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更新日:2025年4月4日

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神奈川県議会 令和7年第1回定例会で可決された意見書・決議

令和7年第1回定例会で可決された意見書・決議

地方消費者行政に対する恒久的な財源確保等を求める意見書

 令和5年度に本県の消費生活相談窓口で受け付けた消費生活相談総件数は63,859件と、依然として高止まりしており、特に高齢者が被害に遭いやすい点検商法に関する苦情相談件数は過去最多となっている。
 こうした消費者被害を防ぐためには、相談体制の確保や消費者教育や啓発など、地方消費者行政の充実・強化が図られなければならないが、国が措置し地方消費者行政の下支えとなってきた地方消費者行政推進交付金は、令和7年度末で県内すべての市町村で活用期間が終わるため、交付金を活用して実施してきた相談体制の維持や、啓発・消費者教育に係る事業の継続が困難となるなど、地方消費者行政の後退・縮小が懸念され、ひいては、県民生活の安定が脅かされることにつながるものである。
 また、被害の防止・救済の根幹である消費生活相談においては、相談員の高齢化等による担い手不足が深刻な問題となっている。相談員の担い手を確保し、安定的に業務を継続できるよう雇用形態や処遇等の改善が求められており、国の主導により速やかな制度設計と予算措置を行うことが必要である。
 さらに、消費生活相談のデジタル化に向け、国は全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)に代わる新たなシステムの整備を予定しているが、端末のリース費用や、セキュリティ対策の継続的な更新費用などは、地方自治体の負担とされており、これらの経常的費用も国の責任で措置すべきである。
 よって政府は、次の措置を行うよう強く要望する。
1 地方自治体の財政事情によることなく、地方消費者行政を安定的に推進するための恒久的な財源を措置すること。
2 消費生活相談員の安定的な確保と処遇改善に係る制度設計に必要な予算措置を講じること。
3 国が進める消費生活相談デジタル化に係る予算を国の責任で措置すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和7年3月25日

 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣        }殿
 内閣府特命担当大臣
 (消費者及び食品安全)
 消費者庁長官

神奈川県議会議長 

消費者被害の防止・救済に向けた特定商取引法の抜本的な法改正の検討を求める意見書

 令和6年版の消費者白書によると、令和5年に全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談は約91万件と高止まりが続いており、訪問販売や通信販売など、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)の対象取引分野に関する相談は全体の約5割に上る。
 中でも、65歳以上の高齢者からの相談が全体の約3割を占めており、訪問販売や電話勧誘販売では、年齢が上がるごとに相談の割合も上がっていることから、認知症等により、判断力の衰えた高齢者がターゲットにされていることがうかがわれる。
 また、20歳代の若者を中心にマルチ取引の相談が多くなっており、令和4年4月に行われた成年年齢引下げに伴い、今後、マルチ取引の被害の増加が懸念される。
 その他にも特定商取引法では、通信販売にクーリング・オフ規定がなく、限定的な解除の規定があるのみであり、法律上の解除が難しいことから、業者との特約のなかで解約しようとしても、解約に様々な条件が設けられていたり、解約可能期間に事業者と連絡が取れずに、解約が困難になるなどの問題も発生している。
 また、一部の悪質事業者による訪問販売やマルチ取引等の問題が顕在化している中、特定商取引法については、平成28年の改正の際、附則において5年後の見直しが定められたが、5年経過した現在に至るまで特段の見直しの検討は行われていない。
 高齢者や若者のほか、幅広い世代の消費者被害を防止・救済するためには、健全な事業者の営業活動を阻害しないことを前提として、特定商取引法の抜本的改正の検討が必要と考える。
 よって国会及び政府は、その検討の場を設置されるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和7年3月25日

 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣      }殿
 総務大臣
 内閣府特命担当大臣
 (消費者及び食品安全)

神奈川県議会議長

水道施設の耐震化に関する支援の拡充を求める意見書

 「令和6年能登半島地震」では、住民の生活を支える水道施設に甚大な被害が発生し、現地では、配管の破損だけでなく、浄水場などの急所となる施設も大きな被害を受け、復旧が長期化した。
 首都直下地震の今後30年間における発生確率が70%程度と言われている中で、重要なライフラインである水道施設の耐震化を一刻も早く進める必要がある。
 本県における水道施設の耐震化の状況は、地域ごとに大きな差があり、給水人口規模が大きい都市部に比べ、給水人口規模の小さい事業者が多い地域では、耐震化が進んでおらず、整備が大幅に遅れている。
 水道事業者は、給水人口の減少に伴い料金収入が減少する厳しい状況の中でも、水道施設の耐震化等に取り組む必要があり、そのためには国庫補助による財政支援が必要不可欠である。
 しかしながら、水道施設の耐震化の交付金制度である防災・安全交付金を活用するためには、水道料金の対象となる水量1立方メートル当たりの施設整備費である資本単価が国の定める水準以上であることなどの要件があり、県内の多くの水道事業者は、これらの要件を満たさず、国庫補助の利用が困難な状況にある。
 また、県内の財政基盤の弱い水道事業者が、この交付金を利用する場合、補助率が1/4又は1/3と低いため、多くの自己財源分を確保する必要があることが課題となっている。
 本県のみならず我が国の喫緊の課題である水道施設の耐震化を進めるためには、財政基盤の弱い水道事業者も含めた多くの水道事業者が利用しやすい国庫補助制度に見直す必要がある。
 よって政府は、水道施設の耐震化を進めるための防災・安全交付金について、資本単価等の採択要件を大幅に緩和し、また全体の耐震化を加速させるため、補助率についても引き上げられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和7年3月25日

 内閣総理大臣
 総務大臣   }殿
 財務大臣
 国土交通大臣

神奈川県議会議長

労働力不足の解消に向けた支援の拡充を求める意見書

 少子高齢化による生産年齢人口の減少によって、我が国の労働力不足はますます深刻化している。
 民間調査機関の調べによると、令和6年に従業員の退職や採用難、人件費高騰などを原因とする人手不足倒産は、年間として、調査を開始した平成25年以降の過去最多であり、2年連続で大幅に更新している。
 多くの中小企業は、コストの上昇等に見合う価格転嫁が十分にできておらず、収益が圧迫されており、大企業と中小企業との賃金や待遇の格差がより一層拡大する傾向にある。
 その結果として、優秀な人材が大企業に集中し、中小企業が求める人材の確保が一層困難な状況となっており、事業の継続自体が危ぶまれる深刻な事態となっている。
 この状況を打開するためには、中小企業における従業員の再教育はもとより、雇用条件の見直しや待遇の改善等による新規就労の促進、設備投資やデジタルの活用による省力化や生産性の向上というソフトとハードの両面から、より一層の充実した支援が求められる。 
 よって国会及び政府は、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 中小企業の労働力不足解消のため、生産性向上やDX推進等に資するリカレント教育やリスキリングの支援を充実させること。
2 経営資源に乏しい中小企業が安定的に人材を確保できるよう、潜在的な労働力として期待される高齢者・女性・障がい者・外国人などの多様な人材の確保に向けた支援策を充実させること。
3 中小企業の労働生産性の向上や収益力強化につながる省力化投資補助金やものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金による設備導入などの支援策を充実させること。
4 労働力不足の現状及び中長期的に必要とされる労働力の総合的な分析を産業別・都道府県別に明らかにし、国として対応策を示すこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和7年3月25日

 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣   }殿
 財務大臣
 厚生労働大臣
 経済産業大臣

神奈川県議会議長

低入札価格調査基準における調査基準価格の引上げを求める意見書

 地域建設業の現況は、マンション需要の増加や民間設備投資の拡大、国土強靱化実施中期計画策定の法定化などから、民間、公共ともに仕事量は堅調に推移しているが、終息が見えないウクライナ情勢や中東などの国際紛争、円安、原油高、物価高騰などの影響もあり、建設工事に係る材料費、人件費が高騰し、地域建設業の収益環境は厳しさを増している。
 今般、改正された建設業法では、労働者の処遇改善や資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止などの措置が盛り込まれたところだが、労働者の処遇改善は、慢性的な人手不足が続く建設業において、若手人材の確保を進めるために、取り組んでいかなければならない課題であり、将来にわたって建設業が地域の守り手としての役割を果たしていけるようにするためにも、安定的・恒久的に実現していく必要がある。
 労働者の賃上げ、処遇改善を継続して実施するためには、その費用を賄える安定的な収入が建設業者には不可欠であるが、近年、各地方自治体における入札の落札額については、積算技術の向上と情報公開の進展の影響もあり、設計金額が精緻に算出できるとともに、応札意欲の高まりから、最低制限価格付近に集中しているのが現状である。
 一方、地方自治体が最低制限価格を決める際には、「工事請負契約に係る低入札価格調査基準中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデル」(以下「中央公契連モデル」という。)を基準としているが、低入札価格調査の基準価格(以下「調査基準価格」という。)の計算式については、令和4年に一般管理費等の算入率を10分の6.8に引き上げる見直しがされて以降、見直しがされていない。
 よって国会及び政府は、地域の中小建設業者の賃上げ、処遇改善を継続して実施するため、中央公契連モデルにおける調査基準価格の計算式について、一般管理費等の算入率の更なる引上げを含めて、早急に検討し、対応されるよう強く求める。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和7年3月25日

 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣 }殿
 総務大臣
 国土交通大臣

神奈川県議会議長

全国育樹祭の神奈川県開催を求める決議

 全国育樹祭は、全国植樹祭と並ぶ国民的な緑の祭典であり、活力ある森林づくりの気運を醸成し、健全な森林の育成・保全に大いに寄与してきた。
 本県においては、平成22年、天皇皇后両陛下をお迎えして南足柄市、秦野市で全国植樹祭を開催してから15年となることから、植樹した木がお手入れの適期を迎えている。
 本県のような、都市部の住民の多い地域で育樹祭を開催することは、森林に対する関心を高め、森林の持つ水源かん養や生物多様性の保全など多くの公益的機能について、県民の理解を深めるという意味でも大変有意義である。
 また本県では、花や緑、自然との共生を掲げる2027年国際園芸博覧会が令和9年3月から開催される予定であり、森林づくりにおいても、今後さらに気運が高まるものと確信する。
 よって神奈川県議会は、全国育樹祭が令和10年に本県において開催されることを強く求める。
 以上のとおり決議する。

 令和7年3月25日

神奈川県議会

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