森林が、もう一つの税金で切られたらどうするのかという話があり、その歯止めをかけて欲しいという話が委員会でもずっと出ていました。県ではそうならないような話をされてきて、神奈川県では今までしっかりやられてきましたが、これから先どうなるかはわかりません。それも含めての今後の点検ということだろうと思いますが、問題は2ページのところになります。
(吉村委員長)
今、シカの部分のお話を聞かせていただいたところ、資料3-3の3ページの2段落で間違いはなさそうですが、ここの部分をどこまで強く具体的に書くかというところになるかと思います。
(鈴木委員)
「実施していく必要があります。」というのを「強化していく必要があります。」みたいに書きたいご意見の方もいるということですね。ただ、「実施」も「強化」という意味合いに入っているかとも思います。
(吉村委員長)
シカ増加の懸念という文言は入れてもいいと思いました。それを入れると説得力が増します。
(羽澄委員)
鈴木委員や土屋委員の話を伺った上で、伐採されてどうかというよりも、シカを増やしてしまうことが一番問題と考えます。今までシカを減らすために捕獲を実施し続けているのに、別の事業で餌場を作ってシカを増やしてしまうことになれば、今までの税金を無駄にしてしまうことになります。
(鈴木委員)
それは間伐であってもというご意見ですね。
(羽澄委員)
フェンスの設置やシカの捕獲をセットにしていかなければなりません。今、林野庁が議論しているのは、そこをポイントにしています。
(吉村委員長)
一貫性のある対策を全体として取る必要があるということですね。
(羽澄委員)
今、吉村委員長がおっしゃったように、シカを増やすというところを盛り込んだ文章でお願いします。
(吉村委員長)
委員会としては、新たなシカ増加の懸念を追加する方向とさせていただいて、その上で県民会議委員の意見を確認する形で進めさせていただければと思います。他にご意見がありましたらお願いします。
(鈴木委員)
最後の「第4期に大綱期間終了後必要な施策を検討し、確立すべき」ということについては、私はこの記載で異議はございません。
(吉村委員長)
これは、県民会議の意見として、県では大綱期間終了後必要な施策を検討し、確立すべきとなっています。よろしいでしょうか。
では、シカ対策の部分と税金の部分に関して多少編集が必要ですが、そのあたりを修正した形で県民会議に諮らせていただきます。
(吉村委員長)
続きまして、「議題4 令和2年度の委員会開催スケジュールについて」に移らせていただきます。こちらはスケジュール案について事務局から説明いただき、回数や内容についてご確認いただきたいと思います。それでは、資料4について事務局より説明をお願いします。
[資料4により事務局から説明]
(吉村委員長)
ご説明ありがとうございます。委員会開催スケジュールに関していかがでしょうか。
ご質問・ご意見等ございましたらお願いします。
(鈴木委員)
委員任期でいいますと、第6期の3年任期の2年目が4月から始まりますが、3年目のところで、平成30年度に実施したようなワークショップの開催は考えられるのでしょうか。つまり、令和2年5月までは中間評価報告書や意見書の作成を行いますので、その年の夏または秋にワークショップを開催するというのは負担が大きいかと思いますが、3年目の夏から秋にかけてはワークショップを開催して、県民の意見を広く聞いて第4期に向かうということも必要かと思います。このあたりについて事務局のお考えをどこかで教えていただきたいと思います。令和3年にワークショップを開催するとしたら、今年の8月から10月に、どの様なワークショップを行うのかなどについても、議題として入れていただく必要があるかと思います。本日、お答えを出す話ではありませんので、意見として述べさせていただきます。
(吉村委員長)
現時点で、ワークショップの開催の構想というのはありますか。これからですかね。第6期の3年目に実施するか、若しくは最終評価の手前で実施するかというところだと思います。
(鈴木委員)
1期の内に1回は実施しているとした場合、前回は平成30年度ですので、公募委員の方に色々とご活躍いただくためにも、出来れば第6期でも実施した方がいいと思いました。
(吉村委員長)
来年度、そのあたりをご確認いただくということでお願いします。
他にいかがでしょうか。よろしければ、令和2年度の施策調査専門委員会については、こちらのスケジュールで進めさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
それでは以上をもちまして、第50回施策調査専門委員会を終了いたします。
資料1-1 点検結果報告書作成の流れについて(PDF:168KB)
資料1-2 点検結果報告書(平成30年度実績版)(案)に関する意見照会結果(2回目)及び対応案について(PDF:220KB)
資料1-3 点検結果報告書(平成30年度実績版)(案)(PDF:7,653KB)
資料1-4 点検結果報告書(平成30年度実績版)総括(案)抜粋(PDF:438KB)
資料1-5 点検結果報告書(平成30年度概要版)(案)(PDF:2,271KB)
資料1-6 ホームページでの点検結果報告書の公開について(PDF:2,675KB)
資料2-1 中間評価報告書作成の流れについて(PDF:177KB)
資料2-2 第49回施策調査専門委員会での意見及び対応状況(PDF:196KB)
資料2-3① 中間評価報告書(案)[その1(P1-16)] (PDF:9,142KB)
資料2-3② 中間評価報告書(案)[その2(P17-58)](PDF:9,586KB)
資料2-3③ 中間評価報告書(案)[その3(P59-94)](PDF:8,629KB)
資料2-3④ 中間評価報告書(案)[その4(P95-132](PDF:6,385KB)
資料3-1 次期(第4期)実行5か年計画に関する意見書作成の流れについて(PDF:173KB)
資料3-2 次期(第4期)実行5か年計画に関する意見書(案)の意見照会結果及び対応案について(PDF:364KB)
資料3-3 次期(第4期)実行5か年計画に関する意見書(案)(PDF:361KB)
資料3-4 次期(第4期)実行5か年計画に関する意見書(案)修正内容対照表(PDF:379KB)
資料4 第3期以降の施策評価スケジュール等について(PDF:312KB)
このページの所管所属は環境農政局 緑政部水源環境保全課です。