更新日:2024年1月24日
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「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。
漬け方のアドバイス |
塩水を早く上げるには重石と差し水が必要です。差し水の量は野菜の種類によって異なりますが、キュウリの場合は原料の20%が適量です。差し水は10%の塩水を用います。キュウリ10kgに対し、1.1kgの塩を使って漬け込むと、塩分が10%になります。この10%の塩濃度を保つために差し水は10%の塩濃度にするのです。
差し水だからといって塩水を使わずに塩を入れない水をいれると塩濃度が低くなってしまいます。差し水に塩を入れない水を2リットル用いると、塩濃度は8.4%となります。これだけの塩濃度があれば、直ぐに塩漬けキュウリの品質が低下することはありません。しかし、容器の中の塩分を高く、均一に保つ方が、後の漬け替え処理を含め、作業、管理が楽で、無用な気を使わなくてすみます。
漬け替えに使う重石も小砂利を入れたポリエチレン袋を使うのが便利です。ポリエチレン袋は時間の経過と共に劣化しますが、直射日光が当たらない限り、かなりの長期間の保存には使えます。重石をバランスよく配置してください。
大量に数本の容器に漬け込んだ場合は容器2本分を合わせて、容器1本に漬けることができます。 漬け替えのときの塩の量は漬け込みのときに使った塩と同じ量を使います。1週間から10日の下漬けで、キュウリの塩分は10%となっています。このキュウリに始めに使用した時と同じ量の塩を使って漬け替えをします。
はじめに10kgのキュウリを使ったとすると下漬けのキュウリは6.5kgくらいになっています。これに1.1kgの塩を使って漬け替えると、均一になったときには塩分濃度が23%くらいになります。水に塩を溶かすと、最高で25%くらいまで溶けますが、これ以上、通常の状態で溶かすのは困難で、塩は結晶のままとなってしまいます。25%近い濃度になると微生物の生育には厳しい環境となるので、キュウリの保存が可能になるのです。
漬け替えをしなくとも温度が低い間は微生物の繁殖も少なく、保存できますが、温度が高くなると微生物は活発になります。しかし、あまりに長くなると、表面に酵母やカビの発生が認められるようになります。
さらに微生物の繁殖が進むと漬け液がにごり、香りもドブくさい臭い変わってきます。
そして、最終的にはキュウリが軟化し、指で押すと果肉がグズッと崩れてしまうようになります。こうなったら利用できませんので、速やかに廃棄してください。適切な時期に適切な漬け替えを行い、キュウリと努力を無駄遣いしないようにしましょう。
下漬けのときは容器にしっかりとしたフタをする必要はありません。ポリエチレンシートで覆えば外に置いて雨水がかかっても何とか防ぐことができます。
漬け替えを終えたら、こんどは長時間そのままに置きます。必ず漬物容器にしっかりとしたフタをかぶせ、その上からポリエチレンシートで覆い、汚物や虫、雨水などが入らないようにしてください。
生産環境部(品質機能研究課)
電話 0463-58-0333 内線344から345
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