更新日:2024年12月16日

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神奈川総合高等学校

神奈川県立神奈川総合高等学校の活動内容を紹介するページです。

舞台芸術科3年間の学びをかけた大舞台「舞台表現演習発表会」【神奈川県立神奈川総合高等学校】

1 はじめに

 舞台芸術科は、令和5年度で設立3年目を迎えました。県内公立高校唯一の舞台芸術に関わる専門学科として、1期生は試行錯誤しながらたくましく進んできました。
 その1期生が3年次になり、「舞台表現演習」の授業の発表公演を行いました。今回は、舞台芸術科での学びの集大成となる公演に挑戦する1期生の様子を紹介します。

2 「舞台表現演習」の科目について

 「舞台表現演習」は、講師に、演出家の望月純吉氏(文学座)を迎え、「公演づくり」に実践的に取り組む科目です。演技や舞踊、音楽の実技、スタッフワーク、理論や歴史など、様々な角度から舞台芸術に関する学びを積み重ねてきた3年次生が履修します。
 本科目の発表会は、舞台芸術科でこれまで経験したものとは目的やアプローチが異なります。1年次のフィールド発表会では、全員がのびのびと演技や舞踊の表現を楽しみ、その幅を広げることを重視します。2年次の応用舞踊発表会では、生徒自身が作品を制作し、表現の可能性やその難しさと向き合います。そして3年次の舞台表現演習発表会では、チームの中で自分の役割を認識し、プロの演出家の指導によってひとつの作品をつくりあげていきます。

3 「舞台表現演習発表会」について

 今回、「舞台表現演習発表会」で上演した作品は、ソーントン・ワイルダー『わが町』を原作として、設定を現代の神奈川県にした『おはよう、おやすみ。』(脚本 望月純吉)です。家族や友人との穏やかな日常生活から始まり、愛と結婚、そして死を描く約90分間の作品で、戯曲を深く理解しないと取り組むことができません。出演者としてはもちろん、舞台美術や照明・音響、衣装、小道具など、様々なスタッフとしても戯曲や演出プランの理解に努めていました。

 本番が近づいてくると、授業時間以外にも、朝や放課後、休日などに稽古やスタッフ作業が行われます。スケジュール管理や稽古場確保、広報活動など、作品内容以外の部分も、「公演づくり」の大切な学びです。

稽古の様子舞台美術製作の様子

 発表会は7月に行われ、公開ゲネプロと本番(2回)で、合計約1000名のお客様にご覧いただきました。観客からは惜しみない拍手が送られ、大成功のまま幕を下ろすことができました。また、上演終了後のアフタートークでは、「本番に向けた思い」の他、「舞台芸術科の3年間を振り返って」や「舞台芸術科を目指す中学生に向けたメッセージ」などを、1期生自身の言葉で伝えることができました。

本番の様子1アフタートークの様子本番の様子2

※ゲネプロ・・・ドイツ語「Generalprobe」の略称。本番同様に舞台上で行う最終リハーサル、通し稽古のこと。

4 さいごに

 新型コロナウイルスの影響で、1期生は1年次・2年次の時は、マスクを着けたままで発表会を実施せざるを得ませんでした。今回初めてマスクを外し、細やかな表情や声まで表現することができたのは、ひとつの大きな喜びです。
 後日行われたフィードバックでは、本番の成功に満足することなく、冷静に反省点を確認したり、次へ向けた課題を共有していました。前例のない中を試行錯誤しながら進むことで培った力を、この先の人生に活用できることを感じさせる、頼もしい姿でした。
 この発表にいたる生徒の思いが描かれた映像が、テレビで放送されるなど、本校の取組は全国でも注目を集めています。「舞台芸術は豊かな人間性を育む。」今後も本校の熱い挑戦は続きます。

 

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