農産物の上手な利用法(切り干しダイコン/作り方のアドバイス)
「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。
★ダイコンの切り方
ダイコンの種類は問いません。どんなダイコンも利用できます。農家では市場へ出荷できない割れたダイコン、傷の有るダイコン、形の悪いダイコンなどを切り干しダイコンの原料としています。ただし、曲がったダイコン、形の悪いダイコン、大きなダイコンはちょっと整形してから切り干し突きにかけて、うどんの様にして下さい。
でも、切り干し突きはふつうの家庭ではないのがあたりまえです。無いときは包丁で切りましょう。ダイコンがうどんの様に細長く切れないなら、ダイコンを縦に6~8つに割り、それから5mmくらいの厚さの小口に切ればイチョウ型、くさび形に切れます。これをザルにのせて、乾かして下さい。ダイコンが重なったところはくっついて離れなくなりますので、早めに手入れをして、バラバラに干し上げて下さい。
切ったダイコンはすみやかに表面を乾かしたいので、寒中の天気の良い日を選んで、切って下さい。温度の高い時期は微生物の繁殖により、変質することがあります。また、切り面の乾燥が悪いと微生物の繁殖により、変質することがありますし、白くきれいに干し上がりません。
収穫したばかりのみずみずしいダイコンはパリパリしていて、突き易いのですが、切り干し突きが良く切れるなら少し萎びたダイコンでも上手に切れます。原料はムダ無く利用しましょう。
300gのダイコンを切り干しにすると16~18gになります。またそれを水に浸けて戻すと120gくらいになります。
左:生ダイコン、右上:水戻し
右手前:切り干し
|
★ダイコンの干し加減
突き切ったダイコンはすぐに干して、表面を乾かして下さい。ダイコンの切り面が重なったまま干し上げてしまうと、重なったところがくっついてしまいます。ダイコンを干し始めたら最初のうちはこまめに手入れをして、ダイコンがくっつかないようにして下さい。
突き切ったダイコンの太さにもよりますが、天気が良ければ4日~1週間で干し上がります。干し上がりの加減はグイと握って、パリパリとしてながらも、細かく砕けない程度になればOKです。握ったときに水っぽいところがあれば、干しがあまいので、もっと干して下さい。
天気が悪く、なかなか干し上がらないとダイコンが褐色になってしまいます。白く上げるためにも天気の良い時期に短日時に干すことが肝要です。
干し上がりの歩留まりは7%程度で、突き切りダイコン1kgが70gくらいになります。
★蒸し切り干しダイコン
神奈川の農家では乾燥途中で蒸して干し上げる蒸し切り干しが作られています。蒸し切り干しダイコンは飴色になりますが、甘味が増すと言われています。
突き切ったダイコンを1~2日干し、7~8分どおり乾いたダイコンを蒸気の上がったセイロ(蒸籠)に入れ、10分くらい蒸します。
蒸したダイコンは表面がべとつきますので、干し始めたら最初のうちはこまめに手入れをして、ダイコンがくっつかないようにして下さい。 また、地方によっては突き切ったダイコンを凍らしてから干す、凍みダイコンもあります。
また、会津地方には「へそ干しダイコン」とういうものがあります。ダイコンを3cm厚の輪切りにしたものを茹で、ダイコンの真ん中に穴を開け、ワラ(藁)を通して結び、天日で干したものです。へそ干しダイコンにも凍みらせてつくるものもあります。
★切り干しダイコンの保存
干し上がった切り干しダイコンは吸湿しないように保存して下さい。切り干しダイコンをポリエチレン袋に入れ、袋の口をキュッと閉じるのが手軽です。
保存する場所は冷暗所がよく、温度の高いところで長く保存する切り干しダイコンが褐色に変わってきます。褐色に変わった切り干しダイコンも食べることができますが、褐色は簡単には抜けないので利用、調理法に制限が出てきます。
★切り干しダイコンの利用
三浦地域では和え物、煮付け、炊き込みご飯などに用いています。
イチョウ切りの切干しダイコンを水でふやかした後、酢・醤油・味醂で漬け込むと簡単に調味でき、楽しむことができます。
このページのトップへ
切り干しダイコンの材料へ
切り干しダイコンの作り方へ
農産物の上手な利用法へ戻る